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こんにちは。人事部の杉本です。
今回は8月からAI 戦略室にジョインした画像解析のスペシャリスト、稲本 浩久にインタビューを行いました!
杉本:まず、簡単に稲本さんの経歴を教えていただけますか?
稲本:私は株式会社リコーで、画像処理技術者として、画像をきれいにする技術や画像を認識する技術の研究開発をやっておりました。例えば、スキャナ画像の分類技術や、マーケティング向けの携帯写真の画像認識技術の開発などを担当していました。あと、360度カメラのRICOH THETAってご存知ですか? RICOH THETAを使った不動産向けのクラウドサービスの立ち上げに企画者として携わっていました。
杉本:以前から不動産向けのサービスは作られていたんですね。その中で、GA technologiesに入社すると決めたポイントは?
稲本:前職で不動産向けのサービスをやって思ったのですが、この業界は、まだまだ解決すべき問題がごろごろ転がっているなと強く感じました。ちなみに、問題が転がっているというのは、技術者にとっては宝の山に見えます。仕事がいっぱいあるということですから。それで不動産業界そのものに興味を持ち始めました。その中でもGA technologiesは不動産事業を営みながら、テクノロジーに大きな投資をして新たなサービスを生み出そうとしている点がユニークで面白いと思い、入社を決めました。
杉本:ネットとリアルの両方をやっているというのが魅力に感じたということですね。その中で今稲本さんが実際に行っている業務ってどんなことになりますか?
稲本:現在、弊社には仲介業者さんからマイソクが毎日たくさん送られてきます。我々はそのマイソクの情報を自動で読み取れる仕組みを構築しています。主に今は、そのシステムの開発や制度向上を担当しております。不動産業界ではIT化が進んでいると言われている会社でも、未だにマイソクを目で確認し、情報をデータベースに手で入力しているところが大多数です。それでは時間はかかりますし、入力ミスをする可能性、要するにヒューマンエラーが発生してしまいます。当社では、これを自動で入力されるようなシステムの開発を行っており、現在はさらなる精度の向上をはかっております。また、短期的にビジネス貢献できる技術開発に加え、中長期的な視点を持った開発も行っていきたいと思っております。その一環として、リノベーション事業の新サービスにつながるような研究を、横浜国立大学と産学協同研究として進めていたりもします。
杉本:ちなみにどういったサービスを?
稲本:そこは企業秘密です。笑
杉本:話してくれないんですか。笑
AIが創り出す豊かな人生!
杉本:では少し質問を変えて、稲本さんの中でAIとはどうあるべきだと考えていますか?
稲本:AIは日常の面倒くさい作業を肩代わりしてくれて、人がクリエイティブな作業に注力できるようにサポートしてくれる存在ですね。定型の単純作業等はすべてAIがやってくれて、人々は楽しい仕事だけをやっていく。そういった世界を実現するものですね。
杉本:理想的な世の中ですね。その中で今の不動産業界においてクリエイティブな作業ってどんな部分だと思いますか?
稲本:不動産って、お客様の疑問に答えたり、最後に大きな買い物への不安を解消したりと、最後は人と人とのやりとりになるわけですよね。二人として同じお客様はいらっしゃらないので、そのお客様にとってわかりやすい説明、そのお客様だから感じる不安を和らげるコミュニケーションなどが必要になるわけで、こういったものを私はクリエイティブだと感じます。
杉本:稲本さんは元々不動産とはまったく違う業界にいたと思うんですが、そのような方の視点からすると我々不動産業界ってどのように見えるのですか?
稲本:入社した動機の繰り返しになってしまうのですが、不動産業界は技術者にとって非常にやりがいのある楽しい業界だなと本当に思います。その中で不動産業者自身がテクノロジーで新しいサービスを生み出そうとしているGA technologiesは面白い存在だと思います。その話をもう少しかみ砕きますね。
不動産テックのサービスだけを提供する会社だと、お客様の声を聞くまでに時間もコストもかかってしまいます。その結果、現場の声を十分に聴けず開発の方向性を間違えたり、現場の声を経営陣にうまく伝えられなくて、開発が円滑に進まなかったりといった場面が発生します。
一方でGA technologiesでは同じフロアに現場があって、現場の声を聴くのには時間もコストもかかりません。担当者は気軽に何でも言ってくれますし、現場の担当者とお客様との関係も良いので、お客様からのフィードバックも得やすいです。このように、不動産テックのサービスを作っていくにあたり、GA technologiesはすごく良い環境だなと感じます。課題の発見・解決・改善といった開発サイクルを素早く回して、不動産業者やそのお客様の不便を解消する、魅力的なサービスを世に出せるのではないかと思っています。
杉本:テクノロジーを使った今後の不動産業界というものを教えてもらいたいです。
稲本:まずテクノロジーを不動産に活用する方法としては、3種類の方法があると考えているので、それぞれについて実例を挙げて説明しますね。
一つ目の活用方法は「予測」です。例えば、適正な家賃を予測することができて、家を探している人、家を貸したい人にとって適正な価格がわかる環境が作れれば、双方安心して取引ができるので流通が促進されますよね。
二つ目の活用方法は「マッチング」です。例えば、家を探す際には自分の知っている範囲で住みたい町や駅を選んでしまうと思いますが、その際に自分が知らないけれど、自分の好みにあう他の町や駅でより条件の良い物件を教えてもらえれば嬉しいですよね。
三つ目の活用方法は「行動/業務支援」です。例としてはVRを使った部屋の見学があります。現在は部屋を探すために不動産屋に行くと、何件も回らされて疲れますよね。そこで、実際に何件も回るのではなくてVR見学で絞り込むことができればどうでしょう? 自分自身も応対してくれる不動産屋にとっても、時間と労力の節約ができてありがたいと思います。
以上に挙げた例はどれも他社ですでに始まっていたりするものですが、今後それぞれの精度や性能が上がっていくでしょう。さらにまだ着手されていない、予測、マッチング、行動/業務支援のサービスが不動産業界に生まれてくるとも考えられます。それらを実現するためにより多くのデータを収集することが、この不動産×テクノロジーの業界での成功のカギになると考えています。
杉本:最後に稲本さんが成し遂げたい夢や、野望を聞かせてください。
稲本:まずは早急にテクノロジーで会社の業績に貢献したいですね。さらにテクノロジーがあるからビジネスが強くなる。ビジネスが強くなるからヒトモノカネがかけられ、データもたまって、テクノロジーが強くなる。テクノロジーが強くなるから他社がGA technologiesの真似ができなくなる。そういうサイクルを実現したいというのが私の野望ですね。
AI 戦略室 ゼネラルマネージャー 稲本 浩久
大阪府出身。2017年8月に株式会社リコーからジョイン。現在は社内業務の改善や、新サービスの開発業務を行っている。