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2023年度社員表彰において、リジョブの2023年テーマを最も体現した人物として個人賞「ニーズファースト賞」を受賞した、新卒入社5年目の豊田 康輔(とよだ こうすけ)さん。WebマーケティングDiv. チームリーダーとして、マーケティングリサーチにおける0からの基盤作成を推進し、ユーザーインタビューのスタンダード化や求職者インサイトの発見⇒サービス化に大きく貢献されました。
ニーズファーストとは?:ユーザー・顧客のニーズに徹底して向き合い、ニーズを叶えるプロダクトやサービス開発に役立てる思考のこと。対象者自身が意識していないニーズ(インサイト)もあり、 ニーズファーストの実現には様々なデータから因果関係を考え、対象者の奥底のニーズを顕在化することが求められる。
上司の事業責任者Oさんから「クールそうでいて他者への想いを人一倍持つ、超のつく努力家」と言われる豊田さんは、入社1年目に話していた「思考力・分析力を磨き、誰かのために最大限の貢献をしたい」を有言実行しています。
豊田 康輔(とよだ こうすけ):2019年新卒入社。WebマーケティングDiv.のチームリーダーとして、求人メディア「リジョブ」のプロダクト開発をけん引する。特にマーケティングリサーチにおける0からの基盤作成を推進し、2023年度社員表彰「Needs First賞」受賞。座右の銘は、難しい物事を十分に理解しつつ、 シンプルに考えることが本質に辿り着く道だと説く「オッカムの剃刀」。
理数系の大学から「心の交流」を求めて経済学部へ再入学~卒業を経て、「自社サービスのマーケターとして、当事者意識を持って人の役に立つ仕事に携わりたい」と2019年に新卒入社した豊田さん。そんな豊田さんに、5年ぶりにインタビューしてみました。
#豊田さんの考える「マーケターだからできる他者貢献」とは何でしょう?
冒頭から、難しい問いかけですね(笑)。比較対象がある方が分かりやすいので「営業とマーケターの違いは何だろう?」と考えると、営業は目の前の相手と関係性を築き、求めるゴールに対して最適な解決策を提案する「いかに深く届けるか?」が必要な職種だと思います。これが、マーケターだと「いかに広く届けるか?」という観点も大事になってくると思うんです。
僕は、マーケターの特殊性は「構造を理解し、サービス開発に活用すること」だと思っていて、市場の構造や自社と他社の関係性、サービス利用者の心の構造など、さまざまな構造を理解することで「より多くの人への貢献」が可能になると考えています。例えばサービスユーザーを想定すると「地方在住の求職者様」「子育て後に復帰したいと考えている求職者様」などの属性の心の構造に乗っかって、多くの方は行動するものだろうな、と。
目の前の相手に深く届ける営業職と、まだ目の前にいないけれど本来サービスを必要としている方に届けるマーケター職、その掛け合わせで事業が強くなっていくことを実感しています。
👉リジョブのWebマーケについて、18卒GM:Wさんが語るインタビューブログはこちら
#「マーケティングリサーチにおける0からの基盤作成」という高いハードルを、どう乗り越えましたか?
「ユーザーの声を活かしたプロダクトを開発する」ことは、僕自身入社当初から携わりたかったミッションでもあり、正直そこに高いハードルは感じなかったんです。難しかったのは、前例が無いので「本当にこれでいいのか?」の連続だった中で、答えが無くても自ら旗を振り試行錯誤をやり続けたことでしょうか。
具体的には、適切な質問内容やインタビュー時間を考えたり、インタビュー対象者の集め方や属性を少しずつ変えていき検証したりと、様々なことをチームでトライアンドエラーしながら積み重ねてきました。現在は、求職者様一人当たりに60分のインタビューを行い、その中で本当に聞きたい質問を2つ3つ深掘りする形を取っています。実際には核心に迫る周辺情報のヒアリングを含めて、10~15の質問を用意していますね。
1年推進してきて、ある程度のニーズ・インサイトは取れている自覚があり、プロダクトの進化につなげられたインサイトもあります。とはいえリサーチのゴールは「本質的でプロダクト開発に役立つ良い情報を、質量ともにどれだけ取れるか?」なので、今もまだまだ進化中です。
#ユーザーインサイトから「プロダクトを具体化する」ためには、何が重要ですか?
「What」を掴んだ先の「How」にあたる、マーケターとしての専門性や手段をどれだけ広げ深められるかが重要で、正直、ここは「自らの努力量と比例する」と思っています。僕自身は、マーケターの学習には、
【1】理論を持つこと
【2】理論を具体化する技術を上げること
の2つが肝になると考えています。
【1】について、僕はマーケターは「世の中の多様な構造を理解してサービスを開発するために、自分の中に理論を構築すること」が大事だと思っており、そのための基礎力としては「理論を構築できるための学習」が必要だと考えます。数学や哲学など入り口は様々ですが、まず「世の中に広く認知されている理論には、論理的・体系的にどういった道筋があるのか?」を構造として理解できるようになることが、自らの理論構築力アップにつながった実感があります。一例として、入社直後は週に3~4冊は、統計学や機械学習といったデータ分析から哲学まで様々な本を読むなど、積極的に情報を取りに行っていました。
【2】については、理論構築と同時並行で「やりたいことを具体化する技術習得」を積み重ねないと、ユーザーニーズから感じる小さな違和感に対する打ち手が乏しくなるという懸念があります。AI活用、トレンド予測、データ分析、リサーチ、SEO、ABテスト、UXの向上、サービスの個別最適化等々、技術習得には限りがありません。「なぜ?」「どうしたら良くなる?」という小さな違和感をそのままにせずに、具体的にサービス化するための手段を蓄積していくイメージですね。リジョブのマーケチームは「ユーザーが気付いていないことに気付き、理解でき、サービスを創れるマーケターになりたい」からと、主体的に学ぶメンバーが多いと思います。
すこし話が飛びますが、「小さな違和感をそのままにしない」こだわりは、マーケのチーム創りにも活かされています。今年2月に「より良いプロダクト開発につながる相互理解」をテーマに全16名でマーケ合宿を行い、誰かが納得のいっていないことを、全員が納得できるまでとことん話し合いました。合宿の一番の感想は「頭の中で想定した心配は杞憂だった」です。合宿後は、これまで考え過ぎて話せない人やそこに突っ込めなかったメンバーが発言しやすくなるなど、明らかにチームの空気とアクションが変わりました。マーケターは頭の中で予測を想定しがちですが、時に「発言する」「行動する」ことで前に進むのだと、全員が実感できました。
#「ニーズファースト(2023年)」から「ニーズアップ(2024年)」への進化の鍵は何でしょう?
僕は「ニーズファースト」は、「ユーザーニーズを捉えてサービスを創りましょう」という、方向性やプロセスを示していると思うんです。2023年度はこの土台を創るためにマーケチームが全社の先陣をきって旗を振ってきました。そしてニーズファーストの先にある「ニーズアップ」は、実際のサービスへの落とし込みの段階となり、より「サービスの個別最適化」が求められると考えています。
ニーズアップのゴールを頂上とすると、現在地は…「3合目くらい」ですね。例えば求職者様向けのメルマガの内容を「同じ内容で一斉配信」ではなく、ユーザーの属性に応じてパーソナライズしていく、おすすめ表示されるレコメンドの精度を今よりも上げていくなど、プロダクトに対して出来る事はまだまだ沢山あると思います。
そして、2023年度を振り返った時に、「プロジェクトの旗振り」に対する捉え方が変わりました。マーケターはロジカルに考え、頭の中で出来る出来ないのラインを決めがちな所がありますが、前例のない事は特に「ラインを線引きするよりも、やってみることの方が価値がある」ケースがあるのだと体感しました。
この1年「求職者様・企業様に役立つサービスを開発する」ことに愚直に向き合うことでニーズファースト賞をいただきましたが、まだまだ成長したいと思わせてくれる先輩方が周囲に沢山いらっしゃいます。いちメンバーから自分の目線を上げて、「ビジョンと勢いで皆を巻き込む」事業責任者のOさんや、「目標達成までの最短距離(効率性)」と「メンバーの活躍」を考えて意思決定するGMのWさんのように、自分も「志をもって全体性を考え、人を大事にしながら生産性も上げられる」リーダーを目指したいと思っています。
#ちなみにニーズファースト実現のための「ニーズ発見力」は、どうしたら鍛えられますか?
逆質問ですが、みなさんは人が何かに共感してある行動を取るとき、「心と頭はどちらが先」だと思いますか? 僕は「頭をどう使うのか」は心が決めると考えていて、「誰かの心に、深い共感を持てること」がニーズファースト実現への第一歩だと思います。マーケターとしての、理論構築力や技術力に共感力が加わることで、プロダクトに血が通いますよね。
共感力は「人と関わり心が動く量を増やす」ことで深まる肌感覚があります。ユーザーインタビューでも、表層的な「自宅から近いサロンで働きたい」の深層には「家族の介護に十分な時間を割きたい」など、その人が何を大事にどう生きたいのか、といった志向や感情が隠れていることがあります。
また、「他者に自分を置き換え、論理的に理解しようとすること」もニーズ発見力強化につながると思います。例えば「転職時に本当は時短制度について聞きたい」という求職者様でも、遠慮しがちな方と、ストレートに伝えられる方では根本の性格もアプトプットも異なりますよね。「僕自身がその人の性格や環境に置かれていたら、どう判断するんだろう?」と考えて、表層的なアウトプットからロジカルに納得できるような筋道を整理し仮説立てすることで、奥底のインサイトに辿り着くこともあります。
⇑ 大阪支社長(左端)・新卒採用リーダー(右端)を務める2019入社同期と。切磋琢磨してきた大事な仲間です。
⇑ こちらは同じく同期と、入社当時(5年前)に社内で撮った写真です!
#「多くの人に貢献できるマーケター」に必要な要素と、豊田さんが今後目指したいチームとは?
マーケターに必要なのは、ひと言でいうと「突き詰めて実現するしぶとさ」だと思います。サービス利用者様の心の構造を考え抜いて、複雑な世の中の構造を理解できるまで考え抜いて、サービス化に最適な仕組みを考え抜いて、実装テストの結果から軌道修正を考え抜いて…。日々、考え抜いてトライアンドエラーすることの連続です。スタンス面では、諦めずに理解できるまで向き合えるかどうかという気概と学び続ける実行力が大事なのではないでしょうか。おそらくマーケ職でなくとも「難しいことから逃げずに、理解できるまで向き合う」ことは、自己成長と誰かの未来につながると信じています。
今後は社内に蓄積されてきた膨大なデータを活用し、データ分析から「サービスを創るための活用」へとステップアップしたいです。気概をもって、2024年はニーズファーストの先にあり、ニーズを具体化する「ニーズアップ」へとチーム一丸となって進化していきたいですね。
インタビュー後、「どういった仲間と働きたいですか?」という問いに対して、「自分自身の努力や強みを他の人のために使える人です」と即答してくれた豊田さん。背景には、「自分が今生きていられるのは、今まで生きてきた人が作り上げた社会という『縦のつながり』と、同時代に生きている人たちの支え合いという『横のつながり』があるからこそである」という、真っすぐな信念があります。
ニーズファースト賞受賞の際は、チームの後輩から「豊田さんほどインプットしたことや学びを目の前の事業推進や組織貢献・価値創出に使っている方に、初めて出会いました!」という声が真っ先にあがった豊田さん。リジョブには、豊田さんのように自分の力を「誰かの為に」使いたいと考え実行するメンバーが多数在籍しています。「同時代の人たちや次の時代の人たちのために、自分の努力や強みを使いたい」と思える方、ぜひ話を聞きにいらしてください!