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19新卒インタビュー①:独居高齢者と1リットル5,000円の水?…限界集落で1年間過ごし“高齢者の孤独を本気で解決したい”と上京した、上妻 潤己 さん

全国各地から集まったメンバーが活躍中のリジョブ。九州出身メンバーも多く、福岡で毎月1回、代表:鈴木による「社会課題を解決する事業立案ワークショップ」を学生向けに開催しています。

…本日紹介するのは、上記ワークショップをきっかけにリジョブへ入社した、19新卒:上妻 潤己(コウヅマ ジュンキ)さん。最近「蟻語(アリ語)の研究」などで話題の『九州大学 決断科学大学院』出身です。

上妻さんは大学院生時代、1年休学して限界集落の独居老人と共同生活を送りつつ、対馬市役所で1年間インターンとして地域復興に関わる…といった道のりを経て、就職活動を行い26歳でリジョブに入社。介護事業部に所属し、当事者意識を持って日々「介護業界の働き方改革」に挑んでいます。

「地元で地域再生に携わる道もあったが、より大きな視点でこの社会課題にアプローチをしたいと思い、リジョブへの就職を選んだ」という彼に、これまでとこれからの想いをインタビューしてみました。

ー「決断科学」とはユニークですね。なぜ、大学院に進んだのですか?

実は、大学中頃まで、あまり「自分の意思で決断する」ことなく、人生を歩んできました。両親が教師&公務員という『きちんとした真面目な家庭』で育ったため、小さな頃から沢山の習い事に通い、勉強にも熱心ないわゆる優等生タイプの子どもでした。進学校に通い、九州大学法学部へ入学…と、周囲の意向に割と素直に従ってきて、「自分の意思で決める」ことなく人生を送っていたんです。

ところが、大学のゼミの先生が面白い方で「そういう見方もあったのか! 」というような、様々な物の捉え方を見せてくれました。世界が広がり、多様な軸を広く柔軟に持てるようになり、10年遅れで大学の途中に反抗期に突入(笑)。反抗期は1年程で無事収束し、それからは自分の判断軸で物事を決断するようになりました。そこで、自分自身の物の見方を大きく変えてくれた「決断科学」という折角のステージが九大にあるからには、是非飛び込んでみよう、そう思い大学院進学を決めたのです。

ー確かに、人生は「決断」の連続ですね。どんな大学院だったのですか?

「チームワーク&フィールドワーク」を重視するユニークな大学院です。「文系と理系」といった垣根を超えて『環境・ 災害・ 健康・ 統治(ガバナンス)・ 人間』 という5つの社会課題に向き合い、「持続可能な社会を導く新世代リーダーは、いかにして重要な意思決定をしていくか? 」というテーマに挑んでいました。

大学院というと研究論文を書いて…と勉強ばかりのイメージかもしれませんが、むしろ「1学年20人制のチームワーク」「徹底したフィールドワーク」からこそ、社会課題のコアな問題点も見つかるし、アプローチすべき手法も決断出来るだろう。という、現場の声に重きを置いた大学院でした。

ーフィールドワークの延長で、限界集落へ滞在。高齢者の孤独を実感したそうですね。

はい、本を10冊読むよりも、現場の声が本質を突いている、そういう瞬間がありますよね。大学院へ進学後は1年休学し、対馬市役所でインターンとして働きながら、85歳の独居のおばあちゃんと同居生活をともにしました。

同居生活を送っていたある日、見慣れない50代の女性がリビングに居て、おばあさんと熱心に話し込んでいて。テーブルの上には大きなよく見かけるペットボトルの水が置いてあり「おばあちゃん、何を話していたの? 」と聞くと「この水を5,000円で買ったんだよ」と答えるのです。

「これは元気になる水だと聞いて買ったけれど、もしかしたら、だまされたのかもしれない。けれど、嘘でも自分の健康を気にかけて、家まで訪れてくれた事が嬉しかったんだよ」という話を聞き、この時おばあちゃんが抱えてきた孤独を強く実感しました。

※おばあちゃんと同居生活を始めた頃の1枚です。

ー85歳のおばあちゃんと1年間の同居生活! そこで介護分野への当事者意識が芽生えたのですね。

そうですね、「限界集落」は、自分も含め多くの人にとって「どこか遠い所で起きている話」と捉えがちだと思います。けれど、私は1年間おばあちゃんと同居生活を送ったことで、高齢者の変化を目の当たりにしました。

出会った頃は歩行器を使い、食事もインスタント食品も多く…という生活を送っていたおばあちゃんが、学生と一緒に料理をしたり、ドライブにいったり、時にお酒を飲んだりと楽しい時間を過ごす事で、みるみる元気になっていく。幾つになっても人間は、人との関わり次第で生き生きするのだな、と実感したのです。関わる自分達学生も、そんなおばあちゃんの変化を見る事が嬉しく、あたたかい気持ちになりました。

※おばあちゃんの誕生会。みんなでお祝いしました!

1年経った頃には、おばあちゃんは歩行器を使わず階段を登れるようになったり、「誰かのために、食事を作る」事がモチベーションになり健康的な食生活になったりと、気持ちも身体も随分若返ったように感じられました。

おばあちゃんとリアルな生活を1年間ともにした事は大きく、「これからの高齢期の生き方、介護課題」に対し当事者意識を持てるようになりました。これは、今の自分の原点になっています。大学院に戻ってからは、介護を取り巻く制度について理解を深めたいと思い、介護保険の勉強に邁進しました。

※対馬での地域おこしの活動は、地元の新聞に取材されました!

ー大学院卒業後、そのまま公務員として地域再生や介護に関わる選択肢は、考えなかったんですか?

当時「制度をつくる側(官僚)」の道は、あまり考えられませんでした。官僚になって社会に影響力を発揮するまでには、相当な時間がかかると考えたのもあります。また、介護や税金の仕組みについて学んだ中で、現行の「多くを持つ人から、少ない人へと税金を再配分し、社会の不均衡を是正する」というやり方だけではいづれ行き詰まるだろう、という危機感もありました。

「社会課題の解決に対して、自分に何が出来るか?」を問うた時に、今の自分が地元で公務員になったとしても、解決する手立てが少ないだろうとも感じていました。結局は、「自分で事業を創り経済を廻す、そこが出来る人にならなくては、 持続可能な社会貢献につながらないのではないか? 」と思ったんです。

ーそこで、いよいよ就職活動。「事業で社会課題を解決する企業」という軸で、リジョブを選んでいただいたんですね。

そうですね、どうせ就職するからには、『社会貢献に携わる×ベンチャーであること』『成長機会と社会的影響力があること』という軸にこだわりたく、その軸で企業研究をしてリジョブを探り当てました。

福岡でのワークショップに参加した後、代表:鈴木さんとじっくり話す時間をいただき、「経営者がこれ程の視座で日本の未来を考えているからには、やはり、リジョブで間違いないぞ」と確信。その後上京し、社員の方々に面接をいただきました。中でもある面接官が、社会を広く捉え資本主義の限界や「リジョブに出来る事・すべき事はもちろんあるが、世の中には他の視点からの解決策もある」と話をしていたことが印象的で、自社愛プラス自社を相対化して見ている方がいる事に安心感を持ちました。

入社後は介護事業部へ所属。営業・マーケティングの仕事に加え、介護業界の課題について先輩方とともに学んだり、オフィスで介護イベントを開催したり、時に部内でバーベキューをしたりと、風通しの良い部署で日々成長させていただいています。ゆくゆくはもっと業界での影響力を持ち、介護職員の現場ニーズをヒアリングした上で、新しい介護サービスを構築したいですね。


※介護事業部のメンバーと!

ー介護事業部で取り組んでいる「介護シェアリング」の普及について、聞かせてください。

私は、介護業界の社会課題解決には「これまでに無い、新しい仕組みの創造」が不可欠だと思っており、リジョブに惹かれた理由の一つにこの「介護シェアリング」という新しい働き方の提案を行っている事がありました。

介護業界を救う。「介護シェアリング」が解決する人材不足問題 | ダイヤモンド・オンライン
美容業界に特化した求人メディア事業でトップシェアを誇る株式会社リジョブ。2015年、新たに介護業界の求人メディア事業「リジョブ介護」をスタート。介護業界の働き方そのものを大きく変える「介護シェアリング」の発想で、介護現場で働くスタッフの負担を軽減し、新たな雇用を生み出す取り組みが注目されています。
https://diamond.jp/ud/prtable/5c17033f7765618a52000000

この新しい仕組みが世の中に受け容れられる為には、事業者・従事者・サービスを受ける入居者3方ともに心地良い「場作り」が重要で、その為にも「現場の声をもっと聞きたい、知りたい」と思っています。

対馬の限界集落に滞在していた時にも、高齢者と同居する若者、互いのニーズを満たすにはそれぞれの声を聞いた上で、リジョブのような「マッチングの腕」にかかる部分が大きいのではないか? と考えていました。

介護シェアリングについても、介護事業部一丸となって、是非その形を創り届けたい。業務特化した介護の仕事をそれぞれのワーカーが担う事で、高齢者との「コミュニケーション」部分を担うワーカーを増やし、高齢者が人との繋がりを感じられる社会を創りたい、人との繋がりの先には、85歳のおばあちゃんがそうだったように、高齢者側が誰かの役に立ち「ありがとう」と言われる社会を創りたい、そう思います。

ー最後に。同期と共同生活を過ごしている「リジョブ寮」について、一言お聞かせください。

現在、会社が用意してくれた男子寮で、同期3人+寮長の先輩の4名で生活しています。同期同士も、オフィスにいる時とはまた違う雰囲気で、力を抜いてフラットに話せるのが何より心地いいです。そして寮長(介護事業部の先輩)が色々な話をしてくれる事が目の前の仕事のヒントになる事も多く、「介護業界には多種多様な関わり方がある」ことを再認識しています。

目の前の仕事に全力で取り組みつつ、少し高い視座で日本の介護業界の未来を想い、様々なビジネスモデルの話をしたり、もちろんリラックスする時間もあったりと、社会人になって同期や先輩方とこのような関係を築けた事がとても嬉しいです。シェアハウスのようなコミュニケーションがある一方、プライベートスペースも確保されているので、とても居心地の良い寮ですよ!

※2019新卒:同期4名!

偉人・達人に接すると「この人はどういう過程を経てこの人格になったのだろう? 」という部分にフォーカスしたくなる、という上妻さん。社会課題はもちろん、人に対してもコアな部分を見つめているのですね。「当事者意識を高く持って、社会課題の解決に取り組みたい方には、自信を持ってリジョブをお勧めします」と話してくれました。

…上妻さんやリジョブ寮、介護シェアリングなどについて、「何か気になる」「少し話を聞いてみたい」と思った方は是非、気軽に話を聞きにいらしてください!

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