『Rebase ってどんな会社?どんな人が働いているの?』ということはもちろん、『エンジニアとは?マーケティングとは?』などなど様々な角度からお届けするこの企画。
第4弾となる今回は、取締役 CTO (最高技術責任者) である ug さんにお話をお伺いしました。
創業時の想いや CTO としての想いが詰まった読み応え抜群の内容を、前編・後編に分けてお届け致します。
今回は前編として、Rebase の創業秘話や CTO としての仕事についてお送り致します。
プロフィール
名前:ug (髙畠裕二) 役職・所属:取締役 CTO、システムグループグループマネージャー 略歴:東京工業大学工学部卒業。
大学2年生の頃、自然言語処理の研究室に所属。そこで得た知識やアイデア、仲間と共に、大学発ベンチャーを共同創業。
その後、ウェブサービスやアプリのエンジニアとして、子供の頃より憧れていたシリコンバレーに渡る。日本に帰国後、創業期のスタートアップに複数社携わる。
2014年4月、株式会社Rebase を共同創業し、取締役 CTO に就任。
学生起業、シリコンバレーでの経験を経て Rebase の創業へ
ーこれまでの経歴について教えてください。
大学1年の頃は、アメリカでの高校時代に学んだウェブ制作の知識をもとに小さな個人事業をしていました。
大学2年に上がると、自然言語処理の研究室に先行して所属しました。当時は、他大学の仲間たちとプロジェクトをすることが多く、そこで得たアイデアや仲間と共に東工大発ベンチャーを創業しました。
その後、会社を解散することとなり、大学を退学し、アプリ開発をして資金を貯めて、ずっと憧れだったシリコンバレーに渡りました。
帰国後、一度退学していた大学に再入学し、学生をしながらいくつかスタートアップに参画した後、代表の佐藤海と共に株式会社Rebase を共同創業しました。
ー代表取締役 CEO との出会いを教えてください。
シリコンバレーに行く前、同じタイミングで渡米するということで、知り合いの紹介で佐藤 (CEO) と出会いました。
実は、佐藤のお父さんとは、数年前に同じプロジェクトに参加していたことがあります。
当時は僕自身は大学1年の駆け出しで、佐藤のお父さんは大きな存在だったため、息子さん (佐藤海) が居ることは知りませんでした。
佐藤と初めて会った日の夜、彼の実家にお邪魔して、お父さんと再会した時は、何かの縁だと感じました。お互い渡米した後も、シリコンバレーの知り合いを紹介し合ったり、知り合いが働いているシリコンバレーのスタートアップに一緒に遊びに行ったりしていました。
佐藤は持ち前の愛嬌があり、今後もずっと一緒に居るだろうな、と勝手に思っていました。
ーなぜそこから Rebase の創業に至ったのですか。
アメリカに滞在中、僕自身は新しいプロジェクトの立ち上げをしていましたが、1日中、Mountain View の駅前にある Red Rock Cafe か、所属していた Hacker Dojo で開発をしていました。
Red Rock Cafe の店内を見ると、ほとんど全員がパーカーを着て、MacBook や中にはデスクトップパソコンをカフェに持ち込んで何かを開発している人がいたり、どこかのスタートアップの社員研修がカフェでいきなり始まったりと、その雰囲気をとても心地良く感じていました。
日本に帰ってきて佐藤と何かプロジェクトを始めようと、シリコンバレーの時と同じ感覚でカフェに1日中居ようとしたら、とても居づらく感じたわけです。
この時、僕と佐藤は、少なくとも「自分たちは社会にとっていいことをしたい」と思っているのに、それをすぐに始めることができて、wired in (没頭する) ことができる「場所」が東京には少ないことに気づいたんです。
このような経験から、何かを始める時の「場所」という制約をなくしたいと考えるようになり、Rebase の創業に繋がりました。
サービスの両輪
ー Rebase にはシステムグループとプロダクトグループが今期新設されましたが、システムグループはプロダクトグループとはどのように違うのでしょうか?
前提として、どちらのグループも、「ユーザーにより良いサービスや価値を届ける」という同じ目的を持って仕事をしています。
ただ、同じ目標をもっていても、アプローチの仕方はそれぞれのグループで違います。
簡潔に言えば、プロダクトグループは、「機能開発」や「機能改善」を通して価値を提供するのに対して、システムグループは、「可用性」(エンドユーザーがサービスを十分に利用できる状態) や「安定性」を通して価値を提供します。
例えば、ソースコードが1行追加されると複雑性が指数関数的に増えるため、安定性を担うシステムグループとしては、極端な話、機能開発をして欲しくないわけです。
ただ、それだけでは、ユーザーにより良いサービスを提供し続けることはできないので、プロダクトグループと一緒に同じ SLO (Service Level Objective、可用性の指標の目標) を握り、その指標内において、それぞれのグループが全力で、ユーザーへの価値提供を行います。
同じ目標へのアプローチ方法を分権させることで、より良い効果が出ると考え今期から開始しました。
システムグループ発足当時に ug がプレゼン用に描いた手書きの図。「ボールと地形」。同じ安定でも、実装の前提が違うと大きな障害に繋がる。
CTO としてのやりがい
ー取締役 CTO (最高技術責任者) として活躍されていますが CTO の役割や仕事内容について教えてください。
いい意味で何でもするのが CTO の仕事です。
その時々の経営フェーズに合わせて、いま求められていることや必要なことを考えて仕事をしています。
例えば、とにかくエンドユーザーのフィードバックが求められている時は、まずミニマムに設計・実装することを重視します。サービスが mature (成熟した状態) になり、安定性が求められているときには安定性を重視します。また、サービスのレスポンススピードも可用性の向上の一環として改善を続けています。
このように、サービスの時間の流れをイメージしながら広い視点から細かい視点にズームインして、求められていることに合わせて技術的なアプローチを行うことが CTO の役割だと考えています。
ー CTO としての、仕事のやりがいについて教えて下さい。
幅広い範囲の業務に関われるところです。
自分の担当業務はこれだからと、狭い範囲の仕事に囚われるのではなく、提供しているサービスを良くするために自分が何をできるのかを考え、皆と一緒に実現していくことに、積極的に携われるところにやりがいを感じます。
ーでは、大変なことはありますか。
サービスは、ユーザーに使ってもらって初めて価値が生まれます。だから、どれだけ良いものを作っても、使ってもらえなければ意味がありません。
そのため、小さく始めて、ユーザーと対話しながら、ユーザーの需要に応えられるサービスの設計が必要となります。そこを、サービスの時間の流れをイメージしながら考えて、このフェーズではどのように設計するのか、ということが難しいところではあります。
ー働くうえで大切にしていることを教えてください。
技術や知識を自分から積極的に共有し、わからないことは教えてもらったり、一緒に勉強することですね。
技術というのはただ持っているだけでは意味がありません。
魚釣りを例に例えると、技術は「魚」ではなく「釣竿」です。魚を一人でたくさん持っていても何も意味がありません。釣竿の作り方をチームで一緒に共有し、皆で協力すればサスティナブルに魚が釣れますよね。
このように、チームで一丸となって良いものを創り上げるということを心がけています。
また、Rebase には沢山の優秀なエンジニアがいるため、謙虚な姿勢で一緒に勉強し、共に支えあって一緒に成長することを大切にしています。
前編は以上となります。お読みいただきありがとうございました!
〜編集後記〜
今回は CTO インタビュー前編として、Rebase の創業秘話や CTO としての仕事について、ug さんにお話を伺いました。
CTO として広い視点を持ちながら、技術を大切にすることはもちろん、インスタベースというサービスに誇りを持って誠実に仕事に向き合う姿が印象的でした。
ご協力ありがとうございました!
次回は後編として、CTO として思い描く未来像や、一緒に働きたい仲間などにフォーカスした内容をお届け致します。乞うご期待!