目次
- 「暗記」ではなく、「これだけは譲れない」という芯をまず作る
- 無理やり作った特別な話より、本音で語る平凡な話の方が相手に突き刺さる
「暗記」ではなく、「これだけは譲れない」という芯をまず作る
今日も就活生のみんなからの質問に答えていくぞ。…どれどれ。たくさん来てるなぁ。んーと、なになに?
「面接のとき、緊張で頭の中がまっ白になって、暗記したセリフもうまく出てきません。どうしたら良いでしょう…。」
…大丈夫だ!安心してくれ。それはあなたの性格に問題があるわけじゃない。やり方をすこし見直せばバッチリ解決できる。
まず、あなたを緊張させてる原因は、その「暗記」にある。
もちろん、面接なので、偉い人がいっぱい来てるかもしれないし、そういった人たちを相手に話すこと自体が緊張すると思ってるかもしれない。
でも、よく考えていくと、すこし違う。あなたは、「相手の質問に”うまく”回答できなかったらどうしよう」と不安になっている。
もっと言うと、あなたは、何かしらの”うまい”回答が、世の中にあると思っている。
そして、その手の回答が載っている対策本などをたくさん買ってきて、そこに書いてある内容を覚えれば、内定する確率が高くなると思っている。
だからこそ、今回のような不安が生まれてしまう。
「暗記したセリフもうまく出てきません。どうしたら良いでしょう…」と。
ところで、あなたは、面接官が、面接対策本に載ってるような、何百回と聞かされてきた回答を聞いて、心が動くと本当に思っているのだろうか?
きっと、それは違うと思っているのではないだろうか。
ズバリ、そんなあなたの何が問題なのかを言おう。
あなたの問題点は、暗記したセリフを忘れることではない。
あなたの中に「これだけは譲れない」という太い芯が見えないことが問題なのだ。
「自分はどうしてもこれがやりたい!」「自分はこれだけはがんばった!」「自分はとにかくこれが好き!」など、自らの価値観となる柱を1つ、頭のてっぺんから足の先っぽまで、自分の中にドシンと1本建ててみてくれ。
そうすれば、どんな質問にも答えられる。ウソじゃない。
すべて、その柱から派生させて答えることができるようになるからだ。
無理やり作った特別な話より、本音で語る平凡な話の方が相手に突き刺さる
そして、その柱となるものは、ユニークなものでなくてもいい。
無理やり作った特別な話より、本音で語る平凡な話の方が相手に突き刺さる。
たとえば、私、ラル蔵の例で恐縮だが、今はこんなに熱血教師っぽいが、実はけっこう平凡な人間だった。
ガムシャラにがんばったことといえば、唯一思いつくのは、大学の受験勉強くらい。珍しくもなんともない。
でも、新卒のころの私は、どうしても行きたかった企業の面接で、そのことを真摯に伝えた。
「私ががんばったことは、受験勉強です。珍しくもなんともありません。でも、これ以上ないくらいがんばりました。
シャワー浴びる前、寝るとき、歩いてるとき、来る日も来る日も単語カードをめくる日々。
高校の成績は最下位に近かったので、正直、ここまでの勉強は大変でした。でも、辛くなかった。
今までは、親や周りが決めたルートにただ乗っかるだけでした。
しかし、大学進学は自分で選びました。自分で選んだというだけで、こんなにもがんばれるなんて、知りませんでした。
御社も自分で選んだ道です。どんなに大変でも辛くないでしょう。成果を出すまで、絶対にやり切ります。私にはそれができる自信があります」
内容的には、普通も普通。むしろ、何もないくらいだ。どこにでもいる、ただのそのへんの人だ。
だが、面接官は、感心してくれた。そこに、ウソ偽りが1つもなかったからだ。
目から、声から、全身から、「これだけはがんばった」という、言葉では表しきれない説得力があったのかもしれない。
結果は、無事、内定。誰もが知る企業に入社することができた。
面接は、喋る内容じゃない。その人の中に、揺るぎない価値観があるかどうかだ。平凡だっていい。 口ベタでもいいんだ。
逆に言えば、飾られた言葉だけで内定が出ることはない。
それは、幹がない枝葉のようなものだ。セリフの暗記に頼っていては、想定外の質問に答えられなくなってしまう。
ちなみに、自分の価値観が、志望する企業の採用メリットにどんなふうにつながるのかを伝えることも大事だ。
この点については、以下の記事を読んでもらいたい。