前回、「採用面接ではあなたの採用メリットを伝えよう」という話をしたと思うが、具体的に、どんなふうに伝えればいいのかわからない人もいると思うので、今回はその方法について教えよう。
まず、スキルや技術力がすでに高く、何らかの実績を出している人は、そもそも困らないはずだ。それを伝えたらいい。
問題は、とくにスキルも実績もないという人だ。
こういう人が自分をアピールするには、2つ方法がある。
1つ目は、過去にがんばった経験から得たことを「御社の業務のこの分野で活かせます」と、ポテンシャルをアピールする方法。
2つ目は、アイデア力をアピールする方法だ。
この2つ目について、必殺ワザともいえるコツがあるから聞いてくれ。
それは、「選考を受ける企業の製品を1つあげ、改善案を出す」というものだ。
難しく考えなくていい。案の良し悪しも、既出かどうかも関係ない。
あなたが自社の製品に興味を持ってくれて、どうすればより良くなるかを真剣に考える人なんだということが、面接官に伝わればそれでいい。
このとき、面接官は身を乗り出してあなたの話を興味深く聞いてくれるだろう。
なぜなら、企業に関わらず、誰でも「自分の得意分野の話」をされると、親近感を持って心を開いてしまうという法則があるからだ。
たとえばあなたがファッションが好きだとして、「その服、素敵ですね!どこで買ったんですか?私もマネしたいです!」と相手に言われたら、とても話しやすくなるんじゃないかな?
あなたは服が好きだから、その分野のことならいくらでも話せてしまうはずだ(服じゃなく、音楽や映画でもいい)。
相手の得意分野の話をすると、相手はぐっと前のめりになり会話がはずむのは、たとえ面接の場でも同じだ。
応募者から、自社の製品について語られたときに、気にならない面接官はいない。
自社ではまず出てこないようなフレッシュな意見をもらえることもあるため、面接官自身もつい話し込んでしまい、長時間にわたり場が盛り上がったりすることも多々ある。
そういえば、前回のラルズネットの採用面接でも、こんなことを言うエンジニア志望の学生がいて盛り上がった。
「御社の不動産ポータルサイトですが、物件写真に「外観」「間取り」などの項目があると思いますが、これは不動産会社に手動で登録してもらっているのでしょうか?
画像解析を使えば、写真を登録した瞬間に項目を自動で割り振れそうだなと思ったので。自分が興味ある技術なので、御社でぜひやってみたいです」
面接官も全員一致で、「ここまで具体的な案を出してくるなんて、この学生はウチに対して本気だな。こういう前向きな人と一緒に働きたいな」という意見になった。
「選考を受ける企業の製品の改善案を出す」というワザ、ぜひやってみてくれ。