持続的に成長できる法人を作りたい若者に伝えたいこと
法人というものを作ってみてこれまで感じてきたことをできるだけわかりやすく書いてみたいと思います。これから起業する人、学生や若い社会人の人たちの参考になれば幸いです。
まずビジネスの立ち上げ方について考えてみたいと思います。
起業=イノベーションだと思っていた頃
起業というと、社会を変革を起こすような活気的なプロダクトを作るために行うもののようなイメージを持って持っている人が多いのではないでしょうか。20代の頃の私はそうでした。CEOがビジネスのアイディアをスライドにまとめ、ピッチにたち、ベンチャーキャピタルから多く投資を集めて起業する。私もメンバーとしてそういったことを経験しました。私が初めて経験した投資から始まる起業体験です。
当時、調達を集め実際のビジネスの実行フェーズになりました。ここで多くの問題が発生しました。想定していたようなユーザーの反応が起きなかったのです。プロトタイプの頃に作ったアイディアが実現困難であることは、すぐに分かりました。結果、プロダクトは方向転換することになりました。ただし、色々意見が分かれました。あの頃を思い出すと当たるプロダクトを作らなければならない、という強い意志があったような気がします。自分の想豫を超えたところにある成長の可能性があるような気がして、創造的な話ができなかったような気がします。
そこから10年、大きな会社、スタートアップなどいろんな会社をみることにしました。
キャッシュがある大きな会社は売り上げを確実に上げることを重視している一方で、スタートアップは成長性を重視していました。
成功している企業のビジネスは二つあることに気づき始めます。
成長エンジンとキャッシュエンジン
スタートアップは未来に大きな利益を生む成長エンジンを搭載した企業です。将来生まれるニーズに対してのビジネスを行うため、直近の入金がありません。そのため、直近は投資されたお金を運転資金とすることになります。
成長エンジン
- 定義: 将来の市場を見据え、少ない労力で大きな収益を生み出す事業。
- 特徴:
- 成長率が高い(急速な市場拡大の可能性)
- 打率が低い(リスクが高い)
一方、成長エンジンの対照的なものとしてあるのは、しっかり利益を出していくキャッシュエンジンです。
キャッシュエンジン
- キャッシュエンジン
- 定義: 労働力を投資し、それに比例した売上や収益を生み出す事業。
- 例: 広告業、人材業、受託開発
- 特徴:
- 打率が高い(確実な収益)
- 成長率が低い(急成長は難しい)
いきなり成長エンジンから始める楽しさも現実も経験していたので、僕はキャッシュエンジンを構築を主軸に起業するという経験をすることにしました。(他に様々な理由があるのですが)
一人でできることの限界
起業すると想像を超える多様な能力が必要となってきます。
ざっと考えると以下のようなことを自分の中にマルチエージェントを作って一人で回していました。
- 企画者: 商品やサービスのアイデアを考案
- プログラマー: 技術的な実装を担当
- デザイナー: 商品やサービスのビジュアル面を担当
- 売るエージェント: 商品を販売する担当者
- マーケティングエージェント: 商品を魅力的に見せるための戦略を立案
- 管理エージェント: 財務や人材管理を担当
成長には仲間が採用必要
当たり前ですが、事業が成長すると人を採用したくなります。キャッシュエンジン型の場合は特にそうです。しかし、ここでまず壁にぶつかります。それは「知名度が低くて応募が少ない」という現実です。
採用のためのカルチャー
十分な予算もない中で、一緒に働けない人を採用するわけにはいきません。まず、自分たちがどのような集団であり、どのような人と楽しく働けるのかを言語化する作業が必要になります。ここで、自分たちのカルチャーを定義することになります。
- タスク: どんな人と働きたいかを明確にし、企業カルチャーを定義する
- 効果:
- 自分たちに合う人と一緒に働ける
- 自分たちの会社のカルチャーを自覚できる
Purpom Media Lab のカルチャー定義の時に考えたこと
僕は頭が高校生で止まっているような人なので今でも楽しく少年誌読んでいます。
- 呪術廻戦
- 五条悟が最強
- 生徒を一生懸命育てている
- 葬送のフリーレン
- フリーレンが最強
- くだらなくて楽しい冒険
ここからぼんやりと妄想をしつつ少しずつ輪郭が見えてきます。
若手が楽しく育つことができる会社って魅力的では?
若手のために自分のようなベテランが必死になるのは美徳では?
成長エンジンを模索することを自由な冒険と表現すると良いのでは?
こうして出来上がったの下記のカルチャーでした。
カルチャーだけでは夢が見れない!だからビジョンを作ろう!
カルチャーを通して入ってくれた若いメンバーに言われたのはビジョンってあるんですか?という質問。この時、成長エンジンを後回しにしてビジョンを作っていなかったことに気づきます。
ビジョンがないと長期的にいた場合の自分が想像できないのだと気づきます。
カルチャーからビジョンへ
私は、具体的なビジョンを作る前にまずMVVの整理から始めました。色々と議論しましたが、言語化すると次のようになりました。この間、ぶつぶつと独り言を言いながら、あれこれ妄想しました。
次はビジョンを体現するプロダクトと6年後ぐらいの未来を作ることにしました。
まずプロダクトですが、多くのメンバーが未来を感じる「生成AI」を使った何かをクリエイトするツールにしようと決めました。
プロダクトを考えた詳細なプロセスは省略しますが、結果として次のようなプロダクトを作ることにしました。
もう一つ、楽しい冒険のために、海外向けゲームを作ることにしました。さらに、Webを全て多言語対応にすることに決めました。(だって、海外に事業所をいつか作る会社であろうとするのに、Webが日本語しかないっておかしいでしょ?!)
5年後の未来の想像
プロダクトを定義した上で、そのプロダクトによってどんな未来を実現するのかを考えました。
- 生成AIを使ったプロダクトを生み出すツールを作り出す企業になっていること
- ゲームなどの海外事業を展開し、海外に事業所を持つ企業になっていること
ここまでのまとめ
- カルチャーの確立
- 社員が共感できる価値観や行動基準を設定
- ビジョンの策定
- 一緒に働く仲間がワクワクする未来像を描く
- 成長エンジンとなる商品開発
- ビジョンを実現するための革新的な商品やサービスを考案
- 5年後の未来の想像
- 働くメンバーがワクワクする未来を描こう
そもそも法人ってなんだろう?
Wikipediaで調べると、法人とは、法律上、人間と同様に権利と義務を持つ組織や団体のことです。つまり、仮想の人間です。
だから法人には人格がある
法人には、人間と同じように優しい人や厳しい人、面白い人がいるように、性格があります。
その性格は、会社の行動によって決まっていきます。
- 会社として大事にしていること
- 社員に求める行動
- どこに投資するか
いろんな人が集まって、一つの人格ができます。法人の性格は、一緒に働く人によって決まり、さらに彼らとカルチャーやビジョンを考え、また新しい仲間が増えていくことで企業は成長していきます。
そのさらに未来に考えていること
いつか投資家などを仲間にするときが来るかもしれません。いろんな国の人と仕事をするかもしれません。
その時も、カルチャーやビジョンに共感してくれる人と一緒に仕事をしようと思っています。
何もない時の妄想が楽しい
起業してからいろんなことを日々考え、実行してきました。そのアイディアの厳選の多くは、大学生ぐらいの頃からぼんやり考えていたことな気がします。
何もない時に無制限に考えた思考を今実行しているような気分です。
だから何もないうちに、日々、妄想をたくさんしよう、いろんなことを疑問に思おう、出会う人と共感し友達をたくさん作ろう。
私は日常生活で抜けていることがあります。いろんな考え事をしながら生活しているせいだと自分では思っています。
私がよく鞄が開いたり忘れ物をするのは、歩きながら妄想をしているからです。私がよく重要なタスクを忘れたりしても生きていられるのは仲間がいるからです
何もない時にたくさん妄想したことは、いつか君が起業するときのアイデアになります。
最後まで読んでくれてありがとうございました!
Purpom Media Lab に少しでも興味を持ちましたらぜひご応募くださいませ!