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より深く・より幅広い手段で企業に向き合っていきたい――新生・採用ソリューション事業部部 事業部長が語る事業の展望

パーソルキャリアでは、2022 年 4 月に転職サイト『doda 求人情報』の営業を担ってきた転職メディア事業部の名称を改め、採用ソリューション事業部に変更。新体制で企業・個人 のお客様に向き合っています。今回の変更には、どのような意味が込められているのでしょうか。事業部長を務める松本大輔に、事業が目指す方向性や大切にしたい価値観など を聞きました。

商品ありきではなく、より本質的な課題解決を実現するために

―― まずは、採用ソリューション事業部について概要を教えてください。

採用ソリューション事業部は、2022年3月まで転職メディア事業部として、『doda求人情報』を企業に活用いただくことで採用支援をおこなってきた部門です。これまでは、転職メディアという商品に閉じた存在でしたが、企業が本質的に求めているのは商品そのものではなく、採用の成功や人材の戦力化であり、ひいては企業が持続的に成長していくことです。そのため、私たちも顧客に介在するあり方を限定するのではなく、より幅広く柔軟な発想でアプローチしやすい体制を模索。「採用ソリューション事業部」と名称を改め、新体制に舵を切りました。

―― 具体的にはどのように変わったのでしょうか。

dodaは業界最大級の転職プラットフォームですから、転職メディアの活用はソリューションの軸として引き続きご提案していきます。ただ求人広告への掲出はあくまで手段です。「求人広告の掲載→応募」以外の採用プロセスにも企業が気づいていない、もしくは手がつけられていない課題が潜んでいることがあります。単にdodaへの求人掲載を提案するのではなく、掲載という手段を採用成功に最大限繋げるためのあらゆる助言や支援を付加価値として、顧客の課題解決に向き合っていきます。そしてdoda転職サイトにとどまらず、我々が保有する知見やデータをもとに採用プロセスにも介在することで、顧客の採用を変革する存在として介在価値を追求していきます。

また、企業と求職者をマッチングする方法も、従来の転職メディアだけではありません。ダイレクト・ソーシングの『doda Recruiters』や『doda 転職フェア』といったdodaの他のサービスはもちろん、時にはグループ全体で保有するあらゆるサービスを、顧客のニーズや状況に応じて柔軟に繋ぐこともあります。もちろんこうしたアプローチは今に始まったことではなく、企業の採用課題の解決に真摯に向き合う中で従来から現場レベルで自然発生的に始まっていたこと。今後は組織として更に意思を込めて推進していくという意味合いでもあります。

―― そこまでするのはどのような背景がありますか。

一言で言えば、企業も個人も「はたらく」ことに対する課題の難易度がより上がっているからです。ご存知の通り日本は少子高齢化が進んでおり、就労人口が減少する中で、企業の人手不足は年々深刻の色を増しています。一方の個人も、多様な働き方が肯定されつつある中で、一律の働き方に自分を合わせるのではなく、自分らしいあり方を模索しはじめている。従来の採用支援だけでは企業・個人双方のニーズをマッチングさせることが難しくなっています。

また、就労人口が減少を続ける中で、女性・シニア・外国人など多様な人材に活躍してもらう必要があります。しかし、2030年には644万人の人手不足が発生するのに対し、女性・シニア・外国人の就労を頑張って増やしたとしても、不足分の半分程度しか埋まらないという見込みなのです(パーソル総合研究所「労働市場の未来推計2030」)。では、残りの半分をどうするかと言えば、労働生産性を上げて対応する必要がある。効率化もダイバーシティ&インクルージョンも全力で取り組んではじめて解消できるというほど、日本の人手不足は深刻です。全国を見渡せばこの問題に自力で対応できる企業ばかりではありません。だからこそ、私たちがお客様と一緒に新しい採用や人材活躍のあり方をつくっていく存在でありたいのです。


dodaブランドが蓄積してきた膨大でリアルなデータが、私たちの武器になる

―― パーソルキャリアの一員だからこそできることはありますか。

私たちは、業界最大級の転職プラットフォームとして、企業・個人双方の膨大なデータを保有しています。しかも、dodaとしてエージェント事業、メディア事業、ダイレクト・ソーシング事業…とワンストップ・ワンブランドであるため、リーチしている情報の量・質ともに圧倒的。営業やアドバイザーが直接企業・個人からヒアリングしている生の声も、サービスを通して得られるビッグデータも、dodaの長年の歴史の中で蓄積されてきた。これは、私たちにとって“宝の山”だと思っています。現場の営業はデータという確かな根拠をもとに顧客へのソリューションを組み立てることができ、事業部としても商品を磨き続けることができる。本当に求められているリアルなニーズ・声を聞きながら仕事に向き合えるのは、パーソルキャリアだからできることの一つです。

―― dodaで得られるデータがあるからこそ、更に深く踏み込めるのかもしれないですね。

そうですね。膨大な企業の採用実績データを保有しているからこそ見えてくるものは沢山あります。例えば、求人への応募者に対して、適切な返信タイミングはいつなのか、ファクトをもとに企業に助言できる。企業が保有する面接官ごとの合否実績や入社者後の評価データと掛け合わせることで、面接業務の改善や面接官の評価・育成に繋げていくことも可能でしょう。我々の使い方次第で無限の可能性を秘めていると認識しており、みんなで一緒に価値を磨き上げていきたいです。

“成果への対価”ではなく、“期待への投資”をいただき、顧客と一緒にゴールを目指す

―― 社内の他組織と比較して、採用ソリューション営業本部ならではの特色はありますか。

私たちの組織は長らく求人広告の部門として、お客様に向き合ってきました。求人広告は、あくまでも広告費として企業から費用をいただくビジネスモデルで、掲載後の応募数や採用の成功を確約するものではありません。つまり、私たちは成果に対して報酬をいただくのではなく、「これなら採用できるのではないか」という期待に投資をいただいています。その意味で非常に難易度の高い営業ですし、結果がお客様の期待通りなのか期待外れに終わるのか、はたまた期待以上の価値をお返しできるかは、自分たち次第です。結果が見えないなかで信頼をいただくこと。失敗から逃げず結果が出るまであらゆる努力を続けること。その過程の中でお客様に必要とされ、人事や経営者と一緒に企業の未来をつくっていけるのがこの組織ならではの醍醐味だと感じます。

―― 採用マーケットが複雑化する中、昔から活用されてきた求人広告をソリューションの主軸にする意義を、松本さんはどう感じていますか。

たしかに、現代は採用手段が非常に多様化しています。当社でも企業・個人のニーズにあわせて多様なプロダクトが生まれている。しかし、より広く・より沢山の人に求人情報を届けるという意味では引き続き求人広告にアドバンテージがあるのではないでしょうか。例えば、地方の小さな山村の農家で人手が足りないことを、全世界に向けて発信できる。その村には人手がいなくても、世界中のどこかにはこの仕事をやりたくて堪らない人がいて、その人に発見してもらえる可能性がある。この国の隅々には人手不足に悩んでいる企業が無数にあり、はたらきたくても自分に合った機会に出会えない個人も大勢います。そんな両者がシンプルに自由な意思でつながれる手段が、求人広告だと私は思います。

社会を変えるには、目の前にいるただ一人の未来も諦めないこと

―― 新たなスタートを切ったこの組織で、責任者の松本さんが大切にしたい価値観を教えてください。

組織として目指したいのは、より多くの人・企業にポジティブなきっかけを提供していくこと。そのためには、採用ソリューション事業部で働く一人ひとりが、どんな人・企業の可能性も信じぬけることだと思っています。企業と個人の間にいる私たちが「この企業にこの採用は無理だ」と勝手にバイアスをかけてしまったら、その時点で可能性が断たれてしまうことすらあるからです。どんなに難しいと思われる採用でも、どうすれば採用できるのかを考え抜き、企業とチャレンジしてほしい。企業がもっと多様な採用を打ち出せば、個人も多様な「はたらく」を実現できます。目の前のたった一人を救うことの積み重ねで、社会は変わっていくもの。全ての企業や人の可能性を諦めないことが大切にしたい価値観です。

―― 最後に、採用ソリューション事業部のみんなで目指したいことを教えてください。

今、採用・雇用を取り巻く環境は大きな変化を迎えています。かつてないほどに生産性というテーマが問われていますし、テクノロジーやデータの活用によって効率化はどんどん進んでいる。コロナ禍でテレワークが普及し、DXの波も押し寄せています。でも、どんなに便利になったとしても、人は血の通ったアナログなコミュニケーションやつながりを渇望する気持ちがあると感じます。それは人の集団である企業も同じ。便利なデジタルは活用しながらも、私たちは企業や個人や社会に対して真摯に向き合っていきたい。デジタルとアナログを上手くバランスさせながら、世の中に求められるような進化を続けられる集団でありたいです。


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