今日は当社のCDO(Chief Design Officer）を務める稲葉に話を聞いてみたいと思います！

稲葉さんは毎日行っている朝会にて、「今日もAI-CONを良くしていきましょう！」と満面の笑みで〆てくださる素敵なCDOです。

▲インタビューの様子。笑顔が素敵ですね～！

ーまず、CDOの役割って何なんですか？

（稲葉）模範的な回答でいえば「組織にデザイン文化を根付かせる人」ですかね。ここでいう「デザイン文化」とはグラフィック等の話でなく、クリエイティブもビジネスも汲み取った意味での「デザイン」を言っています。

日本は今年「デザイン経営宣言」が出てから、経営におけるデザインが重視されるようになってきました。

CDOの役割についてはデザイン活動を通して企業利益を向上することだと思いますが、それは私の意見ではありません。そもそもデザインとは何かという質問に対して私の中で明確な答えがあるわけではありません。きっと今後も内的・外的な変化に伴って自分にとっての「デザイン」という言葉の捉え方もCDOの役割への考え方も変わっていくと思います。ただ、いつまでも変わらないのは「良いものを作る」という目的だけですかね。

ーほう・・・奥が深い！なぜデザインを学ぼうと思ったんですか？

（稲葉）３DCGの美しさに惹かれ、自分も作ってみたいと思ったことがきっかけです。大学ではデザインを専攻したのですが、そこでそもそもPCが嫌いということに気づきました（笑）

ーPC嫌いだったのに、よく今のお仕事されてますね（笑）何かきっかけがあったんですか？

（稲葉）大学3年生のときに受けた、情報デザインに関する授業が全てのきっかけです。課題は「病院の患者さんにとってうれしい体験を提案する」といった内容でした。

たとえば病院に着いてから診察を終えるまで、さまざまな体験がありますよね、診察までの待ち時間、レントゲン撮影、診察、会計、など。そういったそれぞれの「体験」についてユーザー調査をして、課題を設定して、提案を考える、といったものです。

そのときに「ユーザー調査→コンセプト→提案」というプロセスがおもしろかったんです。それまで「デザイン」というと「どんな表現をするか」といったアウトプットのことしか頭になかったのですが、それに至るまでのインプットに対する感覚がそこまでなかったので、とても新鮮に感じました。それが「ユーザーエクスペリエンス」（以下、UX)と呼ばれる考え方につながります。

その授業を機に、その授業をしていたその山崎和彦先生に師事したくて大学院まで行って研究に没頭しました。山崎先生は今でも自分の大きな目標としている人です。

ー当社に入るまでのお仕事やご経験について教えてください。

（稲葉）制作会社、制作プロダクション、事業会社、と来て現在4社目です。

大学院を卒業して最初は作る側のスキルを身に着けたいと思い制作会社に入りましたが、大学～大学院で研究していたUXに関する仕事がなかなかできず、webデザインを主とする仕事しかできない日々が続きました。というのも、当時UXに対する社会的認知度は高くなく、そういったことに力を入れる会社は多くなかったように思います。

ーそんな中、当社に入社することになったきっかけは何だったんですか？

（稲葉）転職活動中、本田さんのスカウトをもらったことがきっかけでした。複数社受ける中で、面接時に必ず「デザインへの考え方」を尋ねるようにしていたのですが、GVA TECHは最も納得いく答えが返ってきたので入ろうと思いました。とはいえ詳細に覚えてはいないのですが、「見た目だけがデザインではない」という自分の意見に凄く納得してくれたのを憶えています。

あとは当時社員が2人（CEO,CTO)しかいなくて怪しく感じたので（笑）すごく調べました。調べていくうちにGVA法律事務所のスタートアップ支援の実績を知り、スタートアップ運営のノウハウはあるのかなと思いましたし、2人しかいないからこそ裁量を持って何でもできると思ったので入社を決めました。

ー当社に初めてきたときの印象はいかがでしたか？

（稲葉）GVA法律事務所で面接したのですが、面接部屋（通称：シリコン※）が法律事務所っぽくなくて驚きました。

※シリコン：GVA法律事務所内にはシリコンバレーをイメージした部屋がある。芝生の床、緑・オレンジといった刺激的な色の壁、バランスボール等が置かれ、柔軟な発想がしやすい空間になっている。

ー入社時の面接や今一緒に働く中で、山本さん（CEO)、本田さん（CTO）をどう思いましたか？

（稲葉）山本さんは、ポジティブでガンガンいくところがすごく良いなと思っています。本当は色々なことを考えていることと思いますけど、周囲には楽天的に見せているので。本田さんは、技術力がすごく高い人で、冷静さと慎重さを持っている人なので、良い意味で山本さんのブレーキを兼ねています。2人でちょうどいいバランスだなと思ってます。

ーところで、今はやりたいことってやれてますか？

（稲葉）いままでで一番やりたいことがやれていますね。ユーザー調査からかかわって、コンセプトメイキング、その後のデザインまでやらせてもらっているので。通常、規模が大きい会社になってくると、各プロセスごとに分業しているものですが、自分は全部ひとりでやりたい欲張りなので、今すべてに 関われているので幸せです。

現在CS（カスタマーサクセス）も見ていますが、「ユーザーの成功体験を提供する」という点でUXと考え方が近く、ユーザーの声を直接ヒアリングできるのがありがたいですね。

ー入社してよかったと思うことはありますか？

（稲葉）なんといっても仕事が楽しいことですかね。ずっとユーザー調査から手掛けたいという思いがあったので、それを今できているのでとても楽しいです。

ー入社して、一番の思い出はなんですか？

（稲葉）初めてユーザー調査に行ったときですかね。念願が叶った瞬間でした。今までだとアプリリリースの直前に、調査員を雇って調査を行う程度だったので。

ーありがとうございます。それでは仕事の話はこのくらいで・・・好きな休日の過ごし方はありますか？

（稲葉）勉強会に行くこともありますが、旅行ですかね。旅先で本読むのが至福です。自転車で遠出したりもします。山や森が好きなので、旅先は鳥居と木が印象的な神社を目指すことが多いです。鳥居の中から外を見るのが良いです。明日から3連休なので、奈良を旅してきます！（取材日は9/21(金））

※カバー写真には旅行中に撮影した写真を使わせてもらいました☆

ー最後に、おすすめの本などあったら教えてください！

（稲葉）「発想する会社」。誰しもが読んでほしいです。デザインイノベーションについて考える良いきっかけになった本です！

ーありがとうございました！

というわけで、今回はユーザー体験を考える大切さを学ぶインタビューとなりました。

来週もお楽しみに～＾＾