【野球選手からコンサルタントへの転身】 初めて企業に勤めてみて感じる人・仕事との関わり方 | 社員インタビュー
弊社パクテラ・コンサルティング・ジャパン(以下:PCJ)は「Ideas Worth Spreading(価値あるアイデアを広める)」というTEDの理念のもと運営をされているTED×HitotsubashiU様のCore ...
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弊社パクテラ・コンサルティング・ジャパン(以下:PCJ)は「Ideas Worth Spreading(価値あるアイデアを広める)」というTEDの理念のもと運営をされているTED×HitotsubashiU様のCore Partnerを務めさせていただいております。本コンテンツは、TED×HitotsubashiU様が実施する「面」企画の一環として社員の人生・仕事経験をインタビューしお届けする企画。第2弾は、弊社の鈴木のインタビューの様子をお届けいたします。
ーー本日はどうぞよろしくお願いします。まず始めに、鈴木さんの自己紹介をお願いしてもよろしいですか?
鈴木 私はプロボクシングの辰吉丈一郎選手に憧れて、プロボクサーになりました。その後、手に職をつけるために電気工学系の夜間の専門学校に進学して二種電気工事士の国家資格を取得し電気工事関係の仕事に就いていました。次に、内資のネットワーク機器のメーカーに転職し、ネットワークエンジニアとして働きました。その後、人材系会社に転職し、BPO、DX、新規事業、サービス開発といった幅広い仕事をするようになり、現在は外資系コンサルファームのパクテラで働いています。
ーー様々なキャリアを歩んで来られたとのことですが、現在、コンサルティングファームで働いていらっしゃる鈴木さんの一番最初のキャリアがプロボクサーだったというのは、とても意外でした。ちなみに、人材系(ネットワーキング)のお仕事に転職された理由を教えていただいてもよろしいでしょうか?
鈴木 ネットワーク機器メーカーで商品を扱う有形サービスを行っていたのですが、それだけでは視野が狭くなるし、自分のキャリア形成も難しいと考えたので、人の気持ちを理解し、人を活かす無形サービスをするべきとの思いに至り、人材系のネットワーキングビジネスを学びたく転職しました。
ーーありがとうございます。では、現在はどのようなお仕事に従事されていて、どのようなやりがいを感じられているか、そのあたりを教えていただけますか?
鈴木 日本の労働生産性は先進国の中でも最低と言われており、それを裏付けるニュースやレポートも数多く出ていますが、私のメインの活動としては、個人や組織を変革することによって労働生産性を最大限にするサービス・事業開発責任者としてリードしており、それをベースにした支援活動も行っています。いわゆるコンサルティングワークだけではなく、自社の新規事業開発も行っています。ですので、様々な人(学会・大学教授・クライアント)と共創しながら、PoC(Proof of Concept・概念実証)にも取り組んでいます。
また、社内で行っていることなのですが、中途や新卒の社員の方に向けて普段と違うきっかけを与えることによって、自己実現、自己成長に繋がる軸を見つける活動を行っています。そうすることによって、研修を受講した皆さんのキャリア形成に役立つようにしています。これをパーパス研修というのですが、中途や新卒社員の個人パーパスを研修中に策定し、会社とのパーパスの交わりを見つけることによって、その共通のパーパスに対してどのように向かっていくべきかを、個人と会社の双方が考えられるようにしています。
ーー本当に幅広いお仕事をなさっているんですね。すごいです。
鈴木 はい、本当にありがたいです。やりたいことがあれば、基本的に社長から権限を移譲していただいてやらせてもらえていますね。弊社の社長は器が大きいだけでなく、バックキャスト思考且つ、イノベーティブな思考も併せ持つ稀有な方で、あまり細かいことは言わないので、私の心理的安全性も担保されています。勿論、自由にやらせてくれるということは、責任も伴うことは大前提です。
ーーそういう点で、御社はすごく自由な会社ですね。今まで鈴木さんがお勤めされていらっしゃった会社と比べても、やはりパクテラさんは自由な会社だと感じられますか?
鈴木 間違いないですね。以前勤めていた会社では色んな企画を出しても最終的に予算の問題など上申決裁が下りないことが多かったですが、今は本当に自由にやらせていただいています。フォーキャストな発想ではなく、バックキャストな発想で企画を出しますが、数年経つと、その構想に近いサービスが世に出ていると自分があの時提出していた企画は間違っていなかったなって思えることがそれなりにあったことがありました。会社を変えた理由として、パクテラの方が、飛躍的な自己成長と自分の市場価値を高めることができるではと思ったからです。入社してその判断が間違っていなかったと日々感じています。本当に社長のおかげです。
ーーなるほど。先ほどパーパスという言葉がありましたが、今のパクテラさんのパーパスについてもう少し詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか?
鈴木 弊社のパーパスは「人々に感謝され、笑顔を創り出すために、知恵と創造で変革を起こす」ですが、フラットなパーパスと言えるかと思います。つまり、いろいろな意味で捉えることができます。自社の強みを活かして、自社がどんな存在であって、どういうことを目指すのか?というのを言語化しているのが、良くあるパーパスだと思います。
お客様の経営課題の解決がコンサルに求められるものですが、期待以上の成果を出すことで、お客様の経営層、従業員に感謝され、笑顔に繋がりますので、それを実現するための手段を明確に定めていないです。「知恵と創造で変革を起こす」というどのように捉えることもできる粒度にすることによって、従業員の成長や新規サービス、事業開発などあらゆるアプローチが手段になり、強みに繋がるため、アーリーステージとエクスパンションステージの中間にいる弊社ならではのパーパスだと思います。
ーーご職業が変わったことで、パーパスの変化は感じられましたか?
鈴木 前職ではパーパスは意識していませんでしたが、組織変革の事業開発責任者として進める中で「出会う人々の成幸のために、新しい挑戦の場を創る」というMYパーパスを策定しました。
これは、自分自身が必要であれば、営業、講師、企画、コンサル、エンジニア、マーケティング、エバンジェリストなど職域を越境しながら、実践し自己成長してきたので、組織変革サービスを通じて、そのような挑戦できる環境を用意して関わる人の自己成長に繋がる支援ができればとの想いで策定したMYパーパスになります。
このパーパスになるまでに10回くらい変更して、腹落ち感とナラティブ要素のあるこのパーパスに落ち着きました。
ーーありがとうございます。では次に、鈴木さんが現在開発されているティール組織診断システムについて、簡単にご説明いただけないでしょうか?
鈴木 ティール組織というのは、元々マッキンゼー出身のフレデリック・ラルーさんという方が考案した理論で、社長や上司がマイクロマネジメントをしなくても目的達成のために進化を続ける組織のことで、指示系統がなくてもメンバー一人一人が自分たちのルールや仕組みを理解して独自に工夫し、意思決定していくという特徴が見られる組織のことです。でも、日本の組織ではあまり浸透されませんでした。理由として、フレームワークや答えやルールがない、抽象的なティール組織の考え方がメンバーシップ雇用、階層型組織の多い日本企業ではマッチしないことであると考えています。私たちが今開発している日本流ティール組織診断システムとは、各20項目の5段階の設問の回答をもとに、組織をレッド、アンバー、オレンジ、グリーン、ティールの5段階に分けるシステムのことです。このティール組織診断システムを目指す組織像(Tobe)と現状の組織(Asis)で計測してGAPを把握しGAPを改善するための施策として行動変容プログラムに導入することによって、組織が硬直、停滞している企業の人々のマインドセットと行動を変えていくことが可能になり、人、組織のポテンシャルを最大化するサービスです。
ーーなるほど、とても興味深いシステムですね。こちらは他社へ向けての人材育成サービスのご説明ですが、逆に自社でのコミュニケーションの活性化・組織形成や人材育成という点でパクテラさんが行っている特別なことであったり、鈴木さんが意識されていることはありますか?
鈴木 弊社のコミュニケーションの活性・組織形成という点では、「社長のおごり自販機」という自動販売機があって、社員証を二人でかざすと1日あたり1人3回まで無料でドリンクが飲めるという制度があったり、会社がランチ代を半分負担してくれる「びずめし」という福利厚生サービスがあります。こういうサービスを利用することによって、社員同士のコミュニケーション機会を創出し、活性化する場を生み出すことができています。私自身、このシステムにはかなり助けてもらっていますね。実は私の家庭は小遣い制なので(笑)。
ーーえっ!そうなんですか(笑)。会社の中にこういうサービスがあるのは非常にいいことですね。
鈴木 人材育成という点では、先ほど話したパーパス研修以外に戦略コンサルファーム出身の外部講師をお招きして、コンサル思考、マインド研修や、大手コンサルファームのパートナークラスの講師が企業分析の研修を行ったり、プレゼン資料作成力UPのための勉強会を新卒、中途、タイトルは関係なく誰でも参加できるものを開催しています。これらの研修プログラムの中には、一定の水準に達するまで何度もやってもらうようなものも一部存在していますね。
私が意識している点で言うと人材の価値を最大化するときに大切なことについてですが、心の底からやりたいと思う、内発的な動機付けをどのようにして作るかということが大切なことだと考えています。何か新しいことを始める際に前例主義、同調圧力が求められ、かつ失敗することがダメなことだと思われている日本社会では、組織の中で責任の所在がどこにあるのかがはっきりとしないことが多いですよね。多くの日本企業では、失敗することを前提とした組織作りがなされていないから、失敗が起きた時に人や、組織に纏わるトラブルが起き、エンゲージメントが下がってしまい、挑戦するためのマインドが削がれることが多いです。これによって、新しいことにどんどん挑戦していく優秀な若い人が辞めてしまうことが大きな課題です。
挑戦風土を高めるための一つの施策として、私自身の経験談も交えて話すと、組織リーダーが自分の過去の失敗談をメンバーに語ることで、今よりもフラットな関係が生まれます。先ほどのティールの話や、今回のTEDxのテーマである「面」の話と被る部分が少しあるのですけれども、こういったリーダーの行動によって、失敗をすることへの恐れを和らげることができ、その結果、優秀な若い人も失敗をしても本来の自分を隠して仮面を被るということをせずに、ありのままの自分をさらけ出せる組織を生み出すことが可能になると思っています。もちろん、フレームワークに基づいたものや定型業務などある程度、形式化された仕事は出来なきゃいけないですけど、前例のない新しい仕事なんて誰もやったことないのだから失敗するのは当然なんです。社員1人1人がそういった失敗をすることを気にせずに、のびのびと挑戦できる組織を作ることで、内発的な強い動機付けを生み出し、それで個人が小さくても成功体験を創ることで、他の個人も共感、自分事化し、それぞれが繋がり合うことで共鳴されるレベルまでいくと、組織、人材の価値を最大化することができると私は考えています。
ーーありがとうございます。では、最後に今回の私たちのテーマである「面」に関する質問です。他者とのコミュニケーションの中で感じる難しさをどう乗り越えてきたのかをお伺いしてもよろしいですか?
鈴木 人は理解するけど、行動することが難しい生き物である。そして、人の心は雲を掴むようなもの、山の天気のように変わりやすいものということを常に意識しています。私の家族ですら私の言ったことを理解してくれないのだから、アカの他人に対して理解して行動することを求めるのはすごくおこがましいことだなって思っています。まず、理解してもらい、それに共感してもらって納得してもらう、そしてその人にとってのメリットを気づいてもらう。こうすると、行動に繋がることが多くなって、その行動のおかげで成果が生まれてきます。実はこれに気がついたのは、前職の時にBPOサービスの業務委託化を新規立ち上げする際に派遣社員さんに派遣という個人プレイではなく業務委託というチームプレイの仕事をしていただくときに、意識変革と行動変容が必要でして、その中で試行錯誤する経験があったからです。
山本五十六さんの「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」っていう言葉があるのですが、この考え方が私の背景にあって、まずは自身が実践するのは当然として、行動心理学を勉強しティーチングだけでなく、コーチング、カウンセリング等の様々な方法を使って相手に歩み寄っていくことができました。加えてプロジェクトポリシーを言語化し共通認識させることで委託化に導くことができました。この時の経験は当時の私にとって新しい挑戦であり、手痛い失敗と思っていましたが、今となっては、今の自分にとって良い経験だし、その経験があることで今の自分に繋がっていると思います。
ーーありがとうございます。では、最後に鈴木さんから一言いただけますでしょうか?
鈴木 もう一度、今回の主要テーマである「面」ということについてなんですけれども、人が誰しも他人から認められたい、褒めてほしいなど、承認欲求が高いと自分自身をよく見られたいと思って、人から褒めてもらえそうな無難な行動や得意分野の仕事のみ限定したり、自分自身を制限してしまいますよね。でも、人って思っている以上に全然他人のことを見てないと思います。だから、他人からの視線を気にせずに初めてのことにも臆せず、色んな事に挑戦していく姿勢を持つことは重要だと思います。心の底からやりたいことがあるのであれば、人の目を気にしないで、挑戦してほしいです。やらない後悔より、やって後悔する方がいいと思います。やれば失敗しても同じ失敗は繰り返さないよう努力しますし、それによって新たな挑戦意識が芽生えたり、他人に体験談として話すことができるなど、今後の人生に良い影響を及ぼすと思います。
自分の人生は自分しか決められないし決めるべきなので。生殺与奪の権を他人に握らせるな!です(笑)
ーーなるほど、確かにそうですね!本日はお忙しい中ありがとうございました。
最後まで本記事を読んでいただきありがとうございます。
Vol.2【コンサルティング会社でのサービス立上げ】人的資本経営:これからの時代を生き抜く組織のあり方 は以上となります!次回のVol.3では、シニア・マネージャー 西牧のインタビュー記事をお届けいたします。
TEDxHitotsubashiUは、アメリカのNPO団体TED(Technology, Entertainment, Design) の理念に基づき、価値あるアイデアを学内や世の中に広めることを目的として活動する団体で、一橋大学を拠点に活動しています。本部であるTED Conferenceとは独立して、学生が主体となって運営されており、講演会の参加者と講演者との間に深い結びつきを生み出すことを目指しています。
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