はじめに:
私たちパクテラ・コンサルティング・ジャパン(以下:PCJ)はデジタル領域に強みを持つグローバルファームで、設立7期目でありながら世界基準のナレッジを有し、大手企業様を中心に日々コンサルティングサービスを提供しております。
今回は、近年重要視されている企業の存在意義である「パーパス」について、その背景や事例とともにPCJが考える「パーパス」、PCJが提供するサービスをご紹介いたします。
インタビュイー・インタビューアー プロフィール:
○インタビューイー
鈴木 玄明(ビジネスデザイン事業部 マネージャー)
通信機器メーカーでエンジニアとしてキャリアをスタートさせ、複数プロジェクトのPM、プリセールス、講師などを担当。その後、大手人材会社でDXに関する事業企画、事業開発立案から実行まで従事。2021年5月にパクテラ・コンサルティング・ジャパン株式会社へ入社し大手通信会社のサービス開発支援や自社の組織変革サービス開発を担当。
「出会う人々の成幸のために、新しい挑戦の場を創る」を個人パーパスとしている。
カシャ(ビジネスデザイン事業部 コンサルタント)
ポーランド出身。2016年に日本に移住し、琉球大学で博士号を2019年に取得。現在、パクテラ・コンサルティング・ジャパンのビジネスデザイン事業部のクリエイティブマインドの一人。ワークショップデザイナー、ティールプラクティショナーである。組織が自らのパーパスを理解し、ティール的な組織になることを支援することで、「持続可能で包括的な、環境に優しい未来を創造すること」を個人パーパスとしている。
川口ひとみ(採用担当)
大学卒業後、大手日系生保へ営業事務として入社し、保険事務や営業部管理等を行う。2019年4月にパクテラ・コンサルティング・ジャパン株式会社へ入社。保険代理店事業部のアシスタントを経て、現在採用担当として新卒採用、中途採用業務に従事。
○インタビューアー
枡井 夏生
都内私立大学を卒業後、大手通信会社へ入社し、官公庁向け法人営業に従事。2018年4月パクテラ・コンサルティング・ジャパン株式会社へ入社。入社後は大手通信、保険業界などのクライアントを中心に新規事業立案、DX戦略立案・実行等を支援。デジタルマーケティング、データマネジメントに知見があり、自社のマーケティング業務も担う。
Q&A session
最近のトレンドとして「パーパス」というキーワードが挙げられますが、パーパスとはどういうものなのでしょうか?
鈴木:
パーパスとは、なぜ企業・個人が存在しているのかという存在意義のことを意味しています。一方で、よく混同されるビジョン、ミッションとは明確に異なるもので、ビジョンは実現を目指すあるべき未来のこと、ミッションはビジョンを実現するために果たすべき使命を表します。パーパスにはビジョンやミッションなど実現するための土台となる役割があり、パーパスを定義することはビジョン設計を行う上で必要不可欠で、これからの企業経営はパーパスを定義しないと実際にビジョンに辿り着くことは難しいと考えられています。
なぜ今パーパスを定義することが必要とされているのでしょうか?
鈴木:
なぜ今必要なのかと言うと、仕事やプライベートを問わず、自分が大切にしていること(パーパス)を定義し、考えることが不確実性の高い時代では求められているからです。例えば、「どこでも生き抜けるようなスキルを身につけ、それにより皆の幸せな働き方を実現したい」というパーパスがあるとしましょう。これが会社のパーパスと結びつくパターンと結びつかないパターンがあります。仮に結びつかなかったとしたら、他の新しいことにチャレンジしていくか、フィールドを変えて仕事に取り組むのかどうかを検討する必要があると思います。その際に、パーパス思考をすることで選択の指標を見出すことができ、重要な決断ができるようになります。自分のパーパスと組織のパーパスが合わさることで仕事を自分事化でき、自分事化できるということはその仕事に責任を持つことができ、結果的にパフォーマンスと仕事の幸福度を上げることができるので、自分でパーパスを定義して考えることが重要になってきているのです。
カシャ:
パーパスを定義することは海外企業では5,6年前ほどから多く取り入れられていて、日本でも大手製造業界や食品業界、金融業界など有名な企業で取り入れられ始めており、トレンドになっています。
枡井:
終身雇用制度が特有のカルチャーとして根付いている日本企業のもとでこそ、このパーパスを取り入れた企業経営を推進されるとよいですね。
パクテラが考えるパーパスとはどのようなもので、どのようなアプローチで取り組むのか教えてください。
鈴木:
パーパスの構造は、組織・チーム・個人で分類され、組織(会社)としてのパーパスが最も重要な要素となります。組織のパーパスからブレイクダウンし、チームの中のパーパスや個人の中のパーパスと結びつけることがPCJの考えるパーパスの定義です。パクテラでは各レイヤーでのパーパスを定義するための横断的なワークショップを実施するサービス「パーパスディスカバリー」を提供しており、目的(パーパス)のために進化を続ける組織であるティール組織実現を支援するサービスの一部として位置付けられています。
大手企業では1~2年掛けてパーパスを定義するなど時間を要すものですが、不確実性の高い時代だと変化が早く事業ドメインの見直しが入りパーパス自体が陳腐化する可能性があります。
そのため、我々はティール組織の三大要素の一つである「エボリューショナリーパーパス」、まさにパーパスも進化させることを前提にパーパスを仮定義します。パーパスPoC(概念実証)とも言えます。パーパスは一度定義したら絶対に変えてはいけないものと思われていますが、世界、日本のリーディングカンパニーはパーパスを再定義して業績、株価、時価総額を向上させているケースも多いです。尚、パーパスを仮定義しても行動が伴わないとハリボテのパーパスになり、従業員エンゲージメント低下やクライアントの信頼度低下に繋がることもあるため、パーパスに基づくKPI策定、行動変容モニタリングシステムも別サービスとして開発中ですのでローンチしたら是非紹介させてください(笑)
カシャ:
ワークショップのサービスを「ディスカバリー」という名前にしたのは、日本語にすると「発見」という意味で、パーパスを冒険的なものと捉え、一緒に模索していこうという意図があるからです。パーパスクエストという案もあがったのですが、「より主体的な」という意味を込めてディスカバリーにしました。
枡井:
チームごとで定義されていて、それに対して個人とチームのパーパスがあり、働きがいや自分がどのようになりたいかアセスメントを作るという面では、少し弊社の評価制度と似ているところがあるかもしれないですね。
パーパスディスカバリーを体験してみての感想を聞かせてください。
川口:
パクテラでは昨年、コアバリューを策定したのですが、組織として何を目的にしていくのかなど意識の部分については今まで共有したことがなく、自分でも言語化し、まとめることをしたことなかったです。今回のワークショップを通し、意義を明確化することができたのでよかったです。またチーム内ではそれぞれ違う業務をやっていることが多く、意識の共有などが行えていませんでしたが、今回パーパスを定義した際にチームのメンバーの方向性が同じだったので嬉しかったですね。コミュニケーションが無いわけではありませんが、結果的にチームとして同じ方向を向いて作業できているという認識ができたことで、一体感が芽生えたと思います。もし共通点がなかったとしても、この人はどんな風に考えて動いているのかが共有できると一緒に仕事をしていく上で、意識が変わると思い、新しい気づきとして良いと感じました。
枡井:
今のお話を伺って、私の部署で上司やメンバーともやってみたくなりました!
パーパスディスカバリーはどのような場面での活用が期待されますか?
鈴木:
先ほど話したケース以外だと企業の採用活動における効果が期待できると思います。組織内でパーパスを定義できると、採用活動時で選ばれやすい会社作りとカルチャーフィットに繋がると言えます。日本の企業では、今後社会課題を取り組む上で、自分の存在、価値観などを意識して考えながら動く「考動」が重要視されてくると思います。パーパスを定義することを経て、仕事の中でやりがいや共通の価値観を見出せる会社だから一緒にやりませんか?等、パーパスファーストで候補者側に訴求できる共感採用に繋がると考えます。
枡井:
自身のプロジェクトでの経験を踏まえ、クライアントとのプロジェクトにおいても期待できるのではないかと思いました。クライアントと共同でプロジェクトを推進していくと、壁に当たった際、立ち戻る土台がなかったりするケースが今までもあり、PMO支援の最初のタスクにパーパスディスカバリーがあると、行き詰まった際になぜそれをやらなくてはいけないのかを思い出すという意味でも活用できるのではないかと思いましたね。
鈴木:
そうですね。仰る通りです。複数のステークホルダーが絡むと利害や立場の違いで本来の目的から逸れたり手段が目的化するケースって結構多いと思いますが、パーパスを定義すると立ち戻るきっかけにもなると思います。今は1社だけで完結することは少ないので共創ビジネスパートナーと協業する場合やCoE(組織横断型)、新規事業プロジェクトなど、何かを開始するきっかけでパーパスを定義して、それを共通認識化できる社会にしたいなと考えています。
終わりに
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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