プロフィール
橋本功哉(Koya Hashimoto)
インテリアデザイン会社に勤務後、大手SP会社を経て、2019年にオズマピーアール入社。日雑系商材や医療メーカーのSP領域で得た知見を活用し、テーマパークや博物館、家電メーカーなど、幅広い領域のクライアントに対し、コミュニケーション戦略、認知獲得や来場促進企画等の立案を行う。
ー SP(セールスプロモーション)で、デザイナーと営業の両方を経験
小さい頃から「ものづくり」が好きで、大学では、内装デザインや空間設計といったインテリアデザインを学んだ橋本。卒業後、建築系の仕事を経て、インテリアデザインの知識が活かせるフィールドとして、SPの仕事に就きました。
SP会社では、最初デザイナーとして働いていました。クライアントの商品が発売されるときに、その商品の特性が活きるような売り場づくりが主な仕事で、店頭販促物やキービジュアルのデザインをしていました。仕事を評価いただき、何度かクリエイティブの賞もいただくことができました。
もともと、小さい頃から、モノをつくることが大好きでした。ブロック遊びが好きで、子どものときは親から「いい加減にしろ!」と怒られるまでつくっていたのを覚えています。モノをつくることへのこだわりが、今の仕事に通じていると思います。
デザイナーを3年ほど経験した後、営業部に異動し、営業と制作のディレクションをすることに。クライアントと対峙し、どうしたら商品が売れる売り場がつくれるか、どうしたら認知拡大を狙えるか、という視点から案件に携わっていました。
具体的には、クライアントの商品をドラッグストアでより目立つ棚に置いていただくためにはどうしたらよいかを考える仕事です。普通にお店に置かせてくださいと頼んでも置かせてもらえません。店舗と一緒にキャンペーンを組んだり、競合製品を絡めた売り場づくりをしたり、さまざまな工夫を伴う仕事でした。
スキンケアグッズを担当すれば、クライアント製品と競合製品を絡めたスキンケアコーナーの売り場設計を提案することもありました。売り場の活性を企画に盛り込み、結果、店舗にとってもクライアントにとってもWin-Winになれることを普段から考えていました。
元デザイナーとして、売り場や売り方の設計を統合して提案できることを自分のセールスポイントにして開拓していました。店頭ディスプレイだけではなく、WEBのキャンペーンや一般向けイベントも合わせながら、前例にとらわれない自分なりの提案を心がけてきました。
ー SP領域から見た、PRの可能性
デザイナーと営業の両方を経験し、SP領域は、ひと通り経験を重ねることができた橋本。クライアントにプロモーション施策を提案する中で、もっと前段階から企画に携わることができる、PRの存在に気づきます。PRとSPを組み合わせて提案することできたら。そこに、ビジネスの可能性を見出します。
デザイナーから営業への異動は、よいタイミングだったんだろうなと思います。デザイナーとして何度か賞をいただいていたので、名刺を渡すと「仕事拝見しました」と言っていただける機会も増えてきました。営業に異動してからは、当時デザイナーとして営業に対して「もっとこうしたほうがよい」と自由に発言していたことが、実際に営業の目線に立って初めてその難しさがわかるようになったんです。その頃の僕には、両方のキャリアを経験したことで、SP領域では1から10までできる、そういう自負みたいなものがありました。
ただ同じ頃、PRやクリエイティブの領域は、SPの僕らよりも前段階から企画に携われると感じており、そのアドバンテージは大きいな、と思うようになっていたのです。僕のSP経験を活用してPR領域まで担えれば、ひとつの提供価値になるのではないか。そう思い始めてからは早かったですね。PRに行こう、とすぐに行動に移していました。
オズマピーアールの採用選考では、人事担当者やマネージャーと面接した際、僕の「PRからSPまで統合でやっていきたい」という将来のビジョンにもすごく賛同してくれたことが印象的です。PR会社の中でも50年以上の歴史があることに魅力を感じていました。それを土台にPRの知見もいち早く吸収してほしい、そう声を掛けてもらえて、これは面白そうなことができそうだ、と確信を持つことができました。
転職活動では、他にも大手広告代理店や印刷会社も受験し、ありがたいことにいくつかの会社からお誘いをいただきましたが、配属先に縛られずさまざまなクライアントや業務に関われること、前職よりも川上の工程から携われること、また、売るだけではない企画業務を担える営業職であることを重視し、最終的にオズマピーアールに決心しました。
ー クライアントと、その先の生活者のために
未経験でPR領域に飛び込んだ橋本にとって、これまで知らなかったこと、初めて経験することも多い中、苦労よりもワクワクが大きかったといいます。PRは手法や仕事の進め方の正解がない世界。案件によって異なる様々な仕事を、楽しみながら取り組んでいます。
入社して最初に担当したのは、ある施設の案件でした。開会式や内覧会に向けて、会場設営、進行台本の作成など、イベントの基本的な業務と、出演者や作品の調整までを行う幅広い仕事でのことです。まさか自分が展示のメインコンテンツとなる作品のストーリーを考えることになるとは。そのストーリーをのせた作品が世の中に出ていくことに、やりがいや心地良さを感じた気持ちは、いまでも大切にしています。
入社して間もない頃から、前職の経験を活かせる機会にも恵まれました。同じ施設の仕事では、サンプリングの制作を任せてもらい、さっそく前職での印刷の知見や、デザインの経験をそのまま活かすことができました。職場を変えても「ものづくり」が今もできているという感じを実感しています。
あるテーマパークの仕事で、橋本は心を打たれます。SPの立場で、長くコミュニケーションの仕事をしてきた橋本ですが、PRの仕事を通して、いま取り組んでいる仕事の意義について、改めて実感する出来事となりました。
テーマパークの新エリアオープンに携わる仕事を担当したときのことです。セレモニーやオープンの準備をする中、チームメンバーとともに、色々な準備や調整を重ねてきて、なんとか天気ももちこたえて、オープン初日を迎えられたのですが。オープンの瞬間、実際にお客さんが入場され、子どもたちがとても明るい笑顔で、わーって走り込んでくるじゃないですか。そこで初めて、「自分はこの子たちの笑顔のためにやってきたんだ」と。この日を迎えるまで、ずっと紙の上で企画や提案を繰り返してきて、でもそれが初めて、リンクしたように感じたのです。
もちろんSPでも、生活者からの反応を感じることはあります。メディアや店頭で「今売れてます!」という情報に触れたり、実際に店頭から在庫がなくなったりと。それでもSPの場合は、自分の作品(制作物)がお店に飾ってあるというイメージがあり、それを見て満足するまでだったんですが、PRでは、生活者の笑顔や満足のために頑張っているんだ、そういう実感が伴っているんです。テーマパークの仕事は、僕にとって、早くも忘れられないものになりました。
クライアントと向き合いながら、コミュニケーションのプランニングをする橋本。そこでの前職との違いに、面白さと、難しさを感じています。
PRは、決まったアウトプットがないところが、前職と大きく違うところだと思います。SPの場合は明らかな成果物がありますが、PRのゴールは、目に見えるモノばかりではありません。そこが、PRの面白いところでもあるし、難しいところでもありますね。
今、年間プランを提案しているクライアントを担当していますが、先日情報発信で反響を得たときに、クライアントが成功したととても喜んでくださったんです。本当にとても嬉しかった。この先のネタづくりも期待してくださっているのですが、長期的な視野に立つと、今やっているPRの成果が本当の意味でわかるのはだいぶ先だと考えています。構築できたクライアントとの信頼関係を引き続き育みながら、今の期待を裏切ることのないようにと、身が引き締まる思いです。
PR(Public Relation)において追求する価値は、一朝一夕では成し遂げられません。
どうやって社会の共感を得るか、ステークホルダーと関係を築くか、といったことを本質とするPRにおいて、すぐに結果が出る、そんな短絡なPRというのはないと思っています。おのずと、長期的な取り組みになるのかなと感じています。その中で、ニュースリリースがYahoo!トピックスに掲載されるなどの成果も踏まえながら、コツコツと成果の積み重ねを大切にしていきたいと考えています。
ー これまでの知見を活かして、PRビジネスの可能性を拡げたい
PRに興味を持つきっかけとなった、SPとPRをつなげる取り組みは、今まさに挑戦している最中です。SPの知見を活かせるフィールドとして、その兆しはすでに見えはじめています。
販促・プロモーションの領域まで一緒に提案して、より統合的なコミュニケーションをつくっていきたい。PRのあり方や、会社のフェーズが変化していく中で、僕の知見を活かした仕事のつくり方はそこにあると思っています。
戦略を考えるとき、SP領域の知見も踏まえて、こういうプロモーションも一緒にやったほうがいいんじゃないか、といったことを提案できるようになったのも、ひとつの兆しです。提案に対してクライアントから「その発想はなかった」「新しいですね」と言っていただけることが増えたことは、非常にやりがいにつながっています。期内に一件くらいのペースで、自分の看板になるような実績をつくっていきたいですね。
SPのプロフェッショナルがいて、PRのプロフェッショナルがいれば、何かを成し遂げる可能性は広がると確信しています。僕はSPのプロフェッショナルとして入社しましたが、近い将来、PRのプロフェッショナルとして認められる姿を目指して、日々謙虚に勉強中です。