「誰かの決めた正解ではなく、自分が心から納得できる選択をしてほしい」
そう語る新橋さんは、大学時代から一貫してキャリア支援の道に身を置いてきました。新卒で入社した大手人材紹介会社では、圧倒的な熱量で学生と向き合い、高い成果を残しながらもビジネスモデルと自身の理想との間で葛藤。一度は「私はビジネスに向いていないのではないか」と悩んだ時期もありました。
休職やフリーター期間、そして哲学との出会いを経て、彼女が再出発の場として選んだのが、OTOGIです。なぜ彼女は、あえて再びHR業界へと戻ってきたのか。そこには、単なるマッチングを超え、「一人ひとりの本当の想いを引き出し、自分の意志で未来を選択できるような本質的な支援をしたい」という深い情熱がありました。入社1ヶ月、フレッシュな視点と確固たる信念を持つ彼女の軌跡を辿ります。
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新橋 萌 / コンサルタント
神戸大学在籍時に「知るカフェ」でのインターンや、エージェント事業を行うWividでの経験を通じてキャリア支援に従事。新卒でレバレジーズ株式会社に入社し、キャリアアドバイザー(CA)として従事。その後、営業推進部署にてコーチング的アプローチによる長期支援を経験。2026年4月にOTOGIへジョイン。趣味は可愛いもの集め、編み物、ベーグル作り、そして東洋哲学。
「意志がない」ことへの違和感。成功体験から生まれた、自律的な人生へのこだわり
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ーー新橋さんのキャリアを振り返ると、学生時代から一貫して「キャリア支援」に携わっていますよね。その原動力はどこにあるのでしょうか?
根底にあるのは、「自分の意志で物事を決めてほしい」という強い想いです。私は、表面的な理由や、周りがそうしているからという理由で自分の意志を持たずに流されてしまうことに、昔から強い違和感を持っていました。
例えば、高校時代に周囲の友人が「偏差値という一つの指標だけ」で大学を選んでいる姿を見て、どこか寂しさを感じていたんです。「なぜそこに行きたいのか」という意志がない状態は、自分の人生を他人任せにしているように見えてしまって。
ーーその「意志を持つこと」へのこだわりは、ご自身の原体験からきているんですよね。
はい。小学校4年生の時の新体操の経験が大きいです。それまでは姉の背中を追うだけの人生だったのですが、新体操だけは初めて自分から「やりたい」と思えたことでした。
当時は田舎に住んでいて、送り迎えの負担や月謝のこともありましたが、どうしてもやりたくて母に向けてプレゼンをしたんです(笑)。どのくらい費用がかかり、どうやって通うのか、子供なりに資料を集めて必死に伝えました。
ーー小4でプレゼンですか!すごいですね。
その結果、自分で自分の選択を勝ち取ることができました。この「自分で選んだ」という成功体験が、私の人生のOSを形作っています。自分で決めれば、結果が悪くても人のせいや環境のせいにしなくなる。自責で考えるからこそ、人生を自分の手で豊かにできる。そう信じているからこそ、仕事を通じても、その他大勢としての「候補者様」ではなく、一人の「意志ある存在」として向き合いたいという欲求が強いのだと思います。
ビジネスと理想の狭間での葛藤。「内定承諾」の先にある人生を見つめて
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ーー新卒でレバレジーズに入社し、新卒紹介事業部にてキャリアをスタートされました。そこではどのような挑戦をされていたのですか?
キャリアアドバイザー(CA)として半年間で10名の学生さんの内定承諾を創出しました。ある一定の期間ではありますが、新卒で2位、全体でも5位の成績を残したタイミングもあります。その後、営業推進という部署に異動してからは、より長期的な視点での伴走が必要な学生さんをメインに担当していました。そこでは、求人を紹介する一歩手前の、コーチング的なアプローチで深く関わることを大切にしていたんです。
なぜなら、長期的な支援が必要になる学生さんの多くは、「なんとなく大手の方が良さそう」という漠然とした憧れを持っていたり、ご自身のこだわりポイントが、実は本心ではなく「周囲の目」や「固定観念」といった、外部要因に縛られていたりすることが多いからです。
そのまま求人を案内しても、本当の意味での納得感は生まれません。だからこそ、対話を通じて「自分は本当は何がしたいのか」を改めて定義し、自分自身の意志で未来を描けるようサポートする。そうして学生さんが、誰かの正解ではなく「自分の将来を自分の手で考えたい」と思えるように変わっていく。その内面的な変化の瞬間に立ち会えることが、何よりのやりがいでした。
ーー一方で、一度HR業界を離れる決断もされていますよね。そこにはどのような葛藤があったのでしょうか。
エージェントというビジネスモデルと、自分の理想との間に乖離を感じてしまったんです。エージェントは「内定承諾」で利益が出る構造です。どれだけ学生さんにコーチングをして「本当にやりたいこと」を引き出しても、最終的に紹介できるのは自社が持っている求人の枠の中に限られてしまう。
「『内定承諾を目指し企業を紹介する』という手段に縛られず、向き合う相手の人生を支援したい!」という想いが止まらなくなってしまったんです。意味や意義を百パーセント信じられないまま数字を追うことに限界を感じ、当時は「自分はビジネスに向いていないんじゃないか」とさえ思っていました。
ーーその後、休職やフリーター期間を経てOTOGIに出会うわけですが、その期間にはどのような変化がありましたか?
コーチングを受けたり、バイトを掛け持ちして働きました。一番大きかったのは「哲学」との出会いです。転職を決めたきっかけも東洋哲学の本でした。
ーー哲学が、キャリアの悩みとどう結びついたのでしょうか。
自分が抱えていた漠然とした悩みが、何百年も前の賢者たちによってすでに言語化されていることを知ったんです。それによって、自分の思考を一歩俯瞰して見られるようになり、自分を客観視する「メタ認知」の重要性に気づかされました。
これまでは「ビジネスとはこういうものだ」「この会社で頑張れなければ、どこに行っても通用しない」というミクロな視点や狭い世界観に縛られ、自分で自分の首を絞めていました。でも、メタ認知を通じてその視野の狭さが解け、「自分の価値観の扱い方」が分かったんです。エージェントという手段しか知らなかったから、その一つの手段に囚われすぎていたことにも気づき、初めて前向きに転職を視野に入れることができました。
人生のハンドルを再び自分の手に取り戻せた感覚があり、自分の価値観によって動きが止まるのではなく、それを一つの視点として客観的に扱えるようになったことで、もう一度HRの世界に向き合ってみようと思えるようになりました。
一人の人間として向き合う誠実さ。OTOGIで見つけた対話の純度
ーーOTOGIに入社を決めた一番の理由は何だったのでしょうか?
「相手を一人の人間として、対等に関わろうとする姿勢」です。エージェントの方から紹介されたのですが、選考中、どの会社よりも本音を話しやすかったのが印象的でした。私は早期離職の経験があったため、面接ではこれまでの経緯について論理的な説明を求められることも多かったのですが、OTOGIは違いました。私の抱えていたジレンマをそのまま受け止めてくれたんです。
特に印象的だったのが、マネージャーの井上さんとの面接です。井上さんは私に「あっちの会社も新橋さんには合うと思うよ!」と、あえて競合他社も勧められたんです。
ーー自社に誘うのではなく、他社を勧めたんですか?
はい。驚きました(笑)。でもその「選択肢を狭めない関わり」こそが、私が求めていた支援の形そのものだったんです。「この人たちは、私を単なる採用ターゲットとしてではなく、一人の人間として見てくれている」と確信しました。OTOGIの理念である「人生と人間性を豊かにする」という考え方が、単なるお題目ではなく、実際の振る舞いに浸透している。ここでなら、迷いなく価値提供ができると感じました。
▼井上さんインタビュー記事
「正解」を創り出す努力。未完成な組織をアップデートする楽しみ
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ーー入社して1ヶ月が経ちましたが、現在の業務やOTOGIの環境をどう感じていますか?
現在はコンサルタントとして、先輩のインタビューへの同席や、採用記事の企画・執筆を担当しています。前職までの対人経験が、ターゲットのインサイトを深く想像したり、インタビューで本音を引き出したりする場面で非常に活きていると感じます。
また、組織としてはまだ創業期で、研修制度なども完璧に整っているわけではありません。私はそれをポジティブに捉えていて、自分自身が実験台となり、次に入る人がより早く独り立ちできるような仕組みを今まさに自分の手で創っています。こうした自発的な動きを歓迎してくれる環境がとても素敵だなと感じています。
ーー「メタ認知」という視点から、OTOGIのメンバーはどう映っていますか?
全員が知的好奇心旺盛で、主観に溺れない強さを持っていると感じます。雑談のテーマが「生きるとは」というレベルにまで及ぶこともありますが、それを壮大に語るのではなく、淡々と、多角的な視点で議論できる。正解がないからこそ、自分たちのやっていることを正解だと信じられるまで突き詰めて努力する。この疑い続ける姿勢があるからこそ、クライアントに対しても、他にはない純度の高い価値を提供できているのだと思います。
未来の仲間へ。広い世界を認識し、共に「良いこと」を追求したい
ーー今後、OTOGIでどのような存在になっていきたいですか?
短期的には、メタ認知力をさらに高め、自分自身の価値提供に確固たる自信を持ちたいです。中期的には、メタ認知の視野を「個人」から「組織」、そして「社会」や「世界」へとさらに広げていきたいと考えています。そうやって俯瞰する視点を持つことで、社会の動きに合わせた本質的な採用設計を行い、ターゲットの心に深く刺さるコンテンツを創り出せると思うんです。表面的な支援にとどまらず、一社一社に対してどこまでも深く介在できるコンサルタントになりたいです。
「採用狭報」という領域は、企業が本当に届けたい人に深く刺さるコンテンツを届ける、まさに「意志ある選択」を支援する仕事です。かつて私がエージェントとして感じていたジレンマを、ここではコンテンツの力でより純度の高い本質的な支援へと昇華できる。その可能性にワクワクしています。
ーー最後に、どのような方にOTOGIの仲間になってほしいですか?
何かにこだわり抜く力があり、同時に「自分の見えている世界がすべてではない」と認識している方です。自分の意志を持ちながらも、新しい視点を面白がり、柔軟に自分をアップデートしていける。そんな方と一緒に、これからの採用のスタンダードを創っていきたいです。一緒に、良いことをしていきましょう!