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経営の終わりは、新たなミッションの始まり。社長になりたかった男が、社長を辞めたあとに見つけた、会社より大切なものとは

この4月から、オプトでビジネスディベロップメント部の部長を務める千島航太さん。

前任は、今年4月にオプトと合併した、株式会社グルーバー(以下、グルーバー)の代表取締役でした。グルーバーを立ち上げたのも、その歴史に幕引きしたのも、誰でもない千島さんです。

「存続か、合併か。この決断を下すまでの1年半は、葛藤の連続でした」

そう話す千島さんに、合併を決断した背景、3年半にわたる会社経営で培ったこと、現在の心境、そして、オプトというフィールドで『挑戦する』ことについて語ってもらいました。


存続か、合併か。決断を後押ししたものとは

オプトとの合併を決断したのは、去年の9月のことでしたが、その1年半前からグルーバーを続けることは最善なのかをずっと考えていました。

広告市場は現在も目まぐるしい成長を続けています。グルーバーを設立したのも、コンテンツがこれからのマーケティングの主軸になると確信したからでした。しかし、当初の予測を超えて市場は推移し、競合は増え、お客様の課題やニーズは複雑化しました。だからこそ、マーケティング活動を支えるコンテンツ事業を強化したい想いはますます募りましたが、同時にチャレンジの舞台はグルーバーのままが最適かという疑問もわいてきたのです。

会社の一番の目的は、理念の達成です。そのための手段として事業があり、業績目標もその一つです。出資を受けて設立したグルーバーにとって、利益を上げていくことは当然の責務です。しかし、足下の業績と、目的達成に向けた事業活動の間でバランスをとることは、所帯の小さいグルーバーにとってはアグレッシブなチャレンジをしづらいことを意味しました。

また、この頃から、『自由と責任』についてもずいぶん考えました。自分のやりたいという想いだけでグルーバーを続けることは、会社の私物化にならないだろうか、だけど頑張っているメンバーのためにもグルーバーを残したい。そんな思いを抱く自分と、市況と会社の状況を冷静に見ている自分とのあいだで意志が定まらない状態が続きました。グルーバーというハコの存続へのこだわりをなかなか拭えずにいたのです。

何かを変えなければと試行錯誤の日々が続くなか、合併の1年前から、オプトと連携した事業をスタートしたところ、手ごたえを感じられるサービスがいくつか出現したんです。この経験をきっかけにオプトに点在するコンテンツを1か所にまとめ、大きく投資することが、これまでグルーバーだけで育ててきたサービスを次のステージに導くために最善ではないか。そう考えるようになり、気づけば具体的な構想まで描けるようになっていました。

オプトとの共同事業に可能性を感じつつ、グルーバーをどうしていくのかは、オプト代表の金澤にも相談していました。毎回言われていたのは、「結論はお前が出せ」ということ。金澤からの期待もひしひしと感じると共に、なおさら中途半端な甘い決断をしたくないと考えるようになりました。

目的に対して何が最善なのか悩み抜いた結果、グルーバーというハコにこだわるよりも、事業の成長やそこで働く仲間がハッピーでいられることのほうが尊いと思えるようになり、オプトと統合させようと決めました。



本気で悩み、自分で決めた先に、太い芯ができてくる

3年半にわたる会社経営は自分にとっての転換期になりました。社長がやりたい経営がやりたいってだけで、ただ走っていた自分のなかに、少し芯ができたなって。自分で決めてコミットメントして、それがうまくいったりいかなかったり、色々な壁にぶつかりながら、少しずつ自分の芯が太くなっていくんだと思うようになりました。経営の本などに意思決定をくだすことの大切さは書かれており、頭では理解していたつもりでしたが、身を持って決断の重要性を学べたのです。少なくとも、こうやると上手くいかないんだなっていうのはたくさん得られました(笑)。尺度が広がったというか、自分のマインド、メンタリティに大きな影響を与えてくれました。

僕は新卒のときから、有言実行推奨派なんです。結果は同じでも、黙って行うのと、宣言して行うのとでは、その過程で自分にかかるプレッシャーが違います。プレッシャーをかければかけるほど意思決定をするときに葛藤が生まれ、それを乗り越えるたびに芯が太くなっていくので、有言実行は絶対にしたほうがいい。僕が社長や部長をやらせてもらえたのも、やりたいと手を挙げ続けたから。その挑戦を周りは絶対に見てくれているし、助けてくれる。有言実行は、必ず大きなチャンスにつながると実体験をとおして感じています。自信が有るか無いかよりも、大事なのは勇気と覚悟なんだと思うようになりました。

そして、挑戦をするためには周りの信頼も得ていかなければならないと思います。信頼とは、約束を守るということ。例えば事業が不振に陥ったときに、ちゃんと立ち回るだろう、逃げないだろうという部分も含め、こいつは大丈夫という太鼓判を押してもらえるとでもいうか。信頼とは期待でもあるので、応えようとする思いと行動は、ぜひ大事にしてほしいです。



新しい目標。夢実現プラットフォームになりたい

会社というハコは流動的なものだと、今は思えます。ハコにこだわることは目的ではありません。会社の継続が目的とつながっているか、目的に対して何が最善なのかを考える視点は、すごく磨かれました。

今でもスピード感が重要な0→1の事業立ち上げフェーズをグルーバーで始めたことは良かったと思っていますし、これからは、グルーバーで育てた芽をオプトと統合してヒトモノカネを大きく投資する1→10の拡大フェーズです。投資という肥料でグンと成長し、その中から新たに出てきた芽を、再び切り出すこともありうる話だと思うんです。なんか植木のようですが、それで言うなら会社は植木鉢でいい。株分けしたものを受け入れたり、一回り大きな器に変えたり。ハコより事業やそれに関わる人のほうが、よっぽど大切ですから。

自分でコミットメントして、組織をけん引したい気持ちは変わらず持っていますが、それよりも今は、夢実現プラットフォームになりたい。一緒に働くメンバーやパートナーさんの想いを実現するための手助けになりたいと思っています。グルーバーのときも、もちろんそういう気持ちはありましたが、想いをもって始めた事業やサービスが経済的な理由で立ち行かなくなり、メンバー共々悔しい思いをした経験が強く残っています。だからこそ今度は、仲間の熱意や想いが持続可能であり続けられるように、ビジネスとして成立に導くこと、ヒトモノカネの調達なら任せてよって言えるようになりたい。その経験がまた、自分の今後に生きると信じています。


グルーバーを経て、パワーアップしてオプトに帰ってきた千島さん。

灰の中にうずめた炭火のように静かに、だけども熱く燃える心の内は、「自分も何かを実現したい」と思わせてくれるパワーと魅力にあふれていました。



千島 航太(Kota Chishima)
2007年オプト新卒入社。メディアプランナーとして各業界を担当した後、モバイル開発部部長、スマートフォンソリューションのプロジェクトマネージャーとして従事。
1年間のコンサルティング会社への企業留学を経て、株式会社グルーバー代表取締役に就任。2018年からは、オプトへ帰任しビジネスディベロップメント部部長を務める。

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