こんにちは。株式会社ナンバーナインのマーケティング局長の大貫です。
漫画の会社のマーケティング責任者として、そもそも漫画のマーケティングってなんだろうと毎日考えています。(よろしければ、以下の記事も合わせてお目通しください)
今回のnoteでは、実際に漫画のマーケティング、エンタメのマーケティング、そして広くマーケティングを担当されている方を対象に、漫画×マーケティングの原則について書いてみたいと思います。
皆さん痛感されていると思いますが、マーケティングの世界は、日進月歩です。新しいプラットフォームが生まれ、分析ツールは高度化し、次々と新しい手法が生まれては消えていきます。
一説には〇〇マーケティングという言葉は100種類以上あると言われます。私も実際に8-9割くらい目を通したりしていますが、使いこなすのはなかなか難しい……。むしろ、そのすべてを追いかけ、小手先のテクニックを磨くことに躍起になっていると、私たちは時として、大切な本質を見失ってしまうのではないか。
最近は、そんな危機感を特に持っています。
変化の激しい時代だからこそ、変わらない「マーケティングの軸」が重要になるーー。
本日は、日本一の漫画IPパブリッシャーを目指すナンバーナインで事業を推進する上で、漫画×マーケティングを実践する際の、いや、エンタメ企業で働く際の軸として大切にしている「3つの原則」についてお話しさせてください。
この原則は、私たちマーケティング局のOSであり、私自身の仕事哲学そのものです。
第一原則:「エンタメとして、仕事を楽しむこと」
私たちの全ての仕事の土台となる考え方。それは、「作品を届ける我々自身が、エンタメとして仕事を楽しむ」ということ。少し精神論のように聞こえるかもしれませんが、これが最も重要で、すべての起点になると私は確信しています。
私たちのビジネスは「人の心を動かすこと」です。
漫画というエンタを通じて、読者にワクワクやドキドキ、感動や喜びを届ける。その仕掛け人である私たちが、眉間にしわを寄せ、ただ無機質なKPIとにらめっこするだけの仕事をしていて、人の心を動かすことなどできるはずがありません。
弊社の以前のValueの中に『遊び心を忘れない』というものがありました。今では当たり前に浸透していますが、このValueが私にしっかり根付いていると思っています。
「この作品の面白さは、どう切り取ったら読者にワクワクする形で伝わるだろう?」
「このキャラクターの魅力を伝えるために、どんな施策やコミュニケーションを用意したらファンは喜んでくれるだろう?」
チームの会議で飛び交うのが、そんなクリエイティブな問いであること。
それが、良い仕事を生むための絶対条件です。
私たちがまず、その作品の一番のファンであり、常に読者目線でいつつも、届けるプロセス自体を楽しんでいる。その熱量や「楽しそうな雰囲気」は、不思議とクリエイティブや施策に乗り移り、お客様にも伝播していくと思います。
もちろん、ビジネスである以上、成果へのコミットは不可欠です。ですが、成果とは、無味乾燥な作業の先にあるものではありません。チームのメンバーが「この仕事、面白い!」と楽しんでいる熱狂の中からこそ、面白いアイデアが生まれ、成果に繋がるのだと思っていますし、実際に体験していきています。
エンタメを届ける仕事は、エンタメでなければならない。これが、決して忘れてはならない入口です。
第二原則:戦略の核「『熱量のど真ん中』を射抜くということ」
ただやみくもに「楽しむ」だけでは、事業は成長しません。それはただの自己満足です。その楽しむという巨大なエネルギーを、どこに集中させるべきか。その「的」を定めるのが、「『熱量のど真ん中』を射抜くということ」です。
これは、私たちのマーケティング戦略の「核」そのものです。
一つひとつの漫画には、漫画家さんが人生を懸けて紡いだ、唯一無二の物語と世界観があります。『作品が持つ魅力』✖️『表面化しづらい読者のニーズ』の合致が熱狂的なファンが生まれるものだと思っています。読者の「好き」はなかなか表面化しづらいからこそ、様々な角度から作品の魅力を明確にして、その魅力の理解度が高そうな市場へ投下していく。それが「『熱量のど真ん中』を射抜くということ」です。
私たちの仕事の多くは、この「ど真ん中」を特定するための、コミュニケーションの中心になる部分はどこかの探求に費やされます。作品を何度も読み込み、編集者やチームと議論を重ね、SNSの声を拾い上げ、データを分析する。
このプロセス自体が、実は最高にエンタメ的で面白い。
「この物語は何を伝えたいのか?」
「読者はきっと、この二人の関係性の変化にこそ熱狂しているはず」
「絶対に主人公のここが好き!」
そんな議論を戦わせながら、『超仮説』を立て、ど真ん中を見つけ出していく。この宝探しがあるからこそ、第一の原則である「楽しむ」という姿勢が、単なる精神論ではなく、事業成果に直結する「戦略的な態度」へと昇華されるのです。
この「ど真ん中」がズレていれば、いくら楽しんでプロモーションをしても、エネルギーは分散し、誰の心にも深くは刺さりません。逆に、この「ど真ん中」を正確に射抜くことさえできれば、最小の力で最大の熱狂を生み出すことができる。
楽しむという土台の上で、狙うべき的を定める。この二つは、私たちのマーケティングの両輪です。
第三原則:実行力の源泉として「マーケティングこそチームで勝つ」
では、どうやってその的を射抜くのか。そこで重要になるのが、「マーケティングこそチームで勝つ」です。
一人の天才的なマーケターのセンスや閃きに頼るチームは、脆いと考えています。なぜなら、漫画のジャンルも、読者の好みも、あまりに多様だからです。あるジャンルでは百発百中の天才も、別のジャンルでは的を外してしまうかもしれない。個人の力には、必ず限界があります。
だからこそ、私たちは「チーム」で勝ちにいきます。
私が思う「チーム」とは、決して単なる「仲良しグループ」のことではなく、それぞれの領域で高い専門性を持ち、成果へ執着を持つ「プロフェッショナル」である人たちの集まりが「チーム」だと思っています。
例えば、プランナーは読者の心を掴む施策設計のプロとして。
例えば、アナリストはデータ分析と市場リサーチのプロとして。
例えば、セールスは流通と折衝のプロとして。
例えば、デザイナーはクリエイティブのプロとして。
それぞれの持ち場で高いスキルを持っているから、第一原則である「楽しむ」という熱量が、ビジネスを加速させる強力なブースターになるとおもっています。
何よりも、プロ意識が高い者同士だからこそ、表面的な同調や馴れ合いではなく、本質的な議論が可能になります。互いの専門性へのリスペクトがあるからこそ、遠慮なく領域に踏み込み、健全な衝突を恐れず昇華した議論になります。
私たちは、そうした知的格闘技ともいえるプロセスを経て、個人の視点や単一の正解を超えた「集合知」としての戦略を練り上げていきます。
我々ナンバーナインの強みは、この知的格闘技を推奨するカルチャーにあります。様々なバックグラウンドを持ち、異なる「好き」を持つプロ意識が高い人間が集まっている。その多様な視点があり、インプットを組み合わせ、徹底的に議論し、最適解を導き出す。
そうして生まれた戦略は、もはや一個人のセンスを超えられる、ナンバーナインというチームの強さだと思っています。
- 「エンタメとして、楽しむ」という、土台となる情熱。
- 「熱量のど真ん中を射抜く」という、戦略の核。
- 「チームで勝つ」という、プロフェッショナルの集まり集団
この3原則がしっかり重なったとき、私たちの仕事は、単なるマーケティング活動を超え、社会に新たな熱狂を生み出す大きなムーブメントになると信じています。要するに、エンタメ領域こそ思いっきり楽しんで仕事ができる組織が強い!ということだと思っています。
と、言ったものの、まだまだ理想に過ぎず、私たちが目指しているのは、まさにそのような「プロフェッショナルの集団」としてのチームです。個々が圧倒的な専門性を持ち、自律的に動きながらも、その能力を柔軟に結集し、一つの生命体のようにしなやかに動く。個の強さと、連携の強さを、高い次元で両立させられるチーム……。その実現は決して簡単ではありませんが、これこそが、ナンバーナインのマーケティングが「チーム」で勝つことができると思っていますし、それを一緒に作り上げていく方と一緒に大きな目標に向かって働きたいと思っています。
最後に
私たちが挑戦しているのは日本一。この記事を読んでくださったあなたが、少しでも共鳴してくれたなら。
そして、自分は以下に当てはまると思うそこのあなた!
- 仕事に「再現性のない面白さ」と「ワクワク」を求めたい、情熱のある方。
- 小手先ではない、骨太な戦略をデザインしたい方。
- もはや個人の力だけでは物足りない!チームを率い、多様な才能を束ねて、より大きな成果を生み出すことに喜びを感じる方。
- 自身の専門性を武器に、優秀な仲間と切磋琢磨できる環境に身を置きたいと願う、向上心あふれるプロフェッショナルの方。
この高難度のゲームに、一緒に挑戦してくれる仲間を探しています。