肉を食べるといつもナンバーナインの創業当初を思い出します。(ナンバーナインは11月29日が創業日)先日、2025年11月29日でナンバーナインは9周年を迎えました。ほぼ新卒からの9年間を振り返ります。
■ナンバーナインの現在地
ナンバーナインという会社は本当に何もないところからのスタートでした。
創業当初の『マンガトリガー』から無念の撤退。そこからピボットしたデジタル配信サービス事業では、累計18,711冊を配信し、6,974名の方に登録いただき、23.5億円以上還元したサービスにまで成長してきました。
さらに、配信事業はもちろん『神血の救世主』を中心に、男性向けwebtoonでは国内でトップクラスのスタジオになりました。また、『おかえり、初恋。』『カワイイ恋は着飾らない』など漫画でも、次々に連載作品を増やしてまいりました。
社員数も100名を超え、東京のオフィスも300坪近く、さらに宮崎にもオフィスがあります。
ここで「ゼロから会社を急成長させる方法」とかドヤ顔で書きたいのですが、2割努力8割は運(特に社内外問わず人関連)だったのかなぁと思います。
■ナンバーナインの軌跡
3年前に書いた記事なので、むず痒さもあるのですが、創業してから5年間はここの記事に振り返っていたので以下に譲ります。
ある日突然ほぼ新卒からCOOになって5年間で学んだ7つのこと
そこから、4年くらい経ちました。その間はwebtoon事業の責任者を1年程度、残りは管理周りが僕の仕事でした。上場企業の子会社になっている時期もあり、PMIを受ける側として、非常に多くのことを学ばせていただきました。
この9年間ずっとナンバー2という立ち位置だったのですが、その中でこう在るべきという考えが固まってきたので、3つ語らせてください。ナンバー1以外は、上司やチームを支えるという意味で基本だれかのナンバー2なので必ず参考になると思います。
・「数」の大切さについて
・「できない」理由を全部消せば「できる」
・意味は「本気(マジ)」から生まれる
■「数」の大切さについて
私は働くとき、とにかく「数」を大切にしています。「数」が正しいかどうかは誰かの決めの問題です。「利益は意見、キャッシュは事実」と言われるように、誰かが測定をする以上は必ず意見(意志)が入るものです。
この意見を正しく理解するためには、ビジネスをしているときの計算結果として出てくる金銭価値がどういう「数」から計算されているのかを考えることが大切です。そして、計算される過程の「数」を理解すると、驚くほどコミュニケーションが円滑になります。
ある営業マンAさんが100万円の売上、粗利50万円を稼ぐ
別の営業マンBさんが100万円の売上、粗利50万円を稼ぐ
このとき、結果としてPLには同じ100万円の売上が乗ると思います。
大きな会社になればなるほど、遠くからみれば、それは同じ100万円のようにみえます。100人もいたらその100万円の後ろにある物語はすべて消されてしまいます。その100万円には、実現する過程のKPIや継続性など「数」が動いているはずです。
もちろん、そのコストを加味すると誰でもわかる四則演算で計算できる状態くらいに抽象化するのが最適解でしょう。ただ、厳密に計算をすることを目指せば、100万円のために、会社の無形資産を最大限活用していたかもしれないですし、上司が目標達成のために調整してくれたものかもしれないですし、はたまた個人のつながりで持ってきたものかもしれません。
会社が大きくなればそれだけ、個々人の物語が消えていきます。だからこそ、結果の数字だけを見るのではなく、その裏にあるプロセスまで無理にでも「数」にするようにすれば、自ずと相手の仕事を尊敬できるようになると考えています。自分がみているどの範囲までを「数」にできるか、これをなるべく広げ続ける人でありたいと思っています。
しかし、組織である以上は最後に誰かが「数」の測定指標を決めます。完全公平であるということは、何かを測定している以上永遠にありえないと思います。この前提の中で、どうやって自分がもっとも良い状態(これも「数」で考える)になるのかを追求することが自分のキャリア、ひいては人生にもっともよい状態に向かえると思っているので、とにかく「数」を追求していくべきだと思います。
■「できない」理由を全部消せば「できる」
9年間もやっていると「この数字は達成できないです」これを100回、いや1,000兆回くらいききます。僕も1000兆回くらい言ったように思います。そもそも、投資家の皆様からお金を投資いただき、リターンの期待と心を込めた応援をいただいている以上、それに応えるのは経営者として必要です。そのためには、高い数字目標に向かってコミットする必要があります。
ただし、事業を進めていると当時計画したときの前提が崩れていく。大災害と呼ばれるようなものはもちろん、その業界内での災害みたいなのは日常茶飯事で起きてくる。100人くらいの規模だと、その影響はとても大きい。そうなると「できない」と思ってしまうのは正しく冷静な反応だと思います。
そして、このときに「できない」という発言に多くのスタートアップでは、「できる」理由を考えようみたいなことが言われると思いますし、僕もその考え方も正しいと思います。
ただ、僕はネガティブですし凡人なので、そんな「できる」理由は出てきません。なので「できない」理由をとにかく細かく細かく「数」で考える。とにかく、できない理由を分解して分解して分解する。そうすると、あれ、この「できない」理由の数字がいじれるかもとか、あれこの作品売れている?もしかして営業したら伸びる?とかが見えてくる。「できない」理由を細かく細かく「数」で分析して、自分で誰よりも「できない」を証明する。そうすると、案外、あれ「できるかも」と翻意したりして9年続けてきました笑。
■意味は「本気(マジ)」から生まれる
最後に、そもそも「数」を追うことに意味を感じられないという人も多いのではないでしょうか。意味が感じられないから、やる気がでないと考えている人はとても多いと思います。色々と思考を巡らせがちなナンバー2はこの沼にハマりがちです。
モチベーションが低下したときには、外から意味を持ってくることで解決しようとするのが王道のアプローチだと思います。近場なら上司やパートナー、自分の推し、ChatGPT、少し大きくなれば組織や会社、さらに大きくなれば国家や民族や宗教。そういったもので自分に意味づけをしようと考えている。でも、このアプローチで成功しない人がめっちゃ多い。
そもそも会社で自分に意味を与えてくれるくらいいい上司に巡り会えることはあんまりないと思います。だって、その上司も意味を探しているから笑。
逆に、今仕事が楽しい、意味があると感じられる人は、「本気」でやっている人だけです。大体ミドルエイジクライシスになるのは、年齢もきて立場もできてきたから「本気」で仕事をしていないんです。だから悩む。たぶん(主語が大きいので不安ですが)。
意味をタイパとコスパよく得たい人も増えていると思います。子供のころからずっと大切にしてきた「ぬい」の意味は1時間では手に入らないですし、10万円払っても買えません。IKEAの500円のぬいだとしても、それを10年以上大切にしてきた日々の積み重ねは、決してショートカットできません。
仕事も同じで、3年や5年で意味なんて感じる可能性は1%もないんだと思います。9年感じて若干出てきたかなぁとか、世の中的にも10年目くらいでちょっと見えるくらいの人が普通じゃないでしょうか。
また、これも初期のころは勘違いしていましたが、「本気」の定義は使った時間ではなく、自分の脳のどれだけを仕事が占めているかだと思います。推しのことを1日考えて、何をみても紐づけて考えてしまうとなればそれは「本気」です。
おそらく、エンタメ業界、というか世界中で意味をもって仕事をしている人は全員が「本気」だと思います。
もし「本気」になれないなら、意味を諦めて言われたことをきっちりやる人になるというのも人生です。それぞれの人生、仕事に意味を無理に追求する必要は一切ないはずですし、「本気」になるタイミングは人それぞれ。
ただ、成長を目指す会社にいる人は、仕事が意味を持つような人が多い方がいい。そのためには、まずは自分が「本気」になれるように向き合っていきたいです。
ということで、僕は次の9年も本気で「できない」を「数」で証明し続けて、頑張っていこうと思います。
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