N高等学校のプログラミング教育を担当している吉村(@sifue)といいます。
多くの人が知らないであろうソフトウェアエンジニアの新しいキャリアとしての教育従事プログラマーについてお話したいと思います。
N高等学校は2016年にできた通信制の高校で、現在は7000名を超える生徒が在籍しています。学びたいことを徹底的に学ぶためのネットの高校として誕生したN高等学校ですが、現在は通学できるキャンパスもあり、特にプログラミングで作りたいものがある生徒たちのためのプログラミングクラスという通学のコースがあります。
プログラミングクラスには入学試験があります。試験は
- 生徒がプログラミングを通じて作りたいこと、実現したいことがあること
- プログラミングを通じてやりたい事にたいして実際に手が動いていること
これらを含めて合否判断されます。
そのためプログラミングクラスの生徒は、プログラミングを通じて何かを実現したい、世界を変えたいと思う生徒が、自分の好きなことに対して情熱を持ってチャレンジしています。
プログラミングクラスではそのような生徒のやりたい事に合わせた学習ステップをコーチし、プログラミングを通じて何かを実現するということを実際にやってみせたり、一緒にコードを書いたり、共に調べてあげられる講師を求めています。(ただし、教えすぎず本人に気づかせることも重要です)
プログラミングコーチという名称ですが、何か授業をするということは稀です。現在のIT技術はどんどん新しい技術が登場するため、なにか知っていることを一方的に教えて終わりなんてことはそんなにありません。それよりも生徒たちがやりたい事に対して生じた課題を一緒に掘り下げ、新しい技術を共に調べ、学び、チャレンジするということが多いです。必要があれば同じクラスの中でその分野に詳しい仲間に解説してもらい問題を解決するということもあります。
やっていることは、ソフトウェア開発の現場と変わりません。つくりたいものという要求があり、それに対してやりたいステップがあり、多くの課題が存在する中、最新技術を調べながらそれらに講師と生徒でアプローチしていきます。これはソフトウエア開発そのものなのです。
決まった知識や技術だけに縛られず、情熱を持ってプログラミングを学ぶということもあって、プログラミングクラスでプログラミングを通じたものづくりをやっている生徒は、「自ら調べる力」や「問題を解決する力」が強く養われます。実際にこれらの能力はインターンやアルバイト先、また大学のAO入試においても高く評価されています。( 参考: 【インターンシップ体験記 Vol.4】「JRCエンジニアリング株式会社」にて現場を学ぶ | N高等学校(通信制高校 広域・単位制) https://nnn.ed.jp/blog/archives/7683.html )
N高等学校のプログラミングクラスでは、このように「作ることで学ぶ」というやり方でプログラミングを学んでいます。一般的な講義スタイルの教授型ではない、個々人の興味に沿って探求するスタイルの学びの中では、常に新しい技術に触れ講師も成長することができます。
また一生懸命に自らの課題に取り組み、自らが作りたいものを作れるようになった生徒は自信に溢れます。彼らに感謝されることで「彼らの人生を変えることができた実感」を得られるのもこの講師の大きな喜びの一つではないかと思います。
ぜひプログラミングを通じたものづくりを行ってきたソフトウェアエンジニアのキャリアの一つとして、ぜひこのプログラミングクラス講師という道も選択肢のひとつとして考えて頂ければと思います。