前回、コンテンツマーケティングとブランドジャーナリズムの違いについて語りました。今回はブランドジャーナリズムを行う上で「どこに置くか?」という問題について語ると前回述べました。その前に今回は、ちょっと横道にそれたいと思います。いえ、横道というよりももっと大切な『共感』についての考察です。
どちらかというとメインストリームかもしれませんね。
ここで僕が述べるまでもなく、社会の中における企業活動はより高い公共性を求められるようになってきました。いえ、求められるというレベルではなくすでに企業存続の必須条件になってきたと言ってもいいでしょう。例えばESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)という言葉は2020年に向けて企業側からより積極的に発信していかなければ、急速に時代に取り残される可能性さえあります。
詳しくは日経BPコンサルのSDGsデザインセンターのサイトをご覧ください。
そんな時代を思うとき、私はよく思い出す言葉があります。
マーシャル・マクルーハンの有名な「メディアはメッセージである」という言葉です。
メディアに載せられる情報よりも、メディアそのものが重要な意味を持つことを解いたこの言葉は、メディアによる「人間の変容」を語っています。マクルーハンが脚光を浴びた1960年代の社会は、テレビの登場によるメディアシフトが起きた時代でした。グーテンベルクが生み出した活版印刷によるメディアが『視覚型人間』を生み出し、五感に訴えるテレビは『触覚型人間』を生み出すと、マクルーハンは予言していました。そして活字型の論理化された知性ではなく、テレビ的な感覚的知性によって人は「原始」に帰っていくと。
マクルーハンの時代からすでに50年以上がたち、私たちの文明はまだ「原始」には帰っていないようですが、世界的なナショナリズムの台頭をしばしば実感するとき、予言は的中していたのではないかと思うのです。
そして現代です。ふたたびメディアシフトの時代が訪れています。言うまでもなくデジタル・SNSメディアの台頭です。このメディアシフトはテレビの登場以上に大きな変革です。それは情報発信の主体が『組織から個人』へとシフト(移行)する時代でもあるからです。
実際メディアが新聞社やテレビ局、ラジオ局、出版社などの組織によって運営されている時代は、人類の歴史においてはごくわずかな期間にすぎません。活字印刷の登場する以前はいわゆるマスメディアはなく、情報は手書きの文字か口コミによって人から人へと伝達されるものでした。ほとんどの時代、情報の発信元は組織ではなく、個人だったのです。
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出典:CCL./日経BPコンサルティング
株式会社「編」代表取締役社長山本 由樹
1986年光文社に入社。週刊女性自身で16年、その後「STORY」創刊メンバーとなる。2005年~2011年同誌編集長。2008年には「美STORY(現美ST)」を創刊し、「国民的美魔女コンテスト」を開催。美魔女ブームを仕掛ける。2013年9月に株式会社giftを設立するとともに、自立したアラフォー女性をターゲットとした月刊誌「DRESS」を創刊。読者のコミュニティDRESS部活は30以上の部活数、3万人以上の部員が集っている。編集長退任後は「編」にてメディアの枠を超えたコンテンツ・プロデュースをしている。2017年9月まで日本テレビ『スッキリ』でレギュラーコメンテーターを務める。 著書/「『欲望』のマーケティング」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、「会社を辞めても辞めなくてもどこでも稼げる仕事術」(共著・SBクリエイティブ)
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