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新卒から長きにわたり大手ITサービス事業会社でエンジニア・PMとして確固たるキャリアを築いてきた齋藤さん。さまざまなプラットフォームに携わってきた彼女が、なぜ“事業会社の外”へと踏み出したのか。そこには、決められた要件を形にする開発PMの枠を飛び出し、ビジネスそのものを定義する「最上流」への飽くなき探究心がありました。その真意に迫ります。
13年のキャリアで辿り着いた、PMとしての「次なる壁」
――まずは齋藤さんのこれまでのキャリアについて詳しくお聞かせください。前職では非常に長く活躍されていたと伺っています。
はい、前職の事業会社では様々なサービスを展開していたので、ポータルサイト、ニュースサイト、ポイント獲得が出来るゲームコンテンツなどに複数サービス携わり、トータルで約13年ほど在籍していました。まさに「ゼロから育てていただいた場所」であり、思い入れは非常に強いです。
キャリアのスタートはエンジニアで、プログラマーとして手を動かす日々が約7年ほど続きました。その後、職種をPM(プロジェクトマネージャー)へと転向した形です。
――エンジニアからPMへの転向。その際に戸惑いはありませんでしたか?
私がいた部署はエンジニアとPMの領域が完全に分断されているわけではなく、非常に近い距離で協働する文化がありました。サービスの規模も大きすぎず、エンジニアでありながら企画の意図を汲み取ったり、進行管理に首を突っ込んだりすることが日常茶飯事だったんです。PMへ転向すると決まった時も「明日からガラッと世界が変わる」というよりは、業務のウェイトが開発からマネジメント側へシフトしたという感覚で、非常に自然な流れとして受け止めることができました。
その後はECサービスや、就職活動支援サイトなどのPMを歴任しました。前職での最後の方は就職活動支援サイトの運営に深く関わり、プロダクトの成長を間近で見る貴重な経験をさせていただきました。
――安定した環境を離れよう、転職しようと意識されたきっかけは何でしたか。
もっと上流からビジネスそのものに関わっていきたい、というのが正直な気持ちですね。前職では主に開発側のPMとして、ビジネスサイドの要望を具体的なシステム仕様へと落とし込む要件定義などを中心に担当していました。形にする工程を深く経験できたからこそ、次第に「なぜこれを作るのか」「どうすればより価値を出せるのか」という企画の根幹の部分から、より深くプロジェクトに関わっていきたいという想いが強くなっていったのです。
社内で異動してキャリアを継続する道もありましたが、このタイミングこそ自分の経験にプラスアルファを加えるとともに、市場価値を問い直す絶好の機会ではないか。そう捉えて、外の世界へと踏み出すことを決意しました。
「人」が見える組織、リクルートとの「共創」のリアル
――転職活動の中で、数ある企業からニジボックスを選ばれた決め手を教えてください。
いくつか選択肢がある中で、ニジボックスに強く惹かれた理由は二つあります。一つは、扱う案件のスケール感です。私が配属を希望していた開発ディレクショングループは、主にリクルートの案件を手がけています。前職と同様、大規模かつ社会的な影響力が大きいプロダクトに携われることは、自分にとって大きなモチベーションでした。自分の経験を活かしつつ、スムーズに即戦力として立ち上がれるイメージが具体的に持てたんです。
もう一つは、採用サイトから伝わってきた「雰囲気の良さ」と「人の繋がり」です。ビジネスライクに業務内容を羅列しているものが多い中、ニジボックスのサイトはメンバー同士のコミュニケーションやプロジェクトの裏側にある苦労や喜びが、体温を感じるような言葉で綴られていました。「ここなら一人の人間として尊重されながら働けそうだ」と感じたことを覚えています。
――実際にニジボックスに入社し、リクルート社のプロジェクトに参画してみて最初の印象はいかがでしたか?
最大の驚きはリクルートの社員の方々と私たちニジボックスのメンバーとの間にまったく「垣根がない」ことでした。入社前は正直、パートナーという立場上、どうしても一歩引いた関わり方になるのではないかと思っていたんです。しかしそれは杞憂でしたね。
例えばミーティングの場一つとっても、入ったばかりの私の意見をリクルートのプロジェクトリーダーが熱心に聞き入れ、拾い上げてくれます。そこには「プロダクトを良くするために、何を言うべきか」というフラットな視点しかありません。むしろ受け身でいることの方がリスクであり「あなたはどう考えているのか」「どんな意見を持っているのか」を常に問われる環境です。この圧倒的な当事者意識を求められる文化は、前職以上に刺激的でした。
――コミュニケーションの質という面でも、何か違いを感じることはありますか?
これは非常に面白い点なのですが……関わる方々のコミュニケーション能力が驚異的に高いと感じます(笑)。
こちらが1を伝えると10を理解してくれるだけでなく、常に相手を尊重し、ポジティブに議論を前進させようとする。質問をすることに対して非常にウェルカムな姿勢で「わからないことがあればいつでも何でも聞いてください」と本気で言ってくださるんです。この心理的安全性の高さがあるからこそ、私のような中途入社の人間も迷いなく「上流」へと踏み込んでいけるのだと感じています。単なる作業の受託ではなく、共に未来を創る事業成長のパートナーとして扱っていただけている実感が、日々の仕事の楽しさに繋がっています。
システム化はゴールではない。ビジネスを最適化する「超上流」の思考法
――現在、具体的にどのようなプロダクトに、どのような形で携わっているのでしょうか。
現在は『Airペイ QR』『Airペイ』『Airカード』という、決済領域の3つのプロダクトを並行して担当しています。いずれも、多くの加盟店様やエンドユーザーの方々の生活を支える、社会的責任の大きなサービスです。
私の役割を一言で言えば、開発の進行管理という枠を大きく超えた「プロダクト全体の最適化」です。一般的なPMのイメージは、エンジニアの進捗を管理し、スケジュール通りに機能をリリースすることかもしれません。しかし、現在のプロジェクトでは、開発自体のマネジメントはエンジニア部隊が非常に高いレベルで行ってくれています。そのため、私たちが注力すべきは「そもそもこの案件で何を解決すべきか」を定義し、各部署との複雑な利害関係を調整することにあります。
――「上流に関わる」という具体的なエピソードがあれば、ぜひ詳しく教えてください。
象徴的なのは「システムを作らない」という選択肢を常に持っていることです。ある課題が持ち上がった際、以前の私なら「それを実現するために、どんなシステム改修が必要か」という思考からスタートしていました。しかし今は、「そもそも、なぜその課題が起きているのか」を徹底的に深掘りします。
プロジェクトによって関わる部署は多岐にわたりますが、営業やカスタマーサポート、経理、審査など多くのステークホルダーと調整を重ねる機会が多々ありました。それぞれの業務フローを深く理解するため、現場の方々と丁寧な対話を繰り返し「なぜこの手順が必要なのか」という本質的な課題を掘り下げることを大切にしています。
開発出身ということもあり、以前はシステムでの解決を優先して考えがちでした。それが今では「運用の工夫で解決できるなら、その方がスピード感を持って価値を提供でき、開発リソースもより重要な箇所へ割ける」と判断できるようになりました。システムという枠を超えて、ビジネス全体に最適な解決策を検討できるようになったことに、大きな手応えを感じています。
――エンジニア出身としてのバックボーンは、そうした高度な調整業務においてどう活かされていますか?
非常に強力な武器になっています。例えばビジネスサイドの要望に対してそれが技術的にどれほど難易度が高いか、あるいは既存のアーキテクチャにどのような副作用を及ぼすかを、瞬時にイメージできます。
決済サービスは一分一秒の停止も許されない、ほぼ「インフラ」に近い存在です。障害が起きた際の影響範囲を構造的に理解できているからこそ、開発サイドとは技術的な詳細を詰め、ビジネスサイドにはリスクを平易な言葉で説明し、納得感のある代案を提示することができる。開発の土地勘があるからこそ持てる「説得力」が、ステークホルダーとの強固な信頼関係を築く礎になっています。前職での「開発側のPM」としての経験と、今向き合っている「ビジネス側の視点」が自分の中で一つに繋がった感覚があります。
入社約半年でのグループリーダー抜擢。ニジボックスで見つけた「理想のキャリア」
――転職からわずか半年ほどで、チームのリーダーを任されたと伺いました。そのスピード感には正直驚かれたのではないですか?
本当に驚きました(笑)。自分自身、まだ業務の全てを完璧に把握できているわけではない中で「正直、早いのでは?」と率直にお伝えしたほどです。ただ会社側からは、これまでの私のキャリアや現場でのアウトプットを高く評価していただき、何より「若手メンバーにその知見を還元してほしい」という期待を寄せていただきました。
現在はプレイヤーとして自身の案件を持ちながら、3名のメンバーをマネジメントしています。メンバーは20代後半から30歳前後の、非常に意欲的で優秀な若手ばかりです。私がこれまで意識してきた徹底的な深掘りや背景を理解する重要性を伝えつつ、彼らが迷ったときにいつでも安心して相談できる「背中」でありたいと思っています。
――マネジメントを経験してみて、ご自身のキャリア観に変化はありましたか?
これまでは「いかに自分がプロダクトに貢献するか」ばかりを考えていましたが、今は「メンバーが成長し、チームとしてより大きな価値を出せるようになること」に喜びを感じ始めています。
ただ、私の理想はマネジメントに専念することではありません。リクルートの方々もそうですが、ここではリーダーやマネジャーであっても一人のプレイヤーとして案件に深くコミットし続けている方が非常に多い。管理に寄りすぎず、プロダクトの最前線で泥臭く調整し続ける。そんな「プレイングリーダー」としての生き方が自分には一番合っているなと感じています。そうした多様なロールモデルが身近にたくさんいることもニジボックスの魅力のひとつではないでしょうか。
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――意思決定のスピードなど、組織としての「速さ」について感じることは?
経験上、大きな組織になると一つの意思決定を通すのに数ヶ月かかることも珍しくありません。しかし、ニジボックスの業務では「次の定例会議まで待とう」という発想がそもそもありません。何か決めなければならないことがあれば、その瞬間にミーティングがセットされ、その場で結論を出す。この“先送りにしない文化”と“フットワークの軽さ”はまさに驚愕でした。最初は面食らいましたが、一度このスピード感を味わってしまうともう元には戻れませんね。
――最後に、齋藤さんと同じように「事業会社か、制作会社か」で悩んでいる求職者の方へ、メッセージをお願いします。
「制作会社や受託は言われたことだけをやる場所」という先入観を持っているなら、それは非常にもったいないです。ニジボックス、そしてリクルート共創という環境にはビジネスの本質に迫り、プロダクトの運命を左右するような「上流のさらにその上」から参画できる機会が溢れています。
会社の属性や形態で判断するのではなく、そこで「どんな役割を求められ、どんな深さで業務に携われるか」を見てほしいと思います。もしシステムという枠を超えてビジネスを創り、動かしたいという熱意を持っている方がいるなら、ここほど面白い場所はないはず。私自身、長年慣れ親しんだ環境を捨ててニジボックスに飛び込んできましたが、その選択に一点の後悔もありません。圧倒的なスピードと成長の機会、最高に気持ちの良い仲間たちと一緒に働きたいという思いがある方にぜひエントリーしてほしいと思っています。