こんにちは、ネクストビート広報担当の石毛真唯子です。
私たちは「人口減少社会において必要とされるインターネット事業を創造し、ニッポンを元気にする。」というミッションのもと、「ライフイベント」「地方創生」「グローバル」の各領域でサービスの質を日々追求しています。
近年、日本企業では深刻なIT人材不足が課題となっています。その解決策のひとつとして、ネクストビートはTech Bridge Japanを設立し、バングラデシュの優秀なIT技術者の活躍機会を創出すべく、LifeArk社(※)とのオフショア開発における連携を進めています。
今回は、その取り組みの一環として、ネクストビートのエンジニアチームがどのようにオフショア開発を活用しているのかをご紹介します。
※LifeArk社との取り組みについて
https://note.nextbeat.co.jp/n/n3986fd379ea0
<インタビュイー紹介>
シニアエンジニアリングマネージャー (※)上原友和
2000年、大日本印刷株式会社にエンジニアとして入社しキャリアをスタート。2005年から2014年までリクルートに在籍し、PL/PMを経て、複数サービスのディレクターリーダーとして、グロースハックやQA組織の拡大に寄与。その後、農業の見える化システムで起業。資金面で約2年でクローズし、2019年12月にネクストビート入社。現在は、シニアエンジニアリングマネージャー(GM)として、Technology Divisionの組織運営を実施中。
※エンジニアリングマネージャー:エンジニア組織のマネジメントを担う職種。技術的な知識とマネジメント能力の両方を持ち合わせ、エンジニアチームのパフォーマンスを最大化することを目的としています。
■LifeArk社とオフショア開発をスタートした背景
石毛:上原さん、そもそもオフショア開発とはどのようなものでしょうか?
上原:オフショア開発とは、自社のソフトウェアやシステム開発を、海外の企業や技術者に依頼する開発手法のことです。
石毛:ありがとうございます。では、オフショア開発を始めた背景からお話いただけますか。
上原:国内のエンジニア採用は需要が高く、採用難易度も高い状態が続いています。今後もこの傾向は続くと見ています。 エンジニアリングマネージャーとして、正社員の採用を継続しつつ、プロダクトの拡大と組織の成長スピードに合わせてオフショア開発も選択肢の一つとして検討していました。
石毛:確かに、IT人材不足は大きな社会課題にもなっていますよね。
上原:そのような状況の中、元ネクストビートの社員であるバングラデシュ出身のハサンさんが、バングラデシュと日本をつなぐ事業を検討していると聞き、協業のアイデアとしてオフショア開発の話をいただいたのがきっかけです。
■オフショア開発へのチャレンジ
石毛:とはいえ、言語の違いは大きなハードルだと感じるのですが、この壁を乗り越えるために、どういった工夫をされているのでしょうか?
上原:共通言語として英語を使用するため、テックリード(※)として技術力があり、TOEICで高得点を取得し、社内の英語レッスン(※)にも積極的に参加している方をアサインしています。
※テックリード:エンジニアチームの技術面におけるリーダーであり、チームを技術的な側面から牽引する役割を担うポジション
※社内英会話レッスン:ネイティブ講師による英会話レッスンを週に1回受講できる社内制度
石毛:英語力の高い方をアサインされているのですね。またコミュニケーションにおいて、翻訳ツールを活用しているとのことですが、具体的にどのように使っているのですか?
上原:ツールによるサポートとしては、DeepL(※)をライティングとリーディングに活用しています。
リスニングとスピーキングに関しては、現時点で有効なツールがないため、オンラインミーティングでは、相互理解を意識しながら英語でやり取りを行っています。
互いに母語ではない言語を使用しているため、自然と相手を気遣う姿勢が見られることを、大変ありがたく感じています。
※DeepL:ドイツのDeepL SEによって開発・提供されている高性能な機械翻訳サービス
石毛:言語だけでなく、文化的な違いにも対応する必要があると思いますが、その点はいかがですか?
上原:働き方については、文化、時差、宗教などの違いを考慮し、LifeArk社のハサンさんとファテミさんから事前に情報を共有していただき、両国の働き方をすり合わせながら、円滑な連携を目指しました。
石毛:人件費などコスト面についてはメリットはありますか?
上原:採用するポジションや求めるスキルセットによって異なりますが、日本の業務委託者との単価のみを比較した場合、約5割程度のコスト削減が見込めます。
ただし、高度なスキルを持つエンジニアほど単価差は縮小し、若手エンジニアほど差が大きくなる傾向があります。
また、英語でのコミュニケーションを行えるため、ブリッジSE(※)のコストは不要となります。この点は非常にメリットだと感じます。
※ブリッジSE:オフショア開発において、日本企業と海外の開発チームとの間に立って橋渡し役を務めるシステムエンジニアのこと
石毛:LifeArk社と連携し、バングラデシュのIT技術者を採用するまでの工程で、どのような点が良かったですか?
上原:日本の正社員エンジニアの採用要件をLifeArk社のハサンさんとファテミさんに共有し、Slackで詳細を調整しました。
候補者の紹介から実際の面接まで、日本の採用担当者と同様にスムーズに連携できました。
特に、面接ではハサンさんのエンジニア経験に基づく的確な英語通訳のおかげで、技術的な質問のニュアンスが候補者にしっかり伝わり、エンジニアの能力をより深く理解できた点が良かったです。
■オフショア開発にチャレンジして良かったこと
石毛:バングラデシュのエンジニアと実際に働いてみて、どのような強みや特徴を感じていますか?
上原:今回はチームを率いた経験のあるシニアエンジニアを採用しましたが、LifeArk社側で迅速に候補者を紹介してもらえ、即採用が決まりました。この方は、弊社の技術スタックに未経験の部分があったにも関わらず、1ヶ月以内でキャッチアップできました。もちろん個人のスキルによる部分もありますが、そのレベルの人材をすぐに採用できる点は非常に魅力的だと感じています。
石毛:オフショア開発を進めるなかで、ネクストビートのエンジニアにどういった影響がありましたか。
上原:社内英語レッスンを受講するエンジニアが増加しています。また、TOEICの点数に応じた評価制度により、自主的に受験し、点数を申請するエンジニアも現れ始めました。さらに、弊社の海外事業系のプロダクトのテックリードをキャリアパスとして目指すエンジニアも出てきています。
石毛:すごくポジティブな影響を受けていますね!では、オフショア開発を通して、印象的なエピソードがあれば教えてください。
上原:バングラデシュのエンジニアに、デザイナーが作成したFigma(※)のデザインを参考にプロダクトへ反映してもらった際、文化の違いを感じるエピソードがありました。
バングラデシュのエンジニアは、機能を満たすことを優先し、デザインで指定されている幅などを感覚値で対応してしまっていました。
そこで、デザインを通じて実現することの価値を伝え、正確な反映までが業務範囲であることを明確にしたところ、この問題は解消されました。
この経験から、業務の進め方など、前提条件をすり合わせるコミュニケーションの重要性と、日本との働き方の違いを改めて感じました。
(※)Figma:クラウド上で使えるデザインツール
石毛:なるほど、文化の違いで生じた問題ですね。このような問題を回避するために、どのようなことを心がけていますか?
上原:日本はハイコンテクスト(※)な文化であるため、仕事の進め方や要件伝達において、意図せずとも指示が曖昧になり、相手に委ねてしまうことがあります。
しかし、弊社のテックリードがバングラデシュのエンジニアと直接英語でやり取りする際には、ローコンテクスト(※)なコミュニケーションを意識した明確な指示を出す必要がありました。この経験を通して、異文化間で仕事を進めるときの貴重な学びを得ることができました。
※ハイコンテクスト:言葉以外の文脈(相手との関係性、共通の経験、文化的背景など)を重視するコミュニケーションスタイル
※ローコンテクスト:言葉による明確な表現を重視するコミュニケーションスタイルです
石毛: 今日はバングラデシュのIT技術者との連携について貴重なお話をありがとうございました。Tech Bridge Japanの取り組みを通じて、日本のIT人材不足という課題に対する一つの解決策を示していただけたと思います。これからもグローバルな視点で多くのエンジニアの活躍に期待しています。
私たちは「人口減少社会において必要とされるインターネット事業を創造し、ニッポンを元気にする」というMission実現に向けて、挑戦を楽しみ、成長を続ける仲間を求めています。