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2023年5月より立ち上がった新組織「NB-AI Innovation Hub」について、管掌役員であるCTO阿部にインタビューを実施しました。
執行役員CTO 阿部雅哉
慶應義塾大学大学院 理工学研究科卒。新卒で株式会社DeNA へ入社し、主にプラットフォーム事業のシステム設計・開発を担当し、モバイルゲームのAPI 新規開発・運用やアプリ共通の認証基盤等の開発に従事。その後、創業間もないベンチャーへ転職し、機械学習エンジニアとして研鑽を積み、2019年1月エンジニアリングマネージャーとしてネクストビート入社。2022年1月にCTO就任。
NB-AI Innovation Hub設立背景
ChatGPTをはじめ、機械学習やディープラーニング等のAI技術の進歩が速く、AIによる生産性向上やプロダクトの価値向上が大きく見込まれるタイミングであること。
また、組織として戦略的にAI技術を活用していくことで、「AI技術活用に本気で取り組むぞ」という意気込みを対外的に訴求していきたいことが理由です。
AI組織では「Lab(=Laboratory)」という言葉が使われることが多いイメージですが、なぜ「Hub」というワードを選んだのですか?
Labという言葉は、最新の研究開発の印象が強いと思います。
NB-AI Innovation Hubでは、「今あるAI技術を使って、プロダクトや社内のビジネス課題をどう解決するか」が重要で、研究開発が主たる目的ではありません。
「社内外問わず様々なステークホルダーとの間に立ち、AI技術を用いて価値を向上させたい」「エンジニアの部署内に留まらない活動がしたい」という背景から「Hub」を選んでいます。
NB-AI Innovation Hubのミッション
①AI技術を使ってサービスの質を向上させる
例えば、保育施設向けの業務支援システム(保育士バンク!コネクト)では、ユーザーから相談を受けると、カスタマーサポートのメンバーが相談に対する回答を手動で返す運用になっています。
しかし、操作方法・使い方系の質問であれば、プロダクトの仕様書をAIに学習させておくことで、必要な情報をすぐにユーザーに返すことができるため、回答を待つストレスなくサービスを使用いただくことができますし、カスタマーサポート業務の負担軽減にも繋がります。
また、預かっている園児の年齢や人数によって複雑に変化する保育士のシフト生成についても、AI技術を用いることで容易になります。
このようなAIの使い方は、既に世の中のサービスに導入されていますが、保育業界で実現しているサービスはほとんどありません。
②社内の業務改善、生産性向上
「上手い文章が考えられず、メールを送るのに時間がかかってしまう」「日次で発信するレポートを手動で発信・管理している」等、効率化、自動化できる業務は社内にたくさんあります。
人にしか出来ない仕事に100%集中できるような環境を作ることをゴールに、AI技術を用いて社内で自動化、効率化できる部分は全て改善していきたいです。
今後の取り組み
①保育士バンク!におけるLINEチャットボット開発
保育士/幼稚園教諭の転職支援サービス(保育士バンク!)は、国内トップクラスのシェアを誇るサービスで、保育士/幼稚園教諭や保育園に関する膨大なデータを保有しています。
これらのデータを活かし、求職者の応募のプロセスをより効率化していく技術的なチャレンジとして、LINEでのチャットボットを5月末にリリースしました。
ユーザーが気軽に仕事やキャリア、転職に関する相談ができるお悩み相談ボットで、膨大なデータの中から、ユーザーにとってベストな選択となるような提案が行えるように今後も機能をアップデートしたいですね。
なお、保育業界において、同様のチャットボット開発は行われていない(※当社調べ)ので、業界としても先進的な取り組みです。
②保育士バンク!におけるチャット型レコメンド機能
保育士/幼稚園教諭の転職支援サービス(保育士バンク!)において、ユーザーが入力した情報を解析して、その情報にマッチする求人を紹介してくれる機能です。
従来のように、「勤務地」「施設形態」「職種」「年収」等の決められた項目を自分で設定して検索するのではなく、「自宅から2キロ以内にある園の規模が小さい保育園を探して」というだけで、マッチする求人を提案してくれるような機能です。
③ChatGPTを使った業務改善
子育て情報メディア(KIDSNA STYLE)の記事制作時に論文の要約をすることがありますが、その要約にChatGPTを用いることでライターの業務負担を軽減できます。
また、宿泊業界向けの転職支援サービス(おもてなしHR)における求人作成の自動化、効率化も行っていきたいと思います。
ネクストビートでは、9個のビジネスモデル(※)を取り扱っており、ビジネスモデル毎に異なる特性のサービスを展開しているため、ChatGPTを活用できる部分はまだまだたくさんあると考えています。
※バーティカルSaaS、CtoCマッチング、広告/マーケティング支援、メディア、ポータルアプリ、リサーチ&コンサルティング、EC、トラベル、領域特化型キャリアマッチング