第1弾では、NANICAが考える「成長」について。
第2弾では、一人の人を採用することに、会社はどこまで責任を持つのかについて。
代表の辻に話を聞いてきました。
では、その先にあるものは何なのでしょうか。
社員が成長する。
できることが増える。
やがてチームを任される。
それだけが、NANICAの考えるゴールではありません。
NANICAが大切にしている言葉のひとつに、
「創る側であること」
があります。
会社は、経営者が考え、社員がその指示通りに動くものなのか。
役職がなければ、会社を変えることはできないのか。
入社したばかりの人は、まず何年も経験を積まなければ「創る側」にはなれないのか。
辻の答えは、明確でした。
「新入社員でも、創る側にはなれる。」
3部作の最後となる今回は、NANICAが考える「創る側であること」と、その先にどんな会社をつくろうとしているのかを聞きました。
「創る側」は、役職の名前ではない
インタビュアー:
NANICAでは「創る側であること」を大切にしていますよね。
例えば新入社員でも、「創る側」になることはできるんでしょうか?
辻:
できます。
まず、会社が考えていることを理解してもらうことが必要だと思っています。
僕はそれを「シンクロ率」と呼んでいるんですけど、会社が考えていることと同じ方向を見た上で、その人自身にも創っていってほしいんです。
会社がどこを目指しているのか。
何を大切にしているのか。
なぜ、その仕事をするのか。
まず、その方向を理解する。
しかし、それは「会社の言う通りに動く」という意味ではありません。
むしろ、そこからが始まりです。
辻:
僕一人でできることには限界があります。
でも、同じことを考えて実行できる人が増えたら、会社は進んでいく。
そのためには、実行できる力が必要です。
そして実行するためには、会社の中で影響力を持つことも必要だと思っています。
役職があるから、創る側。
社歴が長いから、創る側。
そう決まっているわけではありません。
自分の仕事で実績をつくる。
周囲から信頼される。
自分の考えを伝え、人を動かせるようになる。
そして、自分自身が行動する。
その積み重ねによって生まれる「影響力」があれば、年齢や性別、入社年次に関係なく会社を創る側に回ることができる。
それが辻の考えです。
「意見を言うこと」と「創ること」は違う
会社を良くするために意見を出す。
改善案を伝える。
それも大切なことです。
ただ、それだけで「創る側」になったわけではありません。
創る側には、自分自身もその変化の中に入ることが求められます。
誰かに「変わってほしい」と言うだけではなく、
「そのために、自分は何をするのか」
まで考える。
会社に何かを求める時も、自分自身が今までと同じままで、環境だけが変わることを期待するのではなく、自分の行動も変えていく。
インタビューの終盤、辻はNANICAに残したくない文化について、
「自分は何も変わらずに、周りだけが変わることを求める文化にはしたくない」
という趣旨の話をしました。
これは、第1弾で話した「成長」ともつながっています。
環境が変わったから成果が出た、だけではなく、自分自身が変わる。
誰かに会社を良くしてもらうのではなく、自分もその一人になる。
「創る側であること」とは、自分自身も変化の当事者になること。
NANICAがこの言葉を大切にする理由のひとつです。
今のNANICAが創っているのは、「会社」だけではない
インタビュアー:
では、今のNANICAは何を「創っている途中」の会社なんでしょうか?
辻:
会社を創ろうとしている人を、創っている段階だと思います。
少し不思議な答えかもしれません。
会社をつくるために、人を採用する。
人を育てて、事業を大きくする。
一般的には、そう考えるかもしれません。
でもNANICAでは、その順番が少し違います。
まず、できることを増やす。
自分で考えられるようになる。
実績をつくる。
周囲に影響を与えられるようになる。
そして、自分だけではなく、次の人を育てられるようになる。
そんな人が増えていった結果として、会社がつくられていく。
だから今は、
完成した会社に人を当てはめているのではなく、これから会社を創る人そのものを育てている。
そんな段階にあります。
辻自身も、「自分が持っているものを渡せる人」になりたい
ここで、少し視点を辻自身に移してみました。
社員には「どうなりたいのか」を問い続けている。
では、経営者である辻自身は、これからどうなりたいのでしょうか。
インタビュアー:
社員には人生設計を考えてもらっていますよね。
辻さん自身は、これからどんな人になりたいですか?
辻:
今、自分が手にしているものを、誰かに渡せる状態になることですかね。
自分が経験してきたこと。
失敗して学んだこと。
人を育てる中で身につけた考え方。
経営をする中で得たもの。
それらを自分だけが持っていても、辻がいなくなればそこで終わります。
でも、それを受け取った人が次の誰かへ渡していけば、考え方は残っていく。
それは「辻と同じ人をつくる」ということではありません。
辻自身より営業が得意な人がいてもいい。
マネジメントが得意な人がいてもいい。
新しい事業を創る人がいてもいい。
大切なのは、
自分が受け取ったものを使って、次の何かを創れる人になること。
そういう人が増えることが、NANICAの次につながっていきます。
NANICAを離れた後に活躍しても、それは「成功」
だから、NANICAで成長した人が、ずっとNANICAにいなければならないわけでもありません。
インタビュアー:
NANICAで育った人が、将来別の会社に行ったり、自分で事業を始めたりして活躍することも、NANICAにとって成功だと思いますか?
辻:
成功だと思います。
会社として考えれば、育った人には長く働いてもらいたい。
それは当然あります。
それでも、NANICAで過ごした時間によって、その人のできることが増え、その後の人生でも活躍できているのであれば、それもひとつの成果だと考える。
会社に人を残すことだけが、育成の目的ではない。
この考え方は、第1弾で辻が話した「仕事だけではなく、その人の人生を豊かにするための成長」ともつながっています。
10年後、「5人の人生」が実現していたら大成功
では、会社そのものについてはどうでしょうか。
10年後。
NANICAがどんな会社になっていたら、
「この会社をやってきてよかった」
と思えるのか。
売上なのか。
社員数なのか。
事業規模なのか。
辻が挙げたのは、どれでもありませんでした。
辻:
理念を達成している人が5人以上いたら、僕の中ではもう成功ですね。大成功です。
その「理念を達成している人」として辻が描いているのは、仕事だけで成功した人ではありません。
経済的な余裕がある。
自分の時間もある。
大切な人との関係がある。
困った時に頼れる人がいる。
周りに協力してくれる仲間がいる。
そんな状態を手に入れた人です。
辻:
そういう人が5人以上いて、「手に入りました、社長」ってなったら、だいぶハッピーですよね。
会社をやってよかったなと思います。
会社の規模を大きくすることが目的ではない。
もちろん、事業を続けるためには売上も利益も必要です。
会社として成長することも必要です。
でも、その先で何を実現したいのか。
辻の答えは、一貫しています。
会社が成長した結果、人の人生が豊かになっていること。
最後に残したいのは、「会社」よりも「人」
インタビューの最後に、ひとつだけ質問をしました。
インタビュアー:
辻さんは、NANICAを通じて最終的に何を残したいですか?
少し考えたあと、辻はこう答えました。
辻:
今の僕みたいに、こういうことをやり続けている人を残したいですね。
それが20代の子であろうが、誰であろうが。
人に向き合う。
その人がどうなりたいのかを考える。
必要なことを伝える。
自分自身も変わる。
そして、次の人を育てる。
いつか辻がすべてを見なくても、それをやる人がいる。
その人がまた、次の誰かに渡していく。
そうなれば、NANICAの考え方は、特定の一人に依存するものではなくなります。
会社を残すということは、建物や名前を残すことではなく、その会社が大切にしてきたことを実行する人を残すことなのかもしれません。
成長する。そして、次は自分が「創る側」になる。
3回にわたって、代表・辻にNANICAの人と会社に対する考え方を聞いてきました。
第1弾で話したのは、
「結果が出たこと」と「人が成長したこと」は同じではない
ということでした。
環境に助けられて一時的に成果を出すのではなく、自分自身が変わり、できることを増やしていく。
第2弾では、
一人の人を採用することは、その人のこれからに会社も関わるということ
について聞きました。
本人にしか持てない意思がある。
それでも、採用した以上、会社にもできることがある。
だから、簡単に「本人次第」で終わらせない。
そして今回。
その先にあるのが、
「創る側になること」
です。
会社に育ててもらうだけではなく、いつか自分が会社を創る側になる。
誰かに教えてもらうだけではなく、次は自分が誰かに渡す側になる。
会社に何かを変えてもらうだけではなく、自分自身も変化の一部になる。
その循環をつくることが、NANICAが今、目指している会社の姿です。
最初から、すべてができる必要はありません。
明確な夢がなくてもいい。
役職も、長い社歴も必要ありません。
まずは、今できなかったことをひとつ、できるようになる。
そこから少しずつ、自分が周囲に与えられる影響を増やしていく。
そしていつか、
「この会社をつくっている一人は、自分だ」
と言えるようになる。
NANICAは、そんな人たちと一緒に、これからの会社を創っていきます。