ファシリテーターCPO川田(以下、CPO川田):今日も集まりいただきありがとうございます。よろしくお願いします。今回は、前回、前々回とパネルディスカッションをやらせていただいた続きです。一回目はビジネス的なところ、二回目は現場寄りな話でした。
今回はちょっと未来の話をしようと思います。現在我々は1stステージと呼ぶ工場DXをSaaSで実現してます。しかし工場DXで終わるつもりはないです。2nd、3rdステージと未来のワクワクするシナリオを描いています。今回は次の未来である2ndステージについて語ります。題して「我々が次に描く2ndステージ~なぜこんなにエキサイティングなのか~」。
目次
- SaaSの先にあるプラットフォームビジネスとは
- SaaSとプラットフォームを”連携させながら”同時開発する難しさ
- 連携する複数サービスの開発を成功させるための”概念モデリング”と”マイクロサービス”との関係
- SaaSやプラットフォームのアジャイル開発とウォーターフォール開発の違い
- 拡張性と汎用性を担保したアジャイル開発のやり方
- ものレボではSaaSやプラットフォーム開発の最新のスキルセットが身に着く!
- ものレボのエンジニアが身に着けられるスキル
- 2ndステージのSCMプラットフォームの先にあるワクワクするデータビジネス
- 我々とお話ししませんか?
SaaSの先にあるプラットフォームビジネスとは
まず2ndステージと呼ばれるものはつまり何なのか?というところをビジネス的な観点から細井さんからご説明お願いします。
CEO細井:はい。2ndステージは、ずばりプラットフォームビジネスです。
プラットフォームってのは需要と供給をスムーズにマッチングすることによって、今まで成し得なかった取引コストを最大限下げていくというようなビジネスです。我々ものづくりをターゲットとしています。(ものづくりの)サプライチェーンの需要と供給をつなぐのが2ndステージです。
具体的にどういったマッチングをやっていくのか。いわゆるものづくりでいう少量多品種。例えば私自身がなにかこれをつくりたい。でもこれはお店では売っていません。そういったものを頼むときに、今までどうしていたかというと、商社に頼むもしくは知り合いの工場、町工場に頼んでつくってもらっていた。(これを)効率的に、今ちょうどそれ(製造)ができる技術と生産能力の余剰能力をもったところをつないでいくというところを実現するサービスを提供しようというのが2ndステージになっています。
CPO川田:ありがとうございます。キーワードとしてプラットフォームというところですよね。サプライチェーンの需要と供給をスムーズにマッチングするっていう意味合いになってると思いますけど、いまスムーズじゃないんですかね?
もしかしたら(これを)聞いていらっしゃる方々、今の市場の状況とか分からないかもしれないので、今の状況ってどうなんですか?
CEO細井:そこは私の原体験で語りたいと思います。
私自身が前職でやっていた仕事が生産ラインを企画してそれを構築する。その構築するってフェーズの時には、その生産ラインに必要ないろんなものを調達しなければいけない。生産ラインってカタログに載っているものではなく、世界に一つしかないものなので、全部図面に起こしてそれを作れるところに頼む。唯一無二の部品をかき集めて、生産ラインを組み上げる仕事になります。
これらを調達するときに、生産ラインに使われる部品点数って何万点になるんですが、その部品を私自身が個人的に知っている業者(中小製造業)の方に頼んでも、それを2か月で全部用意してくれというのはできることではない。
なので、何をしていたかというと商社に頼んで調達していました。商社は何をしていたかというとそれを(指定の期間内で)作れる会社さんの見当がつかないので、我々の図面をファックスに乗っけて、彼らのつながりのある所に絨毯爆撃のようにファックスを送って見積もりを取る。
2か月しかないに2,3週間は見積もりを取るような作業をやっている。で、作る時間は1か月ちょい。もちろん守られないことも多々ありまして、すごく不便でした。そういったことをずっとアナログ的にやっているのが、今の製造業の現状です。
僕らはプライベートではアマゾンでロングテールな買い物ができるにもかかわらず、製造業のビジネス(=一品一葉品の調達)ではロングテールのロの字もなく、知っているところに頼むか、絨毯爆撃するかっていう業務を今でも強いられている。
じゃあ私がいた会社ってそんなアナログなことをやっている後進的な会社かというとそうではなく、いわゆるリーディングカンパニーの一つではあったわけなんですね。いわゆる皆さんが知っているリーディングカンパニーと呼ばれるものづくり企業においても調達は非常にアナログでしていると。
そこにデジタルのメスを入れようとしているのが、我々のプラットフォームであって、私の原体験、製造業の現状から来ています。
CPO川田:なるほどですね。今ざっと計算してみたんですけど、2か月の納期のうち、3週間見積り集めに時間を使っているわけですよね。それがもしプラットフォーム化して見積り集めが一番安く正確にできるみたいなスコアリングができ、我々のネットワーキングの中にいている工場の方々の中でどこから調達すれば最適だろうかというのをコンピュータがやったとしたら、その見積もりにかけている3週間が消えて、つまり生産性で言うと、37.5%一気に生産性改善するという計算になります。それはもう相当なインパクトですね!
というわけで、我々のやろうとしている2ndステージっていうのは、ネットワーキングな技術を利用して、工場をつないでいくと。その中で、プラットフォーム化していく。サプライチェーンの需要と供給をプラットフォームでスムーズにしていくと、単純計算で、そんな簡単じゃないですけど、37.5%生産性改善する。これすごい数字ですよね。これをなんとか実現しようというのが2ndステージだというところですね。
さて、そうなると結局理屈はわかったけども、誰がそれで幸せになるんだっけ?何が解決するんだっけ?というのをもうちょっとフォーカスを小さめにして、現場の話ができればと思います。細井さん、具体的にどういう人が幸せになるんですか?
CEO細井:想定している(ターゲット)は広いんですけど、まず1stターゲットはどこかというと、私自身がもともとやっていた業務、つまり量産という生産ラインの構築をする生産技術と呼ばれる人たちが、生産ラインに必要な治工具と呼ばれるものを調達する場合において、彼らがその調達に必要な取引コストー具体的には探索するコスト、交渉するコスト、正しく入ってくるかを監督するコストという3つ(のコスト)ーを限りなく0に近づけて幸せにしたいです。
CPO川田:なるほど。探索、交渉、監督コストを0にする。先ほどの37.5%マイナスのところがここで入ってくるわけですよね。そうすると実際にものをつくる人たち、つまり技術者の方たちが、現場では探索とか交渉とか監督とかその辺を担っているということですかね。
CEO細井:そうですね。技術者として、そこは付加価値が0なわけです。それを担っているのが現実です。
CPO川田:なるほど。先ほどまでサプライチェーンの話をしていましたけど、付加価値が連続的に追加していくバリューチェーンの中において、そういった作業っていうのが一切付加価値を積んでいない。そこでコストや時間を0にしてあげることによって、バリューチェーン自体の効率も上げていくっていうことになりますね。
SaaSとプラットフォームを”連携させながら”同時開発する難しさ
CPO川田:我々はものレボという会社として、テクノロジーを駆使して、無茶な夢を実現していかないといけないわけですよ(笑)
さて、今話していたような世界を実現するプラットフォーム。サプライチェーンの需要と供給をスムーズにマッチングしていくことで、現場の生産技術者、エンジニアたちを幸せにしてくためには、どういった技術の壁を越えていかないといけないのかなと思います。森松さん想像できるところありますか?
CTO森松:そうですね。今、我々やっている個社最適(1stステージの工場DXのSaaS)とサプライチェーン(2ndステージのプラットフォーム)は基本的に分けることができる考え方で、分けてしまえば正直壁はないんですよ。
ただ我々の向かっていく先として、1stステージと2ndステージをつなげるっていうところが他との差別化になるし、おもしろいところになっていきます。
何をつなげるかというと、基本個社最適では工程管理ツールを提供しているんですけど、工程管理でやりたいことは、あらゆる情報からの工程の最適化。で、細井さんのいった目的につなげるとしたら、工程管理とサプライチェーンをつないだところの最適化っていうのを僕は目指したいです。要するに、工程とサプライチェーンを一緒くたにしたオススメをポンと出すようなシステムにする。
てなってくると(川田さんの質問に対する回答は)別々につくった場合の(技術的な)壁ではない、一緒に連携するときの壁というところですね。
でどうサービスを連携していくかというところにおいて、いつも言っている繋がるところとかがカプセル化できていないので、ちゃんと新しい概念モデルをつくって、ちゃんとしたマイクロサービスの形をつくっていくというところが技術の壁になっていくのではないかなと思っています。そこは絶対に始めないといけないところです。
CPO川田:1stステージは工程管理を中心としていると。個社最適って我々が呼んでいる1stステージは工程管理にニアリーイコールなわけですよね。一方で2ndステージは工程管理ではなくて、いわゆるSCM(サプライチェーンマネジメント)だと。サプライチェーンマネジメントと工程管理って別のシステムとしてつくることができると。
別ブランドとして、出すこともできるんだけど、我々の2ndステージはここがシームレスにつながっているという状態をつくりたいわけです。このつなげるところにちょっと苦労があるだろうということですね。
連携する複数サービスの開発を成功させるための”概念モデリング”と”マイクロサービス”との関係
CPO川田:読者の中で技術者の方も多いと思いますので、モデリングとかマイクロサービスとか聞いたことあるかもしれないですけど、ない方のために古澤さんからモデリングとマイクロサービスの説明をいただいてもいいですか?
PM古澤:そうですね。モデリングって名前の通りですけど、プラモデルのモデルなので、形を定義するっていうことになります。
じゃあ何の形を定義していくねん!って話なんですけど、たとえば、電卓をパカッと開けたら回路図みたいなものが出てくると思いますが、そういったシステムの外からの見た目とは違う内部の基盤系を分類してどういうふうに配置するかみたいなそういうものを模式図化したものをモデリングって言います。
CPO川田:なるほど。細井さん、どうですか?わかりました?
CEO細井:僕は普段からモデリングの話を聞いているんで分かりましたけど、初めての人がどうか(笑)
一同:(笑)
CPO川田:モデリングは基礎をつくるみたいな話ですよね。
あとは森松さんの方で言っていた工程管理とサプライチェーンマネジメントを別でやってもいいんだけど、ここをシームレスにつながるためには、(ユーザーにとっての価値の)リンキングポイントっていうところもきちんと物理的に設計しておかないと、あとが継ぎはぎだけになってしまって、サービスやシステム自体がフランケンシュタインになるんですね。というところで基盤にあたるモデリングをしっかりやらなきゃいけないということですよね。
そこをやるにあたって、マイクロサービスっていうキーワードも出ました。マイクロサービスとモデリングがどう関係してくるんですかね?
CTO森松:モデリングっていうのは概念のモデリングなんですよ。専門用語なしで説明するのは難しいですが、要するにオブジェクトにちゃんと名前付けてあげようねっていうところから始まるわけですよ。
例えば、学生というかたまりが一つの概念になってオブジェクトになるわけですが、ここのかたまりとここの関連性を決めるところから始まるわけですよ。で、その機能、サービスをカプセル化するんですね。サービスを疎結合してそれぞれをカプセル化し、開発の独立性を保つ。で、なおかつデプロイを分けることによって、それを仕組化することによって、開発のスピードも上げるというところもあります。
一概にもマイクロサービスがいいってわけじゃないんですけど、SaaSにはかなり合うので、絶対やるべきだと僕は思います。
CPO川田:なるほど。新たな疎結合っていう専門用語も出てきました。
今の森松さんの話を聞いていただいていて、おーなるほど、なるほど。とエキサイティングな感じになってきたなと感じた方はぜひご連絡ください(笑)。かなり優秀な方だと思うのでよろしくお願いします(笑)
マイクロサービスって考え方があるんですね。あやとりみたいなイメージをしたらいいです。あやとりってすごく複雑になるじゃないですか、システム開発ってちょうどそんな感じなんですよね。最初はただの円でしかないんですよ。こーしてあーしてそーしてってこうやっていくことによって、この網目がすごい細かくなってスパゲッティみたいな状態になるわけです。このスパゲッティになった状態にさらに、もう一工夫加えようって結構難しい。システムってこういう感じなんですよね。
ですけど、マイクロサービスっていうのはこっちに簡単なあやとりをつくって、別でも簡単なあやとりをつくって、さらに別でも簡単なあやとりをつくって、このAというあやとりを改修したとしてもB,Cには何の影響もありません。Bをあやとりをしても、A,Cに何の影響もありませんというふうに独立性を保っておくことによって、良かれと思ってした改修が、なんか変なところで影響出ちゃったみたいなことを防ぐアーキテクチャなんですよね。
細かくはなっていったとしても、システムは他の部分に影響を与えず、安全にそして高速にどんどん成長していき、それに伴ってプロダクトとかサービス自体も成長していけるというような仕組みの一つですね。森松さんも言ってましたけど、それがもっともいい稼働かというのは状況次第だし、ただの手段でしかないんですけど、我々はマイクロサービスっていうSaaSプロダクトと親和性の高い仕組みを利用していくということですね。
SaaSやプラットフォームのアジャイル開発とウォーターフォール開発の違い
CPO川田:さて、いろいろやっていかないといけないのはわかりました。つないでいくところが難しいですよ、モデリングが難しいですよ、マイクロサービスっていう最新のやり方をアーキテクチャとしては取ってますよということなんですけど、このレベルってどうなんですかね。古澤さん、エンジニアとしては高いレベルになるんですか?
PM古澤:そうですね。上流設計とよばれるところになるとは思うんですけど、ここをきれいにやっていくっていうのは、エンジニアとして永遠の課題。そこを開発し続けていくとどうしても変なほころびが生じていくところをほころびが生じないようにしていくっていうのはまさに理想的であって、それを実現していくのは難易度が高いところかなと思います。
CPO川田:なるほど。そのほころびが長く成長し続けるシステムでどんどん改修、成長を加えたとしても美しさを保ったままいつまでも成長し続けられるっていう状態を整えるのは難しいということですかね。
PM古澤:そうですね。もともと決まっているものを美しくするのはいいんですけど、そこからどんどん進歩していくところを美しくするっていうのは難しいところになります。
CPO川田:なるほど。そうすると結構それってSaaSプロダクトっていう終わりのない開発プロダクトとシステムインテグレーションとか受託開発みたいなところと設計思想で差が出てくるのかなと想像しますけど、その辺どうですか?
PM古澤:もちろん、差が出てきます。受託開発はお客さんがその場で使うもので別に進化させる必要もないのであればそのシステムに向けて最適化するので、拡張性の仕組みを突っ込むことは結構省いた形でやることの方が多いかなと思います。SaaSはやはり進化してくので、拡張性の仕組みだったり、何にでも耐えられるようにとかところを中心に設計していく必要があるので、全然違うものになっていくと思います。
CPO川田:ということは、受託、SIみたいにいわゆるこういうものができあがるっていう最初に定義にそれに向けて最適に組めばいいっていうようなものに比べるとSaaSは終わりがないし、未来の終着点がどこかわからない。終着点が見えないところでもボトルネックにならないように今の時点で拡張性ないしは汎用性みたいなものにかなり集中した設計をしないといけないっていうことですよね。
拡張性と汎用性を担保したアジャイル開発のやり方
CPO川田:そうすると拡張性とか汎用性を担保するのは難しいんですか、森松さん?
CTO森松:難しいですよ。アジャイルで結構多いパターンが、アジャイルでやるっていうことはイテレーションで変えていけばいいってみんな思っているわけです。スプリント内でつくってなんかあったら、自分のスプリントで変えればいいって思っていると思うんですよ。結構そういうチームが多いし、そういう会社も多い。それじゃ立ち行かなくなるんですよ。
アジャイルのいいところって変更に強いところですけど、ソースコードが変更に強くなくなってしまうんですよ。では、何をもってソースコードを強くするかっていうのは、最初に決めてしまう概念のモデリングなんですね。概念のモデリングをマイクロサービスに当てていくかっていうところの考え方を最初に決めてしまう。その概念のモデリングはコーディングまでは落としていないんで、この単位でちゃんと実装していこうっていうところは最初に決めてしまうっていうことですね。
大事なのは、概念モデリングをできるっていう能力があることと、それを開発にちゃんとデプロイするマネジメント能力があるっていうところなんですよ。だからCTO、PM、テックリードの力は非常に大事になるっていう感じですね。
CPO川田:なるほど。アジャイルはたしかに勘違い多いですよね。イテレーションとかスプリントとかどんどんテクニカル単語が追加されてますけど(笑)
アジャイルっていう開発方法があるんですよね。昔ながらの開発っていうのはウォーターフォールっていって、水が上から下に流れていくかのように、要件定義があって、要件に対して簡易設計して、詳細設計して、開発して、テストしてみたいなV字な感じなんですよ。
ウォーターフォールになるのは終わりがある設計なので、SaaSは終わりがないのでそれができないわけです。そこで結局のところ、必要なものがなにかを細かく定義して、これを時系列に並べて、一個づつポンポン潰していってここに来たらリリース、ポンポン潰してここにきたらリリースみたいなことを繰り返していくことで、素早くどんどんシステムとサービスを進化させていこう。でも終わりはないですと。
こういうアジャイル開発の区切り一つ一つをスプリントとかっていったりするんですね。こういう方法を取っていく時に、勘違いとしては、欲しいものから並べていったらいいんでしょと。終わりないんだから追加していけばいいじゃないと。それでどんどん開発していけばいいんでしょという感覚を持っている方がまあまあいるかもしれない。
実はそれは勘違いだというのが森松さんが言っていることですよね。ある程度先の方まで、きちんと見越してここの拡張性を奪わないようなモデリングを現在時点でやる力をもっているリーダーがいないと、プロジェクトっていうのはSaaS事業においては成り立ちませんよと。
この点が(SaaSやプラットフォーム開発の)技術者のリーダーにとって重要な能力であると言っているわけですね。だからここが難しいっていうわけですね。
ものレボではSaaSやプラットフォーム開発の最新のスキルセットが身に着く!
CPO川田:そうすると、聞いていらっしゃる方の中には、なるほど、ものレボに入ると難しいことをやらなきゃいけないんだ。太刀打ちできるのかなと。
古澤さん、優しい言葉かけてもらってもいいですか?(笑)
PM古澤:そういう難しいこともあるんですけど、森松さんが勉強会を開いて優し~~く教えてくれるので、うわ、怖っとなる必要はないです(笑)
CPO川田:なるほど(笑)。じゃあ森松さんからも優しい言葉お願いします。
CTO森松:古澤さんの言う通り入ってから勉強してもらうので、キャッチアップするぞ、頑張るぞっていうマインドが大事だと思っています。それがあれば勉強会開いてキャッチアップしてもらいますので、入ってからのハードルは低いと思います。
CPO川田:なるほどですね。今言っていたすごい難しいことは一回目、二回目の収録見たらわかりますが、森松さんはほんとに変態レベルにスキルを持っています。そういった難しさをクリアした非常に美しいアーキテクチャないしはモデリングを(ものレボに)入ってきたら目の当たりにできます。
美しいということは何を意味するかというと、あんまりスキルが高くない人にとってもめっちゃわかりやすいということなんですね。(ものレボに)入ってきた段階で日本の中でトップクラスに森松さんのある意味ではモデリングの正解に近いものっていうのを見ることができる環境がある。その正解っていうのを自分の中で吸収する機会でもあります。そのモデリングの上で、実際に実装したときに「なるほど、こんなに簡単に拡張でき、こんなにスピーディーに、バグも少なくできるんだ、これがモデリングのおかげなんだ」っていうのを体感できる環境っていうのは、逆に言うと易しい環境だと思います。
実際このモデリングっていうのはなんでこんな風に組んであるんですか、それはね、、、っていう森松さんや古澤さんからどんどん吸収できる状況にあるので、易しい環境でもあり、自分のスキルを上げる環境でもあると思うんですよ。
ものレボのエンジニアが身に着けられるスキル
CPO川田:2ndステージの壁を超えていったときにこんな市場価値が自分に付くよとか、こんなスキルが身に付くよとか、他ではできないこんな経験ができるよとか、森松さんありますか?
CTO森松:AIかな。最新技術といえば、AIを取り入れる予定なので世の中の流行には間違いなく遅れなくて、最先端を触れる。
あとは川田さんのおっしゃる通りモデリング力がつくっていうところですね。モデリングには正解がないので、結構経験則というかそのノウハウっていうのは正解に近づくだけであって、システム自体も正解が存在しないので、勉強会などを通して、より正解に近づくノウハウを提供できると思っています。
CPO川田:正解はないからこそ正解に徐々に近づけていくっていうこの感覚はエンジニアとして重要ですよね。システムってある意味生き物なので、えさを与えて育てていかないといけないですよね。育っていくうちにより正解に近づいていくと。でも正解って誰が定義するかというと、我々は仮説として作り上げて市場が判断する。本当に市場も我々もシステムも生き物なので、それを相手にするようなかなり不確実性が高い世界で戦っていくわけですけど、そういうようなスキルがプロフェッショナルなエンジニアとしてもっとも重要だと僕も思います。古澤さん、なにかありますか?
PM古澤:基本的には全部出てしまったんですけど、自分なりのベストプラクティスを構築できる状態になるんじゃないかなと思います。他の会社の面接に行ったときに、自分のベストプラクティスを語れるようになるんじゃないかなと思います。
CPO川田:なるほどですね。正解はないけど、ベストプラクティスだと。ベストプラクティスの引き出しをたくさん持っていることっていうのはエンジニアとしては重要なんですか?
PM古澤:いろんな局面があると思うので、その中で最適解を持っている方がベターではあるかなと。もっていなかったらトライアンドエラーを繰り返さないといけなくて、それだけ時間と費用を浪費ことになります。(最適解を)持っていたらトライアンドエラーの回数が少なくなって、その分時間と費用が浮いてくることになるので、自分の費用対効果が上がってくるかなと思います。
CPO川田:たしかにそうですよね。エンジニアリングの世界でよく言われるのが、極端な話100人の凡人より1人の天才っていう話で1人天才がいれば100人分働きが余裕でできる可能性がある世界です。
例えば、10日かけてベストプラクティスを構築するっていう人もいれば、すでに頭の中もしくはなにかデータベースでベストプラクティスを持っている人は、1時間で引き出してくるかもしれない。引き出しの多さで以って実際出せるパフォーマンスていうのは100人分を凌駕する可能性がある。
僕もここがエンジニアリングのおもしろいところだと思います。ベストプラクティスの引き出しっていうのを、ものレボにいれば経験できるタイミングっていうことですかね。
2ndステージのSCMプラットフォームの先にあるワクワクするデータビジネス
CPO川田:現場としてはこういうことをやるっていうのも分かってきたし、ビジネス的にはどういうことが実現していくんだ、誰が幸せになっていくんだというのも分かりました。
1stステージ個社最適から2ndステージSCMプラットフォームというところまでたどり着ければ、我々ものレボっていうのはすごいたくさんの人を幸せにできると僕自身も信じています。
現在はSCMプラットフォームまでたどり着いていないので、できないことってぶっちゃけ多いじゃないですか。でも一方で、SCMプラットフォームっていうところまで我々がたどり着いたら、その先に広がる未来もまだあるわけですね。細井さんに最後語っていただきたいのは、2ndステージを実現し終わった我々はどんな事業的な選択肢が増えていくのかを語っていただきたいと思います。
CEO細井:我々が2ndステージを実現すれば、今まで人類が得たことのないデータが一元的に手に入れることができる。
例えば、Googleが存在する以前っていうのは、いろんな情報は世界中に散らばっていて、誰も一元的に整理できていなかったけれども、Googleはある程度それを整理してきた。我々は誰も見たことがない各々の製造業っていう小さな狭い工場の中にあるノウハウやそこにいる人すら気づいていないデータが世界規模で一つの場所に集約する。その集約するっていう作業を我々がやって、集約されたデータを使って、新しい価値を生み出していく。
今の話だけで多分いろいろ想像できることっていっぱいあると思うんですよ。なぜなら人類ってずっとのづくりに携わってきて世界中で製造業に携わっている人ってたくさんわけじゃないですか。そのデータが1か所に集約されるってなると、それは夢が膨らみますよね(笑)そういったことを我々はやっていきたいなと。データを集約して新しい時代をつくりたい。
例えばGoogleのおかげで我々の生活は豊かになりましたけど、B2Bが幸せになったのかというと、そこってバリューを生み出すところじゃなくて間接業務じゃないですか。我々は製造業においては直接業務に対してバリューを生み出すようなデータからやっていきたい。これは可能性無限だと思ってまして、日本だけでも300兆円の出荷額がある製造業が世界規模で幸せになれば、そのインパクトは数知れない。その周辺の業界を含めると、かなりのインパクトかなと思っています。
CPO川田:集めるデータとしては、例えばどこで誰がどんな設備で何をしたみたいな、このぐらいの粒度の情報をすぐに集められるわけですよね。こういった情報がビッグデータのように集積して、集積したものを解析したとして、このデータを用いて、一例で言えば、どういうことが実現できそうなんですかね?
CEO細井:例えば、今って欲しいものがあってもカタログから選ぶわけじゃないですか。その他選べる項目っていうのが、仮に自分で設定できるパラメータが5つあり、色とサイズとなにがしっていうのがあると思うんです。そのパラメータがある意味無限大に広がっていくというイメージになるかな。
すなわち自分が描いた適当なスケッチでも、それがサプライチェーンの一番上流の設計に入ったら、あなたのスケッチはこういうものですよね。それをつくるためにこういう材料が必要ですよね、その材料をこういうふうに加工しないといけないですよねと。それをするのに最適な工場はここにあって、それを運ぶために最適な物流はここにあるので、それを繋いでいったらあなたのもとにあなたのスケッチが1か月後には実物になって、手元に届きます。こういったアウトプットができるのかなと思っています。
CPO川田:なるほどですね。今だったら、例えばポータルサイトみたいなところで、自分のつくりたいものをつくるための業者をマッチングするとかみたいなサイトありますけど、そのサイトだと、そこが用意している検索カテゴリーみたいなもので、検索していってなんとか自分でいいところを見つけていくしかない。
だけども、ビッグデータを解析することによって、そのサイトが用意しているようなカテゴリーに縛られず、俺はこれがつくりたいんだ!こんなものが欲しいんだ!っていうふうにシステムに読み込ませたり、写真撮って入力したりしたら、それを実現するために最適なレコメンドないしは生産ラインないしはフロントの企業などがバーっと選べるぐらいの数でもって絞り込まれる。そんな世界ですよね。その世界めっちゃいいですよね!
そうしたら、こんなものがあったらみんな喜ぶんじゃないかというビジネスアイデアを持っている人が、どうやって作ればいいんだろうかとか、どうやって生産に持っていったらいいんだろうかとかみたいなノウハウまで持っていることってかなり少ないですよね。なのでアイデアは精緻だけれども、実現力が少し欠けている人にとっても十分なビジネスを起こすことができるインフラとなりえるみたいなそんな感じですよね。そのビジネスにおけるパーソナライズみたいなものを激加速させる未来なのかもしれないですね。
ただ、そのビッグデータの解析って難しそうですよね。森松さんイメージつきます?
CTO森松:イメージはついてますし、そのメソッドも頭の中にあります。なので、もう実現するだけですね(笑)
CPO川田:頭の中にはあるからただやるだけなんですって(笑)
我々とお話ししませんか?
CPO川田:というわけで今日は2ndステージっていうのが、なんでエキサイティングなのかというところをビジネス的な視点だったりとか技術的な視点だったりとか、2ndステージをこえたときに我々はどのくらい市場価値がアップできるのかっていうのがイメージしていただけたかなと思います。
何にしてもその夢を膨らませ、3rdステージっていう未来のスーパーパーソナライズな世界をものづくりから作り上げるみたいなところまで細井さんが描き切っていると。それを頭にはできているのでそれをやるだけですという森松さんとそれを現場で具現化していく古澤さんと粒はそろっていると思います。(働く)環境としてはおすすめですよ(笑)
こんな感じで楽しくやってますので、もし希望がある方がいれば気軽にお声かけをいただいて、ざっくばらんに会話でもできればなと思います。
というわけで、今回は2ndステージについて語ってみました。次回は、また企画しておもしろいコンテンツ出せればと思いますので、みなさんよろしくお願いします。本日はありがとうございました!
一同:ありがとうございました!