私たちミラスタは、「クラウドサービスの開発・運営とSESを行う会社」クライアントのITプロジェクト支援を行う会社です。
現在はインターネットの技術を使ったシステム構築や運用を現場常駐型での支援を行っています。今後は自社で開発しているクラウドサービス事業にも力を入れていきたいと考えております。
今回は代表取締役の佐藤社長にインタビューを実施。創業に至った背景や、今後の展望についてお話を伺いました!
【プロフィール】
佐藤 貴史(さとう たかふみ):代表取締役。通信業界での営業・販売職を経て、未経験でエンジニアに転身。「優秀なエンジニアを増やしたい」との思いのもと、2018年5月に株式会社ミラスタを創業し、システム開発事業やエンジニア派遣事業を展開。現在はSaaS企業向けのデータ連携プラットフォームである『hubflow』の開発に力を入れている。
本当に優秀なエンジニアは「顧客目線」に立つことができる
――まずは佐藤社長のこれまでのキャリアを教えてください。
大学卒業後は通信業界の大手企業に入社し、営業・販売の仕事に従事しました。もともとIT領域に興味をもっていたこと、また同社でインターネット関連のサービスを扱っていたことから、徐々にWebサイトやアプリへの関心が高まっていきました。
実は学生時代を含め、それまで特に情報系の勉強をしたことはなかったのですが、25歳の頃に一念発起し、IT企業に入社。業務系システムの開発に携わるようになりました。
その後、フリーランスエンジニアとして独立し、基幹システムの構築などに従事。2018年にミラスタを創業するに至りました。
――なぜご自身で会社を立ち上げようと考えたのでしょうか。
「優秀なエンジニアを増やす仕組みづくりに携わりたい」と考えたからです。
フリーランスエンジニア時代、現場で常駐をしながら仕事を行う傍らで、未経験のエンジニアに向けたプログラミングのインストラクターも務めていました。その際に出会った多くのエンジニア志望者たちが、“将来性のある仕事で稼げそうだから”や、“自分自身が恩恵を受けたい”というような「自分目線」の志向が強かったんです。
でも、本来のエンジニアがあるべき姿はそうではない。いかに顧客が必要としていることを実現できるかが重要であって、本当に優秀なエンジニアは発注元の企業様やエンドユーザーの目線で考えることができる人材なのではないかと考えていました。だからこそ、そうした「顧客目線」をもった優秀なエンジニアを育てる必要性に駆られて、会社を立ち上げることに決めました。
――なるほど、世の中のエンジニアたちのあり方に対する問題意識が、起業のきっかけとなったのですね。
そうですね。創業当初は特に明確なビジネスモデルを描いていたわけではなく、とにかく「優秀なエンジニアが少ない」という気持ちが強かったですね。
自分自身も現場に入るなかで、なかなか優秀なエンジニアがいないことで自分たちの業務がひっ迫しましたし、学びの意欲が低い人たちと一緒に働くのは単純に“楽しくない”と感じたことも背中を後押ししました。
ちなみに「ミラスタ」という社名には、「未来のスター企業になる」という思いを込めました。未来に向けて、エンジニアの意識を変えていけるような会社をつくりたかったんです。
「エンジニアとしての評価を高める」ことを目的とした研修が特徴
――創業から現在までの経営活動において、特に大変だったことは?
やはりコロナ禍の影響が大きかったですね。創業後、また組織ができあがっていない時期に緊急事態宣言が発令されましたので、案件も大きく減りましたし、退職者も出ました。そのような状況を乗り越えることができたのは、ひとえに「人」の力だと思っています。当時のメンバーたちが現場でしっかりと仕事をしてくれたからこそ、事業を継続することができました。
また、2021年頃から、当社は採用の拡大に向けていっきに舵をきりました。元々20名弱の組織体でしたが、2023年1月には社員数は約70名にまで増えました。他社の採用が縮小するなかで、ミラスタに期待して入社してくれたメンバーのおかげで、売上を維持できたと考えています。お客様からも、当社は充分な人的リソースを確保しているという点にメリットを感じていただき、安定的に発注をいただけるようになりました。
――そうした「人」の力を高めるために、どのような取り組みをされてきたのですか?
大きく3つあります。1つ目が、業務マネジメントの強化です。複数のSaaSを入れながら、「業務効率化し生産性を高める工夫」をしてきました。
2つ目が、人事制度の見直しです。たとえばインセンティブ給を設定するなど、評価制度を整えることで、成果をあげている人材がきちんと報われる仕組みをつくりました。
3つ目が、人材育成の強化です。当社では入社後約1か月間の研修期間を設けていて、主に「技術に関する研修」と「社会人基礎力に関する研修」を行っています。
前者は、サーバーやネットワークなどに関する知識を付与する研修ですが、こちらはわりと多くの会社で実施しているものでしょう。
一方で後者は当社独自の研修で、単なるビジネスマナーなどではなく、「どうすればエンジニアとしての評価や価値を高められるか」という部分にフォーカスした研修です。やはりエンジニアという業務の特性上、どうしても経験に応じて仕事がもらえる仕組みになっていますし、キャリアアップしていくという考え方がないとエンジニアとして評価されないのが現状です。自らの価値を高めるために必要なコミュニケーションの取り方などを、私が自ら講師となって研修しています。
大事なのはお客様の成功のために挑戦する姿勢
――ミラスタは「ひとりでも多くの人が挑戦できる場所を創る」というミッションを掲げています。このミッションに込めた思いを教えてください。
ここでの「ひとりでも多くの人」とは、当社の社員だけでなく、お客様のことも指しています。
先ほどエンジニアの価値向上が重要だという話をしましたが、エンジニアが向上心をもつことが大切である一方で、自分だけが成長できればよいという思考では仕事は成り立ちません。大前提として、お客様の事業拡大を目指すこと。そのための課題解決の手助けを行うのが私たちであって、お客様の成功を実現するために、自分たちの技術やスキル、経験を高めるための挑戦をしていってほしいという思いを込めています。
――なるほど、ここでの「挑戦」とはどのようなイメージですか?
現状維持ではなく、世の中や外部環境の変化に合わせて、自らを「変化させることで成長していってほしい」という意図を含んでいます。変化が激しく先が読めない時代において、自分たちが自ら変化する姿勢で臨まないと、新しいものは生まれないと考えているからです。
――バリューには「相手目線で考える」という言葉があります。先ほどの”顧客目線で考えられる優秀なエンジニア“というお話にもつながりますね。
そうですね。ビジネスは相手がいてはじめて成り立ちますので、もちろんエンジニアという職種においても、相手目線で考えることが必要不可欠です。お客様が必要なものをいかに引き出し、提案できるか。研修のなかでもこのような考え方を伝えるようにしています。また、この価値観に共感してもらえる人材を増やして、結果として企業価値を高めていくことが私の仕事だと思っています。
新しい事業やサービス展開の先に目指すもの
――今後の展望を教えてください。
「面白い会社」をつくることが目標です。私自身も含め、社員一人ひとりが“やっていて面白い”と感じる仕事をどれだけ増やせるか。
短期的にはクラウドシステムの領域をさらに伸ばしていきたいので、SaaSベンダーのためのSaaS連携クラウド『hubflow』の開発に注力していきたいですね。
職業紹介事業の許認可も取りましたので、新規事業の創出やその事業の拡大に合わせて、エンジニアを含め、デザイナーやWebマーケター、ITクリエイターの職業紹介にも力を入れていきたいと考えています。
さらに、現在システム開発を継続していく柔軟性のある受託開発事業にも挑戦していく予定です。
――「面白い会社」をつくるために、現在の社員や、今後入社する人材に期待することは?
まずは、「相手目線で考える」ことが大前提にあるなかで、当社ではそのほかに4つのマインドやスキルを大切にしています。具体的には、「好奇心」「洞察力」「共鳴力」「胆力」です。
仕事に対して、どうやったらうまくいくのかという「好奇心」。顧客自身が気づいていないような重要な課題や要素を見出す「洞察力」。社内外問わず、協力関係を築いていくために必要となる「共鳴力」。そして、“これくらいでいいよね”ではなくて、“やるべきことはやっていこう”という「胆力」。一人ひとりのこうした素養を鍛えていくことで、大きなチャレンジができる会社になるのではないかと考えています。
――最後に、ミラスタの人材採用に対する、佐藤社長の思いや考えを教えてください。
ミラスタではバックグランドやスキルではなく、まずは当社のミッションやビジョンに共感していただけるかという点を重視し、間口を広げた採用活動を行っています。私自身も理系大学出身ではなく、また総合職からのスタートですが、エンジニアとしてのキャリアを築くことができていますし、一人でも多くの方に活躍していただける環境を整えています。
また現在は、ITクリエイターの活躍機会の創出や、クラウドサービスの展開などを通して新たなビジネスの確立に向けて取り組んでいる最中です。そうした新しい挑戦を楽しめるエンジニアのみなさんにも、ぜひ参画していただければ嬉しいですね。