技術面談が終わった帰り道、「手応えはあった」「なんとなく反応が薄かった」と感じて、そのまま次の予定に向かってしまう。エンジニアの転職や案件参画の場面では、よくあることだと思います。ただ、その「なんとなく」は、1週間もすれば記憶から消えていきます。
ミラスタでは、お客様との技術面談に同行したメンバーが、その日のうちに記録を残す運用をしています。今回は、その記録の書き方で私たちが大事にしていることを、実際の記録の一部を交えてご紹介します。記録は社内で扱うもので、お客様や個人が特定される形で外に出すことはしません。この記事でも内容は抽象化しています。
面談の学びが、個人の記憶で止まってしまう
面談の準備や振り返りは、多くの現場で個人戦になりがちです。どんな質問を受けて、どう答えて、どこで相手の表情が変わったのか。そうした情報は本人の頭の中にだけ残り、次の面談に活かされないまま薄れていきます。
もう一つの問題は、振り返りが感想で終わってしまうことです。「感触がよかった」「厳しそうだった」という言葉だけが残ると、あとから読んだ人はその結論を受け取るしかありません。なぜそう感じたのかという根拠が残っていないので、確かめることも、次に活かすこともできません。
ミラスタでは、この二つを仕組みで減らすために、技術面談の記録の入力項目と書き方を社内で決めています。
事実と解釈を分けて書く
記録には、商談の流れ、お客様からの技術的な質問とその場での回答、お客様の反応、次回のアクションを残します。中でも書き方を決めているのが「お客様の反応」の欄です。ここは、事実と解釈を分けて書くことにしています。
実際の記録に、こんなものがあります。
事実:全員への問いかけに対して、先に答えたほうがいいという発言があった
解釈:積極性を大事にしている
前半は、その場にいた誰が書いても同じになる内容です。後半は、書いた人の読みです。当たっているかもしれないし、外れているかもしれません。
二つが混ざったまま残ると、あとから読む人は「積極性を重視するお客様」という結論だけを受け取ります。分けておけば、次に同じお客様と話すときに「本当にそうか」を確かめ直せます。解釈が外れていたと分かれば、書き直せばいい。事実が残っている限り、記録は何度でも読み直せます。
見送りの記録こそ、次の行動につなげる
もう一つ、見送りになった面談の記録です。お客様から挙がった理由は、スキルと実務経歴の不足でした。
ここで「力不足だった」と書いて終えることもできます。ただ、この記録の次回アクション欄には、「実務経験の少なさを補うだけの判断材料が足りなかった」というお客様の言葉と、次は積極的なアピールを検討する、という方針が残っていました。
経験の年数は、すぐには変えられません。一方で、経験を補う材料を面談の場で示せたかどうかは、次の面談までに準備できます。結果だけでなく相手の言葉をそのまま残しておいたことで、次に打てる手が見えた例です。
記録を「書いて終わり」にしないための決まり
記録の書き方には、ほかにもいくつか決まりがあります。
1つ目は、面談の当日中に記録することです。記憶が新しいうちに残すためで、面談の日時と記録の作成日時の差も確認しています。
2つ目は、次回アクションを「誰が・いつまでに・何を」の3点で、担当ごとに書くことです。「検討します」だけでは、誰も動きません。
3つ目は、面談の場で「持ち帰って確認します」と答えた技術的な宿題を、お客様への回答が終わるまで追いかけることです。宿題には「対応中」「完了」の状態を付けて、止まったままにならないようにしています。
4つ目は、該当がない項目も空欄にせず「該当なし」と書くことです。技術的な質問が一つも出なかった面談では、「技術的質問なし」と明記します。空欄だと、書き忘れなのか本当に無かったのかが区別できないからです。
記録を書いたあとは、同行したマネージャーと振り返りを行い、良かった点、改善点、次回への改善点を話し合います。目標にしているのは、三か月後に読んでもその面談を再現できる記録です。
同じ悩みを持つエンジニアへ
面談の振り返りで大切なのは、感想を増やすことではなく、あとから使える形で残すことだと考えています。事実と解釈を分ける。次の行動を具体的に書く。どちらも地味な決まりですが、この二つで、面談の学びは一人の記憶からチームの知識に変わっていきます。
面談のたびに手応えだけが残って、次に何を変えればいいか分からない。そんな経験がある方は、まず次の面談で、相手の言葉をそのまま一行メモしてみてください。解釈はそのあとで構いません。
ミラスタが面談の準備や振り返りをどう進めているか、もう少し詳しく知りたい方は、カジュアル面談でお気軽に聞いてください。
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