2020年11月8日から7日間にわたって開催されたMERYの大型オンラインイベント『LUCKY MERY WEEK』。毎日ライブ配信で美容やファッションを中心としたコンテンツをお届けしました。
新型コロナの影響を受け、リアルイベントからオンラインイベントに切り替えて行われたこの取り組みはMERYにとっても新しい試みとなりました。
そこで今回は、運営の中心となった「BRAND STUDIO」のメンバーにインタビューしました。メンバーのイベントに対する思いや、この取り組みから得られた発見や知見をお伝えします!
周 美貴
2013年に総合情報サービス企業に新卒入社し、ニュースサイトの広告営業と営業推進として、タイアップのセールスに従事。2016年に株式会社ペロリに入社、2017年より株式会社MERYに転籍。
現在は、BRAND STUDIOの戦略推進グループのグループリーダーとして広告事業の戦略設計や広告商品開発からバックオフィスの運用等まで幅広く担当。
『LUCKY MERY WEEK』では企画から進行までプロジェクトの統括を務めた。
鈴木 由紀
2014年から広告代理店にてスマートフォン広告の運用・効果検証などのマーケティング業務に携わる。その後webコンテンツ制作に興味を持ち、ユーザーとして利用していたMERYのコンセプトや世界観に惹かれ、2016年に株式会社ペロリに入社。編集部でタイアップ記事編集を担当する。
2017年10月に株式会社MERYへ転籍後、コンテンツディレクターとしてエディターズ記事やタイアップ記事の編集とリアルイベントの企画、運営を担当。『LUCKY MERY WEEK』ではイベントのコンテンツのオーナーを務める。出産の準備のため地方へ帰省。10月からは出社をせず遠隔で対応。
國江 聡子
2002年アパレル会社に入社。PR、副社長秘書を兼任。その後出版社の編集アシスタントに転職し、フリーランスの編集者として10年間女性ファッション誌やカタログの編集に携わる。
2016年に株式会社ペロリに中途入社後、2017年株式会社MERYに転籍。現在はBRAND STUDIOメンバーとしてMERYのタイアップ記事の制作を中心に担当。『LUCKY MERY WEEK』では、具体的なコンテンツの企画とともに鈴木からコンテンツのオーナーを引継ぎ務めた。
『LUCKY MERY WEEK』
開催日時:2020年11月8日(日)〜2020年11月14日(土)
開催形式:オンライン開催(ライブ配信)※配信プラットフォームはYouTubeおよび一部Instagram、ZOOM、Vストリーム
【LUCKY MERY WEEKって?】(コンセプトのご紹介)
ファッションに、コスメ・メイク、アクセサリー、ヘアアレンジ....どれも全部わたしのお気に入り。
いつもの世界もちょっぴり見方を変えると、新しい"好き"や新しい自分、
ちょっとだけセカイの見方を変えるだけで、今までと違った自分、
そしてもっとワクワクする「今」が待っているかも。
スマホやパソコンからそっとのぞいてみて。
魔法にかけられたような7日間だけのオンラインイベント、LUCKY MERY WEEK。
オンラインイベントならではの良さを活かして「MERYの世界観」を届けることにチャレンジ
—『LUCKY MERY WEEK』実施の背景を教えてください。
【周】
2020年のMERYの3周年のタイミングに「第2回のLUCKY MERY DAYをやりたいね」という話は2019年の年末くらいから出てきていました。2020年3月の上旬くらいに具体的な検討が始まり、取締役陣とともに前回のイベントを振り返った上で、今回のイベントを行う目的を決めました。その後、パートナーとして、CRAZYさんにご協力をいただくことを決め、コンテンツチームを巻き込みプロジェクトが正式にスタートしました。
当初はオフラインのイベントの前提で企画を練っており、テーマやコンセプト、会場の候補まで進めていたのですが世の中の情勢を鑑みてオンラインでの実施の検討を具体的に始めました。もちろん新型コロナ禍の状況を踏まえて…というのがオンラインイベントの検討の始まりであったのですが、オンラインならではの良さもあるのではないかと前向きに考えていました。
①LUCKY MERY DAYを始めとしたリアルイベントだと、居住地や会場のキャパシティの関係で参加できるユーザーさんを制限してしまっている側面もあった。
②オンラインのイベントでも、オフラインと同様に「MERYの世界観」を届ける、というのは新しくチャレンジする価値があると思った。
2つの理由から、改めて計画を立て直し、社内で承認をもらい、5月末に正式にスタートすることが決定しました。
【鈴木】
もう少しイベントの具体的な話をすると、もともと土日開催という頭でいたので、CRAZYさんに1週間のイベントという提案をいただいた時、驚いたのと同時にわくわくしたのを覚えています。リアルイベントができないとなると、オンラインイベントでMERYの世界観、非日常的なイベント感を実現するためにはどうしたらいいかをずっと考えていて。オンラインの配信ってその場で終わり、みたいなのがどうしてもあると思うんですが、1週間を通して開催することで「ユーザー×MERY」の新しいオンラインイベントの形を作れるのではないかと思いました。
組織で協力し合い、52のコンテンツを配信
—『LUCKY MERY WEEK』はどのように運営していたのでしょうか?
【周】
プロジェクトオーナーを中心に「コンテンツ」「マーケティング」「セールス」の各セクションの代表者を決め、常に連携をしていました。そのほか、ECや開発・クリエイティブチェック・法務・動画撮影/編集にかかわる各部署にも協力を仰いで進めていました。CRAZYさんにはビジュアルの制作や配信まわりを中心に幅広くご協力いただきました。
私自身はプロジェクトオーナーとして事業計画やKPIの策定・スケジュールや予実の管理・社内の各セクションやCRAZYさんとのコミュニケーションのハブになるなどいわゆるプロジェクトマネジメントを中心に関わりました。
鈴木さん・國江さんを中心としたコンテンツのチームはビジュアルの監修やタイアップ/オリジナルを含めて合計52のコンテンツの制作や出演者様のアサインなどを中心に広く担当していました。イベントでの要となるのがコンテンツとなるので、コンテンツのオーナーとは常に伴走していましたね…!
—52のコンテンツ量もさることながら、コンテンツが関わる領域が広そうですね。どのように役割分担をしていたのでしょうか?
【鈴木】
ビジュアルやコンテンツの方向性、企画検討、オリジナルキットの制作をまずは少数人数で進め、最終52のコンテンツが出そろった時点で、部内外のコンテンツディレクターに割り振って協力をお願いし進行していきました。その途中で急遽新型コロナの影響で私の帰省が早まることになってしまい、10月から徐々に國江さんと認識合わせをしながら、私がリモートで対応できない部分を巻き取ってもらい、当日の配信まわりを見てもらえるよう一緒に動いていきました。直前の準備やイベント当日は國江さんが中心となり進めてくださりました。本当に感謝です!
「一方的なライブ配信にはしたくない」MERYならではの共感を生むコンテンツ作り
—『LUCKY MERY WEEK』を実施するにあたり、大事にしたことやこだわり、工夫を教えてください。
【周】
大きく2つ、ここからブレることはないようにと気を付けていたことがあります。
①イベントを通してMERYのユーザーさんが、自分のことやMERYのことをもっと近くに感じ、もっと知り、もっと好きになってほしい。「明日、もっとかわいくなる」モチベーションを高めてほしい。
②ユーザーさんはもちろんのこと、クライアント、パートナーなど参加する方々が「MERYに関わっていてよかった」と思ってほしい。イベント単体だけで終わらず、「MERYの成長」のきっかけになってほしい。
例えば、「場」の共有ができないからこそ、「手元に届く」という体験は大切にしたいと思い、限定オリジナルキットを制作しました。
箱を開けてキットの中身を使ってワークショップに参加したり、新しい美容アイテムと出合ってもらったり…。「オンラインイベント」でありながら「手ざわり」感も大事にしたいと思い、企画しました。このキットは2,000個用意したのですが、イベント前にすべて完売して、MERYのすごさを実感しました。
【鈴木】
アクセサリー作りやバレットジャーナルのワークショップ系はキットに実際に一緒に作れる材料を入れることで実際に参加している感を持ってもらえるようにするなど、「一方的なライブ配信にはしたくない」という思いが強くありましたね。
また、コンテンツ面ではMERYの得意とする「共感を生むコンテンツ作り」をライブ配信でもかたちにできるよう心がけました。(非常に難しかったのですが…)企画の切り口的な部分もそうですが、通称「応援ガール」に登場してもらったことが例としてあげられます。ワークショップでは視聴者目線でわからないことをその場で代弁したり…1週間のコンテンツを見てもらえるきっかけとしても活躍してくれました。最終的には、ファンがついて「〇〇さんお疲れ様でした」「〇〇さん素敵です」などコメントがあり、今までMERYのメンバーは表に出なかったこともあるのですが反応がとても新鮮に感じました。
出演者のアサインも、著名な人だけでなくユーザーと等身大のインフルエンサーや親しみのあるインフルエンサー、またMERYの記事に掲載させていただいているお付き合いのある方など、一緒にイベントを楽しんで作ってくれる方をアサインすることも大切にしました。楽しんで作ったものはユーザーに伝わると思うので、こだわりました。
—『LUCKY MERY WEEK』を実施する中で苦労したこと、大変だったことを教えてください。
【周】
オンラインの大型イベントは、企画した当初は世の中に事例があったわけではなかったので、コンテンツやツールなどはもちろん、なにより「どうやってMERYの世界観をオンラインイベントで届けるのか」という部分は試行錯誤の連続でした。協賛パートナーの方々に説明する際にも、資料だけだとイメージをお伝えしきれなかった部分もあり、難しかったように思います。
また、超各論ですが、今回配信を2ライン用意し、ゲストの数も1日最大18名ほどいらっしゃったので、動きをかなり細かく計画する必要があり、スタッフのシフトとゲストの動きのシミュレーションなどは10分単位で作るなど地道な対応も多かったですね。コンテンツもものすごい数あったので、通しで打ち合わせするのだけでも丸1日かかったり、スプレッドシートやプレゼンテーションがずれて大騒ぎになったりもしていた記憶があります…(笑)。
【鈴木】
周さんがおっしゃる通りCRAZYさんとのコンテンツのひとつひとつの配信の打ち合わせはもはや合宿状態でしたね(笑)。
コンテンツチームの視点では、52個のコンテンツを作ることがやはり大変でした!MERYの記事で人気のファッション・メイク以外のバリエーションを出すことやライブ配信ならではの取り組みを考えるなどコンテンツの内容はもちろんのこと予算の調整もセットで考えなければなりませんでした。コンテンツの内容によって、キットの中身も連動して変わるため「ユーザーが楽しめるコンテンツにする!」という軸をブレさせずにコンテンツやキットの内容をいったりきたりしながら詰めていく過程は苦労しました。
また、ライブ配信なので台本の法務観点でのチェックも数が多く法務の担当にはたくさんお時間をいただきました。社内の協力にとても感謝しています!
—『LUCKY MERY WEEK』を行ったことでどのような発見や効果がありましたか。
【周】
まずは、なによりユーザーさんが『LUCKY MERY WEEK』を楽しんでくださったことが良かったです。同時最大視聴者数は3,000人を超え、たくさんの方に興味を持っていただけたことはうれしかったです。ユーザーさんからは「ワクワクする企画にオンラインで参加できておうち時間がハッピーになった」「自分の興味のあるものばかりで最高でした」「自分磨き頑張ろうと思います」という声も聞くことができて運営側としては安心しました。
また開催中は、配信が終わったら自然にディレクター陣で集まり、振り返り会をして翌日に活かしていました。長期間であれだけのコンテンツ数があったからこそできたことだし、今後のナレッジにもなったな、と強く感じました。
【國江】
今回はMERYのメンバーも多くコンテンツに登場し、ナレーションを行いました。最初はみんなプレッシャーと緊張感でかたくなってしまう場面も多かったのですが、日を追うごとに、メキメキとナレータースキルが上がっていくのを感じて驚きました。
ユーザーさんからのコメントで「参考になった!」と「自分磨きを頑張りたいです!」などポジティブなコメントが来るのはもちろん一番うれしいですが、出演してくださったキャストの方にも「楽しくて喋りすぎちゃいました」とか「素敵なイベントでしたね」と言われるのも一緒に運営していてうれしく思う瞬間でした。
【鈴木】
これまでライブ配信やディレクションをやったことがないメンバーにもコンテンツの企画〜制作まで挑戦してもらいました。2年前のLMDのとき、私自身やったことのないイベントのディレクションをしたことで、スキルアップしたと実感したので、それを彼女たちにも経験して欲しかったからです。最終的にその子たちが作りたいものを出演者のアサインから形にして、出演者とひとつになって素敵な配信を届けられることができました。出演者もディレクター本人も最後は笑顔で配信を終えることができ、彼女たちの成長を間近で見られたのは、私もとてもうれしかったです。通常業務ではここまでディレクションスキルを一気にあげられないと思うので、本当にたくさんの壁を乗り越えてやり遂げたメンバーに拍手を送りたいです。こういった成功体験は自信にもつながるので、これからもどんどん若いメンバーに経験してもらいたいですね!
—ライブ配信はとても緊張感があったのではないかと思います。事前準備で役に立ったことや、ライブ配信を行う上で工夫したことを教えてください。
【周】
リアルイベント以上に事前準備を細かくしていたように思います。画角・カメラワーク・テロップ…など細心の注意を払っていました。私は当日は配信ROOM以外の全般を見ていたので、空いてる時間帯はコメントや映り方を見て、ディレクターと連携するように心がけていました。事前準備は大事なものの、どれだけ7日間の中で安心して配信できるようになるか、期間内の工夫も同じくらい大事だったなと思っています。
【國江】
ライブでの配信は出演者だけでなく声のみで出演するナレーター、そして担当ディレクターもかなり緊張します。そのせいで必要以上に硬くなってしまわないよう、コンテンツが始まる前にあえてメンバーで雑談をして、緊張をほぐしたり、よりやりやすい雰囲気づくりを心がけました。
配信は一度始まると絶対止められないので、その中でできることに対応していく必要があります。例えばリハでは気にならなかったカメラ位置が、本番で急に場所が変わったりして、映らない!と気になってしまうことも。そんなときもCRAZYさんにご協力いただき、迅速に対応できたかと思います。
これまでBSメンバーはライブ配信をある程度経験してきていたので、経験をもとに見せ方などそれぞれのメンバーがこだわりをもってコンテンツを作ることができたと思っていますし、配信を見ていてもそれが伝わってきました!
【鈴木】
世界観作りも工夫しました。リアルイベントだと空間演出でイベントの雰囲気を作りやすいので、参加者もその世界に入り込みやすいのですが、オンラインだとどうしても自分の部屋の中や外出先で見ることになるので、画面を離れたら日常の中になってしまうんですよね。なので、背景装飾にはこだわりました!装飾自体も重要ですが、細かい部分ではどこから見ても世界観が崩れてしまわないように引きの画角になった時に背景装飾が切れてしまわないか確認をしたり、出演者の動きやすさも考慮しました。また、全コンテンツロゴとタイトル、出演者のテロップを入れることで統一感も出しました。
進行はリモートでのコミュニケーションがメインの中、チーム全員の前向きさが原動力に
—周さん、相当な人数ややることなどが詰まった中でオーナーとしてリードされていましたが、苦労したことや学び、または喜びなどオーナーとして実感したことはありましたか?
【周】
今回のプロジェクトのため組成されたチームとなりますし、社内外「初めまして」となるメンバーも多い中、リモートで進行していくことについては大変さや不安も感じました。チームのリード、タスク管理どちらの観点でも実際にメンバーには迷惑をかけてしまう場面もありました。タスクや予算管理は、リモートなことに加えて、A→B→Cみたいに順番に決まっていくというよりは、いったりきたりしながら決めていく期間が8割くらいだったこともあり、進め方の難度も高かったように感じました。当初は、細かく管理しようと思っていたのですが、途中から、粗めの粒度で期日と目標だけ各セクションのリーダーに渡すスタイルに切り替えました。不安なポイントだけは見極めて深めに入るなどメリハリをつけて全体を俯瞰することを忘れないようにしていました。
振り返ると、コンテンツチームについては基本的にお任せスタイルだったので本当にありがたかったです!
また、チームの雰囲気が「良い企画にするために」と終始前向きで、コアメンバー・そうでないメンバーかかわらず全員が協力的だったことにも勇気づけられました。「他人ごと化しない」「協力的」というのはMERYのメンバーのもともとの特長な気がします。
最初は、数枚のパワーポイントから始まった企画が、ビジュアルが決まり、コンテンツが決まり、協力してくれる出演者の方や協賛企業様が決まり、キットが手元に届き、当日を迎え…様々な人の協力のもとにどんどん形になっていくこと自体もそうですし、それと同じくらいMERYのユーザーさん、パートナーさん、メンバーがうれしそうにしている姿を見るのが自分のやりがいにつながっていました。
—当日はユーザーの視聴時間を考えて~22時台までと時間帯が夜でしたよね。國江さん、お子さんがいながらコンテンツ周りをリードする立場にありましたが時間を捻出する工夫などあれば教えてください。
【國江】
事前にイベント中は家事や育児などがほぼできなくなることを夫に相談していました。実際にイベントが始まると予想通り(?)全く余裕がなくなってしまったのですが、夫が1週間有給をとって子供のお迎えや、食事、お風呂、寝かしつけなどなどまるっと対応してくれました。家族のサポートにとても感謝しています。どうやったら両立できるか、私も悩んだのですが、できないことはすっぱりと諦めて(笑)、周りに頼るしかないなと思います。イベント中は夫にお願いしている分、私は思いっきり仕事に集中できました。
手段にとらわれず「U-25に共感を届けられる体験の幅」を増やしていきたい
—オンラインイベントの経験を今後どのように活かしていきますか?
【周】
オンラインイベントについては、1週間を通してMERYの中に知見が溜まりましたし、今後もっと改善できるポイントを発見することができました
大事にしたい考え方なのですが、「オンラインイベント」というのはあくまで「手段」で、MERYが本当に得意とするのは「U-25に共感を届けるコンテンツづくり」だと思っています。なので、手段にとらわれずこれからもっとユーザーに届けられる体験の幅を増やしていきたいと考えています。
今回、これだけ大がかりなイベントを実施できたことは、MERYのメンバーの自信と実力につながっていると信じているので、メンバーと新しい挑戦をし続けたいと思います。
また、メンバーだけでなく運営・出演・協賛パートナーの力も不可欠となるので新しい挑戦をしながらも、一緒に新しいことができるパートナー様とお話しする機会も増やしていきたいです。
3~4月でまた新しい企画を計画しているので、楽しみにしていただけたらうれしいです!
▲鈴木はリモートでインタビューに参加