はじめまして。 メディフォンで、デザイン室の室長をしている小川です。
これからメディフォンのデザイン室でも記事発信を始めていきます。最初の記事では、デザイン室の組織としての現在地とこれからをお話ししたいと思います。
デザイン室立ち上げから半年。組織としては機能し始めています。ただ、私自身は「機能していること」をゴールではなくスタートラインだと捉えています。
これからデザインマネージャーになる方や、デザイン組織立ち上げ直後で悩んでいる方の参考になればと思い、リアルなところをお話しします。
▼小川さんのインタビュー記事はこちら
UI/UXを“強み”に変えた軌跡。デザイン室長が語る組織とプロダクトの成長
メディフォンのデザイン室について
現在のメディフォンは社員数約100名で、拡大期のスタートアップです。外国人患者受入れ支援サービス「mediPhone」と、クラウド型健康管理システム「mediment」の2つのプロダクトを軸に事業を展開しています。
デザイン室は、プロダクトデザインチームとコミュニケーションデザインチームの2つで構成されています。
プロダクトデザインチームはmedimentのUI/UXを担当し、コミュニケーションデザインチームはマーケティングや記事のアイキャッチ、ウェブサイト、販促物、ノベルティ、社内イベントのクリエイティブなど、ユーザーとの接点全般のデザインを担当しています。
現在の体制は以下の通りです。
私自身は室長としてだけでなく、コミュニケーションデザインチームのリーダーや、プロダクトデザインチームのメンバーも兼務しています。
なぜ独立組織にしたか
デザイン室は2025年10月1日に立ち上がりました。
それ以前は、開発部にプロダクトデザインチーム、マーケティング推進部にコミュニケーションデザインチームが所属していました。
この組織構造には、
- デザイナーを正しく評価しづらい
- デザインの相談先が曖昧
- チームごとの役割や責任範囲が不明確
といった課題がありました。会社が成長するにつれ、これらの課題はより大きくなっていきます。
きっかけは開発部の組織変更で、その際に開発部のプロダクトデザインチームをどうするかという議題が上がりました。私自身、組織全体のデザインをより強くするためには、コミュニケーションデザインも含めてデザインチームを独立した組織にした方が良いという構想を持っていました。その構想を経営層に伝え、意見が合致したので現在の形のデザイン室が立ち上がりました。
スタートアップ初期では、プロダクトデザインとコミュニケーションデザインを1チームで担う体制もよくあります。この場合、チームを分ける際にメンバー配置で悩むことが多いのですが、メディフォンでは初期からチームが分かれていたため、スムーズに立ち上げられました。
半年経っての現在地
もともと私自身が開発部のプロダクトデザインチームに所属していたこと、リーダー的なメンバーがいたこと、所属するデザイナーもシニアレベルだったことから、プロダクトデザインチームは立ち上げ時点で十分に機能していました。
一方、コミュニケーションデザインチームは業務の独立性が高く、もともと「チーム」としての体制やリーダー的な存在が不在でした。そのため、この半年はコミュニケーションデザインチームが一つのチームとして機能するための環境整備や安定化に重点を置きました。(詳しくは別の記事で紹介したいと思います)
すべてに同時に手を打てたわけではなく、優先順位をつけて進めた半年でした。結果として、いまは安定したチーム体制になってきており、デザイン室としてもいよいよ本格的なスタートを切れたと感じています。
機能している、はゴールではない
ここまでの立ち上がりは順調ですが、私の感覚としてはまだ動き始めたばかりです。
組織として機能はしているものの、新しい挑戦や中長期の投資ができている状態にはまだ至っていません。背景には、業務に対してデザイナーのリソースが十分でないという現実があります。
実質、いまのメンバーで業務は回せていますが、ほぼ100%のリソースを目の前の業務にコミットすることで達成している状況です。より良いクリエイティブの発想や、視野を広げるためには余白が必要だというのが私の考えで、その余白づくりが課題です。
以前であれば、解決策は「人を増やす」でした。ただ、いまはAIが急速に発展し、デザイン分野でもAIを活用できる場面が増えてきています。今後さらにAIに任せられる範囲が広がっていくのはほぼ確実なので、単なる人数の補填ではなく、新たな価値を生み出し、組織とプロダクトを共に引き上げられる人材を求めるという観点で採用は慎重に進めています。並行してAIを活用した業務効率改善にも試行錯誤しています。
これから
直近の大きな課題のひとつが、mediPhoneアプリのUI/UXデザインのさらなる強化です。medimentはデザイン室のプロダクトデザイナーがUI/UXデザインに責任を持っていますが、mediPhoneアプリについても、デザイン室として今後より深く関わっていきたいと考えています。
「すべてのデザインに責任を持つ」ことは、デザイン室としての大きなミッションなので、mediPhoneアプリのUI/UX品質もデザイン室が主導して高めていく体制づくりを進めています。
さらに先の視点としては、会社全体の規模に応じたデザイン組織の拡張も視野に入れています。最適な組織の形は、会社の規模やメンバーのスキル、志向性などさまざまな要因で変わると考えています。大事なのは、いまの形に固執せず、状況に応じて最適な手段を取れるように考え準備しておくことだと思っています。
他にも、プロダクトデザインとコミュニケーションデザインのシナジー強化、コミュニケーションデザインチームのレビュー文化づくり、社内におけるデザイン室の影響力向上など、取り組みたいことは多くあります。それぞれについては、また別の記事で書いていきたいと思います。
この記事が、デザイン組織づくりの1事例として参考になれば幸いです。