こんにちは。株式会社メディクルードの宮原です。
今月の頭から、同期の廣松くんとのLINEノートに筋トレ記録を作りました。
実施した日にノートのコメント欄に記録をつけていくという簡単なものですが、「見られている」という緊張感から筋トレを続けるモチベーションになっています。がんばります💪
さて、今回の記事はシリーズ企画「★GenkiGroup法人紹介★」です。私たちGenki Groupの中には医療・介護・教育と様々な領域の法人があります。
全部で30を超える法人の中には、私たちが将来的に関わることになる法人もたくさんあります。それらの法人について今のうちに理解を深めておきたい!と突撃取材しております🏃
今回は明星学園・浦和学院高等学校の石原校長、髙間副校長(法人・事務担当)、小袋副校長(教務担当)、中熊副校長(特進担当)の総勢4名にご協力いただきました。ありがとうございます!
☝石原校長。賞状の前で撮ってくださいました✨
野球部で有名な「浦学」ですが、1978年から40年以上の歴史を持っています。
今後もさらなる飛躍のために現在学校改革を進めているという浦学の皆様から一体どんなことが聞けるのでしょうか?非常に楽しみです!
今回の記事では「浦学のこれまで~他校にはない浦和学院高等学校の特色は何か~」、
次回の記事では「浦学のこれから~浦和学院高等学校をどんな学校にしていきたいか~」というテーマでお送りします⭐
浦和学院高等学校の特色は何か
宮原)それでは早速インタビューを始めていきたいと思います。浦学の特色、他の学校にはない強みとはどんなところでしょうか。
「多様性」、それを支える「共生」という理念
石原)ひとことで言えば「多様性」ですね。浦学では様々なモノサシが共存していて、勉強が得意な子も、芸術が得意な子も、スポーツが得意な子も、それぞれの尺度・モノサシで自分の能力を評価してもらえるというのが大きな特徴です。
宮原)それを可能にしているのはどういったところでしょうか。
石原)一つは理念、一つは学校規模ですね。まず理念から言うと、私たちの教育理念・校訓の中には「共生」というものがあります。「共生(共に生きる)」とは、自分の力を活かして社会を支えるということを意味していまして、そのためには社会貢献ができるほどの能力をつけていく必要があります。その時に重要になるのが、各々が自分の個性を伸ばして人の役に立つレベルまで持っていくことですね。ただ単に同じような人がたくさん集まっても支えあうことはできませんので、それぞれが自分に合った個性を伸ばしていくことが共生社会の実現にとっては重要です。そういった観点から、いろんな生徒がいろんな価値基準で評価される学校を作っています。
「共生」
厳しい自然の中で生きる動物達は「ただ生きる」だけで精一杯である。社会を形成し協力することで生活を安定させた人間は「よく生きる」ことを目指すようになった。 つまり、共に生きる仲間達と手を携えることで、人間は各々の夢や希望を追求することができるようになった。
しかし、どんなことを達成し、どんなものを所有したとしても、それを是と認め共に喜ぶ仲間がいなければ真の幸福とは言えない。 真の幸福とは、単に自己の希望を実現することではなく、自己を「共に生きるに値するかけがえのない存在」と認めてくれる仲間を得ることである。
「共生」とは、共に生きる仲間を得ることであり、人生の目的である幸福の前提条件であるとともに最上の幸福である。すべての人間が仲間意識を持って「共生」することを希求する。
出典:https://uragaku.ac.jp/introduction/
☝浦学の教育理念の中の「共生」に関する説明です。
宮原)なるほど。いろんな人たちが「ほかの人よりもちょっとだけ得意なこと」を発揮することでお互いに支えあう社会が出来上がるということですね。それを3年間を通して学べるのが浦学の特色ですか?
石原)その通りです。より多くの生徒たちがそれぞれ得意なこと・目指すものが違っても評価してもらえるように、どんなことでもその生徒が頑張ったことであれば表彰する制度も用意しています。そしてその結果、それぞれの子たちに居場所があって、楽しく通える環境ができあがるのも良い点だと思っています。ただ、将来への不安があると、心の底から安心して楽しく通うということも難しいと思いますので、進路の保証は十分に行いつつ、より多くの子たちにスポットライトを当てつつという両輪でサポートしていく必要はあります。
宮原)確かに、将来への不安があると心の底から楽しむというのは難しいかもしれませんね。
髙間)大規模校であることが売りですが、同時に生徒にとってはデメリットと感じ取られてしまう可能性もあります。「きめ細やかに見る」という指導法からはどうしても遠くなってしまうので。ただ、大規模校ながらにそこをカバーする制度として、進路相談の面談を年間5回行っているのが浦学の特徴ですね。
小袋)先生たちはとても協力的ですね。他校から来た先生は初めは「こんなにたくさん⁉」と思うかもしれませんが、生徒のためになることですし、やっていくうちに慣れていってしまいますね。新任の先生ならこれが「普通」としてスタートしますし。
石原)その結果、浦学は短大以上の進学率が85%になっています。そして、進路指導室に就職専用のブースも用意して、就職したい生徒のサポートもしっかりと行っていくことで、全員が安心して高校生活を送れるようにしています。
「共生社会」を実現する”学校規模”
宮原)ところで、もう一つの学校規模についてはいかがでしょうか?
髙間)浦学は1学年の定員が800名という埼玉県内で最大のマンモス校です。それによって様々なニーズにそれなりの人数を確保できるということが、様々な尺度を用意できる理由になっています。例えば「ボランティアとして○○をやりたい」といった声が上がった時に、800人もいれば20~30人くらいは同じようなボランティアをやりたいという仲間を募れますよね。部活動でニッチなものにチャレンジしたいという子が現れても、同じようにやりたい子をそれなりの人数確保できますので、みんなで協力しあい、高めあいということが可能です。
☝埼玉県屈指のマンモス校である浦和学院高等学校の俯瞰図です。広い!
石原)小さな学校だとどうしても単一の尺度になってしまいがちです。そしてその尺度として選ばれるのはしばしば偏差値ですよね。ただ浦学の場合は人数規模が大きいことによって、勉強のコースとしては国際や特進、保健や芸術を含め10コース用意できていますし、部活動では47種類(運動部27種、文化部21種)もの選択肢を用意できています。こういった選択肢を入学の段階や部活動選択の段階で「選ぶ」という過程に個性が出ますし、それが「共生」していくための第一歩です。
宮原)選ぶことによってある種「責任」が生まれますからね。
経営的な側面から見た「多様性」「共生」
宮原)ちなみに私もしかりですが、この記事の読者としては「学校経営に興味がある」という学生や「学校教育から未来を変えていきたい」という学生もいると思うので、経営的なお話も聞いてよろしいですか?
石原)そうですね。経営的な話をすると、「800人の定員をいかに集めるか」という問いに直面したときに、やはり1つの価値観では800人もの生徒は集まらないという事情がありますね。昔は埼玉県内に800人定員の学校はたくさんあったのですが、少子高齢化で若年人口が減っていく中で、800人の定員を保つことは至難の業なので、ほとんどの学校は定員縮小をしてしまいましたね。さらに言えば3.11以降の傾向として、県をまたいで進学してきてくれる生徒が少なくなってしまい、歩いて通える範囲・自転車で通える範囲からくる子たちが多くなりました。おそらく「何かあっても帰れる範囲で学校を決めたい」という保護者の思いなどがあるのだと思います。
宮原)たしかに。あとは通学にそこまで時間がかからない方が、それだけ部活や勉強に打ち込める時間が確保できるという生徒側の考えもありそうですね。
石原)そういった背景を考えたときに、単一の価値観で集めるよりも多様な価値観で集めて、さらにその多様な価値観が共存している環境に身を置くことから得られる学びを売りにしていかないと800人は集められないですよね。「多様性」「共生」を実現するためには多様な価値観に沿って生徒をたくさん集めないといけないですし、たくさんの生徒を集めるためには「多様性」「共生」を実現できる教育システムを提供しないといけない。決して後付けで「共生」を謳うようになったというわけではないことは誤解してほしくない部分ですが、経営的な話をしろと言われるとこういうことになります。
ビジョナリーな学校経営・組織作り
宮原)ここまでのお話を通して、とてもビジョナリーと言うか、「共生」という理念を軸にした教育体制を構築できているような印象を受けたのですが、他に理念ベースのお話はあったりしますか?
石原)私たちが掲げている教育理念は、まず建学の精神として「吾道一貫」というものがあり、そして校訓として「克己・仁愛・共生」というものを掲げています。
宮原)企業理念があり、憲章・クレドがあるみたいなイメージですね。
石原)それに基づいたエピソードというと、例えば修学旅行の注意事項を伝える場面を想定してもらうとわかりやすいと思います。どの学校もそうだと思いますが、修学旅行の前には集会があって、服装のルールや団体行動の注意事項や時間の取り決めを長々と伝えられますよね。とても一回では覚えきれない内容で、分厚い「修学旅行のしおり」ができあがると思います。ですが、修学旅行のルールというのは”仁愛”でカバーできると思います。なので最後に伝えるのが「一人で旅行するわけじゃなくて、みんなで旅行するんですからね」という一言です。そうすれば「しおりになんて書いてあったか忘れたけど、きっとこの行動はダメだな/大丈夫だな」と考えられるようになるんじゃないかと思います。
あとは、勉強のモチベーションを上げてもらいたいときなんかに「そんなんじゃ将来苦労するぞ」といったように功利的に指導してしまうことがよくあると思います。たしかに手段として功利的な伝え方をすることもないわけではないですが、「世のため人のため」に頑張れる生徒に育て上げたいと思っています。
宮原)会社の組織作りと完璧にリンクしますね。面白い。なぜそんなことが可能なのでしょうか。
石原)「スクールアイデンティティ」を出せるというのが私立の存在意義だからですね。極論、画一的な教育をするだけあれば公立高校だけで十分なわけですが、それでも私立高校が存在している意義というのがまさしく「スクールアイデンティティ」を作っていくことです。
☝浦学の校旗(校章・校歌なども確認できます→https://uragaku.ac.jp/introduction/shoukai/)
「共生」から考える「社会で最も必要な能力」とは
石原)逆に今度は私から一つ問いを出してみたいのですが、「社会で生きていくうえで最も必要な能力」って何だと思いますか?
宮原)なんでしょう…「仲間を作る力」とかですか?
石原)悪くないですね、ほぼほぼ正解に近いです。私は「”助けて”と言える力」だと思っています。
宮原)わかるようでわからないです。
石原)助けを求めることができる相手というのは自分が信頼している相手です。そして、「逆にその人に何かあった時には助けてあげたい」と思えるような相手に対してでないと助けを求められないと思います。つまり「助けてと言える力」がある人というのは、日ごろからそれだけの信頼関係を周りの人と築いているということになりますし、いざとなった時には自分も助けてあげるという精神がある人だと思います。これこそまさに「共生」ですよね。
宮原)たしかに!理解できました!
以上、浦和学院高等学校の校長先生・副校長先生方から聞いた「浦学のこれまで~他校にはない浦和学院高等学校の特色は何か~」でした!
部活動が活発なだけではない浦学の魅力を垣間見ることができました✨
ご協力いただいた皆様、ありがとうございました🙇
さて、次回は後編「浦学のこれから~浦和学院高等学校をどんな学校にしていきたいか~」をお送りします!更なる飛躍を目指し、どんな学校にしていくビジョンがあるのか。お楽しみに!
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