medibaのデザイナーたちが、取り組みや知見を月イチで発信していく連載企画「mediba Designers」。
第20回は、medibaのデータアナリストチームによる「仮説力向上ワークショップ」に参加したUIデザイナーの迎 菜津美(むかえ・なつみ)が、ワークショップの内容やそこで学んだことについて解説します。「自分なりの仮の答え=仮説」をどう立てて業務に活かしていくのか、デザイナー以外の方も参考になるはずです。
ワークショップ参加の経緯
こんにちは。UIデザイナーの迎です。
2022年2月9日(水)オンラインにて開催されたmedibaのデータアナリストチームを中心とした「仮説力向上ワークショップ」に参加しました。
プロダクトが成長していく上で、課題の特定・仮説出し・施策実施・分析のサイクルを回すことはとても重要なことです。しかし、仮説の質や確実性が高くないと施策を実施しても思うような結果に至らないことがあると思います。私自身も仮説出しには苦労していたため、上司から今回のワークショップの誘いを受け「仮説の質向上を図りたい」と考え参加しました。
このワークショップは、仮説の出し方を「考え方」「選び方」のプロセスから考え、グループワークを中心に進めるというものでした。
質の高い仮説を出す方法とは?
ワークショップの初めに、「仮説とは」「フレームワークの説明」「仮説選びの軸」など初歩的なことから施策実施までを想定した説明がありました。
質の高い仮説は、「集めた事実ベースの法則」「フレームワークベースの法則」を活用することによって多く出すことができるのだそう。
「集めた事実ベースの法則」
現象に関連する複数の事実から見つけた法則を元に仮説を出す方法
「フレームワークベースの法則」
「4P分析」「PEST分析」「3C分析」といったフレームワークを用いて仮説を出す方法
2つの法則を実際に体験するべく、説明の後にはフレームワークを用いてグループワークを行うことに。
グループワークは、事前課題となっていた「集めた事実ベースの法則」「フレームワークベースの法則」に基づいた仮説をブラッシュアップしていくというものでした。私が入ったグループは「PEST分析」の観点から仮説のブラッシュアップを行いました。
「PEST分析」
ビジネスを取り巻く政治・経済・社会・技術4つの要因から分析する方法
グループメンバーそれぞれが出した多くの仮説から法則を見つけ出し、ブラッシュアップ・実際に施策実施までを想定した仮説選びをワーク内で行いました。
確実性の高い仮説を選ぶには、ユーザー数の多い / 少ない、確実性が高い / 低いを指標に優先順位をつけて適した場所に各仮説を配置することで、より多くのユーザーに当てはまる仮説になるのだそう。
ただ、これは一例で他にも選ぶ方法はあるようですが、今回はこの指標を使って選びました。
この指標を元に仮説をマッピングし、ワークショップの最後にはグループごとに立てた仮説の発表を行いワークショップは終了しました。
自分の目に見えている情報だけが全てではない?
フレームワークベースの法則を知らなかった私は、「集めた事実ベースの法則」のみを用いて自分の目に見える情報、自分の経験や知識だけで仮説出しを行なっていることに気がつきました。これでは根拠が薄く、仮説の質が高いとは言えない状態だったと思います。
より質の高い仮説を出すには、自分の目に見えている情報だけでなく、社会情勢や市場の変化などの表面化しにくい潜在的な情報に目を向けることが大事なのだと、今回のワークショップを通して実感することができました。
最後に
仮説の質向上に悩んでいた私にとって「集めた事実ベースの法則」と「フレームワークベースの法則」という2つの側面からの分析は、改めて実感することや学びの多い内容でした。
これらのフレームワークや考え方を実際の業務に全て取り入れるには、負荷が大きく大変だと感じています。まずは市場や経済・競合他社の動向に目を向けたり、自社製品・サービスの理解を深めたりといった自分にできる範囲から始め、徐々に仮説の質向上を目指していこうと思います。