今回のインタビューはアカウントプランナーの菅原悠さんです。20代半ばでインフォバーンに業界未経験で入社し、コンテンツの企画・制作を経て、Webディレクターに転身し、プロジェクトのマネジメント業務にも携わった後、今期からアカウントプランナーとして活躍しています。インフォバーンに入った経緯やその後の社内でのキャリア構築、他の企業とは少し違う(かもしれない)インフォバーンでのWebディレクターの仕事内容や求められる資質や人物像についてご紹介します。インタビューの最後では、30代になった今思う、自分より若い世代へのメッセージもいただきました。
すぐにやりたいことができる環境に身を置こうと、転職活動開始
ーーーインフォバーンに入る前はどんな仕事をしていたんですか?
大学を卒業して、某アパレル企業に入社し1年間で3店舗の運営に携わりました。お店の全てのことに従事するので、売上予算や販売計画、スタッフのマネジメントなどの店舗経営領域や、レジやフィッティング、商品補充などの営業オペレーションの部分においても経験を積みました。
ーーー転職を考えたきっかけは?
もともとマーケティング部署を希望して入社したのですが、当初想定していたよりも時間がかかることがわかり、それならすぐにやりたいことができる環境に身を置きたいと考え、転職活動を始めました。
「人をちゃんと見てくれる会社」というのがインフォバーンの印象
ーーーインフォバーンを知ったのは?
学生時代からデジタル領域のマーケティングに興味を持っていたので、そこでチャレンジしたいなと思い、面白い取り組みをしている会社を探したら、「コンテンツマーケティング」を標榜するインフォバーンにたどり着きました。
採用ページを見ると、「中途採用」「経験者のみ」と書かれていて私のような第二新卒枠はなかったんですが、ダメ元で応募したら、「面接にお越しください」という連絡がありました。なぜ通過したのかは今でも謎です。「何事もやってみないとわからない」ということを体感しました(笑)。
ーーー選考で印象に残っていることはありますか?
私の場合、人事→現場→役員と面接は3回ありました。そのなかでも2次の現場責任者との面接が印象に残っています。
2次面接は、正直全く手ごたえが無かったんです。「クライアントのビジネス発展に貢献するために、さまざまな施策を考えられる人材になりたい」と、ありがちな志望動機で臨みましたが、面接官はその領域で経験を積み上げてきた人たち。
「具体性がない」という当然の反応で、「ああ、これはダメだな」と思いました。ところがしばらくして、「次の選考に進んでください」という連絡が来て、安堵したのを覚えています。後から聞いたら、かなり悩んだ末の通過だったようです。
ーーー選考を通したインフォバーンの印象は?
人に対して真摯に向き合ってくれる会社だと感じました。経験がないのはもちろん、必要とされる専門スキルは何も持ってなかったので、普通だったら門前払いだと思うんです。
でも、一瞬で見限ることはせずに、どういうポテンシャルがありそうかとか、どういう志向を持っているか、対話を通してその人自身のことを深く見て、知ろうとしてくれる姿勢が伝わってきました。
入社半年で行ったニューヨーク出張がターニングポイントに
ーーー入社してみてどうでした?
思った以上にやりたいことをやらせてくれる会社だなと思いました。印象的なエピソードとしては、入社半年経った頃に、全社メールで、代表の今田と他幹部クラスが行くニューヨーク出張への同行者の募集案内がありました。メインの目的は「新メディア(現DIGIDAY)のライセンス交渉」、「広告業界イベントのセッション参加」、「企業訪問」。応募条件は「英語の通訳ができる人」。
私はそれに対して「通訳ができるレベルには及び腰ですが」と書いて、応募したら、「どうぞ」と。こんな新参者にもチャンスをポンと渡してくれる会社なのかと驚きました。
ーーーそんなレベルでニューヨーク出張はどうなったんですか?
やっぱり通訳レベルの英語力が求められたんですよ。
ーーー当たり前ですよね?(笑)
議事録を取ったり、セッションのレポートを書いたり、とにかく大変でした。一番印象に残ってるのは、重要な会議の場で、話の流れで当時自分が所属していた部署におけるオウンドメディアの運用体制に関する説明を求められたことですね。
ーーーどう答えたんですか?
「すみません、分からないです」と。。。当時は日本語でも説明できない状態だったので。今だから笑って話してますけど、その時は、その場いたメンバーが口には出さないけど「これはやばいやつ連れて来たな」と思っていたはずですね。必死にメモは取りつつも、それからはひたすらニューヨークの空気に同化していました(笑)。
ーーーなるほど。。。
全ては自分の至らなさが招いた結果なのですが、そのときの辛い経験が自分にとってはターニングポイントになったと思ってます。
与えられたことや任されたことから学ぶ以上に、もっと早く、もっと多く色々なこと吸収しなきゃいけないし、その場で求められていることにも応えなければならない。「チャンスを活かすも殺すも自分次第。成長しないと!」と奮起するきっかけになりました。
ーーーその後、今田さんと当時のことを話す機会はあったんですか?
この話には後日譚があります。
ニューヨーク出張から数年後に、今田と一緒に大手外資系のラグジュアリーメーカーへ訪問する機会がありました。会議は英語でした。主には今田が話していたのですが、その際に先方からのプロジェクトの運用体制や実務に関する説明を求められたのです。ニューヨークのデジャブを感じながら、そのときは英語で受け答えすることができました。
その帰り道に今田から「ニューヨークへ行ったときは何もできなかったのに、成長したんだね」と言われました。その時、「時間はかかったけど、ようやくニューヨークのリベンジができたな」と思いましたね。
↓↓↓ニューヨーク出張以降、ずっと持っているNYのステーキハウスのショップカード
「思ってたよりも面白いかも」で始まった新しいキャリア
ーーーインフォバーンでの業務について聞かせてください。
インフォバーン入社初年度は、経験豊かな先輩の下で某大手企業のオウンドメディア案件にコンテンツの企画・制作担当として関わりました。リサーチから企画出し、取材やライターさんの進捗管理から編集、CMS入力作業等、コンテンツの制作フロー全体に関わる領域を担当しました。2年目からWebディレクターになりました。
ーーーWebディレクターになったきっかけは?
年度末に、当時の上長と来期に関する面談があり、「今の業務以外だったら何がやりたい?」と質問されました。今でも覚えてるのですが、その質問に対して「Webディレクターだけは、何をやっているか全く分からないのでやりたくないです。」と答えました。ところが、その1週間後に「Webディレクターをやってくれ」という話をされて異動となりましたね(笑)。
ーーーそれは素直に従ったんですか?
受け入れました。というのも面談の際に、上長から「もっと成長できるはず」というコメントをもらっていて、思っていた以上にシビアに評価されているなという印象を持っていたので「何か違うことにチャレンジした方が良いかもしれない」という気持ちになっていました。また、人をよく見ている会社が自分という人間を1年間見た上で「Webディレクター」という判断をしたのであれば、それを信じようと素直に思いました。
ーーーWebディレクターとして働いてみてどうでしたか?
スキルと役割において、想定と現実が違ったことが二つありました。
スキル面について、当初Webディレクターとして仕事するには「コードが読み書きできる」という領域に達していないといけないと不安でした。
しばらくして、それができなくても周囲のスペシャリストに相談したり、動いてもらったりして自分ができないことや理解が足りないところを補ってもらえば、役割としては成立すると気付きました。
当然、並行して自分自身でカバーできることを増やしていく必要はありますが、むしろ、自分に今何ができて何ができないかを把握し、自分と他のメンバーの業務分担をしっかりして、プロジェクトを進めていくことの方が重要だと気付きました。
役割については、私はこの会社でしかWebディレクターを経験したことがないので世の中的の通例と違っていることもあるかもしれませんが、Webディレクターの業務は依頼がくる段階で、ある程度「こういうWebサイトを作って欲しい、構成は◯◯で」と要件が固まっていて、そこからどう具体化するか、その制作進行をしていくのだと思っていました。
一方で、インフォバーンのWebディレクターは、もっと前の段階「そもそも何のためにオウンドメディアを作るのか?」という初期の段階から関わっていきます。そのため、場合によっては「オウンドメディアをつくりたい」という要望に対して、「目的達成のためにはオウンドメディアじゃなくて、別の施策が必要」という再提案をすることもあります。
そもそもの目的に立ち返り、現状の解決すべき課題は何か、それに対してどういう戦略・方針で、どのような手段でアプローチしていくか。本当に必要なことは何かを必死に考えてそれを実現する。正解がないところに正解をつくるという仕事だと気付いて、「思ってたよりもWebディレクターって面白いかも」と、異動後1年目の段階で思いました。
「自分の成長が会社の成長に繋がる」という確信
ーーーWebディレクターとしてのキャリア形成は具体的にイメージできていたのですか?
正直1年目は、先のことは全く見えてなかったです。業務範囲の広さに面白さは感じていましたが、「何を自分の強みにしていくのか?」が見えてなかったんです。
わからない以上は、やってみないと分からないし、そこで悩んでもしょうがないと考え、「やる?」って聞かれたら、「やります!」と即答し、目の前にあることに集中して取り組みました。そうやって、自分ができる領域を少しずつ広げていくことで強みも見えてくるはずだと考えていました。
想定通り、その中で、自分が強みにできそうな領域やもっと伸ばしたい領域というのが見えてきて、それを軸にしようというと意識し始めたのが2年目に入ったくらいでした。ちょうどそのタイミングで、「リーダーをやってみないか」と打診があり、「この会社のチャレンジ精神はすごいな」と思いました。
ーーープロジェクトマネジメント業務に携わるようになったのもその頃でしょうか?
そうですね。その頃、大規模なオウンドメディアの運用に関わるようになり、そのメディアを目標に向けてどう成長させていくか?を常に意識して仕事をするようになりました。
目標達成のために、仮説に基づいて施策検討・実施して、もっと良くするために「結果が良い場合には何が要因か?悪い場合はどこを改善すればもっと良くなるのか?」を数値含めて振返り、次の施策に繋げるPDCAサイクルを機能させるのが、面白くて性に合ってると思い始めました。
当時は数値分析はしても、要因分析と仮説再構築に時間をかけて取り組んでいる案件が多くなく、自分ができるようになれば任せてもらえて挑戦できる余地が広がると考えました。そして、そのノウハウをプロジェクトメンバーに共有したり、他の案件に横展開することでインフォバーン全体にとってもプラスになるので「自分の成長が会社の成長に繋がる」という確信がありました。
ーーー今期から肩書が「アカウントプランナー」になりましたね。
個々人がそれぞれのスタイルを追求・模索しているので、インフォバーンとしてのアカウントプランナーの厳密な定義はないのですが、私自身は「クライアントが抱える課題解決や目的達成のために、何をどのように実現できるのかその方針や具体策を共に描いていくこと」がアカウントプランナーのミッションだと思っています。
これまで以上に、クライアントの課題ややりたいことに対して必要な手段は何か?どういうことができそうか?といったことを考えていく時間が増えると思っています。インフォバーンに入社して5年と半年ですが、いよいよ莫然とながらも本来自分がやりたいと思っていた領域に到達し、「ようやく始まったな」と感じています。
活躍できるのは、「変化を取り入れられる人」
ーーーインフォバーンの広い業務領域に対して、Webディレクター経験者として入社した人でも戸惑われる方はいませんか?
いらっしゃいますね。インフォバーンの案件は戦略設計はもちろん、運用のなかでプロジェクトをどうアップデートしていくかが重要なものが多いです。そのため、初期のプランニング領域や、運用経験があまりないと最初は戸惑うと思います。逆に言えば経験がないことは成長や挑戦のチャンスでしかないので、積極的に取り組んでいけば道は開けると思います。
ーーー戸惑ってる人に対して、菅原さんが取られるアプローチは?
一般論や概念など抽象的な話をしても伝わらないと考えているため、具体的な案件を例に説明することが多いです。どういう目的に対し、どのような戦略で何をしたか。その結果をどう分析して、そこから何を読み取き仮説を立て、どんな提案や施策に繋げたかみたいな実例をできるだけ多く共有して、考え方を理解してもらうようにしています。
ーーーインフォバーンでWebディレクターやプロジェクトマネージャーとして活躍できる人はどんな人だと思いますか?
「変化を取り入れられる人」だと思います。
周囲の環境や状況もそうですし、自分自身の変化も含みます。インフォバーンではWebディレクターがクライアントとのやり取りを主に進めることが多いので、クライアントと一緒に課題解決に取り組んだ経験がある人はスムーズにプロジェクトを進められると思います。仮にそのような経験がなくても、やってみたいという気持ちがあれば大丈夫です。そのような人に挑戦の機会を与えてくれる会社ですから。
ーーー菅原さんが入社されたすぐ後くらいから、インフォバーングループの新卒採用が始まったと思うのですが、そんな「後輩たち」に対してどんな思いを持たれてますか?
新入社員は「『分からないこと』が分からない」状況だと思うんですよね、特に1~2年目は。それを乗り越えるためには、ひたすらにやってみるか、周囲の人の話を聞くか、自分なりに勉強するか、、、しかないですよね。でも、普通にそう考えると、覚えることもたくさんあるしどこから手を付ければ良いかわからないので大変だと思うんです。後はその状況をどうプラスに捉えられるかですかね。私は「毎日が実験」だと考えています。同じことでも違うやり方でやってみるとか、違う聞き方をしてみるとか、頼まれてないことまでやってみるとか、色んなことを試していると、同じことでもできる幅が増えていきます。その後で、できることとできることをつなぎ合わせてみると、自分で思っている以上にできることが増えているはずです。できれば、そのような実験マインドで試行錯誤を楽しみながら前進していってくれればと思ってます。
インフォバーンは人をよく見て成長の機会をちゃんと与えてくれる会社だと思うので、それを上手く活かしていって欲しいです。私の好きなジャズピアニストが「チャンスは準備ができている者しか掴めない」と言っていて正にだなと思うのですが、チャンスを掴むための準備を私自身も続けつつ、後輩の成長のためのサポートも私自身惜しまないつもりです。