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組織開発を20年間続けているリンクアンドモチベーションの開発組織づくりを一部公開!

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【今回のインタビュー登場者】
__白井さん(写真右)
株式会社リンクアンドモチベーション組織開発デザイン室 ビジネスデザインユニット所属

_柴戸さん(写真左)
株式会社リンクアンドモチベーション 開発責任者

大手企業などを中心に5,000社超のデータを基にした自社プロダクトを自らの手で。エンジニア中途一号、柴戸に迫る。 | リンクアンドモチベーション Tech Team
前職ではアドテクノロジー企業で開発の責任者(執行役員VPoE)を務めていました。開発に携わっていく中で、上場や新規事業立ち上げなど多くの機会をいただきました。 その後、2018年に当時パートナー企業を中心に開発を進めていたリンクアンドモチベーションに出会い、エンジニア社員第一号として入社しました。 ...
https://www.wantedly.com/companies/lmi/post_articles/216741

組織長を支えるキーパーソンの存在。エンジニア組織のエンゲージメント向上のため、組織に向き合う

ー白井さんの役割である『アドミンスタッフ』について教えていただけますか?

白井さん:はい。私たち『アドミンスタッフ』のミッションは、自組織のエンゲージメント向上であり、組織長をサポートしつつメンバーの代表として経営陣との結節も担います。リンクアンドモチベーショングループの各組織に配置されており、30~50名の組織に対して1名存在しています。

開発組織に所属する『アドミンスタッフ』としての私の仕事は、エンジニアのみならずプロダクトの方針を決めるプロダクトマネジャー、顧客対応を行うカスタマーサポート、顧客の体験設計を行うカスタマーエクスペリエンスなど、様々な職種が集まる開発組織全体のエンゲージメントを向上するための施策を立案し実行することです。

リンクアンドモチベーションでは、開発組織を包含する組織を「ビジネスデザインユニット」と呼んでいます。本組織は、リンクアンドモチベーショングループ全体にSaaS型のビジネスモデルやサービスを推進していく部署として2019年に発足しました。その代表格である「モチベーションクラウド」が誕生してから4年、社員だけではなく様々なパートナー様のお陰で、サービスと組織を伸長させることができています。


ー開発組織の『アドミンスタッフ』として、白井さんが意識していることを教えてください

白井さん:『アドミンスタッフ』と聞くと、どうしても”組織長と部下”というような上下関係に見えますが、私はフラットな視点で意見を述べることを意識しています。

会社や組織として大事にしたいこと・すべきことを、伝えたい温度感とタイミングで伝えていくには、メンバーの声に応えることや組織長の言うことを聞くのではなく、アドミンスタッフとしてフラットな視点で自分の意見を述べ、意思を持って提案することが重要だと感じています。

現在、開発パートナー含めて50名程の規模になっている開発組織では、2年以内に入社した中途社員が2割、半数近くが3年目までの新入社員となっており、組織として絶賛拡大中です。

これだけ多種多様な人材が集まると、物事の感じ方や意見は人によって異なるため、ひとりひとりの声に応えることが正しいと思いがちですが、あらゆる声を知ることは重要であっても、全ての声に応えることは必ずしも良いことだとは思っていません。

全ての声に応えていくと、組織が自分たちの目指しているものから、どんどん遠ざかってしまい本質的な組織づくりができなくなります。アドミンスタッフは、個人最適だけではなく、組織最適(全体最適)も考慮した上で、あらゆる組織施策を設計します。この考えは、弊社理念のベースである『One for All,All for Oneの実現』からきており、とても大切にしている思想になります。

また、組織づくりはアドミンスタッフがするものと誤解されがちですが、組織は全員でつくるものとポリシーとして掲げており、意識的にエンゲージメント向上施策の企画や実行にメンバーを巻き込んでいます。


ー白井さんは、エンジニアメンバーとはどのようにコミュニケーションをとっていますか?

白井さん:メンバーとは日常的に雑談をしていますが、必要があれば個別に面談しています。社内において、アドミンスタッフの役割は「組織のエンゲージメントを向上する人」と認知されているおかげで、私から急に「1on1やりませんか?」とメンバーへ声をかけた場合も、メンバーからは「はい、やりましょう!」と特に警戒されずに承諾してくれます。アドミンスタッフとメンバーは上下関係ではないので、メンバーからは感じていることや意見・提案を率直にもらえることが多いと自負しています。

開発責任者とアドミンスタッフの連携によって組織状態を把握、開発組織全体のエンゲージメントを高める

ー組織長である柴戸さんにとって、アドミンスタッフの白井さんはどのような存在ですか?

柴戸さん:先ほど、白井から『組織長(開発責任者)とは上下関係がない』という話がありましたが、白井は開発組織にとってはお母さんような存在です(笑)。

人間は誰しも“お父さんには少し言いづらいけど、お母さんには言えること”があるように、メンバーから僕には言いづらいけど、白井には言える事は沢山あると思います。

白井はメンバーのモチベーション状態や悩みなどを普段のコミュニケーションから聞き出してくれるため非常に助かっています。具体的には、気になるメンバーがいる場合には白井からランチに誘ってくれて、その場でメンバーの心境をヒアリングしてくれたりもします。

ーお二人のミーティングの頻度と内容について教えてください

柴戸さん:ミーティングは週次で実施しています。お互いデスクも近いので、些細なことでも何かあったときは声を掛け合いコミュニケーションをとるようにしています。

リモートワークでも、オフィスで一緒に働いていても毎日メンバー全員のことが見えているわけではないので、メンバーの顔色が優れないなど、僕が見えていないことを教えてくれたり、感じ取れないものを感じとってくれており、ミーティングの場ではそれらの情報を共有してくれています。

白井さん:私自身、未だ顕在化していない組織の問題をしっかりテーブルにあげることが非常に重要だと思っています。その中で最も重要視していることは、意思を持って組織長へ提案することです。

組織には、緊急度が高く優先的に解決すべき問題だけではなく、中長期的な視点で解決すべき問題もありますが、中長期的に解決すべき問題に対しても『将来的にこのように変えたいから、今のうちにこの取り組みをしたい』などの提案を心がけています。

このようなチャレンジングな提案や、前向きな姿勢に対して柴戸からは、必ず『いいね、もっと良くするためにはこういうやり方のほうがいいかもね!』と好転させてくれるので、ポジティブなマインドで臨むことができています。

ーお二人が開発組織づくりを行う上で大切にされていることを教えていただけまか?

柴戸さん:前提として、リンクアンドモチベーションでは、開発組織に関わらず、顧客の問題解決や願望の実現が活動のベースにあります。そのベースが最も重要であり『そのための手段としてテクノロジーも重要』という順番で考えることが大切です。

我々はそのような考え方が出来るエンジニア集団を目指しています。会社の理念や優先順位を理解し、顧客価値の最大化に向けてひとりひとりが何をすべきかを考えられるエンジニア集団こそが、リンクアンドモチベーションらしいエンジニアであり、誰よりもビジネスや顧客に詳しくテクノロジーもわかるエンジニアこそが、最高のものづくりが出来ると信じています。

白井さん:私は、理念と日常業務の接続を大切にして開発組織づくりを行なっています。会社で大切にしている理念に基づいてメッセージを発信すること、フィードバックすることなどを常日頃から意識していますが、相手も人間なので実際に記憶していることは少ないと思います。何度も伝え続けることも大事なのですが、特にシンプルに伝えることを意識しています。

顧客に提供するサービスは、エンジニア組織でも必ず実践。事業と組織の戦略はエンジニア全員で決める

ー開発組織の組織施策について、いくつかご紹介いただけますか?

白井さん:はい。組織施策は週次/月次/期次/半年というスパンでいくつかの施策を行っています。リンクアンドモチベーションでは、必ず顧客に提供しているサービスを自社でも実践しています。今回は、その中でもリンクアンドモチベーション独自の施策『サーベイフィードバック』と『キックオフ』をご紹介させていただきます。

ーそれでは、サーベイフィードバックから教えていただけますか?

白井さん:リンクアンドモチベーションでは、自組織の課題を抽出するためにモチベーションクラウドを用いて『組織診断サーベイ(アンケート調査)』を半年に一度実施しています。サーベイフィードバックでは、サーベイ結果を基に自組織の課題を抽出し、開発組織として目指す姿に向けて何を改善すべきか、どんなアクションを実施すべきかを自組織全員で議論し決定しています。

開発組織のメンバー全員が、日常的に『もっと組織をよくしよう!』というマインドで過ごしているものの、業務が忙しくなるとどうしても小さな課題などは後回しになってしまいます。そのため、半年に一度は全員が開発の手を止めて、組織について全員で議論をすることに時間を投資しています。

サーベイフィードバックを行う際に注意していることは、課題(More)から議論し始めると、課題をテーブルに上げることを躊躇するメンバーがいるため、良い点(Good)から共有しあうことにより、課題を出しやすくしています。

ー次に、キックオフについてお話を聞かせてください

白井さん:はい。前提としてリンクアンドモチベーションでは『3ヶ月を1年と見立て、4倍で成長しよう!』という思想があります。その考えを基に、必ず3ヶ月(=LMの1年)が始まる期初のタイミングでキックオフを実施しています。

キックオフに関して特徴的なのは、期初に最長1日半程度の時間を投資し、組織全員が手を止めて、事業と組織の戦略を考えます。そのキックオフで定めた戦略をもとに各メンバーの目標設定を行い、期初のスタートダッシュを切ります。

柴戸さん:セールスやコンサルティング部署と比較すると、開発組織では計画や目標は柔軟に変えていく必要があると思っています。その理由としては、開発要件が決まってない期初の段階で詳細な計画を定めることに無理があるためです。

計画やマイルストーンを厳格に設定しすぎると柔軟性がなくなり、計画を遵守しようとした結果、品質が悪化するなど本末転倒になりかねません。もちろん、顧客価値を創出するための目標や納期は遵守する必要がありますが、納期と品質の両方を獲得するための最善策を講じます。

ー最後にお二人から読者へメッセージお願いします

柴戸さん:社名の通り、働く社員ひとりひとりの能力とモチベーションが最大最強の資源である、と私達は考えています。この両方を高めることに対し、リンクアンドモチベーションの開発組織でできることはまだまだ沢山あります。少しでもご興味をお持ちの方は、ぜひ一度お話しさせてください。

白井さん:次回はリモートワークにおけるリンクアンドモチベーション流のエンジニア組織づくりについてご紹介させていただきます。お楽しみに!

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