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先生と生徒ではなく、”クリエイター”同士。社員もIT×ものづくりを楽しむことを忘れない、LITALICOワンダーの研修/育成体制とは?

LITALICOワンダーでは、社員やアルバイトスタッフのための研修・育成・評価に関するプログラムを事業部独自に設計しています。事業立ち上げ以降、全国約20拠点にまで成長したIT×ものづくり教室を支えるこの制度には、どんな背景や思いがあるのでしょうか。今回はLITALICOワンダー事業部人事(以下、HR)佐久本奈緒さん(以下、佐久本)に採用担当が詳しく話を聞きました。
※研修の内容や制度は2022年12月現在のものです

プロフィール:佐久本奈緒(さくもとなお)
成蹊大学文学部国際文化学科卒。学生時代はスタディツアー学生(海外ボランティア)としてさまざまな国へ派遣。2016年、新卒として株式会社LITALICOに入社。内定者インターンでは、発達が気になるお子さまへのソーシャルスキル&学習教室「LITALICOジュニア」にて指導員を経験。新卒として入社後は、自ら志願しIT×ものづくり教室「LITALICOワンダー」川崎教室に配属され指導員となる。
その後、LITALICOワンダー赤羽教室の新規立ち上げメンバーとして抜擢。翌年、同校の店舗責任者(教室長)に就任。2020年、オンラインサービスの新規立ち上げとスーパーバイザーを務める。現在はHR部門にて年間約170名の新入社員研修・育成を担当。
▼佐久本の入社ストーリーはこちら
https://www.wantedly.com/companies/litalico-co/post_articles/368325

ー まずは、LITALICOワンダーの事業形態やスタッフに求められることについて教えてください。

LITALICOワンダーの教室は、教室ごとに規模が異なりますが、生徒数が150~300人に対して、常勤の社員が2~4人、非常勤の大学生を中心とした非常勤のアルバイトスタッフが6~20人で運営しています。そのため、社員は授業のみ、管理業務のみ、など一つの役割に特化するのではなく、教室運営、授業運営、業績責任の主に3つの業務をマルチに担っていただくことになります。

自分一人で対応できることや、授業を担当できる生徒の数は限られます。自身もIT×ものづくりをお子さんと伴走する立場でありながら、アルバイトスタッフと協力しつつチームで「個別最適なわくわくする授業を提供するにはどうすればいいか」を考え実践していきます。

授業で主に接するのはお子さんになりますが、その保護者の方々にも定期的に面談を実施し、お子さんの個別の成長や今後の計画をお伝えしていきます。また、教室単体として売上・利益ともに成長していくために、新しい生徒獲得のための体験授業、保護者に向けたカウンセリング、退塾をできるだけ減らすための施策の検討なども対応していきます。

このように、すべてのお子さんに個別最適なわくわくする授業を提供し、アルバイトも含めたチームで教室を運営していくことが社員に求められるミッションであり、営業力・授業力(サービス提供力)・育成力の主に三つの力が入社後に求められます。

ー 入社後にはどのような学ぶ機会や研修があるのでしょうか?

もちろん、入社直後に前述のすべてを自律的に対応できるスタッフはいません。配属後の研修や業務上で学ぶ経験も含めて、自分自身の得意を活かしながら、それぞれのスキルを獲得していっていただける機会を用意しています。

特に、プログラミングもものづくりも未経験で入社するスタッフが多いため、入社後の配属前研修においては、サービスに関わる研修を重点的に対応しています。社員、アルバイトも含めた入社者に共通している研修は、4日×7時間のセットになっている計28時間のモジュール研修です。

自教室での動画受講などもありますが、ものづくりを楽しむ感覚をスタッフ自身でも味わってもらうために、ロボットやゲームを同期入社の研修受講者と一緒に作る時間をかなり多めに設けています。お子さん向けに提供しているオンライン教材のサイトも非常に充実しているので、この内容を一通りご自身が楽しみながら作っていくだけでも基礎的なところは抑えられるようになっています。

※サービスに関する新卒研修の例(2023年1月現在)


また、研修においては、同期や育成者とともに様々なご家庭やお子さんのケースを想定したロールプレイング(ロープレ)を何度も繰り返します。お互いにフィードバックし合いながら、ロープレの中でスタッフだけでなく子ども側のポジションも繰り返しやることで、こういう声掛けは嬉しかった、とか、こういう気持ちだった、という感覚を理解できるようになる方も多いようです。

そのほか、事前のアセスメントやヒアリングの段階で求められるスキルとして、「お子さんの考え方の傾向や志向性」を学ぶ研修も用意しています。利用されるお子さんの中には発達に凹凸がある方もいらっしゃるので、どのような声掛けや情報提示の仕方がよいのかを専門的に学べる「インクルーシブ研修」などもあります。

ー プログラミング等の技術的な研修だけではなく、授業に関するスキルも学べるのですね。

各教室ではプログラミングやロボット、3Dプリンタなどテクノロジーを通じたものづくりの機会を提供していますが、これらはあくまで手段の一つでありその過程を通じて、創造的自信を身につけ生徒一人ひとりにその人らしく人生を切り拓いて欲しいと考えています。例えば、これまでに出会ったことがない未知のものにも恐れずに向き合う力や、ものづくりを通じて、自分で限界を作らず「こうすれば作れるのでは」と自分で考える力や創造力などです。生徒が好きなことを追求していった先に、それが世の中で通用できるように、世界を広げていけるようにしていきたいと考えています。

そのため、授業は生徒に合わせた完全オーダーメイドです。コーチングに近い対応が必要になりますので、以下のよなスキルを身につけられる研修設計をしています。
・お子さんが本来持っている強みが何かを把握する
・教室での体験を通じて成長したポイントが何かに気づける
・上記を言語化してしっかりとフィードバックを返していく

教室では先生と生徒という「教える側と、教えられる側」という上下の関係性ではなく、常にお互いフラットな関係性で一緒にものづくりに取り組んでいただきます。社員、アルバイトスタッフ(「メンター」と呼んでいます)、そしてお子さんも、皆がクリエイターネームとしてワンダー専用のニックネームを持っていてお互いその名前で呼び合うんですよ。私も皆から「もっちゃん」と呼ばれています!

ー 現場でお子さんの技術力についていけない…ということはないのでしょうか?

IT×ものづくりの未経験者がほとんどですので、それを前提とした研修設計であり、技術力の点で不安がある方でも安心してご入社いただけると思います。

ITスキルという観点でお子さんのものづくりをサポ―トするなかでの困りごとは大きく2つに分かれると思っています。
まず1つ目に、お子さんのものづくりの最中にバグが発生してそれが解決できないこと。これについては「まわりを頼る力」が大事であることを研修でも伝えるようにしています。皆さんには「10秒悩んだら周りの人に聞こう!」と伝えています。最近だと学生アルバイト自身が困った経験をもとに教室独自で「ヘルプだし」のための研修を考えて実施してくれていました。
2つ目に、お子さんが実現したいイメージに対してどうアプローチすべきかがわからないこと、があげられます。この点については、冒頭でお伝えしたようにワンダーのコンセプトとして、お子さんがわからないときに「こうやったらうまくいくよ」とスタッフが即座に回答するのではなく、自分で次に何を調べたらいいのか、解決までの道筋を自分で考えられるよう伴走することがポイントになってきますので、技術力の高さによるものではないといえます。
あくまでお子さん自身が主役で、ご本人が気づきや学びを得られるようにアシストする役割になってもらうことを重視してほしいと考えています。

ー 事業コンセプトを軸に、お子さんと同じ視点でものづくりを楽しめるかを非常に大切にしているワンダーの教室でのお仕事。運営側の立場やマネジメント職など、さらにスキルアップして学びたい人向けの育成体制についても話を聞きました。

ー LITALICOジュニアと同じく、LITALICOワンダーでもそれぞれのキャリアの志向性に応じた研修を用意されていると聞きました。

ワンダーでは、各個人が成長すること=事業の成長 と定義し、一人ひとりが主体的にスキルアップする機会を戦略的に設けています。

例えば将来的に教室長などマネジメント層を目指す人向けのリーダー研修では、全6回のコースでリーダーシップや戦略立案、育成、マネジメントスキルなどを体系的に学べるようになっています。ワンダーでは特に、新卒入社で約半年で教室長になった例もあるほど早期からチャレンジしやすい環境があります。直近では、マネージャー育成のための研修機会としてシニアリーダー向け研修、キャリアビジョンを描くためのキャリア研修も開始しました。
また、必ずしも教室長にならなくても、退塾率などにフォーカスした目標を置き、サービスの質を向上する役割を担う「サービスリーダー」というポジションもあり、プロジェクト推進のスキルや授業力育成のための力を養う目的の研修が用意されています。

ー ポジションに関わらず、様々なことにチャレンジしたい人向けの機会などもあるのでしょうか?

教室内外へのプロジェクトへの参加は積極的に受けつけていて、手を上げた人はどんどんチャレンジしていけるカルチャーが根付いています。
例えば、ワンダーメイクフェス。”みんなが主役”のIT×ものづくり発表会イベントで、対面での会場開催とオンライン会場でのハイブリット形式での開催となります。

プレゼンテーション、ブース出展、ワンダーTVでの発表など、各教室のお子さんが好きなスタイルで自身のものづくりの成果を発表する大規模なイベントで、メンターも社員もその企画運営に様々な角度から携わる機会があります。司会や各ブースのファシリテーションなどに自ら手を上げることができますし、メンターや新卒社員のプロジェクト推進や教室内外のチームでの業務遂行のためのスキルアップにも役立つ機会として捉えています。

ー そのほか事業部として用意しているフォローアップについても教えてください。

教室の中では、常にスタッフ間のコミュニケーションを促す仕組みも取り入れていますね。どの教室でも朝晩のMTG(チェックイン、チェックアウト)はおこなっており、お子さん一人ひとりの授業や育成プランについて、チームで考えていきます。教室別の独自の発表会などに向けて、様々な企画をメンターも社員も一緒になって考える機会も多くあります。

雇用形態などによってHR側からの定期サポートは異なるのですが、例えばメンターであれば、月1で教室の代表が集まってスキルチェックをし、一人ひとりのメンターの状況把握や等級について話し合ったりもします。新卒社員向けであれば、HRとの定着面談を週1ペースで行い、先輩社員になんでも相談できるようにしています。新入社員と教室外の社員とをつなげることで、些細なことでも相談しやすい仕組みづくりを意識しています。


また、全体としては、スタッフ個人や教室の中だけで完結せず、横のつながりを作ることを意識した体制づくりを重視しています。例えば中途の新入社員向けに、「ルーキーズ会」という入社タイミングが異なるスタッフ同士が集まり、ものづくりを自分でも本気でやってみたり、ビジョンについて語る機会を用意しています。業務に慣れてきたころに、自分自身も「ものづくりってやっぱり楽しい!」と改めて思い出してほしいなと考えていて。ボールをリレーするロボットをチーム戦で作ったりするんです。

※ルーキーズ会の様子

サービスを受けるお子さん側の立場の気持ちを忘れないように、という目的ももちろんありますが、お互い教室が離れてしまうと同じ研修を受けたメンバー間の繋がりが希薄になりがちな点の解消にも役立ててほしいなと考えています。


ー ワンダーの社員やメンターと話をすると、お子さんやチームメンバースタッフ同士が上下関係なく、クリエイター同士で関わっているかのようなカルチャーが非常に印象的です。「ワンダーで働くことが本人にとって価値のある場所にできるように、さらに研修を充実したものに進化させていきたい。」と語る佐久本さん。ものづくりの楽しさや、チームではたらく面白さを常に忘れないための工夫が随所に散りばめられた育成体制が、今後もより進化していきそうです。




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