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「テクノロジーで世界を変える」技術を極めた私が福祉業界に飛び込んだ理由

「障害のない社会をつくる」をビジョンに掲げるLITALICOは、これまでの店舗型サービスに加えて、インターネットサービスによるソリューション展開に注力しています。本記事では、社内で活躍するエンジニアがLITALICOに入社した思いや、現在携わっているプロダクトについて紹介します。

今回は、SIerやグリー株式会社を経て、プラットフォームエンジニアリング部の副部長として活躍している、磯貝和樹さんにお話を聞きました。

■超低体重で生まれた娘との出会いで障害福祉の業界へ

―まず、LITALICOに転職したきっかけを教えてください。

私はこれまでSlerやインターネットプロバイダー、Webゲーム企業など、IT系企業で様々なプロダクトの開発に携わってきました。エンジニアなので「テクノロジーで世界を変えたい」という思いは常に抱いていたのですが、テック系のプロダクトやSNSを開発したり運用していてもそれを実感することはできず、悶々とした日々を過ごしていました。

そのような中で、リアルビジネスを行っている企業や既存産業にデジタル技術を活用して、新たな価値創出を図る「X-Tech(クロステック)」の流れが加速していることを感じました。FintechやEdtechなどが一例です。私はこれまでIT業界に身をおいて技術を中心にサービスを作っていましたが、これからのエンジニアの仕事は既存ビジネスと技術の融合を推進させることであり、それこそが「世界を変える」可能性があると考えたことがきかっけです。


―X-Tech(クロステック)で注目されている領域は多岐にわたる印象です。その中で、障害福祉分野を選んだのはなぜでしょうか。

私は子どもがいるのですが、600gにも満たない「超低出生体重児」で生まれました。周囲と同じような子育てでは上手くいかず、当時は必死にインターネットで情報収集をしました。そのときに、LITALICOの発達障害ポータルサイトや学習教室がとても頼りになって、ユーザーとしてLITALICOのサービス価値の高さを感じていました。自分が良いサービスだと思ったものを、自分がこれまで培ってきた技術を使って更によいサービスにできるという予感がしました。

決め手となったのは、社長の長谷川のインタビュー記事です。たまたま読んだWeb記事で、障害福祉分野でビジネスを展開する理由として「IT分野のイノベーションは僕がいなくても止まらないけど、この業界のイノベーションは僕でなければ起こせないかもしれないと思い、社会課題と向き合うことを決めた」と、話していました。それを読んで自分自身との経験とも重なり、とても共感したことを覚えています。X-Techビジネスは幅広い領域に広がっているのでスポーツや林業にも関心はあったのですが、「障害福祉分野×テクノロジー」でイノベーションを起こせるのは僕しかいない!という思いで、LITALICOに飛び込むことを決めました。

■ “PCが怖い”人でも使いこなせるシステムに

―現在は、どのような業務を担当されていますか。

全国の児童福祉施設(児童発達支援センター・放課後デイサービス)の運営を支援するシステムの開発を担当しています。数十人規模で作っているシステムで、私はデータマネージメントとアーキテクチャ設計を中心に行い、プロジェクトを管理する立場を担っています。

このシステムは、国の補助金で運営している福祉施設の特性上、毎月必須となっている国への請求対応や定期的な監査対応などの事務・管理作業の効率化をサポートするものです。「請求フローが複雑で、分かりづらい」「提出後に1つでもミスが発覚すれば請求がやり直しになる」といった大きな負担が業界全体の課題となる中、「子どもの支援に向き合う時間が取れない」という悩みを抱えていらっしゃる施設も多くあります。「お子さんに質の高い支援を提供する」という本質的な価値に業界全体が取り組めるよう、出来るだけシンプルに誰でも簡単に使いこなせるシステムを提供しています。

―「運営支援システム」の開発にあたって、工夫した点や大変だったことを教えてください。

ユーザー目線のシステム設計にこだわっています。開発にあたって、LITALICOジュニアの教室見学や、他の事業所へのヒアリングを何度も行ったのですが、「コンピューターが怖い」PCに慣れていないので極力入力したくない」というお話を聞くことがよくありました。普段PCに触れていない人でも親しみやすいデザインや、機能が直観的にわかるような導線設計など、「わかりやすく、親しみやすい」ことを大事に作り上げました。私は障害福祉業界で働くことが初めてだったので、業界の仕組みや業務、法律を理解した上で、ユーザーが使いやすい設計を考えるのはとても大変でした(笑)。でも、利用者の方々から「もう前に使っていたシステムには戻れない」「30時間かかっていた業務が、1時間で終わった!」といった反響をいただくことができたので、間違っていなかったなと思いますね。

今後はコストやリスク削減だけではなく、お子さんの支援記録に関するデータを貯めることで、お子さんのアセスメントやその子にあった支援計画の作成、教材の自動作成やレコメンドなど、支援の質を上げる方向にも機能をアップデートさせる予定です。事業所の運営を総合的に支えることで、多様な事業所がより自分たちらしい支援を行えるようになり、その結果お子さんが自分にあった選択肢を探せる社会を目指したいです。

■多様性を組織の成長に活かす

ーLITALICOで働く上で、他社との違いはどのようなところにあると思いますか?

「社会課題を解決したい」「教育を変えたい」など、それぞれ思いを持って働いているメンバーが多いですよね。だからこそ、前職以上に個人のやりたいことや大切にしている考え方、特性に合わせて業務をアサインするようになりました。

また、比較的大規模なシステムをマイクロサービスでつくっています。数十人のプロジェクトチームを小さなチームに分割し、小さなアプリケーションの集合体で1つのシステムとして動くように設計しているのも特徴の1つですね。児童福祉の事業所は法改正によって、報酬改定が行われます。そのような変化にも対応するために、「小さい機能を細かく作る」を行動指針の一つとして掲げています。通常であれば業務基幹システムはハイスキル、ハイコストが必要になりますが、機能を細かく分けることで若手のメンバーでも裁量を持って取り組んでもらっています。大体3~5名の小さいチームに分けて、1チームごとの開発の進め方はチームリーダーに任せているので、自分で考えて業務を進めたい人にとって、とても働きやすい環境だと思います。

―最後に、今後挑戦したいことやLITALICOで働く魅力について教えてください。

 将来的には「「ライフステージに応じた切れ目のない支援」を支えるシステム作りに挑戦したいです。今は地域の相談支援機関が窓口となって、各支援機関に繋いでいますが、お子さんの記録が一元管理されているわけではないので、情報が十分に引き継がれていないという課題があります。現在のお子さんの状態だけでなく、過去にどのような支援を受けてきたのか、前は出来なかったが今はできることは何か、などその人の成長や変化の記録をシステムで一元管理することで、未来の支援に繋げることができ、本人やご家族、支援機関の安心にもつながると思います。

「テクノロジーで世界を変える」という目標には、まだまだ道半ばですが、最近では障害福祉分野に挑戦してくれる素敵なエンジニア仲間が増えて嬉しく思っています。これからも仲間と一緒に挑戦し続けていきたいです!

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