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“自走する強いチーム”への転換期。社内研修を経て変化した、ライオンハート社員の意識と関係性

経営理念「笑顔創造」に基づき、企業のブランディング・マーケティング支援を行う株式会社ライオンハート。同社は2年前(取材:2024年)に「お互いが自立した上で協力し、同じ方向を見て良い成果を生み出す」組織へ成長するため、フラップスプラン株式会社が開発した『ワンネス経営®️プログラム(以下:ワンネス経営)』を導入。経営者からメンバーに至るまで全員が研修を受けました。一人一人の主体性を高めることで、自走するチームをつくるというワンネス経営。今回は、そんな研修を通じて得た学びや気づきを、ディレクターチームのマネージャー・マーシャルと、デザイナーのあずにゃんにインタビューしました。

マーシャル
東京のWEB制作会社でディレクション業務や営業経験を積み、2012年に株式会社ライオンハートに入社。最初の3年間は営業兼ディレクターを務め、WEB制作の企画書を行うプランナー等を経て、2020年にディレクターチームのマネージャーに就任。ライオンハート最年長メンバー。
あずにゃん
紙媒体を主に扱う制作会社にてデザイナーを務めたのち、2020年に株式会社ライオンハートに入社。WEBデザインはほぼ未経験で入社したものの、技術面・思考面においても急成長し、培ったノウハウをまとめた新人用のマニュアル制作も担当。チームを問わず頼られる存在。

それぞれの課題と向き合い、自走できる強いチームを目指す

メンバーを見守るマーシャルさん(左前)とワーク中のあずにゃんさん(右奥)

──お二人が受講したワンネス経営とは、どんな研修でしたか。

マーシャル:チームビルディングに特化した内容で、個人の人間的成長とチームの連携を重視していると思いました。

僕はまず「経営理念やビジョンを理解し、マネージャーとしての影響力を高めて伝えられる人になる」ことを目的としたマネージャー向けの研修を半年ほど受講しました。その後の半年間であずにゃん含め全社員が「共通言語を持つことで一体感のあるチームを作る」ための研修に参加しました。

──導入の目的について、マーシャルさんはどのように捉えていますか。

マーシャル:自走できる強いチームを作るためですね。フラップスプランさんのサイトでも説明されていますが、会社を新幹線や電車に例えるとわかりやすいです。一般的な電車は先頭だけに動力があり、他の車両は連結して走っているだけ。それに対して新幹線は各車両に動力があります。

一般的な会社は、電車のように経営者が引っ張っていく組織が多く、特に創業期はトップダウンで動かしていくことが多いです。しかし、新幹線のように経営者だけではなく、みんながそれぞれ自走できるチームになれば、より成長できるのではないかと。組織のあり方を、電車から新幹線に変えようというのが目的だったと思います。

──ワンネス経営の研修を受ける前、ご自身の役割の中で感じていた課題や悩みを教えてください。

マーシャル:僕は2020年にディレクターチームのマネージャーに就任し、部署全体の納品件数や納品額を管理するようになったのですが、目標未達が続いていました。

制作物のディレクションには自信がありましたが、メンバーの進捗確認や管理は難しいと感じていました。メンバー全員が中途入社のディレクター経験者だったので、それぞれ個人のスタイルで仕事をしていました。年齢差のある部下たちを指導する際は、自分の発言を相手がどう受け取るか考えコミュニケーションをしていましたが、あまり手応えはつかめないままでしたね。

そのような状況の中で、どうすれば目標達成できるかが課題でした。

あずにゃん:私の場合は、責任を負うことへの不安があり、わざと自分のスキルを低く見せるところがありました。前職では紙媒体でのデザインをしていたこともあり、ライオンハートが得意とするWebの仕事に対して自信が持てず、未経験の領域に挑戦することを避けていました。

自己保身の意識が強く、他のメンバーやマネージャーとの関わりにおいても積極的に意見を言わない場面がありました。

──実際、ワンネス経営の研修を受けることになった際はどんな気持ちでしたか。

マーシャル:日々忙しい中で、そんなに時間取れるのかなという不安がありました。また研修と言えば怖いコンサルの方が担当するイメージがあったので、行きたくないと思っていたのが本音です。でも実際は、講師をしてくださったふくちゃん(フラップスプラン代表、福永さん)が、とても柔らかい雰囲気の方でホッとしたことを覚えています。

あずにゃん:私も当初は「強制的に変化を求められるのでは」と少し懸念していました。しかし実際に研修を受けてみると、前向きな変化を自ら選び取ることを促すものであり、個々の成長につながるものだと感じました。 

目標を設定することは安心であり、優しさ

──研修によって得た学びは何でしょうか。

マーシャル:一つは「目標があることは安心であり、優しさだ」という考え方です。以前はどこか、メンバーに対し目標達成を強制するような感覚になることがありました。しかし、先の長いマラソンはゴールがあるからこそ頑張れるのと同じで、仕事にも目標があることで「間違いなく進んでいる」という安心感が生まれます。

営利企業なので数字目標は必要ですが、営業職ではないクリエイターのなかには数字に抵抗がある人が少なくありません。ただ、いくら自由にしたいクリエイターといっても、砂漠で置きざりにされて「あとは自由にどうぞ」なんて心細いですよね。砂漠のなかで「北に向かって歩けばオアシスがあるよ」と示すように、進むべき指針として目標を提示することがマネージャーの役割だと気づきました。

この考え方を共有したことで、チーム全体の目標に対する捉え方が変わり、皆、ポジティブに取り組めるようになったと思います。

もう一つは、フィードバックとアドバイスの違いを知ったことも大きな学びでした。

アドバイスは「具体的な解決策を提示する」ことです。特に僕のような男性は、相談されるとすぐに解決策を提示したがる傾向があると言われています。一方、フィードバックは「どう感じたかを伝える」ことなので、相手の話を聞いて共感するのが肝です。人は必ずしも解決策を求めているわけではなく、「こういうことに悩んでたんだね、頑張ったね」と気持ちに寄り添い共感することが大事なのだと気づきました。

これは理念である「笑顔創造」のために大事なスタンスですよね。

あずにゃん:目標についての考え方の変化をメンバー視点で話すと、もともとデザイナーとしては「デザインの完成=目標達成」という感覚でした。ですが研修を通じて、自分のタスクだけでなく、会社全体の数字や自分の貢献度など、より高い視座で考えられるようになったのは大きな変化だったと思います。

──ワンネス経営の研修は「笑顔創造」する組織であるためにも意義のあるものだったと認識しています。そのため、研修を通して「共通言語」をもち、役職間のギャップを埋めることに大きく寄与しているのではないかと考えます。研修を経て、実際にそのように感じたエピソードがあれば教えてください。

マーシャル:実際、社内で使う言葉が増えてきて、お互いに通じ合えるようになったと思います。

例えば、

・熟知性の法則(相手を知れば知るほど印象が良くなり好感度が高まるという心理効果)

・セルフハンディキャップ(言い訳できるように自分でハンデをつくること)

・エスパーニーズ(声に出さず勝手に相手に貼り付けた思い込み)

など、人の心の状態を表す共通言語ができたことでコミュニケーションがしやすくなりました。

お互いの得意・不得意を認めつつ、歩み寄るきっかけとなる言葉が増えたと思います。心理学を基準にした考え方で人を見ることで、より冷静に相手の立場を理解できるようになりました。以前より心の余裕を持てるようになったと感じています。

まだ明確な成果はまだ測りづらいですが、確実に変化が起こっていることは体感しているんです。漢方薬のように徐々に効果が出てきている気がしますね。

あずにゃん:まさに、自分が「セルフハンディキャップ」をしている状況だったと自覚し、自分を小さく見せることなく挑戦することの重要性を学びました。自己保身から抜け出し、積極的にチャレンジする姿勢を持つようになれたと思っています。

そうすることで、制作においてマーシャルさん含むディレクターとのコミュニケーションも円滑になったと感じています。自らディレクターと一緒にお客様のヒアリングに同行するようになるなど、より主体的に行動できるようになりました。

デザイナーチーム全体でも、役割を越えた協力が進みました。こうしたことができるようになったことで、より高い次元での仕事に取り組めるようになったと感じています。

 

自分の仕事に誇りと自信を。殻を破り、強いチームの柱となる存在へ

ディレクターチームの代表としてプレゼンするマーシャルさん

──ワンネス経営を受けた後、ご自身にどのような変化がありましたか。

マーシャル:自分自身の役割を俯瞰できるようになりました。今までは、自分の影響を過小評価していたなと思ったんです。そんな自分の言動の影響力を認識し、若い社員がどう受け取るかを考えるようになりました。相手の気持ちを考えて、少しは優しくなれたのかなって思います。

また、経営陣と一般社員の間にある「崖」の手前にいる自分の役割も理解しました(「崖」の理論については、こちらの記事をご覧ください)。社員の声を吸い上げて、適切に経営陣に伝える役割が求められているのだなと。

例えば、現実的でない要求や自分本位と思われる不満は、伝書鳩のように伝えるのではなく、僕が適切に対応することで、経営陣と社員の間のバランスを取るようにしています。

会社側の立場も理解しつつ、若い社員の気持ちを代弁する重要性を感じています。若い社員が言いたくても言えないことを聞き取り、伝える「パイプ役」としての自覚が強くなりました。

メンバーだけでなく、経営陣との関係性も変わりました。特にりっちゃん(常務取締役、妹尾)とは同期なので、正直彼女が先に出世したことに複雑な思いを抱いていました。反発や距離感があったのは事実です。

しかし、研修を通じて自分や相手の立ち位置、考えていることもわかるようになりました。彼女にも役員としてのプレッシャーがあったでしょうし、悩んでいただろうなって。また、人への優しさやデザイナーの育て方など、僕にはない素晴らしい点があることも認識しています。

だから、りっちゃんを支え、一緒に組織をよくしていこうという意識に変わりました。今では、人事的な悩み事なども直接コミュニケーションをとるようにしています。

──とてもリアルな心境の変化ですね!

あずにゃん:私は責任を恐れる気持ちが軽減され、むしろ挑戦を通じてお客様やチームを喜ばせることに重きを置くようになりました。自己保身よりも成果に焦点を当てることができるようになった気がします。

また、今回の研修を通じて、自分の仕事に誇りを持つことの大切さを学びました。以前は、例えば医療などの仕事と比較すると、デザイナーの仕事は「なくてもいい仕事」だと思っていましたところがあって。ですが私の取り組み方一つで、お客様にプラスアルファの幸せをもたらすことができる重要な仕事だと気づいたんです。

そもそも、私がこの会社に入社した理由の一つは、デザインで人を喜ばせたいという思いでした。そんな原点を忘れずに、今後も、自分が楽しみながら、お客様を嬉しくさせる仕事をしていきたいと考えています。

マーシャル:本当に、ここ最近のあずにゃんの成長は目覚ましいと思います。

以前は自分がメインで担当する案件でも、他のデザイナーに相談してから提出していましたが、今では独り立ちして自信を持って仕事をしています。技術面でもスピード面でも爆速で成長中ですね。

あずにゃん:ありがとうございます(笑)。研修で「失敗とミスは違う」という考え方を学べたことが大きかった気がしています。

準備して挑戦した結果の失敗は間違いではないと理解できたし、自分の判断に自信を持てるようになりました。他の人に確認を求める際も、間違いを確認するためではなく、より良くするために相談するようになったと思います。その結果、デザインの理由を説明できるようになり、自信を持って仕事に取り組めるようになりました。

──あずにゃんさんから見て、マネージャーの人たちの変化を感じることはありますか。

あずにゃん:これはマーシャルさんだけでなく、他のマネージャーにも感じることですが、チームを動かそうという意思をより強く持ってくださっていると感じます。私の直属の上司にあたるデザイナーチームマネージャーのりっくんも、研修前と比較すると明らかにマネージャーとしての自覚が高まったと感じています。私よりも若いけれど発言に責任感が伴っているように思います。すみません、りっくんの話になっちゃって(笑)。

マーシャル:マーシャルも、りっくんの倍成長しているって書いておいてください(笑)!

──この掛け合いを見るだけでも、チーム間、ポジション間の絆が生まれていることを感じます!

▼りっくんについてはこちら 

営業チームに引っ張ってもらってばかりではいけない

──お二人は今後、どんなチーム、どんな会社にしていきたいと考えていますか。また、そのために何をしようと考えているかも教えてください。

マーシャル:大きな部分は研修前と変わりません。目標達成が当たり前のチームにすること。今期の目標を、あらゆる手を使って達成したいと思っています。

ライオンハートは毎年120%程度の成長をしていますが、営業部が新しいお取り引きやご縁をつないでくれるのに対して、制作を追いつかせることで応えていきたい。

営業部が先頭で走り、それに引っ張られてディレクター、デザイナー、エンジニアが続く「電車型」から、理想の「新幹線型」として「もっと仕事をとってきてください!」と後ろから背中を押すくらいになりたいです。

あずにゃん:お客様や仲間のために常に挑戦し続ける、成長し続けるチームを作りたいです。さらに、全員が自信を持って意見を交換できる環境を整えたいと考えています。

現在、デザイナーチームでりっくんの次に責任のある立場にいるので、私が他のメンバーの成長をサポートすることの重要性を感じています。特に、新卒の若いメンバーが多いため、技術面での不足を補うために、経験豊富な先輩たちの技術を明文化し、誰もが使えるようなベースを作ることが当面の目標ですね。

将来的には、自分の経験を他のメンバーに伝え、「第二、第三の私」を育てていくことが目標です。メンバー一人ひとりの成長をサポートする姿勢を大切にしていきたいと考えています。

──学びや気づき、リアルな心情の変化がお伺いできてとても興味深かったです!何か言い残したことはないでしょうか。あれば最後に一言お願いします。

あずにゃん:実は、私がこの会社に入った時、最初に作ったのがこのワンネス経営のロゴとサイトだったんですよ。そのため、個人的に強い思い入れがあります。マーシャルさんが話していた新幹線の絵も私が描いたものです。

だから他のメンバーよりも少し特別な思いがあったかもしれません。ただ、その思いを差し引いても、研修によって得られたものは大きかったと思っています。

 

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