今年1月、LIFULL seniorとして初となるTVCMが公開されています。CM制作の裏側をマーケティンググループ グループ長である加藤麻依子さんにインタビューしました。制作過程から見えてくる当社が向き合っている課題、今後の取り組みについて伺いましたので、ぜひご覧ください。
経歴・仕事内容
ーーーまずはあらためて加藤さんの経歴を教えてください。
LIFULL seniorに入社したのが約3年前のことなので...思い出しながら話しますね。
職歴としてはデジタルマーケティングの経験が長く、9年くらい代理店、2年くらい事業会社にいました。会社の中で転籍していたり、すぐに転職したりした会社もありますが合計5社経験しています。
最初は営業としていわゆるIT系の会社に入って、携帯電話のコンテンツ用テストサービスの提案営業をやっていました。3年くらい中・大企業向けに営業を経験した後、インターネット広告代理店に入社し、そこで初めて広告運用に携わりました。
約7年間勤務した後は、事業会社のインハウス担当として働いたり、ベンチャーの代理店でアカウントプランナー兼運用コンサルタントとして働いたりして、今に至ります。
ーーーLIFULL seniorに入社した当時と今とで、仕事内容は変化していますか?
最初は広告運用を中心にやっていましたが、最近はメンバーにほぼ任せ、どちらかといえば新しい取り組みをやっていることが多いです。広告運用も全く離れているわけではないのですが、業務領域としては変わってきていますね。
ーーー元々入社してやりたかったことはできているのでしょうか?
今まさにやっていることが、元々やりたかったことに近いです。これまで経験してきた業務領域としては獲得型の広告提案や運用が多かったのですが、認知から刈り取りまでフルファネルでのマーケティング戦略の設計や、施策の立案等が本来やりたかったことでした。
TVCMと併せて介護施設を検討する人に冊子を配る施策も始めています。検討者とWEB以外でも接点を作り、施設入居を検討するタイミングで「LIFULL 介護」を使ってもらえるような仕組みの一環として、本施策を行いました。これを足掛かりに検討度が低い方ともつながりを作れるような取り組みも検討していきたいと考えています。
TVCM施策
ーーーTVCM施策、会社全体で盛り上がりましたね。どんなきっかけで始めることになったのか、聞かせてください。
きっかけとしては、メンバーから「SEO環境の変化や広告の競争の激化等により、これまでとおなじ集客経路だけで戦っていくのは難しいのでは」という投げかけがあったことでした。よりサービスを認知してもらうための集客対策として、TVCMの放映を決定しました。
ーーーいきなりTVCMに取り組もうと決めたのですか?
最初はTVCMではなく、まずは未経験の領域かつ限られた予算の中で実施できる施策として、2022年8月にYoutube動画広告を配信しています。
実施してみた結果、ポジティブな効果が出ましたが、投下予算も少額だったことから大きなビジネスインパクトにはなりませんでした。継続的且つビジネスインパクトが出せる取り組みとして、規模感の大きい施策が必要なのではという話になったのです。
シニア市場は今後も継続的に成長が見込める領域ということで、ちょうどこのタイミングで親会社であるLIFULLからも協力を得て進めることができました。
ーーーどのような人たちと関わりながら、施策を進めていったのですか?
社内は主に私と事業部長である原田さん*、今回主担当として進めていたメンバー計3名で進めていました。まずは前回の動画広告施策の振り返りと合わせて、最初に何をゴールにするのかを決めKGI ・KPIを設定しました。
ゴールを設定した後は代理店と一緒に、ターゲットや戦略を考えます。メディアが決まったらそのメディアを主軸にどういうターゲットに何をどう伝えるかを話し合っていきました。
その際LIFULLとも連携しながら、われわれが伝えたい価値や体現したいものを細かく分解していきました。全体のコンセプトやクリエイティブなど、重要なことは最終的には社内で話し合って決めています。
*事業部長の原田さんがマーケットの魅力について語っている記事はこちら
「定石が通じない“日本で最後“の市場、だから惹かれた」──LIFULL seniorのマネージャー対談にみる、シニアマーケットに“今”プロフェッショナル人材が集うワケ
施策の大変だったこと/よかったこと
ーーーやっていて大変だったことは何かありますか?
CMの中身を作るという観点だと、老人ホーム入居という若干ネガティブに捉えられてしまう要素を暗くなりすぎないように且つ、悩みに共感してもらえるように伝えることが苦労しました。あまり明るすぎても介護をしている当事者の方々には共感してもらえないですし、逆に暗すぎてもサービスや施設入居に関するネガティブなイメージを持たれてしまいます。
ーーー取り組む中で、逆に良かったことはありますか?
今の「LIFULL 介護」の価値を考えて言語化できたのは意味のあることでした。「LIFULL 介護」の特徴や強みを分解した上で、きちんとクリエイティブに落とし込むことができ、一定の成果を出すことができました。最終的な結果はまだ分かりませんが、ユーザーやクライアントからも定性、定量面でポジティブな反応が現れております。
またLIFULL側の方々のサポートを得ながら一緒に進めることができたことも、今回の取り組みのポジティブなポイントでした。
われわれにとって大きな金額を投下する取り組みは初めてでした。LIFULLは定常的なTVCM放映を含む施策をすでに実施しており、進め方や整理の仕方、具体的な内容に関するアドバイス等をもらいながら進めることができました。そのおかげで進行は時間がない中でも比較的スムーズにできていたと思います。安心しながら新しいことにチャレンジできるのは、グループ会社ならではの魅力ですよね。
ーーーグループ会社ならではの魅力にも触れていただきましたが、あらためてLIFULL seniorでWebマーケターとして働くことの魅力とは何でしょうか?
沢山ありますが、事業会社なのでサービスを一緒に作っていくところから深く携わることができる点です。代理店だとそこまで携わりながらマーケティングやプロモーションを考えることは難しいのではないでしょうか。その部分に関しては自分が求めれば裁量を与えてもらえる環境なので、やりがいを感じやすいと思います。
またLIFULL seniorは新しいことにチャレンジした時に、みんながサポートしてくれたり、応援してくれたりする文化があり、素晴らしいと感じています。
他部署や他職種の人も同じように、どうしたらうまくいくか一緒に考えてくれる人が多いので、チャレンジしやすい環境です。
今後の展望
ーーーマーケティングの領域で、今後チャレンジしていきたいことはありますか?
今まで「今すぐ介護施設を探さなければいけない人」を効率的に集客する施策を考え、実行してきました。しかし顕在層へのアプローチは競合の参入や市場環境の変化により、ハードルが上がっていくと考えています。顕在層へのアプローチも並行して行っていきますが、今後は顕在化してない人たちとも接点を作り実際にニーズが発生するタイミングで「LIFULL 介護」やその周辺サービスを利用してもらうのが理想だと考えています。
一連のコミュニケーションの流れをきちんと設計して、ユーザーも疑問やストレスなく自然に「LIFULL 介護」を利用してもらえるようになるといいですよね。サービスやサイト側と連携し、部署横断で取り組んでいく課題だと思っています。toC向けの施策だけでなく、toB向けの施策にも今後取り組んでいきたいです。
ーーーそういったマーケティングの施策を、どんな人と一緒に実行していきたいと考えていますか?
チーム内外の色んな人と一緒に関わりながら仕事を進めていくことが好きな人・抵抗がない人の方が、価値を発揮しやすいと思いますし、その人自身も楽しく働けると思います。
スコープを絞ってお話しすると、例えば広告運用の業務でも数値に変化が起きた時、サイト側の何かに起因していることがよくあります。そういう時にどんな取り組みをしていたか、サイト側のメンバーと連携できた方が楽しいと思いますし、原因や課題の特定がしやすくなったり、打ち手を考える幅がすごく広がったりすると思います。その方が成長速度も上がりますよね。
LIFULL seniorには部署関係なく協力的な人が多く、困ったことやわからないことに対して積極的にサポートしてくれる姿勢があります。みんなが会社を良くしたい・サービスを良くしたいというマインドで働いているので、「周囲と関わりながら協力して仕事がしたい方」とぜひ一緒に働きたいと考えています。