みなさん、こんにちは。
自分で作ったものを人に見てもらうとき、返事を待つ時間は、何度経験しても少しそわそわします。しかも、返ってくる言葉の最初の一行で、そのあとの読み方がずいぶん変わります。そんな経験、ありませんか?
リデルの社内チャンネルで、先日、その最初の一行が印象に残るやりとりがありました。
■ 作っていたのは、動画をチェックするAIでした
あるメンバーが、動画の確認を手伝うAIのスキルを作っていました。スキルというのは、AIに決まった手順と判断の基準を覚えさせたものです。
先方から共有された注意事項を読み込ませて、投稿用の動画がその条件に当たらないかを見てもらう。お手本になるOKとNGの動画がまだ手元になかったので、世の中に出ている投稿をOKの例にして、判定のテストを何度も回しています。結果はスプレッドシートに出力して、チャンネルへ進捗を報告。見てほしかったのは、そのシートの見せ方でした。
■ 見た人が最初に書いたのは、拾えていた部分でした
確認したのは、別のメンバーです。チェックシートの設計の意図までは分からないから、実際に出てきたものを見て気になった点として書く、と断ったうえで、最初の段落にこう書いていました。
まず、動画内の映像だけでなく、アフレコやテロップまで思っていた以上に解析できていることが分かったのは大きな学びでした。
ここまで拾えるのであれば、チェック用途としてかなり可能性がありそうです。
アフレコは、映像のあとから当てた声のこと。画面の中身だけでなく、声と文字まで読めていたわけです。直す話が始まったのは、それを伝えたあとでした。
気になった点は四つ。投稿が広告なのか、ふつうの投稿なのかを判別できていないこと。「該当秒数」が何に対する秒数なのか分かりにくいこと。全体的に文字が詰まっていて、少し読みづらいこと。判定理由メモの「C3」「B3」という表記が、シートの外から見ると意味不明なこと。
指摘のそれぞれに、直し方のヒントが付いていました。文字の詰まりには、理想の見え方のイメージをコメントの中に入れてあります。
まず判定結果や重要箇所が視覚的に分かり、その後に詳細理由を確認できる構成の方が使いやすそうです。
「C3」だけではなく、チェック項目名も併記した方がよさそうです。
直す点を並べるだけなら、数行で終わります。この確認は、どう見えたら使いやすいのかまで、先に形にして渡していました。
■ 返信は、日付が変わった頃に届きました
作った本人からの返信が入ったのは、0時半すぎです。
ご指摘いただき本当にありがとうございます
続けて、四つの指摘それぞれに、いま何を直しているかが書いてありました。広告の判別は、キャプションを全文読んで決めるように変更。分かりにくい表記は、人による確認用として、NG項目名・項目内容を記載するようにアウトプット文章を修正。文字の詰まりは、いただいたイメージを引用してアウトプット文章を修正。
指摘された数だけ、直し方が返ってきたことになります。翌日の夕方には、実際の素材で判定をやり直した結果まで出ていました。
■ AIが言い切れないところを、人に渡した
二回目の報告で、作った本人はもうひとつ書いていました。判定に迷った点を別のタブにまとめた、という話です。
これは決めの問題なので、先方に確認しOK/NGの振り分けをしていただければ、次回以降はその判断が可能です。
音声についてはAI判定が難しそうです。
疑わしい箇所は要確認にして人の耳で確かめてもらう形になります。
AIがどこまで言い切れて、どこから先は人に渡すのか。その線を、作った本人が自分で引いて見せていました。
返ってきた感想は、こうでした。
だいぶ良くなったと思います!!
アフレコの読み間違えとかテロップのミスとかもちゃんと検知できてますね!!!
このあと、今すぐではないですが、と前置きして、次に直すとよさそうな点がもう一度並んでいました。項目ごとに秒数順で並べたほうが見やすい、という具合です。
■ 一往復から見えたこと
作った人が持ってきたのは、まだ途中のものでした。見た人は、拾えている部分を先に言葉にして、気になる点は直し方のイメージと一緒に返しています。作った人は、その夜のうちに直し方を返して、AIが迷うところは人に渡す形にまとめました。
途中のものを見せやすい空気があって、見せられた側は先に良いところを見つけてから直す話に入る。この順番があったから、一晩で四つの指摘に手が付いたのだと思います。
リデルが掲げているのは「個人の影響力を、人々の未来のために。」です。AIを仕事の真ん中に置く会社ですが、そのAIを磨いていたのは、人と人の一往復でした。
■ こんな人と働きたい
・途中のものでも、「見てください」と先に出せる人
・人の仕事を見たとき、まず拾えている部分から言葉にできる人
・AIが言い切れないところを、人に渡す線引きまで考えられる人
作ったものを見せる日と、見せてもらう日。どちらの日も、リデルではわりと日常です。
気になったら、まずはカジュアルに「話を聞きに行きたい」からどうぞ。