転職先を探しているとき、その会社のサービスの良し悪しは、外からでもある程度は分かります。分からないのは、その会社が社外に向けて話すときの「言葉の詰め方」ではないでしょうか。
みなさんは、お客さまから「それ、できますか?」と聞かれたとき、どこまで踏み込んで答えているでしょうか。
「できます」と書けば、話は前に進みます。嘘でもありません。やろうと思えばできるのですから。、、、ただ、その一行は、まだ何もしていない一行でもあります。
■ 差し戻しは、一行でした
先日、お問い合わせをいただいた企業さまへお送りする前の文面が、社内の確認に回りました。返ってきた指摘は、一行だけでした。
実績って言っているのになぜか「可能でございます」って言っているのでダメですね
先方の質問は「こういう施策の実績はありますか」でした。それに対して、こちらの文面は「可能でございます」と答えていた。聞かれたのは過去のことなのに、答えていたのは未来のことだったわけです。
言葉としては丁寧で、読み飛ばせてしまう一行でした。丁寧なのに答えていない。そういう文は、指摘されないとそのまま世に出ていきます。
■ 開いてみたら、有るものと無いものがありました
リデルには、これまでの案件の記録を社内に貯めてある場所があります。どの業種で、どんな設計で、何が起きたのか。担当が代わっても、あとから引ける形に残してあります。指摘を受けたあと、その記録を開くところからやり直しました。
出てきたのは、二種類でした。
ひとつは、書けるもの。エリアを絞った店舗の集客施策は、複数の案件で実際にやっていました。どんな順番で組んで、投稿がどこまで届いたのか。年月まで残っています。近い形の仕事を、私たちは確かにやっていました。記録は、誰かが自分のために書いたものではありません。次に似た相談を受ける人が、そのまま引けるように残されています。
もうひとつは、書けないもの。先方がいちばん気にされていた「実際に何人が足を運んだか」という数字は、どの案件にも残っていませんでした。案件の名前が「来店施策」であっても、記録されているのは投稿と広告がどこまで届いたかまでです。
しかも、記録の中にはこう書き添えられた案件が複数ありました。届いた数を「◯人が来店した」と言い換えて引用してはならない、と。過去の誰かが、あとから読む人のために、先に線を引いてくれていたのです。
■ 無いものは、無いと書きました
そこで文面は、こう変わりました。近い施策の実績は、具体的に書く。来店数については、計測した記録がないことをそのまま書く。そのうえで、来店を成果としてご覧になるのであれば、クーポンや計測用のURLを施策の設計段階から組み込みませんか、と提案に変える。
「近い事例をご紹介します」と曖昧に伏せておく道もありました。けれど、伏せた瞬間に、それはまた「可能でございます」に戻ってしまいます。
盛った一行が効いてくるのは、受注した日ではなく、走り出したあとです。計測していないものを成果として約束すれば、報告の段で必ず行き詰まる。そこで困るのは、お客さまと、隣にいる仲間です。
正直に書いたほうが、初回の打ち合わせで話す中身は濃くなります。何を成果と呼ぶかを、最初に一緒に決められるからです。
■ 一行の指摘が、次の案件に残ります
この件は、一通のメールを直して終わりにしませんでした。「実績」や「事例」を聞かれたら社内の記録を必ず引く。能力の説明で代わりにしない。そう決めて、次の案件から適用しています。
ひとりが受けた一行の指摘が、次に同じ質問を受ける人の手元に残る。リデルが速く動けるのは、誰かが一度つまずいた場所に、印が置かれているからだと思っています。
指摘は、受けた人を小さくするためのものではありません。次に同じ場所を通る人のための、道しるべです。
■ こんな人と、働きたいです
・「できます」と言い切る前に、やったことを確かめにいける人
・無いものを「無い」と書ける人
・自分が受けた指摘を、自分だけのものにしない人
私たちは「個人の影響力を、人々の未来のために。」を掲げて、7,000社以上のSNSマーケティングに伴走してきました。その現場は、華やかな提案よりも、こういう一行の精度でできています。
少しでも気になった方は、まずはカジュアルにお話ししませんか。「話を聞きに行きたい」から、ご連絡をお待ちしています。