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今、エンジニアが「働きたくなる会社」ってどんな場所なんだろう

VPoEの湯前(@yunon_phys)です。3月にカケハシにジョインし、あっという間に4ヶ月。ゼロイチの事業立ち上げに寄与するエンジニアリングチームのマネージャとして、おかげさまで(本当に)楽しい日々を過ごすことができています。

今回は社内外の方々への自己紹介にかえて、エンジニアのキャリアや仕事観について、カケハシ入社前後に考えていたことをまとめてみることにしました。カケハシの技術組織を、どのような方向に成長させていきたいのか。自分自身のミッションにもつながる内容になると思います。エンジニアはもちろんですが、職種を問わずぜひいろいろな方にご一読いただけると嬉しいです。

カケハシの湯前としては、先日開催された日本CTO協会のイベントでもお話ししていますので、あわせてご覧ください。

技術や待遇、職場環境だけじゃない、もっと大事なこと

さて、「働きたくなる会社」についてです。組織マネジメントにおいても、個人のキャリアを考えるうえでも、それをどう定義するかはとても重要なポイントだと思います。

他を圧倒する高待遇だったり、エンジニアフレンドリーな環境だったり、企業がアピールするポイントはいろいろとあるわけですが、僕はそうしたわかりやすくとがった何かよりも、当たり前かもしれませんが「事業性」こそが大事なポイントだと考えています。

持続可能なビジネスがきちんと回り、成長していること。あるいは、それが期待できること。そして、その事業の成長・拡大に、自分の仕事が貢献していることを明確に実感できること。これを満たしていることが大事なのではないか……というのが最近の僕の考えです。

一つのサンプルとして、僕のケースをご紹介します。

今回の転職では、大きな社会課題の解決に挑んでいるスタートアップを選ぼうと決めていましたが、一方で、それがただの夢物語ではないかをシビアに検討しようと心がけていました。事業としての筋の良し悪しであったり、経営の本気度であったりです。

カケハシの場合、CEOの中川さん、CTOの海老原さんの話から、薬局向けのビジネスを起点に本気で日本の医療体験を変えていこうとしているのはよくわかりました。でもそれ以上に僕をワクワクさせたのが、掲げている夢の実現に向けたストーリーが、具体的な戦略に落とし込まれているところでした。

当たり前のようで、実際にそれができているスタートアップは決して多くはないと思います。もちろんすべてがロジックにならないのが経営だというのはそうなんですが、本気で実現しようと考えているのであれば、人材・組織・事業の細部にまで戦略をたてることはできるはず、というのが僕自身の考えです。

薬局SaaSにとどまらない新たな医療プラットフォームの構想と、実現に向けたプラン。必要不可欠な人材。組織カルチャーとして全社に根づいたアジャイル思考。夢と現実の差分が、具体的なプランとアクションで着実に埋められていることを強く実感できました。

と同時に、直面している組織課題の解決と事業戦略の推進に対して自分自身が貢献できるイメージも非常にクリアでした。

技術領域、ドメイン、報酬や待遇などキャリア選択の軸となるポイントはいろいろとありますが、僕自身がそうだったように、ビジネスに対するエンジニアの感度は高まっている気がしています。

“Taker”か、“Giver”か?

一方で、いくら事業的に優れていようと、その会社を知らなければ「働きたい」と思うことすらないのですよね。僕自身カケハシを知ったのはたまたまイベントでCTOの海老原さんとご一緒し、事業や組織観に共感したからで、その偶然がなければきっと縁のないままだったでしょう。

とはいえ、「自分たちにはこんな魅力があるんだ」と積極的に発信されていればよいのかといえば、一概にそうとは言えない。多くの人は、知らない会社の魅力に興味などないからです。(もちろん発信自体は必要なことだと思います)

エンジニアが企業を認知するうえで大事なポイントは、その企業がエンジニアリングコミュニティに役立つ存在になっているかどうかだと僕は思っています。

その会社は、エンジニアリングを利用するだけの“Taker”か、それとも事業の前提となるエンジニアリングの発展に少しでも貢献しようする“Giver”か。企業の考え方、思想の問題です。

一つ具体例をあげると、OSS(オープンソースソフトウェア)に対する姿勢があります。現代において、OSSがなければソフトウェアテクノロジーに基づくあらゆるビジネス(カケハシもその一つです)はもちろん、社会そのものが成り立たないといっても過言ではありません。そしてそのOSSを支えているのは、基本的に誰かの善意やボランティア精神なのです。

それに乗じてただ利用するだけのTakerばかりが増えてしまうと、あっという間にそのソフトウェアは腐ってしまいます。もちろん一時的にTakerとなってしまうこともあると思いますが、大事なのはそこに「いつかGiveする側に回ろう」という姿勢があることです。

そうしたソフトウェアのコミュニティに囲まれた世界で仕事をするエンジニアたちは、Takerの“ニオイ”に驚くほど敏感です。転職エージェントや人事という言葉になんとなく抵抗感をもつエンジニアが多いのも、エンジニアコミュニティにGiveしないTakerのように見えてしまっているからかもしれません。

一方で、積極的なGiverの存在も、具体的なアクションとともにエンジニアリングコミュニティのなかで自ずと広がっていくものです。Takerか、Giverか。ここにもエンジニアの認知、ひいては「働きたくなる会社」かどうかの大きな分岐点があると思っています。実際、周囲のテックカンパニーの多くはGiverとしての活動に積極的であり、それを目にするたびに尊敬の気持ちが芽生えてくるのを感じます。

さらに言うと、Giveは継続的でないとあまり意味がありません。企業としてGiveを続けていけるかどうかは事業の成長にかかっているわけです。

事業で成果が出ているからこそエンジニアコミュニティへの投資もできる。その投資がエコシステムのなかで新たな価値を生み、何らかのかたちで自分たちの事業成長を後押ししてくれる。そしてその事業の成果をまた新たな投資に回すことで、さらに大きなリターンを得ることができる……

そういう意味でも先にあげた「事業性」というのは、エンジニアにとって非常に重要なポイントなんだと思っています。

企業がエンジニアリングコミュニティと社会の間にたって、“価値の受け渡し”をしているイメージです。

事業・技術・社会に、自分の仕事が貢献している実感はあるか?

さて、カケハシはどうかというと、医療システムの再構築という社会課題の解決をミッションとしているだけに、組織カルチャーにはGiverの思想が深く根づいているのを感じます。

一方で、それをアクションに起こし、継続していくための仕組みには、まだまだ伸びしろがありそうです。この課題に向き合って、エンジニアリングコミュニティにより多くのGiveをしていくこと、それをカケハシという会社の当たり前にしていくことが、僕自身のミッションの一つだと考えています。

「事業」と「技術」と「社会」、この3つの要素が一本の線につながり、その成長と発展に自分の仕事が貢献している実感を、エンジニア自身が感じられる。

それこそがエンジニアにとって理想的なテックカンパニーのあり方だと思いますし、カケハシもその一つになれるよう、全力を尽くしていきます。

・・・

最後に、直近のお知らせです!

7月27日(木)に開催される「Developers Summit 2023 Summer」にてお時間をいただき、技術負債の解消に向けたカケハシの組織的な取り組みについてお話しすることになりました。

技術的負債はプロダクト開発につきものだと思います。ぜひお気軽にご参加ください! 可能な限りくわしいお話ができるよう頑張ります!

▼お申し込みは下記のリンクからどうぞ

A-5 20%ルールに頼らない: 技術的負債を解消する組織的な取り組み | Developers Summit 2023 Summer(2023.07.27)event.shoeisha.jp


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