来日、ALTだけでなく副担任としての教員キャリアからジョイズ入社まで
クリストファー・ジョン・スコット です。生まれも育ちもイギリスです。シェフィールド大学在学時には都市計画を専攻していましたが、卒業後は地元の大学で英語を教えるボランティアをしていました。生徒は、これからイギリスに住んで働きたいと思っている大人たちです。当時は、メインで授業をするというよりも、アシスタントという立場で学習者をサポートしていました。そのボランティアを1年半くらい続けた後に、大学で開催されているTESOL(※英語が母国語ではない人々向けの英語教授法に関する資格)の1か月集中コースを受講しました。1か月間、朝9時から夜の10時まで毎日大学に通い、どのように授業を組み立て、教材を作るかを学びました。最後に実習として実際に教壇に立ち、TESOLの資格を取得しました。
来日のきっかけとは
その後、日本の文科省が主催するJETプログラムでALT(※Assistant Language Teacher:外国語指導助手)として来日しました。JETプログラムとは、全国の小中学校や高校で外国語教育や国際教育をおこなうために日本国外から人材を派遣する事業です。もともと日本の漫画やアニメが好きで、大学の時に東京に2週間滞在しました。浅草の旅館に泊まったり原宿や明治神宮 、秋葉原に行ったり、本当に楽しい思い出ばかりでまた日本に戻りたいと思っていたんです。
教員としての10年
ALTとしては5年間、茨城の公立高校を4つ掛け持ちして働いていました。その後私立の高校で5年間、英語の授業担当だけでなく副担任として働いていました。副担任の仕事は本当に楽しかったです。英語を教えることはもちろん、ALTとは違って裁量が大きく、カリキュラムや教科書について決定権がありましたし、成績をつけることもしていました。英語部の顧問もしていましたね。普段の活動としては英語でゲームや会話の練習をしたり、映画を観たりしていました。文化祭では英語部としてマフィンを売ったり、福島県のブリティッシュ・ヒルズ(※英国文化を体験できる研修・宿泊施設)への遠征にも行きました。教員としての5年間は本当に楽しかったです。今でも営業や文化祭で学校を訪れると懐かしいですね。
教材作成の興味からジョイズへ
ただ、教員は5年間の契約だったため、次の仕事を探さなくてはなりませんでした。僕は授業で使うワークシートなど教材を作るのが好きだったので、英語の教材制作に携わる仕事を探す中でジョイズという会社に辿りつきました。
「TerraTalk」のコンテンツ制作という仕事、ジョイズでの1日
ジョイズの製品、「Terratalk」のコンテンツ制作とは
「TerraTalk」のコンテンツには2種類あります。1つめは、企業・組織をターゲットとするコンテンツで、それぞれのユーザーのリクエストに合わせた英会話の内容を作ります。2つめは、学校を対象とするコンテンツです。たとえば中学校を対象にしたコンテンツを作りはじめるときには、複数の教科書をピックアップして、共通のテーマやシナリオ、文法事項を洗い出します。多くの教科書に共通する、かつ授業に取り入れやすいカリキュラムを作ることが目的です。また、高校の「英語表現」の授業は文法に重点を置いていますが、実際の運用について学ぶのは難しいのが現状です。授業内では先生は文法を教え、生徒はその文法を覚えることはできます。ただ、それがいつどのような文脈で、なぜ使われるのかを学ぶ機会が少ない。「TerraTalk」は自然なシチュエーションにおける会話の実践を通じて、実際の言語使用を体験する機会を提供できるようにしています。
「TerraTalk」 の必要性―入試の変遷
大学入試でもスピーキングの技能が必須となり、小学校での英語活動も導入される中で「TerraTalk」は非常に役立つと思います。英語ディベートのコンテンツなども作ることができたらと思うのですが、まずトピックに対して「意見を言える」力をつけることが大事ですね。批判する力の養成はそれが出来てからだと思います。
クリスさんの1日
仕事の1日の流れですが、出社は朝8時半くらい、退社はだいたい18時くらいです。まず出社したら、今日のやることを整理して、他のメンバーの進捗を確かめます。チームにはフリーランスで働いているメンバーが2人いるので、彼らの進捗を把握してからコンテンツ制作に移ります。企業からのリクエストで早急にコンテンツを作ることが最優先事項ですね。それが終わり次第、コンテンツのチェックを他のメンバーに頼みます。これを終えるとだいたいお昼くらいにはなっています。午後はほとんどの時間を、コンテンツ制作とメンバーが制作したコンテンツのチェックに充てています。
仕事に対する価値観、同じチームのメンバーとの関わり方について
コンテンツ制作の根底にある価値観とは?
コンテンツ制作の仕事では、この「TerraTalk」が生徒の英会話の能力を伸ばすだけでなく、コミュニケーションへのマインド形成に貢献していることが大きな励みとなっています。先程言ったように、教室内で教わった知識をどのように使うかを生徒は学ばなくてはいけないと思います。教室ではフレーズを繰り返して覚える活動が多いと思いますが、このアプリケーションは自分が話した発話に対して返事や反応があることで、話した英語が「通じている」という感覚を味わうことができます。
コンテンツチームのメンバーについて
このような僕の業務への価値観は週ごとのミーティングでメンバーに共有するようにしています。リモートで勤務しているメンバーもいるので必須ですね。いちいち指示をしたいわけではないので、今彼らが携わっているコンテンツやプロジェクトがなぜ大事なのかをメンバー自身に考えてもらうことや、モチベーションを持ってもらうことを大切にしています。他のメンバーはとても素晴らしい人たちです。多くのリクエストが企業側からどんどん来るのですが、よく対応してくれています。英語に堪能なのも大きな強みですね。
ジョイズの魅力とは?どんな人と一緒に働きたい?
ジョイズの魅力―「TerraTalk」という製品
まず「TerraTalk」という製品ですね。英語でのコミュニケーション能力の育成に大きく貢献します。学習者の発話にアプリが反応してくれることや、はっきりした評価ができることも魅力です。言語と言うのは、科目としての学習ではなく使われることによって初めて言語になります。そのためにこのアプリケーションは必要だと思います。また学校で働く先生たちは忙しく、授業の一部分を担えることもいいですね。ジョイズはもともと教材制作に興味があって入った会社でしたが、これからの時代にあった先進的な製品を提供していると思います。
コンテンツチームはこんな人を求めている
ジョイズのコンテンツ制作に求められるスキルはまず、高い英語および日本語の能力ですね。もちろん他のメンバーが作ったコンテンツの内容はチェックしますが、なかなか(英語の母語話者である)自分が文法レベルで訂正をしている時間がない。メンバーの高い英語力は「TerraTalk」のコンテンツを作る上で必須事項だと思います。日本のユーザーを相手にするので日本語の力ももちろん必要です。2つ目に、自分の意見を言うことに抵抗がないことが重要ですね。自分も間違えるので、僕が言った意見をただ全肯定してくれるよりも、異なる意見があれば出してくれた方がいい。それから3つ目は、教育業界での経験や、人に何かを教えた経験がある人ですね。人間性でいえば、第一に勤勉であること、それからユーザーのニーズに対する想像力がある人が求められると思います。特定のコンテンツを特定のユーザーに提供するときに、何が大事かを考えられる人だといいですね。
最後に、ジョイズで実現したい夢とは?
この「TerraTalk」をより多くの学校に届けたいですね。そして子どもたちが英語でのコミュニケーション力を高められるように、もっと英語を話せるようになってくれたらうれしいです。教員として教えられる子どもたちの数には限度がありますが、このアプリケーションによってより多くの子どもたちの英語力に貢献できると思っています。