2018年秋、2カ月間にわたるインターゾーンのインターンシッププログラムが実施されました。選りすぐりのインターン生たちに出された課題は「新卒採用の課題解決」。
本来「採用される側」である学生が、新卒採用を「コーディネート」する?
実はこれ、インターゾーンの新たな挑戦です。従来の「お仕事体験」としてのインターンではなく、学生ならではの良さを生かした実践的なプログラムにしたい──採用担当のそんな思いから、今回初めての試みとして「プロジェクト型のインターンシップ」が実現しました。
ずばり、その結果はどうだったのでしょうか。インターンを終えた学生たちのリアルな声を聞きました!
筋道のないインターンシップ、方向性は学生自身が決める!
──本日集まっていただいたのは、5名の元インターン生の方々です。まずは、本プログラムに参加されたきっかけを教えてください。
酒井:就職支援エージェントの「キャリコ」が主催するイベントでインターンシップのことを知りました。インターゾーンは群馬県内では珍しい「ベンチャー企業」であること、2カ月という長期間のプログラムにチャレンジできることが魅力的で、迷わず参加を決めました。
──今回のインターンシップでは何をされたのですか。
酒井:今のインターゾーンが実際に抱えている課題として、「中途採用がメインで、新卒採用の学生が集まりにくい」というものがあります。それはなぜなのか、どうすれば解決できるのか。参加したインターン生たちで考え、調査して、プログラム最終日に社長と人事部のメンバーに対してプレゼンするというのが、私たちに与えられたミッションです。
──なかなか難しいテーマですね。最初に聞いた時はどう感じられましたか。
酒井:インターンというと「業務体験型」を想像していたので、とても新鮮でした。不安もありましたが、新卒採用は自分たちにとって身近な内容です。がんばれるかもしれない……でも本当にできるかな……と、やる気と心配が入り混じっていました。
ビジネスやマーケティングの知識もなく、本当にゼロからのスタートです。特に筋道を指示されたわけでもありません。インターン生同士で話し合い、週に1度は人事部から企画のフィードバックをもらって、少しずつ方向性を固めていきました。
──具体的にはどんな風に進めていかれたのでしょうか。
桑原:まずメンバーで集まって、それぞれが感じたインターゾーンの強みと弱みを共有しました。その中で立てた仮説の1つが「学生に対しての知名度が低い」というものです。
次に、この仮説が真実であるのか調べようと考えました。調査のために行ったのはアンケートです。Googleフォームで質問のフォーマットを用意して、群馬県内の大学生に向けて協力を依頼。合計でおよそ200人からの回答を得ることができました。
──アンケートで何が見えてきましたか。
桑原:「インターゾーンを知っていますか?」という質問に対して、YESと答えたのは全体のうち5.7%。やはり知名度に課題があることがわかりました。ではどうしたら学生に効果的なアプローチを行えるのか。さらにメンバー間での話し合いを進めました。
とことん、とにかく、話し合いです。初めのうちは週に1度会社で顔を合わせるだけでしたが、後半はそれだけでは足りなくなり、ミーティングの時間以外にもオンラインで連絡をとることもありました。
「想定内」からの脱却! 自分たちだからできる提案をしたい
──プロジェクトを進める中で、どのようなところで一番苦労されたのでしょうか。
岡部:大変だったのは、いつまでもゴールが見えてこなかったことです。こういった課題解決の経験がある人であれば、スタート時点で「何を目指せばいいのか」「そのためにどうすればいいのか」が判断できると思うんです。でもぼくたちにはそのノウハウがなかった。ずっと漠然とした不安を抱えていました。
その気持ちが変わったのは、1カ月を過ぎた頃です。1度目のアンケート集計が終わった時点で正直、「このままでは成果が出せない」と感じました。
──それはなぜですか。思ったような結果が得られなかった?
岡部:逆です。あまりにも「想定内」すぎたのです。わざわざアンケートをとるまでもなく、ちょっと調べればわかりそうなことしか判明しませんでした。ぼくたちが学生の立場で企業に提案するのならば、相手に「そんなアイデアがあるのか!」というインパクトを与えなければならない。そこが圧倒的に足りませんでした。
原因はアンケートの「質問の組み方」にあります。1つの問いに対して選択肢の中から選んでもらうというスタイルだったので、当然こちらが予想した以上の答えは出てきません。もっと大学ごとの特色や、回答者の生の声を反映したい。そう考えて急遽、2度目のアンケートを実施しました。
──最初のアンケートとの違いは何だったのでしょう。
岡部:選択方式をやめて、回答を「記述」してもらうスタイルに変えました。たとえば「就活イベントに参加しにくいと感じたことはありますか?」ではなく、「参加しにくいと感じるイベントはどのようなものですか?」という質問です。
さらに、上がってきた回答を大学や学部ごとに分けて傾向を探りました。プレゼン1週間前、ぎりぎりのタイミングでのアンケートです。今回メンターとして入っていた人事部の社員の方がすごく心配して、毎日連絡をくださいました(笑)。
すくい上げた「学生の本音」が課題解決に
──ハラハラしますね……。最終的に皆さんが出した答えは?
岩内:「学生に対するアプローチ」という課題に対してぼくたちが示した提案は「学生と直接関わって話すことのできる場」です。
これまで新卒採用においてインターゾーンがオフラインで行っていた活動は、就活系イベントへの参加が中心です。こういった全方位的なイベントではなく、もっと学生のニーズに寄り添った場を提供することが必要ではないかと考えました。
──ニーズに寄り添った、というと?
岩内:このアイデアに行き着いたきっかけは、2度目のアンケートの結果です。「就活系のイベントに参加しにくいと感じる」と答えた学生から、「現在学んでいる分野を取り入れたイベントに参加したい」という意見が出たのを見て、メンバーみんなで「これだ!」とひらめきました。
たとえば群馬大学の社会情報学部には、AdobeソフトやHTML、Javaスクリプトといったパソコンの専門的な授業があります。情報学部の学生に向けて「プログラミング」や「デザイン」、また経済学部の学生には「マーケティング」など、特定の専門分野を持った学生に対して、彼らのメリットとなるような具体的な情報を提供できるイベントを行うのです。
──面白いですね! 実践的で、興味を持ちやすい内容です。
岩内:ぼく自身、就職に対する焦りはあっても、何をしていいのかわからなくて二の足を踏んでしまうことが多いです。そんな時に「自分の学んでいることが社会ではこんな風に役立つ」と実感できるようなイベントがあれば、すごく参加しやすいのではないかと思いました。
インターンシップは「ここでしかできない経験」の集積
──このインターン全体を通して、ご自身が成長したと思うポイントを教えてください。
小日山:学んだことは2点あって、1つは「ゴールを意識する」ということ。与えられた期間の中で、明確なゴールを自分たちで設定して、それに向けて逆算しながらプロジェクトを動かしていく。これを学生のうちに経験できたのは非常に意味あることだったと思います。
もう1つは、「ロジックを意識する」ことです。企画提案においては、自分たちの提案のメリットを相手に納得してもらうことが不可欠です。なぜ今そのアイデアが必要なのか。提案を採用すると何が起こるのか。その裏付けとなるデータをどのように得るか考えることが何より重要なのだと、今回のインターンで体感できました。
──インターンを始める前と現在で、インターゾーンに対する印象は変わりましたか?
小日山:最初の印象としては「勢いあるベンチャー企業」というイメージが強かったです。でも社長や採用担当の方とお話しする中で、意外とベンチャーっぽくない部分もあるというか……。働き方の多様性について真剣に考えておられるところや、新卒採用に真摯に取り組んでいるところが見えて、常に課題意識を持って取り組んでいる会社なのだと感じました。
──最後に。これからインターンを考えている学生の方々に向けて一言お願いします。
小日山:インターンシップは、アルバイトではできないような経験の連続です。特に納期や予算、会社の利益、集客を意識して働けるのは、インターンならではの良さだと思います。「新しいことに挑戦したい」「いろんなことをやってみたい」という学生はぜひチャレンジしてください!
*メンターを担当したインターゾーン社員よりひとこと*
今回はインターゾーンとしても初めての挑戦をしたインターンシップでした。
「新卒の採用を考える」というテーマを設定にするにあたって、会社に勤めている社員目線ではわからない「学生たちの意見」を聞きたいと思い、なるべく私の意見に寄らないようにフィードバックを行っていきました。
発表直前まで作業を行う学生たちを見て、ちゃんと発表できるかな?とひやひやしていましたが、打ち合わせ中はあれだけ頭を悩ませていた学生たちが堂々と社長や人事部を前に発表をしている姿を見たら、ここまでやってきてよかったなという気持ちにさせられました。私たち社員がなかなか持ち合わせていない「学生ならではの気持ち」を知ることができるいい機会になったと思います。
学生たちとはこの一度きりではなく、今後も就活や仕事で何か悩んだときにちょっと相談してみようと思える関係性になれたらと思っています。2カ月間お疲れ様でした!
そして生まれた新たなインターンシップ、参加者募集中です!
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