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生活者とクライアントをつなぐ「うなぎ」を見つける。それがコンテンツディレクターの仕事


インフォバーンで働く社員へのインタビュー企画。今回はコンテンツディレクターとして働く森川さんのインタビューをお届けします。


紙媒体の編集者としてキャリアを積み、新たな成長の機会を求めインフォバーンへとやってきた森川さん。編集者がマーケティングの世界で得られるものや、インフォバーンに来て感じている成長実感、そしてずっとハマっているというサルサの話など様々な話を採用広報担当・松永が伺いました。

踊る編集者


ーー森川さん本日はよろしくお願いいたします! ……あれ? 森川さん、もしかして疲れてらっしゃいますか?


おお、わかっちゃいましたか。実は昨日サルサのイベントがあって、その心地よい疲労がまだ残ってるのかもしれません(笑)。


ーーサルサのイベント! 年間どのくらい行っているんですか?


春に大きなステージがあり、ハロウィンの時期にもクラブイベントで踊ったりします。たまにサルサ仲間の結婚式の余興で踊ったりすることもありますね。


ーーそれは盛り上がりそうですね。サルサを嗜む人が周りにいないので教えて欲しいのですが、サルサをやっている人ってどんな人が多いですか?


いろんな人がいますが、基本的にコミュニケーション能力の高い大人たちが集まっているのではないでしょうか。僕が通ってるダンススクールには大企業に勤めてる人もいれば起業してる人もいて、様々なバックグラウンドを持つ人たちが一つの目標に向かって練習しています。


練習もただ先生に言われたことをやるんじゃなくて、先生に言われたことをどう表現すればいいかをディスカッションしながらやっています。非常にコミュニケーションが活発なコミュニティですね。大人になってサルサのような趣味で燃えたい人はエネルギッシュな人が多く、ネットワークという意味でもおもしろいです。


ーーサルサは学生時代からやってるんですか?


社会人になってからです。本格的にはじめたのは2005年ですね。学生時代に少しトライしたんですけど、まあまあお金がかかるので続けるのが難しくて。


でもいつかまたやろうと思っていて、社会人になってからスクールに通いはじめました。サルサはダンスをとおしたコミュニケーションなので、相手が同じでも時と場合によって踊りが変わるんですよね。人の気持ちがダイレクトに影響するので、同じ踊りは存在しない。そういう点も魅力です。


ーーサルサはコミュニケーション。


はい。けど、パフォーマンスはロジカルに詰めていきます。「ここのタイミングがずれてるから合わせよう」とか、「ここは一番盛り上がるところだから、その前の表現は抑えめにする」とか。


でも本番は緊張してるから頭で考えながら踊る余裕はありません。どれだけ練習してきたがそのままパフォーマンスに出るので、当然ですが練習が足りなかったらミスが出ます。小さい時からずっと踊っている人と比べて、ダンス歴が短い僕なんかは練習が足りないとすぐにポカが出ます。


だからパフォーマンスの練習が始まってからは、練習中に先生に言われたことを、帰宅中の電車で携帯にメモるようにしています。次の練習まで1週間あるので、メモを見返しながら家で練習することもあります。ダンス能力が高い人はその場ですぐ修正できる人もいますが、僕はそれでようやく追いつく感じです。


▲森川さんが通うダンススクールによるパフォーマンス


ーー言われたことを咀嚼して自分の言葉として落とし込んでいくんですね。踊る編集者だ……。


(笑)。でもサルサと編集も共通点があると思ってるんですよ。『ナイン・インタビューズ 柴田元幸と9人の作家たち』という本で村上春樹がインタビューを受けているのですが、そこに印象的な発言があって。文章はテキストと書き手の相関関係を掴むことが大切だと。文章によって自分を出そうとすると煮詰まってしまうので、「うなぎ」のような別の視点を入れて、自分と「うなぎ」の距離を書くことで、結果的に自分を表現するほうが自然な文章になると。


僕なりの理解ですが、人と人がコミュニケーションするときも同じことが言えるのではないでしょうか。コミュニケーションはお互いのメッセージがうまく巡り合うことが大事だと思うのですが、両者が向き合い過ぎると流れが滞ってしまうので、ふたりのあいだに「うなぎ」が必要なのではと。


似たような話で、サン=テグジュペリの「愛はお互いを見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見つめることである」という言葉もありますね。お互いに向き合うのではなく、同じ方向を向いてそこに2人にとっての北極星的な存在を発見することが大切なのではないかと理解しています。


ーー「うなぎ」という表現が素敵ですね。


サルサも自分と相手とのコミュニケーションです。サルサのルールというか基本的なステップがあって、あとはそれを組み合わせて即興で踊ります。その時にサルサのステップや音楽やリズムや相手とのボディーランゲージなどの暗黙知を「うなぎ」的に介していきます。そうすることで、お互いのコミュニケーションが触発され、理解が深まり、なぜか踊り終わったときにハッピーになれる。仕事終わりなどでストレスレベルが上がっていたとしても、1時間でも踊るとスッキリします。


例えば、あくまで旅行者目線ですがキューバを訪れたとき、物質的な豊かさはさておいて、キューバの人々が楽しく生活していると僕が感じたのは、音楽と踊りが日常に根付いていることが大きいのではないかと考えています。


編集も、あるテーマで読者にメッセージを伝えるコミュニケーションだと考えると、同じことが言えるのではないかと思います。「うなぎ」を介して相互理解が深まるという点で、自分のなかではサルサと編集が意外にもつながっているんです。


もっと言えば、あらゆるコミュニケーションで同じことが言えて、「うなぎ」的な第三の存在が必要なのかもしれません。旅雑誌の仕事をしていたときに国内でお祭りの取材を何度かしたのですが、昔のお祭りや神話などにもいろんな「うなぎ」的な仕掛けが隠されていると思いました。


コミュニケーションがあまりにもマニュアル化され、透明化され過ぎてしまったら、人間はあまりワクワクしないと思うんですよ。「うなぎ」は常に隠れていて、それを解き明かすためには、ある種のひらめきや思考のジャンプがないといけない。


そのジャンプによって発見した「うなぎ」に人間は魅了されるし、隠れた「うなぎ」を見つけ出す行為はチャレンジングで、だからこそお互いの理解が深まるのではないか。もちろん踊っているときや誰かとコミュニケーションしているときは、そんな理屈を考える余裕はないのですが。


ーーおもしろいですね。インフォバーンは編集者が多く、その編集者たちがクライアントワークをやっていて、活動の中でクライアント企業と生活者をつなぐ「うなぎ」を見つけているのかも、と話を伺いながら思いました。


コンテンツマーケティングはクライアント企業とメディア企業、双方の目的と手段がうまく結びついているからこそ、大きな潮流になっているかと思います。


ただ、その際に読者が置き去りにされていないかは、自身の反省も含めて考えなくてはいけないと思っています。どんな仕事にも制約はつきものですが、一つひとつのクライアントワークのなかで、少しでも「うなぎ」的な視点で考えたり、思考のジャンプができるようにするかは、言うは易く行うは難しなのですが、忘れないようにと自分を戒めていたいと思います。


インフォバーンにいると打席が回ってくる


ーー森川さんは前職はフリーランスの編集でしたよね?


そうです。前職では、ビジネス誌の週刊ダイヤモンドで委嘱契約の記者を2年間していました。最初は落語や歌舞伎などカルチャーの特集記事を作った後、航空や鉄道や観光などの業界を担当するようになりました。


ーー前職時代で特に思い出に残ってる仕事ってありますか?


思い出ではないのですが、経済紙の価値をより理解できたことが自分にとって大きいですね。日々記事を作ってるビジネス誌の現場や作り手を見たことで、以前よりも高い解像度で、その意義がわかるようになったと思います。


意思を持った作り手によって生み出されたメディアを定点的に読むことで、その編集部の目を借りて、社会や世界で何が起きているのかをトレースできます。それによって、一つの座標軸ができることには意味があると思います。


社会を定点観測することで、自分の興味関心がない分野の記事にも目を通すと、インプットの質がかなり変わってきます。インターネットでは自分の興味があることを中心に情報を集めることによってフィルターバブルが起きがちですし、ポータルサイトは玉石混交のありとあらゆる情報が表示されるので、特に大切だと思いますね。


インフォバーンではどんな業界のプロジェクトを担当するかわからないですし、様々な企画アイデアを出したり、取材候補を挙げたりする機会も多いので、重点的にウォッチをするメディアをいくつか持ち、同時にネット上でランダムに情報収集する二段構えにすることが重要だと考えています。


ーー編集部も「うなぎ」を見ている感覚があるのでしょうか。


確かにそうかもしれません。「うなぎ」って、最短距離で行くんじゃなくて、あえて第三者を介して遠回りするものだと思います。Google検索で最短距離を探すことが当たり前になっている時代において、編集によって情報発信をする際、違う物差しを持つためにも大事なのかもしれないですね。


ーー大切なことですよね。そんな森川さんはどうやってインフォバーンのこと知ったのでしょうか?


正直なところを言うと、存在は認知してなかったです。エージェントに登録したら候補のひとつとして送られてきて、そこで存在を知りました。調べていくと、WIRED日本版やサイゾーを立ち上げた「小林さん(インフォバーン 代表取締役 会長)の会社」であることと、コンテンツマーケティングのパイオニアであることもわかり、いいなと思いましたね。


実はインフォバーンの他にもう一社受けてたんです。その会社が出版している雑誌に興味があり、最終まで進んでいる状態でそこと並行してインフォバーンの選考も進んでいました。


ーーなるほど。2社で迷ってたんですね。インフォバーンに決めたのはどうしてですか?


二次面接で羽村さん(インフォバーン エクスペリエンス部門 部門長)が、「森川さんには即戦力として、ぜひうちに来ていただきたいです」って言ってくれました。面接の場でそんなこと言われたのはじめてだったので、そのストレートな「来てほしい」というメッセージは結構刺さりました。


ーーおお!


あとは雑誌の編集部だとこれまでやってきたことの延長だと思うんですけど、インフォバーンの場合はコンテンツマーケティングというちょっと違うジャンルにピボットできるので、その点も選んだ理由としてありますね。


ーー自分のこれまでのキャリアを活かしつつ、かつ、やったことない領域へチャレンジできる場所がインフォバーンだったんですね。


そうですね。このインタビュー記事は出版業界の第一線で仕事している人も読んくださるかもしれませんが、そういう人の経験やスキルが活きる環境がインフォバーンにはあると思います。


編集者として積み上げた経験が、デジタルマーケティングやコンテンツマーケティングという、今のビジネス領域で注目されているジャンルで領域で需要があるのは、編集者のキャリアとして新しい可能性を模索している方にはいいトレンドだと思います。


特にインフォバーンは、ドンドン打席に立たせてくれるカルチャーがあります。プロジェクトによって役割が異なり、自分がリーダーとして関わる案件では、クライアントとの最終判断も自分ですることになる。打席に立つことは自分で最終決断をするってことだと思うんですけど、その決断をする機会がたくさんあり、編集長的な立場になる機会が多いのは、自身の成長を考えるうえでインフォバーンで働くメリットだと思いますね。


インフォバーンは「バランス」が良い


ーーご自身で成長を感じた瞬間はありますか?


一番大きいのはデジタルマーケティングにおける情報の届け方を学べたことでしょうか。データを活用してプロジェクトを仕切る人たちの発想や仕事の進め方を間近で見て、新しい発見がいくつもありました。


僕はデータの分析とかがまったく得意じゃなくて、仕事としてもやってきませんでした。今ミーティングで話されている内容も全てを理解できているかといわれるとそうではないのですが、少なくともそういう人たちと毎日接していることは非常に大きな経験ですね。インフォバーンはスキルやアプローチの違う人たちが一緒のチームで働くので、刺激も多いと思いますね。


ーーチームで働くインフォバーンの良さかもしれないですね。他にインフォバーンに入社して感じた「インフォバーンっぽさ」はありますか?


やっぱりカルチャーですかね。みなさんの趣味嗜好が多様で、情熱を持っている方が多い。そこはすごく感じます。


新卒で入社した人の中には、総合代理店にも受かってたけどインフォバーンに来ました、みたいな人もいたりします。普通は給与や会社の知名度などで選ぶと思うんですが、インフォバーンに来る人はそういったものを差し置いてでもインフォバーンに入りたいっていう人が多い印象で、志望動機の純度が高いと思います。


だからマウンティングとか派閥とかがあまりないですよね。社内というよりも、クライアントと常に向き合っているからかもしれませんが、会社の中でのチーム力や団結力が高い気がします。


ーーたしかにマウントがないのは特徴かもしれないですね。少し話は変わりますが、これまでずっと編集をやってこられた森川さんがインフォバーンのコンテンツ作りにおいて特長的だと思うところはありますか?


基本的なところで言うと、企画書や質問書の書き方がすごくしっかりしてますよね。僕の場合、それまでけっこう適当にやっていたのですが、インフォバーンの場合はクライアントワークがメインということもあり、先輩方が作ってくれたものを蓄積し、それを共有するシステムもあるので精度が高いと思います。


あとはタイムマネジメント。当たり前ではあるのですが、限られたミーティング時間の中で何を決めなくてはいけないかアジェンダを共有する意識が明確で、生産性が意識されていると思います。


自分が出版社にいた当時は、時代の影響もありますし、また、仕事と趣味が入り混じっているところもあって、長時間労働してカバーするのが当たり前でした。インフォバーンは時間を守るとか生産性を大事にするみたいな、ビジネス的ないいところがあると思います。


一方で、経営陣が全社会などで哲学やビジョンを語ってくれて、世界の最先端の情報をシェアしてくれるのもインフォバーンのいいところですよね。どのメディアにもまだ出てないようなことを常にインプットしてもらえるのはいい刺激になります。


バランスがすごくいいと思います。成長の機会が多く、健全なカルチャーが根付いていて、ビジョンを語るようなおもしろい人もいる、という。


ーー森川さんの話を聞いて「インフォバーンっていい会社だな」と今思っています(笑)。そんなインフォバーンですが、どんな人に来ていただけると活躍してもらえそうでしょうか?


そうですね。今BtoBの案件が増えてきてるし、世の中全体を見てもBtoBの領域が盛り上がってきていると感じているので、そういったビジネス領域に強い人にきてもらえると活躍していただけると思います。


あとは、インフォバーンのメンバーはそれぞれ趣味をもっていて、それをみんなでおもしろがるカルチャーがあります。なので「この日は趣味のために休みます」といって休みもとりやすい。そういう点で仕事だけでなく趣味にも全力投球したい人はハマると思います。そういう人にぜひ入社してもらって、新しい活力をもたらしてくれると嬉しいです。


ーー活力を持った方、お待ちしております! 森川さん、本日はありがとうございました!


ありがとうございました。楽しかったです!


▼その他、インフォバーンのコアな情報(!?)はポッドキャストにて配信中。

Spotifyで聴かれる方はこちら↓

https://open.spotify.com/show/4byKyc5aTp1VRyLAzRD37e?si=185ffdf52ef54fc2

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