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株式会社インフキュリオン 執行役員
Xard事業部長
吉中慎
神戸大学経済学部卒業後、ユーシーカードを経て2006年クレディセゾン入社。マイレージ・電子マネー・NFC・CSRなどの新規事業開発を担当。2011年、国内カード会社初の資金移動業登録を実現。大手小売、通信、航空事業者との提携ブランドプリペイド事業立ち上げなど、決済分野における実績多数。2019年9月よりインフキュリオンに参画。BaaS(Banking as a Service)プラットフォームの事業部長を経て、2022年1月より新規事業としてスタートしたXard事業を統括。
新規事業開発の経験を活かしながら新しいチャレンジができると直感
―インフキュリオンに参画するまでの経歴を教えてください。
大学卒業後は、ユーシーカードに入社しました。カードの加盟店への営業などを経て本社に異動し、広報などを担当した後、2003年から新規事業開発担当になりました。その後、ユーシーカードの会員事業がクレディセゾンと統合したことをきっかけにクレディセゾンに移り、そこでも新規事業開発を担当しました。ETCやマイレージ、電子マネーなど、Fintech領域の先駆けとなるような新サービスの立ち上げを行い、その後、ご縁があって2019年にインフキュリオンに参画しました。
―さまざまな選択肢があるなか、インフキュリオンを選んだ理由はなんだったんでしょうか?
私がクレディセゾンで新規事業開発を担当していた2010年に資金決済法という法律ができました。銀行以外でも資金移動業(送金業)ができるようになったので、会社に提案してクレディセゾンで資金移動業の資格を取りプリペイド事業を進めることにしました。その時に関わった提携先企業に、コンサルタントとして代表の丸山や来田がいたんです。
当時インフキュリオンは、まだコンサルティング事業と加盟店ソリューション事業がメインで、ちょうどこれからBaaSプラットフォーム事業を立ち上げようとしているタイミングでした。そんな時期に、新たなプラットフォームビジネスをやるから力を貸して欲しいと言われました。これまで自分がやってきた新規事業開発の経験が生かせると思ったし、BaaSの成長性やインフキュリオンの実績を考えれば「面白い仕事ができそう」だと直感して参画を決めました。
日本におけるBaaSの成長
―長くこの業界にいらっしゃる吉中さんから見て、BaaSの成長性についてはどのように感じていますか?
BaaS(※1)やEmbedded Finance(エンベデッドファイナンス)(※2)は、2020年代の大きなトレンドとなっている概念で、2021年3月に開催されたフィンテックの国際シンポジウム「FIN/SUM 2021」では、日銀の黒田総裁もBaaSやEmbedded Financeについて言及するなど、日本でも注目を集めています。
(※1)BaaS(Banking as a Service)
銀行が提供する各種サービスをAPIで各企業のアプリなどに連携し、アプリ上で銀行サービスを利用できるようにするもの
(参考図)
(※2)Embedded Finance
これまでは銀行が消費者に直接金融サービスを提供してきていた(直接金融)が、決済機能を個別に切り出して〇〇Payなどを事業会社のサービスに組み込む(Embedded Finance=組み込み型金融)動きが出てきた
(参考図)
私たちが2018年に自社サービスとしてBaaSプラットフォーム「Wallet Station(ウォレットステーション)」を始めて以来、ようやく日本でもこの領域が前進してきたという印象です。
これまで決済・金融機能の提供は個人向けサービスが中心で、国主導によるキャッシュレス推進施策や銀行API拡充などが進められています。内閣府や経済産業省などによる試算によると、民間最終消費支出は250兆円と言われており、そのなかにおけるキャッシュレス決済の割合だけでも87兆円規模と想定されています。
また、今後デジタル化が進むと考えられる領域としては、企業間決済市場もあります。現在、請求書や領収書等はほとんどが紙ベースですし、精算は銀行振込が大半です。しかし、今後施行される「電子帳簿保存法」によって、これまで紙で保存していた請求書や見積もりをデータ保存することが義務付けられることになりました。これによって納税用の書類を電子化する必要があり、あわせて企業間決済のデジタル化に取り組む動きが出てくると考えています。
さらに、給与の受け取りに関して、銀行振込のほか、すぐにスーパーやコンビニで使えるように電子マネーへのチャージ等の解禁が議論されているなど、利便性の高い選択肢が今後広がっていきます。
以上のように、今まさに市場や活用方法がどんどん広がっており、これらの新たな事業・サービスにおいて、決済・金融機能をエンベデッド、つまり組み込める我々のサービスへのニーズが高まりつつあることを感じています。
BaaSプラットフォームの提供で市場を牽引する一社として頭角を現す
―なるほど、そうしたなかでインフキュリオンはどのように独自の強みを発揮しているんでしょうか?
私たちは、まだBaaSという言葉自体が日本に馴染みがなかった時代から「Wallet Station」を開発、提供してきました。金融機関へのウォレットアプリ提供や、地域金融機関との提携による地域創生、小売・流通事業者向け決済機能提供などを行ってきています。また、2021年11月からは、給与前払サービスを提供しているきらぼしテックへの決済機能提供も開始しました。
この「Wallet Station」は、金融機関の勘定系システムとAPIで連携することにより、スマホアプリの認証やQRコード決済等の機能を提供できるサービスです。
柔軟性・拡張性が高いことが特徴で、認証・決済のみならず、ニーズに合わせ「ポイント」「クーポン」「融資」「後払い」「貯金」「送金」「サブスク」「加盟店支援」など、さまざまな機能を追加・提供していくことが可能です。これまでのシステムが、決済などの機能を単体で提供することが多かったことを考えると、これは大きな強みと言えます。
また、2021年より開始した「Xard(エクサード)」は、オープンAPIにより、VISAブランドのカード発行や取引をリアルタイムで管理できる次世代型のプラットフォームです。
2021年9月よりマネーフォワード様に導入いただいており、クラウド会計やクラウド経費を使っているユーザーが簡単に法人カードを申込・利用できるようになりました。
このように当社オリジナルの強みを活かして、顧客を拡大している最中です。
インフキュリオンのBizDevは、ソリューションそのものを提供する
―顧客のニーズが増えているなか、インフキュリオンとお客様をつなぐBizDevの役割を教えていただけますか?
BizDevは、金融機能を実装したいと考えるあらゆる企業様に対し、今までお話した「Wallet Station」や「Xard」など、当社が持つさまざまなサービスを導入していただくための営業活動をする部門です。ただし、何か特定のシステムやプロダクトを売って納品するという形の営業ではありません。当社のプラットフォームを使って、顧客の持つ課題の解決や要望の実現を手助けするのが仕事です。コンセプトの企画、提案からシステムの実現まで顧客の窓口となって一連の流れを最後まで担当します。
例えば、小売事業者様が「プリペイドカードを発行しているのだが、デジタル化しウォレットアプリにしたい」とのニーズをお持ちだったとします。こういった場合、「当社のBaaSプラットフォームを用いてプリペイドカードシステムとスマホアプリシステムを繋ぐことで企業様独自のウォレットアプリが実現できます」とご提案します。さらに、金融機関ともAPI接続すれば、ユーザーは自分の銀行口座からウォレットにチャージすることもできるようになります。
BaaSプラットフォームを使ってお客様が実現したいことを形にしていく仕事であり、「ソリューションそのものを提供している」とも言えると思います。
―お客様へのアプローチはどのように行っているのでしょうか?
現状は引き合いが多いです。時にはプロダクト部門や開発部門とも連携しながら、お客様の窓口としてソリューションの企画、システム構築支援を行います。
BizDevの中のアカウントマネジメントチームでは、案件の規模にもよりますが1人で年間3、4件を担当しています。金融、小売業界、地域創生など、ターゲットとするマーケットごとにチームを分けて営業活動をしています。
「新しいモノづくり」を楽しめる人には刺激的な仕事がたくさん
―ありがとうございます。最後にBizDevチームに興味のある求職者の方に向けてメッセージをお願いします。
インフキュリオンのBizDevチームに向いているのは、自社サービスとソリューションビジネスの両観点を持つ人だと思います。自社サービスをグロースさせながら、クライアントやマーケットのニーズに応える戦略を実現していきたいと考える方にぴったりです。もちろん、金融業界や決済の知識があれば役に立ちますが、必ずしもそうした専門知見はなくても大丈夫です。
社内でいろいろな勉強会もやっていますし、入社後に先輩や上司と一緒に働きながら知識やスキルを磨くことができると思います。
私たちの仕事は最新のマーケットで行う最先端の事業なので、先行事例がありません。その意味では、言われたことをやるよりも新しいモノづくりがしたいという方にとって良い環境だと思います。難しい分、刺激的な仕事です。事業の拡大とともに自らも成長したいという方のご応募をお待ちしています。