こんにちは、採用担当の藤本です。
インタビュー2回目は、技術開発部のトップ、森元さんの入社のきっかけから現在までの取り組み、さらには私生活まで幅広くお話をお伺いしてきました!
技術者としてのキャリア、Industry Alphaのエンジニアリングに興味がある方にとっては貴重な洞察が得られる内容となっています。
<プロフィール>
氏名:森元慎吾 / Shingo Morimoto
部署:技術開発部 技術責任者
学生時代は化学工学・プラント設計を学んだのち、大手製造業で設計業務に従事。
その後は自動車、自律運転ロボットの開発経験を経て、Industry Alphaへ参画。
自律移動システムの開発を専門にしながら、電気・メカの知見も有するフルスタックエンジニア
趣味はモータースポーツ
入社理由は、市場とともに伸びていけると感じたことと、これまで培った能力が発揮できる環境
Industry Alphaとの出会いや、入社のきっかけを教えてください
はい、普通に渡辺さんと個人的に知り合いまして…
当時のIndustry Alphaでは製品としてのAMR(※1)を作る力は弱くて、今後さらにAMRで市場を狙っていくにあたり、技術者がまだ足りない状態でした。
今後本腰を入れてAMRを作っていくという話をしていて、僕の方の仕事がひと段落して、ちょうどいい節目だったので、それでいっしょにやろうかなという感じです!
(※1) Autonomous Mobile Robotの略称で自律走行搬送ロボットを意味します。
入社の決めてはなんでしたか?
結構あるんですけど…(笑)
まあ、僕としては自分と周りを生活させられるならなんでもやるみたいなところはあって、
技術者をやっているのも、技術者にすごいこだわりがあるわけではなく、たまたまそれが得意だったからやっているに近しいところがあります。
でも、なんでもやるとは言っていますが、本当にそのままずっと自分が継続して能力が発揮できるか、というとこは働く上で重要かなと思ってます。特に興味がない分野ではそれが難しいと思うので、結局は興味があるというのは重要な要素かなと思います。
今まで自分がやってきたものとか、スキルとかを高く買ってくれて、それでいてその後、市場とともに自分が伸びていけるようなものがマッチしていたから、一緒にここでやるかなと思った感じですね!
そうだったんですね…!!
勝手な印象ですが、そもそも"ロボット"や"作ること"が好きというのが根幹にあるのかなと思っていました。ですので、仕事をしている理由がご家族ということに驚きました!
会社の規模では、大手からスタートアップにご転職されているのですが、ご家族を食べさせていくというところで不安はありませんでしたか?
その点はあまり気にならないですね、というか逆だと思っています。
自分の所属する大企業が、今後あと数十年間自分たちの生活を保証してくれるかというと、絶対ないと思ってて。
結局自分たちを生活させることができるのは自分の力しかないということを自覚しているので、スタートアップか大手かという枠組みにそんなにこだわりはないですね。
渡辺さんとは入社前からお知り合いとのことですが、森元さんからみた渡辺さんはどういう印象ですか
経営者って、割と僕は才能だと思っていて。
経営者っていくら理論立ててやろうが、頭がよかろうが、結構どうにもならないものがCEOにはあると思っているので。渡辺さんはその才能があって、僕にはその才能がないと自覚したうえで技術力なら何とかなるので上手いこと役割分担できたらなと思っています。
製品作りのプロとして注力した文化の共有
技術サイドとしてこれまで牽引されてきたと思うのですが、入社されてから一番注力したことはなんですか?
製品としてのAMRを作るというところもあるんですけど、
当初いたメンバーは製品作りのノウハウを持っていたわけではないのでそこに通ずる文化の共有ですかね。工業製品は、アカデミックのような製品と市場でノートラブルで何万人にも使ってもらえるっていうのって、結構差があります。
いくら最先端の製品と言っても製造業として、品質ってものとかを意識しなきゃいけないというのがやっぱりあると思うので、「品質を意識することはなぜ大事なのか」「どういうふうに担保できるのか」というのを文化として知ってもらいたくて、その活動は結構初めの方やっていたつもりですね。
具体的にどのようにされていたのですか?
例えば、いろいろな品質管理手法や開発プロセスの規格みたいなものを社内に取り入れていったりしました。
普通の会社がどうしているのか、こういう業界ではこういうふうにやっているっていうのを伝えれば、みんな自分で見て調べて勉強してくれるので、初めの取っ掛かりだけを自分が作っていく感じでした。
その中で大変だったことはありますか?
そうですね。やっぱり、自律移動ロボットってまだその品質って概念があんまりなくて…
自動車とかだと結構ガチガチですし、そこの文化のようなものが結構ちがうんですよね。
開発スピードとかも全然ちがいますし。
自律移動ロボットの分野の主導はまだアカデミックな分野が多くて、とりあえず目の前のものが高度に動けばいいみたいなところもあります。
自動車の方は品質をいかに作り込んでいくかで、その二つを両立するのが一番難しくて…
それぞれの分野のエンジニア同士は相性がよくないこともありますしね。
安全とか量産品質っていうのを取り入れて、高度な技術と両方ともうまいこと両立していくのが多分とても難しい…今も難しいと思っている感じですね。
森元さんは両方ご経験があるということですか?
はい、そこがちょっと珍しいかなと思っています。
全然分野の違う一般工業製品、自動車、ロボットという経歴があります。
初めは安全性が要求されるような一般公共製品と工場というドメイン(※2)でやっていて、次に自動車やって、最後自律用ロボットっていうパスがあるんで、全部やってきたという…
それぞれの分野で経験のある人間ってあまりいないんで、希少性はあるかと思ってます。
(※2)領域、分野
先ほど、それぞれの分野ではエンジニアのタイプが違うとお伺いしました。
それは向き不向きなのかと思っていたのですが、森元さんの場合は両方ご経験されている。向き不向きではないということですか?
向き不向きはあると思います。
僕も車載開発が自分に向いているとは思っていないです。
でもできたのはなぜですか?
向いていないと思っているけど、その方向性も自分が作る製品に責任を持つという面では重要だと自覚しているからですね。
苦手なことでも本気出したらやれるっていうのは結構大事だと思っている感じですね!
Industry Alphaで活躍するエンジニア像
どんな人がIndustry Alphaのエンジニアに向いていると思いますか?
何か一つ負けないっていうものはあるのはあるけど、ただ、自分のスペシャリストの分野じゃないにしても全部やろうという気がないとやっぱり難しいかなって思っていて。
エンジニアとしてやっていく覚悟を持って、自分の領域を本能的に広げることをせずに自分の仕事はこれだからって区切っちゃうと厳しいかなと…
技術職というのは専門職で、自分の得意分野を極めていくイメージが合ったんですが、Industry Alphaではまた少し違うところが必要になってくるんですね
「専門性がある人」の反対は、「広く浅く」みたいなものと思われがちですが、そうじゃなくて「専門は誰にも負けないし、そのうえで全部わかる」みたいなところを目指さないといけないので、そこは特殊かなと思います。実際にIndustry Alphaで働いているエンジニアは例えうちが潰れても、どこでも重宝されると思います。
「どこでもやっていける」についてもう少し詳しくお伺いしてもよろしいですか?
まず前提として、アカデミックに高度な技術を実現することと、製品として品質を積み上げていくのは全然違う分野だとした上で、この両方の経験があること。
この二つができるエンジニアは価値が高いと思っています。
特に「そういうのがある」と知っているだけの方と実務経験がある方はやはり大きな違いはあります。
アカデミックなことも抵抗がないし製品として品質を上げていく活動にも抵抗がなく、
分野を問わず手を出せる人が現代においては技術者として重宝される人かなと思います。
そのためには、今できなくても、やっていこうとする気持ちがあるというのが大事かなと思ってます。
技術開発って結局、初めてのことをどれだけの正確さと速度で身につけていけるかというのが結構重要だと思っているので。
自分の観測できる限りで優秀な人は「何でもできて失敗をしない」というように外から見えていても実際には「すごい速度でトライ・失敗・学習を繰り返していて結果的にそう見える」人が大半なので、新しいことに挑戦するのと失敗することを怖がらないのがいいと思います。
どこでも働けるような人があえてIndustry Alphaを選んでいるのはなぜでしょうか
今私たちが取り組んでいる工場・倉庫の自動化という分野は産業の根本だと思うんですよね。
将来の日本の製造業にとってとてもコアの部分だし、日本という国にとって製造業は非常に重要産業だと思っています。
そして、ここを海外勢に取られて日本の企業がこの部分を作れないというのは、海外勢に日本の産業のコアをいつでも潰せるように握られているのと等しく、自分たちの次の世代に厳しい将来が待っているのがわかっています。
技術的にはトップレベルに難度が高いし、戦わなければならない企業も世界の先端企業が相手になってくるため、技術者として求められるレベルも世界レベルになります。
なので、日本では希少性のあるどこでもやっていける人がIndustry Alphaに集まってくるのは自然なことだと思っています。
入社する時にはそこまでの力はなくても大丈夫なのでしょうか
なくてもいいと思っています。
結局重要なのはエンジニアとして世界と戦う覚悟だと思うので、それがあれば自然と力はついていくと思います。
世界レベルが求められる技術開発部の次なるフェーズ
今の技術開発部や会社の課題で感じているところはありますか?
まず会社の技術として他社とソフトウェア方面で差分をつけたいと思っていて、自分が本来もっとソフトウェアの方に力を発揮していきたいんですが、ちょっとマネジメントの方で結構パワーを使っちゃっていて、調整していかないとと思っています。
メカと電気方面ももちろん重要で、その2つの方面は既に優秀で、メインでやっていっていただける方々がいるので、その人たちを助けてくれる方も必要ですね。
なるほど…
すみません、ソフトウェアの差分を持っていこうというところをもう少し詳しく教えていただけますか?
差分っていうのが、AMRや他の製品を、他社と比較して分析するんですけど、競合よりも何が有利になれるかっていうのを考えたら、ソフトウェアが一番差が出やすいと思っています。
というのは、メカや電気をしっかり開発するのは工業製品という市場からしたら当たり前のことなのでそれはもちろん実施するとして、そのしっかりとしたハードウェアがあって、ソフトウェアでどれだけ高度なことができるかというのが差分になりやすいところだと思っています。
ハードウェアという土台があってこそのソフトウェアということなんですね!
優秀なメンバーも揃ってきて、ハードウェアという基礎が固まってきた今、今後の課題はソフトウェアの方を自分がもっと牽引していくことだと思っています。
総合格闘技としてのロボット開発
素朴な質問なんですけど、ソフトウェアとメカを両方できるっていうのは勝手にすごいことなのかなって思っていたんですが、実際どうなのでしょうか。
僕ももともとソフトウェアじゃないんですよ。
30を過ぎてからソフトウェアになっているので、電気やメカもちょっとわかります。
電気もメカもけっこうわかるんだけど、やっぱり本物のスペシャリストに比べると負けるっていうのは自覚しているんで、基本的には口を出すだけで任せています。いなきゃやるんですけど(笑)
なるべく電気やメカはやらないほうが最適ではあるよねっていうのはみんなの共通認識かなと思っています。
「いなきゃ、やる」ですね。
以前slack上の会話でも、新しい課題が発生した際に、「自分が勉強するのと、人を採用するの、どちらが早いかな」という発言が印象的でした。
課題解決する時に、まずは自分が勉強するという意識があるのは昔からですか?
昔からそうなのもありますし、
それにロボットが自分に合っていたというのもありますね。
ロボットって結構前から言っている通り、ソフトウェアの部門でも、他の部門でも、総合格闘技みたいなものだと思っているので、なんでもできないといけない。
ソフトウェアの中でも組み込みとかウェブ系とか自律移動とか色々な分野があるんですけど、「全部できないといけない」と思っているので。
ウェブアプリケーションITエンジニアみたいに、webの世界だけで生きていけるものではないし、実体がなければいけないので。
先週も普通に僕が電動ノコギリ持って加工やっていたりして(笑)
そういうのもできなきゃいけないっていう思いですね。
特にIndustry AlphaはAMRという総合格闘技で戦っています。
AMRが会社のメインである限りはこの技術開発部のトップというのは全部できなくてはいけないという意識でやっています。
今は「全員が役割をもっていて、全員がそれぞれでやらないとまわらない」という意識
森元さんがチームをまとめる時に意識していることなどあれば教えてください
えーっとですねえ…
まずは役割をもってほしいと思っています。
役割があるっていうのは、「自分がいなくても別に会社はまわる」とかじゃないと思っていて…
今は「全員が役割をもっていて、全員がそれぞれでやらないとまわらないんだ」と思っていて。
その意識をそれぞれもってほしいですし、全然自分の専門じゃなくても、他のメンバーが大変そうであれば、なんとか自分にできることはないのかなって思考してくれるメンバーばっかりなので。
自分の役割をもったうえで他の人も助けるっていう意識はもってほしいなと思っています。
私生活についてもお伺いしたいです。趣味などあれば教えていただけますか?
ずっとモータースポーツやっていて、バイクとかもやってたんですけど、それですね。
今は見る専門になってますけど。
学生時代は陸上やってたんですけど、走るのはもともと好きじゃないんで笑
陸上は短距離ですか?
中距離ですね!1500とかなんで。
一番きついですよね、中距離は(笑)
きつかったですねー(笑)
今の状況と若干似てるところもあって、
一番きついんですけど、明らかにそれが自分に才能があって、それしか勝てなかったからやっていたみたいなところはありますね。
お仕事以外の森元さんのお話も聞けてとても新鮮でした。
本日はお忙しい中、インタビューにご協力いただきありがとうございました!
<インタビューを終えて>
技術者ではない私にもわかるように丁寧に教えてくださり、とても勉強になりました。
AMRの世界で戦っていくには、アカデミックな知識と量産品質の実現、両方の専門性が必要だということ。
また、高いスキルを持つことに加えて、自分の得意分野を超えて新たな分野にも挑戦し、それを自分のスキルにしていくという前向きなマインドが必要ということ。
このような技術力と挑戦心を兼ね備えたエンジニアが集うIndustry Alphaで働くことは、エンジニアとしてのキャリアを真剣に考えている人にとって、非常に価値のある経験になるだろうと思います。
森元さんの言葉を通じて、当社が目指す技術開発の方向性や、我々が求める人材像をより具体的に感じ取っていただければ幸いです。
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