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組織拡大の宿命「チームの成長痛」を乗り越えられるか。「新生root」の本音合宿in熱海

元号もrootも、新しく

2019年も折返し地点となった5月の最終日。新しい元号がスタートし、世の中に新しい空気が流れ始めたような気がします。

rootでは毎年半期ごとに気持ちを心機一転切り替えるため、メンバー、パートナー全員参加の全体合宿を行っています。合宿は大きく二部構成に分かれており、前半は半期の活動の振り返りワークショップを行い、後半は都内を離れて宴を楽しみました。

ずばり、2019年のroot上期振り返り合宿のテーマは「チームを再結成する」。

わたしたちrootにも、この春、3人の新しい仲間が増えました。

人が増えることで組織としてできることが多くなる一方、経験値や性格の違う新メンバーをきちんとチームに迎え入れるため、今までのルールを見直す必要がでてきました。

次の半年に向けてより良いチームであるため、rootと共にクライアントの事業成長に貢献してくれているパートナー、インターン生含め、メンバー大集結での合宿がスタートします。

会場に到着

合宿前半戦、向かったのは原宿で一際目を引くビル”The Iceberg”。イケイケな建物の1階から7階をワークスペースとして持つ「WeWork Iceberg」が今回の会場です。実はrootも、今年の4月1日より神保町のWeWorkをサテライトオフィスとして利用しています。

ツッコミ満載、写真で振り返るrootの7年間

10時になり、合宿のメインであるワークショップが始まります。ワークショップは午前と午後で分けて行われました。午前のワークショップのテーマは、「rootの未来予想図をえがく」。

今年で創業7年目を迎えるroot。今までどんな苦労を乗り越えてきたのか、掘り出された22枚の写真と共に振り返りスタート!

若かりし頃の代表や昔のオフィス、創業メンバーの写真、初の主催イベントの写真など、rootの黎明期が感じられる写真がずらりと並びます。終始メンバーからのツッコミを受けながら、楽しそうに当時の思い出を振り返る代表の姿が印象的でした。

いま、rootが乗り越えるべき「成長痛」

創業期を振り返ったあと、代表よりKPTフレームを使った2019年上期の振り返りが行われました。「関わったプロジェクト、クライアント」「rootで働く人たち」「働く環境」「マインドセット」の4軸それぞれに対しての良かった点・改善すべき点が共有されました。

新メンバーの加入やサテライトオフィスの導入によって、働く環境が大きく変化した今年の上期。変化が大きかった分、改善すべき点も多く挙がりました。

組織を拡大させるためには、既存の仕組みでは限界があります。rootが次のステージに進むためには、rootに共感し、一緒に働いてくれる仲間を増やすことと、メンバー同士の安定的なコミュニケーションを促す仕組みの両方が必要です。

上期の振り返りがおわり、最後に代表が描くrootの未来像と中長期戦略の発表です。

「rootが業界内でとるべきポジションとは?」「rootが実践するデザインの守備範囲は?」など経営者ならではの問いや観点は、わたしたちが日々デザインに励む意義を問い直す貴重なヒントとなりました。

さらには、今まで明言されていなかったミッション・バリューも改めて発表されました。こうしてチームが向かうべき方向を言語化することは、rootを束ねる横串となるはずです。

メンバーの本音をマッピング

代表からのお話は一旦ここまで。残りの時間は、メンバー全員でここ半年を振り返るワークをしていきます。

振り返りの軸は、先ほどの「関わったプロジェクト、クライアント」「rootで働く人たち」「働く環境」「マインドセット」の4つ。まずは、各軸に対して普段言いたいけど言っていなかったことや、rootに抱いている期待や不安など、ポストイットに意見を書き出してもらいます。

意見の発散が終わったら、似た要素をもつもの同士グループに分けます。最後に気になるトピックにつてディスカッションをし、今のrootの状態を全員で整理していきました。

それぞれの軸でどんな意見が出たのか、一つずつ見ていきましょう。

「関わったプロジェクト、クライアント」の軸では、「クライアントが本音を話してくれて嬉しかった」というポジティブな声から、「クライアントの考えが見えづらいとき、どうすればいいのか」「案件を進める上で、クライアントの事情をどこまで把握するべきなのか」などクライアントワークに対する問題意識まで、さまざまな意見が出ました。

「rootで働く人たち」の軸では、メンバー間における仕事のスタイルの違いが目立ちました。rootでは基本的に、クライアントから受けた案件ごとに少数のチームを組み、プロジェクト単位で仕事をしています。しかし、働き方はメンバーの中には作業は一人でしたい派と、誰かと話せる環境でしたい派で、正反対に別れました。「人がいるとおしゃべりしちゃう」や「わからないことは対面で即解消したい」など、それぞれの理由を出し合いながら、本音をぶつけあいました。

「働く環境」の軸では、2019年4月から入居しているコワーキングスペースに対する評価がメインのトピックとなりました。「スペースが広く自由に使える」や「他の企業がいると刺激になる」、「雑務が完全にアウトソーシングされる」など肯定的な評価が集まりました。その反面、フロアが別々に分かれることでコミュニケーションが減ってしまったという声も。コワーキングのメリット・デメリットが認識できたワークショップとなりました。

時間が足りず、最後の1軸を残して振り返りワークはここで終了。
大量のポストイットは、後日集約し、下期の目標と共に共有される予定です。

知らない間にできていた距離

昼食を済ませ、午後のワークがはじまります。
後半のテーマは「互いが気持ちよく働けるための相互理解」です。

このテーマを合宿に持ち込んだ背景には、「メンバー間でコミュニケーション量のバラツキがうまれ、知らないうちに壁が生まれていたこと」があります。

原因は2つありました。1つは、rootのワークスタイル上、同じ案件にアサインされたメンバー同士でないと会話が生まれにくかったこと。

もう1つは、働く拠点を一時的にWeWorkに移したことによる物理的距離が発生したこと。WeWorkではカウンタースペースや定期的に開催されるイベントのおかげで、会話するきっかけは増えたものの、会議時間以外は黙々と一人で仕事を進めることが好きなメンバーも。そのため、人によってメンバー間のコミュニケーション量に差が生まれてしまっていました。

キーワードは「心理的安全性」

そんな社内の状況を変えようと、企画されたのがこのワークショップ。設計の際に参考にしたのが、Googleのリサーチチームが導き出したチームの生産性を生み出す因子に関する研究です。(re:Work 「効果的なチームとは何か」を知る)

このリサーチによると、チームの生産性にもっとも影響するのは「心理的安全性」です。心理的安全性とは、「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と信じられる環境や雰囲気のこと。

(参考:Google re:Work 『効果的なチームに固有の力学を突き止める

後半のテーマである「互いが気持ちよく働けるための相互理解」では、上図の第一段階にある「心理的安全性を高める」をクリアすることをゴールにおきました。具体的な進め方としては「働く上でストレスになる要因を知り、互いに気持ちのいいコミュニケーション方法を習得する」に決まりました。

ストレスとは、「自分が働く上で大切にしている価値観」が相手と噛み合わなかったときに陥る状態です。つまり、ストレスの原因を他者と共有することは、「自分がイキイキと働くために必要不可欠なもの」を共有すること、と言い換えることができます。

働いていれば、だれでも無意識のうちに相手にちょっとしたストレスを与えてしまうことは起こり得ます。だからこそ、仕事の進め方の好み(逆に言えばされると嫌なこと)を示し合う時間をとることは、どんなチームにとっても必要なステップといえます。

このワークショップでは、ストレスを感じることや働く上で大切にしているものを深ぼっていくことで、メンバー人ひとりに合った接し方について全員で考えました。

今回の性格分析を行う上で、株式会社ヒューマンロジック研究所が導いた「FFS理論」という人のストレスや性格を測るためのツールを参考にしています。(参照:株式会社ヒューマンロジック研究所『FFS理論について』)

FFS理論では、人の性格は5つのタイプに分けられるとし、それぞれのタイプがストレスを感じる原因と、ストレスを感じたときにとる言動を体系的に説明しています。人の性格はどれか一つのタイプだけで構成されているわけではなく、複数のタイプが混在して成り立っています。

このあとのワークショップではこの理論に従い、各メンバーが5つのタイプの内、どのタイプを持っているか、その中で強く表出しているものはどれかを優先順位付けしていくことで、相互理解を促していきました。

アンケートで明らかになる「もうひとりの自分」

まず参加者を3チームに分け、ワークショップ開催の背景を共有します。
当日を迎える前に、参加者には事前に2つのアンケートに答えてもらっていました。

Aのアンケートは「自分が思う自分の特性」について。
具体的には、

  • ポジティブな状態の自分について
  • ネガティブな状態の自分について
  • ストレスのきっかけについて

の3つの質問に選択式で回答してもらいました。

対して、Bのアンケートでは「他人から見たその人の特性」について答えてもらいました。
これにより、自分が主張する自分と、他人から見えている自分のズレを知ることができます。

チームごとにアンケートの結果を照らし合わせながら、一人ひとりの強み弱みや仕事を進める上で大事な要素、ストレスに感じることを言語化していきます。自分の回答と他人の回答が一致しているメンバーもいれば、全く違うメンバーもいたりと、この合宿中で最も盛り上がったワークとなりました。

即興芝居でコミュニケーションの練習

メンバーの理解が深まったところで、実際に「気持ちの良いコミュニケーションを習得する」ための練習を行います。

まずは、先程のワークの結果からメンバーをFFS理論が示す5つのタイプに分けます。

各タイプごとに、どのようなコミュニケーションをとるべきだったのか、バッドケースが書かれた資料を参考にしつつ、各チームに会話例を考えてもらいます。会話例だけでなく、なぜそのコミュニケーションが適切だと考えたのか、会話のポイントについても言語化してもらいました。

各チーム回答がでたら、次は考えたコミュニケーションをデモンストレーションする時間です。
登場人物になりきって、即興芝居をしてもらいます。

実践を通じて、過去の自分の言動に思い当たる節を感じたメンバーもいたようです。
「こういう風に仕事ができたらな」と心のどこかで思っていたことを、普段近くで接している存在であるメンバーに示し会える機会をつくることができたのは、非常に意味のあることだったと感じます。

半日を通して行われた上期振り返りワークショップも、これにて終了となります。
次は熱海に移動して、お酒や料理を楽しみつつ、仕事以外のメンバーの一面を解き明かしていきます!

熱海に到着

渋谷駅からグリーン車に乗り込み、熱海に向かいます。息が上がる急勾配の坂道を登り、薄暗いトンネルをくぐり、宿泊先に到着です。

予算のぎりぎりまで攻めて、半露天風呂、シミュレーションゴルフ、大きなダイニングキッチンのついた豪華な宿に泊まりました! 宿は小高い丘の上にあり、人気のない静かな場所でありながら、下に広がる景色も楽しめたりととっても良いロケーションでした。

気づけば外が暗くなってしまい、急いで買い出しに向かいます。元コックの代表が主導となって、献立はパエリア、アクアパッツァ、餃子、春巻きなどなど料理に慣れているメンバーの得意料理に決定しました。前回の合宿では、バーベキューをしたのですが調子にのって肉を買いすぎてしまったため、今回は慎重に食材を選別していきます。

お酒は、地ビールやレモンハイの他に、山梨県産のにごり白ワインと冷酒を購入。rootにはお酒が好きなメンバーが多いので、多めに調達して宿へ戻ります。

宴の始まり

再びメンバーが合流したところで、乾杯して宴をはじめます!乾杯酒にはスーパーで調達した地ビール「熱海ビール」をいただきました。

料理ができるメンバーを中心に全員で役割を分担しつつ、料理をすすめていきます。
キッチンが広く、大人数で囲める形だったため、自然とキッチンの周りで談笑したりお手伝いするメンバーたち。

永遠に料理しつづける代表と、続々と運ばれる料理をただ食べるメンバーの構図ができあがりました。

普段プロジェクトベースで動くことが多いrootメンバーにとって、メンバーみんなで同じ作業をすることが新鮮に感じられた時間となったのではないでしょうか。

仕事仲間を超えた対話

料理も一段落したところで、最後のコンテンツがはじまります。さきほどのワークショップ(後編)では、仕事の場面での相互理解をテーマにワークをしましたが、この宴では、仕事を抜きにしたメンバーのプライベートな一面を知るためのコンテンツを用意しました!

このために熱海まではるばるやってきてくれた旭くん(約1年前までrootで働いていた)がこのコンテンツのMCを務めてくれます。

トピックは「あなたが好きでやまないもの」。
普段のメンバーが、仕事以外で愛を注いでいるものについて、話を深めていきます。

UIデザイナーの手塚さんは、最近よく聞いているという「今夜はええやん - 吉本坂」のミュージックビデオを紹介。いつもテキパキ仕事をこなしている彼女とはまた違う、ユーモアな一面が垣間見れました。

今年中途で入社したUXデザイナーの岸さんは「白日 - King Gnu」を紹介。Youtubeの自動再生で偶然流れたこの曲に、なんてセンスのいい曲なんだと心を鷲掴みにされたそうです。テレビの大画面で彼らのMVが流れると、反応するメンバーがちらほら。お互いの共通点がみつかって、「実はこういうの好きなんです!」など、各々集まって盛り上がったようです。

料理もお酒もだんだんと尽き、熱海も夜を迎えます。寝室に向かうメンバー、キッチンでつまみ食いしながら語り合うメンバー、ゴルフで遊ぶメンバーなどそれぞれ自由に夜を過ごしました。

豪華絢爛!牛タンサンドイッチで朝ごはん

楽しかった宴も終了し、徐々に寝静まる熱海。
力尽き果てソファで寝静まるメンバーや、美しすぎる寝相で眠るメンバーの姿を写真に収めつつ、朝ごはんの準備をはじめます。

昨晩使わなかった牛タンといわしをメインに、特製サンドウィッチといわしのつみれ汁、パエリア(第二弾)をふるまいました!
朝食べるには、若干エネルギッシュな料理でしたが、すべて美味しく頂き、宿を後にします。

せっかくの熱海なので、全員で海に訪れました。
代表の家族も熱海に集合していたようで、面識のあるメンバーは成長した代表の愛息子と再会してテンションMAX。海を散策したあとは、自由解散しメンバー各々熱海を満喫しました。

まとめ

今回の合宿の目的はメンバー同士の相互理解を深めること。

中長期的なプロジェクトレビューや相互理解のワークショップをはじめ、好きなものをシェアしたり、一緒に夕食を作ったりと、仕事とプライベート両面での相互理解が無事深まったように思います。

今まで知らなかったメンバーの側面に気づけたおかげで、合宿後は話すきっかけも増え、ランチや飲みにも以前より気軽に誘えるようになり、仕事場の空気が良い意味で少しゆるくなりました。そしてその実感は、データでも証明されています。

普段rootが社内コミュニケーションで利用しているslackのアナリティクスによれば、合宿後の5月末から6月の現時点にかけて、やり取りされたメッセージ数が過去最大に伸びています。(グラフの後半)これは、合宿を通じてrootの心理的安全性が高まったことを示すデータとも言えます。

この1泊2日の熱海合宿で、rootはここ数ヶ月感じていた組織拡大に付随する「成長痛」を乗り越える兆しを掴むことができました。

組織拡大にゴールはありません。今後組織のフェーズが変わるごとに、様々な「成長痛」に直面することでしょう。

コミュニケーション一つ取っても、メンバー間だけでなく、パートナーやクライアントとの関係性をどう築いていくか、最適解を考え続けなければなりません。

この合宿は、rootが関わりを持つすべての人との相互理解を育み、組織を成長させる長い道のりの記念すべき第一歩です。

未来に向けて、rootはこれからも前進しつづけていきます。

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