「現場での一歩ひと声が支援につながる」──広報とファンドレイジングを担う仕事
今回は、広報とファンドレイジングという2つのミッションを同時に担当する社員に、日々の活動の工夫や現場で感じるやりがいについてお話を伺いました。
私たちの団体のホームページにもある通り、ミッションは大きく2つ。ひとつは、難民問題を多くの方に知ってもらうためのコミュニケーション活動、もうひとつは、継続的に寄付をいただくためのファンドレイジング活動です。
そこで、普段の具体的な活動内容や、どのように工夫して声をかけているのか、現場でのリアルな手応えについて詳しく聞いてみました。
普段、駅前や商業施設などで寄付の声かけをされる際には、どのようなことを意識されていますか?
まず場所の選定や実施期間は、事前に施設側やリーダー陣と打ち合わせをして決めます。その上で声かけ自体は、通行される方に届くようそれぞれが工夫できる部分です。例えば、挨拶の仕方や身振り手振り、声のトーンなどで気づいてもらえるかを意識したり、短い時間でも関心を持ってもらえるように話す順番や表現を調整したりしています。
また、相手の年齢に応じて話す内容や伝え方も変えます。子ども連れの方や主婦の方、年配の方など、それぞれに響きやすいポイントがあります。最初は難しく感じますが、経験を積むことで自然と工夫できるようになり、それがこの仕事の面白さでもあります。
特に年配の女性には足を止めてもらいやすく、寄付につながることも多かったですが、年上の男性や若い世代の方には、同じ方法ではなかなか反応してもらえません。だからこそ、相手に合わせて伝え方を変えることが重要ですし、それがやりがいにもつながっています。
普段の寄付の呼びかけの中で、ニュースや社会的な関心を意識することはありますか?
例えばウクライナの紛争が報道で大きく取り上げられていた時期は、そのニュースを見て心を動かされた方も多くいました。そうした話題をきっかけにお話しすると、より深く共感してもらえることがあります。報道が大きくなると、それに比例して寄付も集まりやすくなるんです。ただ、それだけが全てではありません。
私たちが支援している方たちの中には、ミャンマーのロヒンギャ民族の方々のように、今では忘れられてしまっている地域もありますし、スーダンの紛争地域のようにまだ支援が必要な場所もあります。
そういった場合は、知識や関心がある方に向けて、しっかり状況を伝えることが大切です。『この問題は今も支援が必要なんだ』と感じてもらえることで、より深い共感が生まれ、寄付につながる可能性が高くなるんです。ニュースで目立っている話題と、支援が必要な現状とのバランスを考えながら話すことが、私たちの仕事の大きなポイントですね。
寄付の呼びかけを行う際、ブースの見せ方やツールなどで工夫されることはありますか?
ブース自体の形や装飾はどの現場でもほとんど同じです。特別に派手なものを用意したり、写真を変えたりすることはあまりありません。ですので、ブースの外見よりも、そこで何を伝えるか、どう話すかがファンドレイザーの腕の見せどころになります。
重要なのは、実際に声をかけてみて、その方がどのくらい関心を持っているか、どんな話題に共感してくれるかを見極めることです。立ち止まった方の様子を見ながら、『この方にはこういう話をした方が伝わるかな』と都度判断して話す内容を変えていきます。例えば、年齢や関心の度合い、現場の状況に応じて、話す内容や伝え方を柔軟に工夫することもあります。
日本ではまだチャリティ文化があまり根付いていない印象がありますが、その中で広報や寄付呼びかけの活動で意識されていることはありますか?
日本のチャリティ文化は、ヨーロッパやアメリカと比べるとまだまだ少ないと思います。でも、この仕事を続けられているのは、必ず寄付してくださる方がいるからなんです。
もちろん、一日活動して誰にもつながらない日もあります。でも、全国に5つの拠点があり、北海道、関東、関西、名古屋、中部、九州で毎日活動しています。その中で、一日も全ての現場でご支援がないということはありません。常にどこかで、必ず共感してくださる方、支援に参加してくださる方がいらっしゃるんです。
ですので、活動の中で工夫しているのは、どうしたらその方々に出会えるか、どう話したら共感してもらえるかという点です。例えば、声のかけ方や話す順序、伝える内容の選び方など、現場ごとに微調整しています。こうした細かい工夫の積み重ねが、寄付につながる大きなポイントになっています。伝え方や対応次第で共感や寄付につながるかどうかが変わるので、その点がこの仕事の面白いところですね。
広報活動の中で、どのような工夫をされていますか?
私たちは国連ブルーのユニフォームを着て活動していますが、日本では圧倒的に『ユニセフさんですか?』と聞かれることが多いんです。戦後の歴史的背景もあるかもしれませんが、一般の方にとっては、どうしてもユニセフが支援団体の代表というイメージになっているんですね。
そのため、まずは『私たちはUNHCRで、難民を支援している国連の機関です。』ということから説明を始めます。ブースに立ち止まってくださる方は、すでに社会課題や寄付に関心のある方が多いです。そこからさらに、この団体が信頼できるか、どんな支援を行っているのかをわかりやすく伝えることが大事です。
逆に、難民問題に強く関心を持っている方は、すでに能動的に寄付を行っていることが多いです。ですので、私たちの広報活動では、まだ支援に踏み出せていない方に対して、情報を正確に、そして安心して理解してもらえるように工夫することがポイントですね。
では、入社してすぐの研修について教えてください。
入職してからまず最初に、2日間の座学トレーニングが用意されています。これは単に事務的な手続きだけでなく、この活動でどのようにお話を進めるか、相手にどんな資料を見せるのかといった具体的な内容までしっかり学べます。ピッチ用の資料も用意されていて、『こういう場面ではこう使えますよ』と丁寧に教えてもらえるので、未経験の方でも安心して取り組めます。
その後は実際に現場に出て活動を始めます。最初の1ヶ月間は、チームのリーダーが一緒についてくれるので、常にフォローしてもらえる体制が整っています。だいたい2ヶ月目くらいからは、ある程度自分で考えて動けるようになります。最初は丁寧なサポートがありますが、徐々に自立して活動できるようになるイメージです。
エリアごとにしっかりサポート体制があるので、新入社員でも安心して業務に取り組めます。
社内の雰囲気や同僚についてはいかがですか?
一般企業から転職してきた方がよく『皆さんとても優しいです!』と言ってくださいます。POという性質もあるのかもしれませんが、ここで働く方は誰かを支援したいという気持ちが強く、その思いが仲間同士のサポートにもつながっています。そういった文化は、この職場の大きな特徴だと思います。
この仕事をする上で、どんな方が向いていると思いますか?
まず、この仕事は一日中立ちながら声をかけることも多いので、体力のある方が向いていると思います。それと、最初のうちは声をかけてもすぐに結果に結びつかないこともありますが、前向きに考えられる方は、自然と取り組みやすいです。
さらに大事なのは、相手に興味を持てる方です。目の前の方がどう感じているか、どういう思いでここに来ているのかを知ろうとする気持ちがあると、自然に言葉や声かけの工夫も生まれます。そういった方は、自分から改善点や新しいアイデアを考えたり、柔軟に対応したりできる印象です。
最後に、この仕事の魅力やりがいについて教えてください。
やっぱり一番は、自分の努力が目に見える形で成果として返ってくるところですね。声をかけ、会話をして、寄付という形でつながった瞬間は、自分の行動が誰かの支援につながったんだと実感できて、とてもやりがいを感じます。
それに、仲間の存在も大きいです。本当に良いメンバーが多くて、現場でもお互い励まし合ったり、切磋琢磨しながら前向きに活動できる環境なんです。
この仕事は、ただ支援を呼びかけるだけではなくて、社会に出て“寄付というアクションを生み出す”仕事だと思っています。だからこそ、自分から動くことが好きな方、好奇心旺盛で、誰かのために行動したいという気持ちを持っている方には、きっとすごく楽しい職場になると思います。
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