2024年末、紛争や迫害によって移動を強いられた人は1億2320万人に達しました。前年より約700万人増加しており、67人に1人が避難を強いられていることになります。2025年4月現在は1億2210万人とわずかに減少していますが、依然多くの人々が避難を強いられています。この驚異的な数は、スーダンでの武力闘争、ウクライナでの戦争の長期化、コンゴ民主共和国、ミャンマー、ベネズエラといった国々での危機、さらに政権移管後も続くシリアでの情勢不安等によるものです。* Global Trends Report 2024より
世界では今、紛争や迫害だけでなく、気候変動による干ばつや豪雨、自然災害、さらには食料難といったさまざまな人道危機によって、多くの人々が故郷を追われています。こうした状況の中で、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、世界各地で人々の命と暮らしを守る活動を続けています。
しかし、支援に必要な資金がまだまだ足りていません。「支援が必要とされる今だからこそ、私たちにできることがある」――私たちはコミュニケーション活動とファンドレイジング活動に取り組んでいます。
この想いに共感し、共に歩んでくださる方を私たちは探しています。人道支援の現場を支える仕事に関心のある方、ぜひ一度お話ししませんか?
難民とは?国内避難民とは?
紛争や迫害、人道危機により故郷を追われた人々
* UNHCR Global Trends Report 2024より
約4270万人の難民
「難民(Refugees)」とは?
紛争に巻き込まれたり、宗教や人種、政治的意見といったさまざまな理由で迫害を受けるなど、生命の安全を脅かされ、国境を越えて他国に逃れなければならなかった人々のことを「難民」と言います。
2024年時点の難民、その他の国際保護を必要としている人の数は約4270万人。難民の約73%は中低所得国が受け入れています。また、2018~2024年の7年間で230万人以上の子どもが避難先で難民として誕生しています。
国内外で避難を強いられる人の3分の1強は、スーダン(約1430万人)、シリア(約1350万人)、アフガニスタン(約1030万人)、ウクライナ(約880万人)の危機から逃れた人々です。また、最も多くの難民を受け入れている5か国は、イラン(約350万人)、トルコ(約290万人)、コロンビア(約280万人)、ドイツ(約270万人)、ウガンダ(約180万人)となります。
しかし、厳しい情勢が続く中、2024年には故郷に戻る帰還民が増加。シリアの政権移管により避難先から戻る帰還民等、約980万人(難民:約160万人、国内避難民:約820万人)が故郷へ帰ることができました。故郷で再出発を果たそうとする帰還民は、紛争等で破壊され、不発弾も残る故郷での生活再建を強いられることになります。こういった帰還民も、UNHCRの支援対象者です。
* Global Trends Reportは国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が支援するパレスチナ難民 約590万人を含みます。
約7350万人の国内避難民
「国内避難民(Internally Displaced Persons)」とは?
国境を越えていないことから、国際条約で難民として保護されない人々のことです。しかし、難民と国内避難民の苦境は同質であることが多いので、共通の支援対策を執ることが最も現実的であることも多いのです。
1990年代、国外へ逃れられない人々の命を守るため、国内避難民を保護し支援することを決断したのは、日本人で初めて国連難民高等弁務官を務めた故・緒方貞子さんです。
国内避難民の数は暴力行為や紛争の激化によって2024年も急増の一途をたどっており、前年から9%増加しました。これは長期化するスーダンの紛争が要因の1つとなっており、スーダン国内避難民の数は1160万約人、前年より28%増加しました。また、東部で激しい武力衝突が続くコンゴ民主共和国では約690万人、2024年だけで新たに約74万人が国内避難を強いられたウクライナでは約370万人、ミャンマーでは約350万人、イエメンでも約480万人が国内避難を強いられている他、イスラエルからの攻撃により多くの人々が家を追われているレバノン、ギャングによる虐待と情勢不安が拡大するハイチでも国内避難民が増加しています。
加えて、自然災害/気候変動によって避難を強いられる人の数も増加の一途をたどっています。2024年、気候危機によって新たに国内避難民となった人の数は約4580万人、2024年新たに国内避難を強いられた人の約70%にも及んでいます。
約440万人の無国籍者
「無国籍者(Stateless)」とは?
無国籍であるということは、保健、教育、就職、移動の自由といった基本的な権利を奪うだけではなく、銀行口座を開設したり、携帯電話のSIMカードを購入したりすることすらできないことを意味し、どの国によっても国民と認められない人々のことを意味します。
無国籍という状態が生じる原因にはさまざまなものがあり、その中には、少数派の人々に対する国籍法上の差別がある場合、旧ソ連解体のように国家が独立(国家承継)した際にそれまでの住民の一部が国民として受け入れられない場合、そして関係国の法(両親や出生国の国籍法等)が対立し相容れない場合等が含まれます。
2024年末時点の無国籍者の数は約440万人。そのうち約180万人が、差別や迫害にさらされバングラデシュ等に逃れるロヒンギャ難民です。
なお、すべての国がデータを持って報告している訳ではないので、実際の無国籍者の数はこれより多いと考えられています。しかし、南スーダン、ベトナム、タイ、トルクメニスタン等、無国籍を撲滅させるためのアクションを起こす国々も多くあります。2024年、無国籍の解消に向け、約4万7200人が市民権を獲得、その人数は過去2年間に比べ約50%増加しています。
約840万人の庇護希望者
「庇護希望者(Asylum Seekers)」とは?
自身の故郷から逃れて他の国にたどり着き、その国で庇護を希望する人々のことを言います。
UNHCRは、庇護希望者がより適切な援助と保護を確実に享受することができるように、各国に対して、その権利を守るための法律を整備する提言をします。庇護されると、難民認定や法的保護、援助物資を受けることにつながります。
2024年、個人による新規の庇護希望者は約480万件登録されました。前年比で約13%の減少となり、これはウクライナからの新たな庇護希望が減少したことが一因となりますが、国際的な保護を求めるこの約480万人のうちの3分の1以上は、ウクライナ(約87万9100人)とスーダン(約87万2400人)のわずか2か国からの庇護希望者でした。
2024年に難民資格を与えられた人数は約83万5600人で、前年より6%減少しました。2024年の保護率は約55%にとどまり、さらなる援助が必要とされています。
なお2024年、難民が最初に保護を求めた国から受け入れることに同意した第三国へと移る手続きである第三国定住で、約18万8800人以上が安全な生活を再建するプロセスを開始することができました。これは過去40年間で最多人数です。
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、 難民の命を守り、保護する機関です。
UNHCRは、シリア・アフガニスタン・ウクライナなど世界中で家を追われた難民・国内避難民を支援・保護し、水や食料、毛布などの物資の配布や、難民キャンプなど避難場所の提供、保護者を失った子どもの心のケアなど、最前線で援助活動に尽力しています。1991年から10年間、緒方貞子さんが日本人として初めてUNHCRのトップである国連難民高等弁務官を務めました。
※紛争や迫害などのため命の危険があり、国外へ逃れた人を「難民」、国内で避難している人を「国内避難民」と呼びます。
動画:難民とは?移民とは?
難民とは、紛争や迫害等によって国を逃れ、故郷での状況が安定するまでは安全に帰国できず、国際的な保護を必要とする人々です。移民とは、より良い生活を求めて自発的に国を離れますが、国へ戻ったとしても、戻った国で政府の保護を受けることができる人々です。
UNHCRの支援活動
◆緊急支援
紛争や内戦などの緊急時において、UNHCRは、いかなるとき、いかなる場所でも、高度に訓練された緊急支援チームを72時間以内に現地に派遣。逃れてきた人々の命を守るための保護・援助活動を開始し、世界各地にある備蓄倉庫からテント、毛布、水、食料、医療、生活用品などの援助物資を供給します。
◆自立支援
紛争や迫害で故郷を追われた人々の避難生活は十数年に及ぶこともあります。長い避難生活の間、学校に行けなくなってしまった子どもや、家族を失い社会的・経済的弱者となってしまった女性、故郷に戻れず生計を立てられなくなった人々のために教育支援・女性支援・自立支援を実施します。
国際情勢が激しく揺れ動く時代、今、私たちにできること
避難を強いられる人の約40%は18歳未満の子どもです。フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は「私たちは国際情勢が激しく揺れ動く時代を生きています。現代の紛争は、人々に深刻な苦しみをもたらし、脆弱かつ悲惨な状況を生み出しています」と訴えます。
日本から届ける支援は、避難を強いられた人々を援助するUNHCRにとって、なくてはならない支援です。継続的な支援を続けていただくことにより、迅速な緊急援助、水・食料の安定した供給や、長期の資金計画が必要な学校教育や難民への職業訓練や自立支援などを進めることが可能となるのです。故郷を追われ難民となった人たちは、極限の状況下で支援を待っています。
ひとりでも多くの難民となった人たちに寄付という形で支えていけるよう、私たちは今日も街頭で一人ひとりに声をかけています。
「今日、ここで、あなたと会えたから一歩踏み出すきっかけになった」。新たに国連難民サポーターに参加くださる方からのお言葉です。
ひとつひとつの積み重ねが大きな力となって、難民の命を救うことができる。
日本から届ける難民支援。私たちと一緒に難民支援の輪を広げていきませんか?
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