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エンジニアの馬場が語る、誰でもマネできる自分の市場価値を上げる方法

組織開発担当の池田瑛香が、株式会社Housmart(以下、ハウスマート)社員の仕事術に切り込んでいくインタビュー連載『Howsmart jobs! 』

第1回は、ハウスマートのマンションデータを一手に担うエンジニア馬場さんが登場。広大なデータの海を泳ぎ、必要なデータを奇跡の目利きで一本釣りしてくるエンジニアの馬場さんが、キャリア観点での市場価値の高め方を語ります。そしてエンジニアらしく?「仕事のセンス」を科学し持論を展開していくところは必見です。

【馬場聖(ばば・さとし)】ビール(サッポロ/ピルスナーウルケル)をこよなく愛するエンジニア。ハウスマート入社前は乗り換え案内の時刻表データの保守を行い、ハウスマートでもマンションデータを操り、「データ魔術師の馬場さん」という地位を確立し活躍している。


――最近は「データ魔術師の馬場さん(※)」と呼ばれていますが、馬場さん的にはどうなんでしょうか。(※人事の細川が言い始めたあだ名)

魔術師より魔導士の方がカッコイイですよね。導く方が字面的にも。

(なんか変なこだわりキタ…苦笑)


――まあ、ハウスマートは50人満たない小さな組織なんでデータの馬場さんというか、データ=馬場さんだし導く人というよりも術者の方がしっくりくるけど……。

……!!!

(非エンジニアがエンジニアにロジックで見事勝利した瞬間)


――(気を取り直して)今の馬場さんの仕事ってどんなことをしているのですか?

一言でいうとマンションデータの整理ですね。ハウスマートプロダクトのカウルには多くのマンションが載っていますが、マンション名が間違っていたり、住所が間違っていたりしたら問題ですよね。その情報が正しいのかを検知する仕組みを作ったり、正しい情報に置き換えたりする仕事をしています。マンションのデータってマンション名から始まり、住所、緯度経度、築年数、階数……と様々なものがありますし、ハウスマートは資産価値をデータにして見える化しているのでなかなか大変です。


――今までのキャリアもデータに関わることが多かったとか。

乗り換え案内サービスで時刻表データの保守に携わっていた期間が長いのですが、そこはTHEデータの部署でした。時刻表のデータは入手段階では不親切で実態と違っていてもそれが普通だったりします。例えば着時刻と発時刻が一緒になってることが多いのですが、実際には同時刻では無いし、朝のラッシュの時間帯とお昼の時間帯では状況が違います。同時刻のまま設計してしまうと乗り換えができないことが多く、それではサービスとして意味がありません。乗り継ぎする際の着時間を推定するプログラムを書くような仕事をしていました。特に新幹線は時刻を間違えて乗り継ぎができなくなると事故になるので(笑)、検証のやり方がダブルチェックとかそういうレベルではなかったです。

(先ほど失礼な写真を掲載しましたが、こちらが普段の馬場さんです)


――乗り換え案内サービスの経験はハウスマートに活かせそうですね。

仕事の進め方、何が着眼点なのか、特に危険な香りを察知する目利きみたいなところは活かせている気がします。一方でエンジニアとしての環境が全然違っていて活かすというよりも、学ぶことの方が多いなと。乗り換え案内サービスの時は、超がつくほどレガシーな環境で、データはエクセル、時刻表データは乗り換えエンジンにのませるためのCSVだったところを、やっとデータベース化したり、エンジニアがシステムに入ってコマンド叩くオペレーションをWebで自動化したりしている状況。ハウスマートは機械学習のフレームワークを活用してPythonを使う環境なので世界が違うというか。機械学習は本で読んでいたレベルで実装するのは初めてだったため苦労もありましたが学びが多かったです。自分自身の市場価値を高める方程式に見事ハマったプロジェクトですね!

(方程式について突っ込んで欲しい気持ちを隠しきれない馬場さん)


ーーそ、その方程式とは?

「経験と挑戦の掛け算」が市場価値を高める方程式だと考えています。自分自身の価値を高めるためには、できることを広げたり尖らせたりすることが必要不可欠。しかもできる人が少ないニッチな領域であればなおさらです。

今までの経験の枠内で仕事をしていると、経験が活かせるので社内の評価は高まるかもしれませんが市場価値はなかなか上がりません。未知の領域にどれだけ挑戦できるかが大事なことだと思います。

そして「過去の経験から活かせることは何かを的確に把握できていること」と「挑戦する上で今の自分に足りていないことを把握できていること」が特に大事だと思っています。


例えば、今回の私のプロジェクトは、時刻表などのデータ保守の経験によって、ハウスマートのデータをどのように整理すれば良いか、プロジェクトのプロセスや大事な着眼点を把握することができました。一方で環境が変わり機械学習の知見・スキルは不足していることもわかっていました。この理解によってやるべきことが明確になり、プロジェクトの成功確率を上げることもできるし、自分自身の市場価値も高めることができるようになると考えています。


――馬場さんの仕事で大切にしていることや哲学をぜひ教えてください。

仕事のできる人って、スピードの早い人ってよく言われるじゃないですか。異論は全くないですが、スピードの捉え方を間違うと危険だなと思っています。


――「仕事スピード」の捉え方??

スピードは大事です。でも、チェックとか業務を省いてスピードを上げても意味がない。

……と思いませんか?

(ジャパネット馬場は突然に)


データ関連は特にそうで、間違ったことによる後々のリスクを考えると、必要業務を省くのは極めて危険。「急がば回れ」が結果的にスピードにつながることも多くあります。最初の設計が肝だと思います。


――でも、どこまで丁寧にやればいいのか、線引きが難しくないですか??

それはまさにで、過剰品質も良くない。多くの場合は合格ラインを設けて、ラインに達したタイミングで業務を終えることかなと思いますが、計画通りきれいに進むことの方が珍しい。だから第3者評価を入れて止めてもらうのも大事かなと思っています。自分で「よしOK!」と判断するのってけっこう難しい気がしていて。まわりが判断できる体制を作れるといい気がします。

――他に馬場さんの仕事術はありますか?まわりからはどんなエンジニアと言われますか?

仕事術ですか……。まわりからは「勘が良いよね」って言われることが多いかもしれません。


――「勘」ってなんなんですかね。勘が冴えてるよねとか、センスがあるよねとか言うじゃないですか。そしてそれは鍛えようのないものとして話されることが多い気がするのですが。

勘とセンスは別物かなと思います。勘って経験から紐づくものだと思うんですよね。トライ&エラーを繰り返したことによる経験から事前に予測判断できることが勘。実際、勘が働くのは経験値の高い領域に多いと思います。
センスはというと経験から紐づくかというとイコールではなさそう。なんとなくクリエイティブな要素に感じますよね。でも私はあまりセンスは生まれ持って持ち得ているものではないと思っています。

「自分のスキルとマッチしている業界・会社を選べているかがセンス」だと思うんですね。

(アナタ…ナニモノ…?)


エンジニアといってもエクセルしか使えないような人もいます。でもその人が輝く業界や会社は意外にあります。ベストマッチな業界や会社を選べていれば、その人は輝くしセンスある人材として認められていると思うんですよね。その人にしか持ち得ない高次元での「センス」もあるかもしれませんが、そういう人はかなりのレアキャラで、まずは自分のスキルとマッチしている業界・会社を選べているかかなと。


最後に(池田)
偉業を成し遂げていらっしゃるにも関わらず、あくまで謙虚な姿勢を崩さなかった馬場さん。しかしデータについてや仕事をする上でのこだわりをお伺いすると一変、いつもの穏やかな彼からは想像できないくらい熱く、前のめりで語ってくださいました。今回のインタビューを通して、緻密な仕事の裏にある地道な努力を垣間見たような気がしました。スピードが求められる時こそ「急がば回れ」。私も肝に銘じて仕事をしていきたいと思います。馬場さん、お忙しい中ありがとうございました!

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