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データサイエンティストが物流業界の改革を決心した理由

試行錯誤しながら習得した数理分析力

現在はGROUND株式会社のChief Data Officer及びGlobal Innovation統括責任者として、人工知能を活用したアルゴリズム開発からデータビジネス企画策定まで担当しています。 理系出身の人間だと社内でも思われていますが、学部時代は法学部で刑事政策や犯罪心理学を専攻しており、数学や統計は苦手な文系人間でした。とはいえ、法律と数学にはロジックで考えつつデータで実証していくという共通点があり、そこに現在の自分のルーツがあるのかなと思っています。

その後、米国留学時に博士論文を書くために統計や機械学習の理解の必要性に迫られたり、留学先で多変量統計やベイズ統計を教える機会に恵まれたりと、理系出身のデータサイエンティストが多い中、一味違った経緯で数理アルゴリズム開発という世界に足を踏み入れました。

物流改革を意識し始めたフリーランス時代

博士課程での研究テーマは、商業地区や工業地区といった土地利用を変化させると通勤時間・距離がどう変化するかを統計的シミュレーションを使って実証しよう!、というものでした。SimCityという都市開発ゲームがありますが、そこに実装されているアルゴリズムを実証研究していたといった方が簡単かもしれないですね。

大学院卒業後は外資系コンサルティング会社で、「営業人数を200人と設定したら各営業担当がどの地域をカバーするのが最も売上が高くなるか」といった数理最適化を、その後のデジタルマーケティング会社ではウェブやアプリの遷移データを使って広告予算配分最適化や顧客離脱回避分析などを行うグループを統括していました。

2013年7月に子育てと仕事を両立するためにフリーランスとなり、農業生産や農作物流通の効率化、インドのSNS企業の分析組閣支援、そして某大手商社の投資アドバイザリーまで、幅広いプロジェクトに携わる機会に恵まれとても楽しく仕事をすることができ、自分自身も成長させて頂きました。その中でも農業分野は、実家が農家で小さい頃から家業として手伝っていたので、私個人のライフワークとしてもとても大切にしています。

世界人口が2050年までに96億人になり食糧生産が人口増加に間に合わないこともあり、農業生産力を強化すべく世界が動き始めています。一方、食材が規格外で市場に出せなかったり、中間業者が多く介在したり物流インフラが未熟なせいで鮮度が落ちる結果、世界の食糧の1/3が廃棄されていると言われます。 物流インフラが整備され流通効率が向上することで食糧廃棄が軽減されるのであれば、農業生産を進めることによる環境破壊も軽減されるのではないかと考えるようになり、次は物流をもっと深掘りしていきたいと強く思うになりました。とはいえ、フリーランスという立場上、企業の看板がない中、生計をたてていくためには自分の興味だけを追求することはなかなか難しい状況でした。一方、時間は思っている以上に有限で、本当に自分がやるべきことに集中しなくてはいけないのでは?という気持ちになっていたときにGROUNDの宮田に出会いました。最初の数ヶ月は業務委託契約を結びパートタイムで参画していましたが、ここで物流インフラの問題に取り組もうと決意し、2017年4月にChief Data Officer及びGlobal Innovation統括責任者として入社しました。

フラットな職場で色々と議論しながら次世代物流を試行錯誤する日々

少子高齢化が進むと同時にオンラインショッピングはどんどん生活の中でなくてはならないものとなってきています。それにともない、時間外労働で疲弊する物流現場がクローズアップされたり、宅配業者が荷受量を制限せざるを得なかったり、従来のビジネスモデルでは対応が困難になってきています。変化が求められる今こそ、テクノロジーを物流という分野でどう活かすかが試されていると思います。

まず、GROUNDはインドのGreyOrange社のButlerロボットを使った次世代物流を展開しています。その中で私の役割は、人工知能を使った倉庫作業最適化、人とロボットの配置最適化、配送積載効率最適化、などのアルゴリズム開発とそれにともなうハード設計という立場で、次世代物流のあるべき姿を提示することです。

とはいえ、ハードとソフトウェア開発だけでは次世代物流の実現は難しいかもしれません。そのためにも、アセットシェアリング、ブロックチェーン、Internet of Things、などを組み合わせて次世代物流を仕組み化することが大切だと考えていますが、職場でも絶えずそういう会話が飛び交っています。まだ社員も10人ちょっとで、役職や組織の壁もないフラットな組織なので皆さん日々楽しんで業務に取り組めるはずです。

北米や東南アジアへの海外出張も多く、グローバルに物事を考えてこれまでの日本の物流の当たり前を疑ったり、オフィスに来られる異業種の方々から物流改革の意見を伺ったりと、成長の機会がとても多い毎日です。

今後どういうことをしていきたいか

私個人が直近3年で成し遂げたいことは3点あります。まずは、日本発・世界で勝負できる物流テクノロジー企業を作り上げ物流のビジネスモデルを変えること、次に、好奇心あふれたエンジニアとデータサイエンティストを集めてとにかく楽しく物流改革を進められる組織を作り上げること、最後にオープンイノベーションを標榜するからには多様なメンバーを積極的に採用して多様な働き方を実行していくこと、です。

物流は生活基盤の肝です。

我々が目指す物流改革に興味がある方のご応募お待ちしております!

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