カスタマーサポート(CS)と聞くと、お客様からのクレームや問い合わせに対応する仕事というイメージを持たれる方は多いかもしれません。しかしグリーのCSが行っていることは、一般的なカスタマーサポート業務だけではありません。
「一緒にゲームづくりに携わっているという感覚が得られるのは非常に嬉しい」
そう語るのは、グリーのCSグループにてマネージャーを務める陶山さんです。グリーのCSグループは、お客様対応を行う外部拠点と連携し、寄せられたお客様の声をもとにゲームやプロダクトをより良くするための改善提案といったCSの上流工程を担っています。
そこで今回は、CSグループ マネージャーの陶山さん、同じくCSグループの高橋さん、小松さんに、グリーのCSグループがどういったことを行っているのか、そして日々のやりがいやグリーのCSの面白さについてお話いただきました。
プロダクトが世に出てからが本番。お客様からいただいたフィードバックをもとに改善提案を行うのがグリーCSの仕事
―― グリーのCSグループは、どういったことを担う部門なのでしょうか?
陶山:カスタマーサポート(CS)と聞くと、お客様からのクレーム対応であったり、何かお客様の困っていることに対してトラブルシューティングを行うことがメインと思われるかもしれません。
しかしグリーのCSグループでは、いわゆる一般的なカスタマーサポートと聞いてイメージするようなお客様対応を内製で行っておらず、外部のお客様応対拠点と連携して進めています。
そして応対拠点から上がってくるお客様のご意見の分析であったり、分析結果をもとにプロダクトの品質管理や改善提案を行うといったCSの上流工程を担うのがCSグループの主な役割です。
高橋:たとえば私の場合は、CSグループ内で分析用のデータベース構築やダッシュボードの保守などの他、担当するゲームタイトルに対しての改善提案を行っています。
タイトルによって行うことも異なるのですが、ゲームの品質向上に取り組むQAチームと連携して一緒にプロダクトチームに提案を行うなど、他部門とコミュニケーションを取る頻度も多く、事業に直結したCSだと感じています。
小松:ゲームであればKPIのひとつとしてDAUを見るわけですが、DAUの推移にあわせてお客様からどういった声が上がっているのかを分析することで、DAU増減の要因をCSグループ側でも調査するといったことも行っています。
そのため、お客様の抱える課題解決はもちろん、お客様の声をもとにゲーム自体をどう改善していくか、どう面白くしていくかとサービスをより良くするための分析や提案を行える環境があることがグリーならではのCSだと思っています。
写真左からCSグループ 陶山さん、高橋さん
―― CSグループとして、どのようなミッションを掲げているのでしょうか?
陶山:まずCSグループが所属するCPS(Customer & Product Satisfaction)部では、「プロとして業界ナンバーワンのサービスを提供する」という大義を掲げており、その中でCSグループは3つのミッションを掲げています。
1つ目が、「グリーCSならではのベストプラクティス、ベストモデルの確立を目指す」というものです。CSは裏方仕事のイメージが世の中ではあると思いますが、CSの存在価値を高め、CSとしての付加価値向上に繋げていきたいと考えています。
そして2つ目がお客様に安心してサービスを利用いただけるよう、「リスクを未然に防ぐ」ということ。最後に3つ目が、自ら能動的に動き、市場価値の高い人材になっていくために、「自立した組織を目指す」ということです。
特に1つ目のグリーCSならではのベストプラクティス、ベストモデルの確立に向けた取り組みは、自分たちだけの成果に留めず、CS業界やエンタメ業界にも積極的に発信を行い、業界全体が成長していくことを目指しています。
そのため、先程の話にも出たお客様の声をもとにゲーム自体をどう改善していくか、データをどう評価・活用しているのかといったことも、他社のCS部門の方々と合同で勉強会を開催したりしています。
小松:グリーCSならではのベストプラクティスやベストモデルの確立を目指す取り組みは、具体的な施策に落とし込み、日々取り組んでいます。
たとえばお客様にサービスを利用していただく中で、ゲーム内だけでなく、ヘルプページがどうあるべきかを考えることも大切です。そこでベストプラクティスの確立施策として、ヘルプページの改善提案もCSでは行っています。
一般的にヘルプページはテキスト中心に構成されることが多いと思いますが、ゲームは複雑な仕様もあるため、画像や動画をヘルプページ内に挿入し、より使いやすいサービスを目指すといったことに取り組んでいます。
高橋:グリーのCSグループはプロダクトが世に出てからが本番で、お客様からいただいたフィードバックをもとに分析・提案していくのが仕事です。
いただくフィードバックの中には事前に気づけなかった点も多く、運営方針に影響するような内容もあります。そうした大きな課題に立ち向かえるのがグリーCSの面白さです。
そしてお客様からの定性的なコメントだけでは、定性的な提案しかできません。そこで精度の高い提案に繋げていくために、定量的なデータの収集にも取り組んでいます。
たとえば様々なデータが点在しており、それらを収集・加工するだけでもコストがかかってしまうため、データポータルを構築し、横断的なデータをひとつにまとめるといった取り組みを行っています。
こうした取り組みは中長期的な取り組みではありますが、どういったデータがあればどんな提案ができるか、どういった施策に展開できるかなどを模索して実行することもグリーCSの面白さだと感じています。
様々な事業を展開しているからこそ、CS業務を通じて未知の領域での経験値が増え、自身の知見が広がっていくことが面白い
―― CSの上流工程に関わることのやりがいは、どういったところに感じられていますか?
小松:私たちCSグループは、CSの一次応対に携わるものではないものの、お客様に真摯に向き合うということには変わりません。CSの上流工程である二次応対という立ち位置でプロダクトサイドと連携していますが、お客様に真摯に向き合いつつ、事業観点でどうあるべきかを分析・提案することが求められます。
そのため、いろいろと考えなくてはならないことが多くて難しい仕事ではありますが、その難しさがやりがいですし、難しいことを乗り越えて顧客満足度などの数字に表れたとき、良い成果に繋がったときがCSの上流工程に携わる大きなやりがいだと感じています。
高橋:定常的なお客様からのお問い合わせの中には、どういった意見が何割あるのかを常に分析していますが、当然ながらゲームに対する不満の声は多く寄せられます。
そこでゲーム性を担保しながらも、お客様にどうすれば気持ちよく利用してもらえるか、どんな改善ができるかを模索しながら、QAチームなどと協働してプロダクト側に提案を行っています。
そうした提案をもとに改善がなされ、アップデートした旨をお客様に対してSNSなどで告知をするのですが、その際に「神アプデ」といったコメントをいただけたときは、本当に嬉しく思いますし、上流工程に携わることの大きなモチベーションに繋がっています。
陶山:私たちCSグループは、「どうすればよりお客様に満足してもらえるか」といったことをCSの観点から考え、開発チームなどと一緒に話し合っていきます。そのため、一緒にゲームづくりに携わっているという感覚が得られるのは非常に嬉しく、大きなやりがいに繋がっています。
―― ゲームやメタバースといった領域の事業を展開するグリーのCSだからこその面白さは何かありますか?
高橋:そもそも私と小松さんはゲーム好きで、お客様から寄せられるコメントはどれも非常に共感できる内容ばかりなんですね。やはりゲームなので私自身プレイヤーとして楽しみたいという気持ちがありますから、当事者として改善の提案ができるというのは面白さのひとつでもあります。
また物理的なプロダクトの場合は、即時に改良するということが難しいわけですが、ゲームであればコードを変えれば即反映されます。改善内容に対してお客様のリアクションが短いスパンで得られることも、面白さのひとつです。
小松:高橋さんからもあった通り、やはりゲーム好きとしてお客様の声はどれも「わかる、わかる」という感覚があって、お客様視点でデータを交えながら改善提案をしていくというのは、非常に面白いですね。
また、メタバース含めグリーはゲーム以外にも様々な領域で事業展開をしています。そのため、CSグループの業務を通じて未知の領域での経験値が積める機会があり、自身の知見が広がっていくという感覚が得られることも面白さだと感じています。
社会でのCSのイメージを変えていく。個々が主体性を発揮してチャレンジできる環境がここにはある
―― CSグループは「自立した組織を目指す」というミッションも掲げられていますが、具体的にどういった環境があるのでしょうか?
高橋:一人ひとりが主体性を発揮して、いろいろなことにチャレンジできる環境があるなと感じています。
たとえば、もともとお問い合せ件数の集計も手作業で毎週送られてくるという状況だったのですが、私の起案でデータ集計の仕組みをつくり、クラウド上で全員が見れる状態をつくるというプロジェクトを進めていきました。
こういったプロジェクトも上から与えられるのではなく、どういった効果が見込めるのかを自ら提案し、実際にプロジェクト化して取り組める環境がCSグループにはあります。
また個々の挑戦や取り組みを社外に発信しているのですが、そうした社外発信を通じて業界内での自分の価値をアピールできますから、社内だけでなく、業界内で自身のプレゼンスを高めていける環境だと感じています。
小松:またグリーのCSグループは、開発やQA、プロダクト、また法務など、様々な部門と連携する機会が多く、常に全体感を俯瞰して見て進めていくことが求められます。幅広い知見やスキルが求められることもあるため、そうした様々な経験を通じて成長していける環境があるのも、CSグループの特徴だと思います。
陶山:やはり、一人でできることには限界がありますから、プロジェクト化してグループ全体で取り組むなど、個々の挑戦をサポートし、いま以上に成長し続ける組織にしていきたいと考えています。
そのため現状維持ではなく、「常により良くしていくためにどうするか」というマインドセットを持っているメンバーが集っていますし、主体的に動けるメンバーが多くいます。
CSという枠にとらわれずに、いろいろなことにチャレンジできる環境ですから、ゲームに興味がある方もCSに興味がある方も、面白い視野を持って仕事ができると思います。
―― 最後に皆さまの今後の展望、そして求職者の方へメッセージをお願いいたします。
小松:現在データ集計関連の施策を進めているのですが、まだまだ私の知識不足なことも多く、日々壁にぶつかっています。しかし、この壁を乗り越えていき、今後も自分自身のスキルや知識の幅を広げていきたいと考えています。
そして、お客様はサービスが好きだからこそ、より良くしていきたいという思いで声を届けてくれていると思っています。そのため、そうしたお客様の声をもとにサービスの改善提案を行っていくことに喜びを感じる方は、ぜひグリーのCSでチャレンジしてほしいです。
また分析などの従来のCSの枠を超えたスキルを身につけられる環境ですから、自らのキャリアをステップアップさせていきたい方、そしてゲームが好きという方、ぜひ一緒に働きましょう。
高橋:コロナ禍でリモートワークが進み、部門間のコミュニケーションの方法も変わってきています。そうした中でいかにコミュニケーションコストや作業を減らし、新しいことを考えたり、価値創造にフォーカスできる環境づくりに私自身は挑戦していきたいと考えています。
また、私はゲームが好きなため、お客様にも喜んでもらえるものと自分自身が楽しいと思えるものが一致する仕事だと感じています。
そしてグリーのCSグループは、CS職以外の職種出身の方も増えてきており、お互いの知見をリスペクトしながら仕事ができる方、よりお客様に喜んでもらえるものを提供していきたいと考えている方とぜひ一緒に働きたいです。
陶山:私はマネージャーとして、そうした個々のチャレンジを応援していける組織をより目指していきたいです。またニッチなイメージがあるCSですが、そうしたCSに対するイメージを変えていくためにも、これからも社内外に情報発信を行っていきたいと考えています。
そしてCSに求められることは、お客様の声という顕在化されたニーズだけに向き合うのでなく、まだ声としては表れていないけれども、データに隠された潜在化されたニーズを見つけ、アプローチしていくことだと考えています。
そういったCSの上流工程に携わることに興味がある方、そしてプロダクトと連携してゲーム自体を良くしていく仕事に興味がある方のご応募をお待ちしております。