GRASグループは設立して17年目を迎えました。サービスをご利用いただくお客様も順調に増え、複数の新規事業立ち上げを進める中で、プロダクトのさらなる品質向上のためにエンジニア組織の育成・開発が急務です。
副業ジョインを経て2021年7月に正式入社した溝口さんは、IT大手・ヤフー株式会社でエンジニアとして開発とマネジメントに携わってきました。「40歳を前に、激しく変化したかった」と語る溝口さんが、ネクストキャリアにGRASグループを選んだ理由とは?エンジニアとしての強みや仕事の価値観、GRASグループで成し遂げたいことを聞きました。
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スクラムマスター、プロダクトオーナーからチームマネジメントへ。成長が途切れなかったヤフーでの8年間
― これまでの経歴を教えてください。
もともとサイエンスの分野に興味があり、東京大学に入学後、主に数理工学を学びながら博士課程まで進学しました。しかし途中から趣味のプログラミングに熱中してしまったのと、ものづくりでもっとダイレクトに社会貢献したい気持ちが芽生えてきて。悩みながらも思い切って博士課程を中退してヤフーに入社し、8年間プラットフォーム開発エンジニアとして勤務していました。
― それは大きな方向転換ですね!結果的に8年という長い期間ヤフーに在籍されたんですね。
「気づいたら8年経っていた」という感覚です。チームにかなり裁量が与えられる環境だったので、いろいろな役割に挑戦させてもらえましたね。入社してすぐに設計改善や難しく規模の大きな実装などを任されました。
アジャイル開発プロセスとしてスクラムが採用されてからは、開発チーム、スクラムマスター、そしてプロダクトオーナーを経験。最後の2年間は管理職として部下のマネジメントと評価を行いつつ、スクラムの各役割の育成をするなど、担当プロダクトの成功に責任を持っていました。
特に印象に残っているのは、2年ほどかけて、担当プロダクトをレガシーなシステムから新システムに移行したことです。使用言語はC++とPHPがメインだったのが、Node.js、Java、TypeScript、Goへと移り、C++が使用されるのはCPU処理が重たい一部のコンポーネントのみの状態に。DBをスケールアウト可能なものに移行し、コンポーネント間通信も分散メッセージキューに移行するなど、特定ノードの障害やリクエスト数増加に対するメンテナンスコストがかからないシステムへと変化させました。
レガシーなシステムからモダンなシステムへと移行する作業の最初から終わりまで関わることで、ステークホルダーとの調整、厳しいスケジュールに対応するための開発プロセス改善、リプレイスしたシステムで発生する新たなバグや障害の対応など、あらゆる場面での胆力がついたと思います。
― ヤフーではエンジニアの実務からリーダー育成まで幅広く経験されてきたんですね。
はい。自分で手を動かすことから、マネジメント・育成まで、さまざまな開発環境で一連の業務に携わったことは、自分のキャリアにおいて大きな強みとなりました。新しい役割に挑戦するたび視野が広がり、新しい課題を発見しては解決する日々で、成長がまったく途切れなかったのがヤフーで8年間続いた理由のひとつだと思います。
起業計画から一転、GRASグループへジョインを決めた
― 充実したキャリアを歩んでいた中、転職のきっかけは何だったのでしょうか?
自分の人生で何を成し遂げたいか考えたとき、「40歳までに、いつ死んでも後悔しないくらいの挑戦をしておきたい」という気持ちがありました。
ヤフーの環境は本当に刺激的で、今でも感謝しています。ですが、多くのレイヤーが存在する大企業で、次のステップとして数年かけて部長を目指すのか?そう考えたとき、30代でもう一度激しく変化できる環境に身を置きたいと思ったんです。
もともとサービスの構想を考えるのが好きだったので、当初は週2~3日ほど業務委託で働きながら自分の事業を立ち上げようと計画していました。そんな中、Wantedly経由でGRASグループから声をかけてもらい、まずは副業でジョインすることにしたんです。
― 最初は副業からの参画だったんですね。起業を考えていた中、正式入社を決めた理由が気になります。
端的に言うと「自分の時間を投資する価値のある、貴重な経験ができる」と感じたからです。人事責任者からのオファー内容や私に対する期待の言葉を聞いて、「エンジニア組織の改革を実行する」という経営層の強い意思と覚悟が見えました。ならば自分もそれに応えようと、フルコミットする覚悟を決めました。
「これがやりたい!」と心からワクワクする選択肢ってなかなか巡りあえません。来たボールを掴めるときはすぐに掴みにいったほうがいい。急遽の方針転換でしたが、このチャンスは、絶対に今取りに行くべきだと直感しました。
GRASグループは、今まさに組織が拡大するフェーズにいます。役割定義や部下の育成など、エンジニアとして自分の経験やスキルは大きく役立てられると思います。また、自分はリスクの見積もりさえできたらそのリスクはむしろ果敢に取りに行って行動するタイプで、ときには上司から「実行力がありすぎてハラハラする」と言われることもあったのですが(笑)、変化が速いGRASグループではそれも強みになると考えています。
GRASグループに入社して感じた「実直さ」と「本気」
― 実際に入社してみての率直な印象を教えてください。
魅力に感じる点が大きく2つあります。
ひとつは、メンバーの人柄の良さ。GRASグループの行動理念の一つに、「実直」があります。業務委託で入ったときから、理念通りの人が多いと感じていました。たとえば同僚にいきなりslackでDMを送っても、いつも礼儀正しく丁寧に回答をもらえます。
エンジニアのチームって、お互いにスキルがあればあるほど、つい主張をぶつけ合って雰囲気が悪くなってしまうことがあるんです。その点、GRASグループではお互いを尊重するコミュニケーションを取れる人が多い。一つのプロダクトを共に作る仲間なのだから、信頼関係をいかに築けるかはすごく大切です。これまでのマネジメントで苦労したこともあったからこそ、気持ちよく仕事できる環境を魅力に感じましたね。
会社の成長フェーズではさまざまなタイプの人が入社してカオスになりがちですが、スピード感を持って採用を進める時期にあっても、GRASグループはしっかりと理念に沿った採用を実行しているのだと思います。
― バリュー(行動理念)が、一人ひとりのコミュニケーションにも浸透しているんですね。2つ目はなんですか?
経営層から伝わってくる、エンジニア組織改革への本気度です。まず改革への想いや私に対する期待をきちんと言葉にしてくれたので、それを十分に感じ取れました。
さらに入社直後には、社内の管理職・経営層・若手リーダーの人たちと1on1で深く話す機会をもらえたんです。エンジニア組織も事業も成長させていくためには、経営やマーケティング部門との連携は必要不可欠。どのレイヤー・職種の人とも、事業について合理的で突っ込んだ話をできるのは、開発環境においてもプラスになると捉えられましたね。
「後天的な努力で才能を開花」できるエンジニア組織をつくる
― あらためて、現在の担当業務とミッションを教えてください。
学校向けオンライン英会話事業の開発部をリードしつつ、開発組織全体を見るために、キャッチアップを進めているところです。
開発組織としての正式なミッションはこれから策定する予定ですが、個人としての目標は、事業の成功に貢献し続ける「自律的で強い開発組織」を作ることです。具体的に言うと、組織の規模が拡大する中でも、しっかりスケールして品質の高いシステムを維持しつつ、ビジネス上で重要な案件を迅速に開発できるような体制や仕組みを作りたいと思っています。
― ミッション達成にあたり、課題に感じる点はありますか。
エンジニアとビジネスサイドの連携はまだまだ足りないと感じます。エンジニアサイドの進め方において、工数が細かく決められている部分もあれば、逆に遠慮されすぎていると感じる部分があったり。全体の開発生産性とエンジニアのモチベーションの両面で、改善したい点が多くあります。
これは、エンジニアとビジネスサイドの知識差から来るものだと思っていて。ビジネスサイドに歩み寄れるエンジニアと、逆にエンジニアの専門領域に踏み込めるビジネスサイドのメンバーを、各プロダクトごとに育てていくことが必要です。私が両者をつなぐ架け橋となって、組織開発を強力にリードしていきたいですね。
― 心強い言葉です。最後に、溝口さんがGRASグループで成し遂げたいことを聞かせてください!
エンジニアが「GRASグループで成長したい」と思え、積み上がった成長が実感できる環境と仕組みを作ることです。GRASグループが掲げる「後天的な努力で才能を開花させる」という言葉がとても好きで、それを実現できる組織を作りたい。
スキルアップの支援は筋トレに似ていて、継続とモチベーション維持が肝心です。例えば、勉強会の実施や相互フィードバックを通じてお互いの成長を支援し合える環境を整えると、モチベーションが飛躍的に上がります。
また、開発組織における評価制度やグレードを用意してスキルアップが証明しやすくなれば、エンジニアのやる気も出ますよね。それに刺激を受けて「私もさらに成長したい」と、あとに続くエンジニアも増えるはずです。
スキルアップしたエンジニアのアウトプットが事業の成功に結びつき、会社も成長する。そんなサイクルを回していきたいですね。
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◇略歴◇
溝口伸幸 Nobuyuki Mizoguchi
SDX事業本部開発部部長
東京大学にて博士課程まで進学後、中退しヤフー株式会社に入社。ヤフーでは通知プラットフォームの開発運用に8年間従事。増大し続けるシステムのニーズとリクエスト数に対応するため、日々の運用改善に加えて新規アーキテクチャの設計と移行をリードしてきた。理念集で好きな言葉は「どれを選択したとしても、人はいずれ死ぬべき存在であり、何をするのにも命懸けである」。
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